多重債務国の韓国で今度は「脆弱企業」比率が4割突破
人口の1割弱が多重債務者の韓国で、今度は企業債務負担が悪化しているとの情報が出てきました。韓国銀行の調査によると、韓国企業の約4割が「脆弱企業」なのだそうです。ここで「脆弱企業」とは稼いだ営業利益で利息を支払うことができない企業のことだそうですが、こうした状況で韓国銀行が利上げに踏み込むことは難しく、韓国の危機はまだ続きそうですが、これについて日本は静観するのが鉄則です。
目次
「韓日関係、急速に改善!」
日韓関係は急速に改善している。
尹錫悦(イン・シーユエ)韓国大統領が勇気をもって打ち出した日韓関係改善策により、いわゆる強制徴用工問題が、解決したからだ。日本の岸田文雄首相もこの尹錫悦大統領の強制徴用工問題解決案を、日韓関係改善に向けた動きとして「高く評価」したほどだ。
日本にとって韓国は一衣帯水の関係にあり、歴史的にも地理的にも、密接な関係にある。
いわば、両国は切っても切れない関係にあるのだ。
日韓両国は経済的な関係も深く、人的つながりも深い。また、朝鮮半島有事の際には、日韓の密接な関係は日本にとっても必要だ。日韓両国は複雑な歴史問題を抱えているが、こうした問題を乗り越え、未来志向で関係を発展させていくべきだろう
―――。
自称元徴用工問題はまったく解決していない!
こんな寝言を述べるメディアないし政治家が今後、増えて来るものと思われますので、いちおうマジメにツッコミを入れておきますと、少なくとも自称元徴用工問題が解決した、という事実はありません。
自称元徴用工問題とは、韓国で国際法に反する違法な判決が下され、それにより国際法を無視して日本企業に不当な損害賠償が命じられた事件のことであり、そもそもの違法判決が無効化されていない以上、問題の解決にはなっていないのです。
ただ、韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領が打ち出した、いわゆる「財団方式による解決策」自体、日本の外務省が「共犯者」として密接に関わっていることはほぼ間違いなく、その外務省の意見にコロッと騙されたのが岸田文雄首相、という構図です。
想像するに、岸田首相といえば前任者の菅義偉総理大臣、あるいは故・安倍晋三総理大臣らと異なり、おそらくは官僚・官僚出身者以外のブレーンがほとんどいないのではないでしょうか。
しかも、驚くことに、解決になっていない自称元徴用工の「解決」策に騙され、日本政府は火器管制レーダー照射事件を不問に付し、韓国の迂回輸出疑惑等に対応して安倍総理の時代に講じられた2019年7月の対韓輸出管理適正化措置を、国民の圧倒的多数の反対を無視して撤回してしまいました。
本当に、岸田首相の実務能力のなさには驚くばかりです。
スワップは日本から韓国への一方的支援
ただ、これだけで驚いていてはなりません。本当に強烈な話題があるとすれば、鈴木俊一財相が6月、韓国側との日韓財務対話を通じ、日韓通貨スワップの再開に合意したことです。
日本は外貨準備が1兆ドルを超え、日本円も国際的に広く通用するハード・カレンシーであるのに対し、韓国は見かけの外貨準備こそ4000億ドルを超えているものの、実際に使用可能な金額については実在性が疑問視されており、また、韓国ウォンは国際社会で通用しないローカル通貨に過ぎません。
韓国側がいう「韓日金融協力」の正体とは、通貨ポジションが強い日本が、通貨ポジションが弱い韓国を一方的に助けることにあります。
しかも正直、私たち日本人としても、韓国政府や韓国メディアから、「わが国は通貨ポジションが弱いから、日本が通貨スワップでわが国の金融システムを信用補完してくれている」、とざっくばらんに表明があれば、まだ納得できなくはありません。
しかし、この「日本が韓国を一方的に助けている」という実態を無視し、日韓通貨スワップを含めた日韓金融協力を、あたかも日韓双方にメリットがあるかのごとく言い募るのを見ていると、本当に気分を害するという日本人は多いのではないでしょうか。
日韓スワップ、どうなった!?
