韓国がチュニジア経由でロシア産ナフサ輸入=ロイター
ロイターによると、韓国のロシアからのナフサの輸入がゼロになった反面、なぜかチュニジアからのナフサの輸入が急増しているのだそうです。また、チュニジアは8月ごろから、突如として、ロシアからナフサの