もっとも、ここでちょっと奇妙な話があるとすれば、財務省からも日本銀行からも、現時点において、日韓通貨スワップの詳細な契約条件が公表されていない点です。鈴木財相が韓国側とスワップの再開で合意したのは6月末で、現在はもう10月下旬です。
どうして現時点においてもこれが公表されていないのか――。
これについては以前、当ウェブサイトでも、「財務省関係者のリーク」と称し、「日本側が発表していない内容を韓国が勝手に発表してしまい、これで日本政府側が気分を害し、交渉が停滞しているからだ」、といった説を書き込んだ方がいらっしゃいました。
この当ウェブサイトへの書き込みが本当に財務省関係者からのものなのかについては、検証のしようがありません。
ただ、仮説としては十分に納得がいくものです。
『日韓通貨スワップはどうなった?』でも取り上げたとおり、たしかに韓国側の発表内容は日本側のそれと比べ、ずいぶんと踏み込んでおり、また、日本側が述べてもいない、「スワップの期間は3年」などとする情報が、韓国政府側から勝手に発表されていたからです。
ではなぜ、韓国はここまで踏み込んで発表をしたのか――。
これについては、「国を挙げてウソをつくのは韓国の特徴だからだ」、といった説明はわかりやすいものでしょう(実際、韓国政府は虚偽の内容を発表した前科がいくらでもあります)が、考えられる理由は、それだけではありません。
「韓国が現在、よっぽど困っているから」、ではないでしょうか。
高金利、多重債務に苦しむ韓国経済
おりしも先日の『人口の1割弱が多重債務者=韓国』でも取り上げたとおり、韓国の野党議員が韓国銀行から入手したデータによると、「多重債務者」、すなわち「3箇所以上の金融機関から上限までおカネを借りている債務者」の人数が、人口のざっと1割弱に達しているのだそうです。
そうなると、困ったことになるのが金利でしょう。
実際、米韓両国の金利差は、昨年9月のFRBの利上げにより逆転しているのですが、韓国銀行としては今年1月に3.5%に利上げして以来、利上げに踏み切れずにいます(図表1)。
図表1 政策金利米韓比較
(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, Policy rates (daily, vertical time axis) をもとに著者作成)
じつは、これでも韓国銀行としては精いっぱい、利上げをした方です。
しかし、これ以上利上げをすればこれらの多重債務者の破産が続出しかねませんし、だからといって利上げを渋れば、またいつ、外貨資金が韓国から逃げていくかわからないという、非常に不安定な状況に置かれているのです。
だからこそ、(たかだか100億ドルでも良いから)とりあえずは日韓通貨スワップ協定を再開し、期間も3年と置くことで、金融市場の不安を口先で止めようとした、というのが韓国政府の狙いだったのかもしれません。
それに、100億ドル程度で韓国の通貨危機を予防し得るというものではありませんが、とりあえず通貨スワップ協定を再開しておけば、そこから危機の際に緊急でスワップを増額することも可能です。ちょうど、野田佳彦元首相の時代に、スワップの規模を700億ドルに拡大したようなものでしょう。
利息が支払えない「脆弱企業」が4割超す
ただ、韓国において切実なのは、どうやら家計債務問題だけではなさそうです。
韓国メディア『中央日報』(日本語版)に25日、こんな記事が掲載されていました。
利子も払えない企業、昨年42.3%で最高=韓国
―――2023.10.25 16:07付 中央日報日本語版より
中央日報によると、物価高や金利高の影響で、2022年において韓国企業の10社に4社(42.5%)は「稼いだカネで利子も払えない『脆弱企業』」であることが、韓国銀行の分析で明らかになったのだそうです。
ちなみに「脆弱企業」の割合は、韓国銀行が関連統計を作成し始めた2009年以来で最高となり、また、負債比率は122.3%、借入金依存度は31.3%と、2015年(それぞれ128.4%、31.4%)以来の最高値となった、などとしています。
ここで「脆弱企業」とは「営業利益の額が支払利息の額を下回っている企業」、「借入金依存度」は「借入金÷総資産」のことをそれぞれ意味するのだそうですが、もしも韓国銀行が利上げをすれば、「脆弱企業」の割合はさらに増えることになりそうです。
やはり韓国銀行もこれ以上の利上げに踏み込みたくなく、ホンネをいえばむしろ利下げに踏み出したいところなのですが、利下げをすれば、ハンドリングを間違えるとウォンの暴落につながりかねません。1ドル=1350ウォン台が常態化しているなかで、これ以上の通貨暴落は韓国企業破産の一歩となりかねないのです。
もしも「日韓通貨スワップの再開交渉が停滞している」とする当ウェブサイトへの書き込みが事実であり、そして日韓通貨スワップが再開されないままで尹錫悦政権が終わってしまうのだとしたら、日本が韓国発の金融危機ないし通貨危機に巻き込まれずに済む、という話です。
邦銀は韓国から距離を置き始めている
もっとも、すでに邦銀は対韓与信を絞っています。
対外与信の状況を示す『国際与信統計』(Consolidated Banking Statistics, CBS)の2023年6月末時点のデータによれば、日本の金融機関の韓国向け与信(最終リスクベース)は457億ドルで、邦銀の対外与信全体に占める割合は0.98%と、ついに「1%の大台」を割り込んでしまいました(図表2)。
図表2 韓国に対する与信(最終リスクベース、円換算額)
(【出所】日銀『物価、資金循環、短観、国際収支、BIS関連統計データの一括ダウンロード』サイトのデータをもとに著者作成)
韓国に対する与信額は2017年頃にピークを付け、そこからジリジリと下がっており、また、邦銀の対外与信全体に占めるシェアも下がり続けていることがわかります。
最近だと韓国政府や韓国企業が日本の債券市場で起債を行うなど、韓国側が再び日本への関与を深めようとしてきているため、この割合も2023年9月期に上昇に転じる可能性はあります。
ただ、日本の金融機関は意外と機を見るに敏であり、地政学リスクも意識されるなかで、邦銀の対韓与信スタンスが急に変わるものなのかについては、判断は微妙でしょう。
いずれにせよ、韓国の金融危機・通貨危機については、私たち日本人に責任がある論点ではありませんので、くれぐれも「隣国のよしみで助ける」という態度を日本政府が取らないよう、私たち有権者としてはしっかりと政府を監視しなければならないことは間違いないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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今10年もののアメリカ国債の利回りが5%近辺だ。韓国(日本も)に金を置いておくよりも本国に引き揚げてリスクフリーの国債で5%稼いだ方がいいと考える海外投資家も多いだろう。
そのせいで韓国の株式市場から資金が抜けて株安になっている。日本でも下げがきつい。
アジア通貨危機の再来があるかもしれない。
一言だけ。他国の企業のことより、自国の企業のこと。韓国の取引相手の企業のことが重要ではないでしょうか。
以前聞いた話だが、ベンチャーが潰れる理由の一つに、派手な遊興費を使う事があるらしい。辛抱して会社を始めて思いのほか上手く行くと、夜な夜な夜の街に繰り出したくなるらしい。ベンチャーの稼ぎなんて高がしれているのだが、一度遊び癖が付くと中々やめられないらしい。
何故こんな話をするかと言えば、韓国人の派手なお金遣いは、日本人とは桁違いらしいから。何でも、居酒屋に行っても、自分達が食べきれない量を先ず始めに注文するらしい。見栄なんでしょうね。それから、金がなくても海外旅行に行くこと。こんな無駄遣いしなければ、金利程度は支払えるんじゃないか?
韓国人が、年間の海外旅行で使う外貨は、日本の提供するスワップ100億ドルの何倍にもなるだろう。
日本にスワップ頼む前に、自国民の海外旅行を制限した方が良かろうに。
こういう記事に、意外にコメントがついていないのが残念に思います。
>日本にとって韓国は一衣帯水の関係にあり、歴史的にも地理的にも、
>密接な関係にある。
>いわば、両国は切っても切れない関係にあるのだ。
日韓は切っても切れない関係にある、大爆笑するところですね。「歴史的に」も何が言いたいのかわかりませんし、残念ながら地政学的には北朝鮮・ロシア・中国との緩衝地域が必要とされます。緩衝地域=バッファーゾーンを日本まで下げたくないのでしょう。アメリカとかがね。
ただ、無人兵器や遠隔操作の兵器が発達してきたので、陸軍をもうおいておく必要がないという意見もあったりします。
韓国からアメリカ軍が撤退し、日本がバッファーゾーンになる覚悟が持てる日が来るのか?
文化の専門家が言うには、「どのような理由があろうと、韓国は最終的には中国側につく」という意見があります。パクヒョンヒが親中国外交を展開した時も、「中国に頼って、韓国人は母親に抱かれるように安心しているようだ」なんて言われていた時期がありましたね。最近でこそ、中国批判の記事が韓国から出るようになりましたが、異様に中国に気を使いますからね、あの民族派。
「自称徴用工」問題に関しては、先日韓国の新聞が「韓国側は誠意を尽くしたのに、
日本企業が全然呼応していない(お金を出していない)」と嘆いていました。
スワップに関しても具体的な話が全然出てこない所を合わせて見ると、案外岸田政権も
「口先だけの自称親韓派」である可能性がまだある……?
いや、まだまだ希望的観測に過ぎるかな。筋金入りの親韓派とお金に糸目をつけずに
”功績”を欲しがるタイプは韓国を支援したがっているけど、冷静にソロバンをはじく勢力が
「いくら何でも今の韓国はハイリスクローリターンだろ」と押し留めている……
と言われた方が説得力を感じる。
こんな状態の韓国が一人当たりGDPで日本を追い抜こうとしているわけです。そんなに稼いでいる人がいっぱいいるのでしょうか。すごく不思議な気がします。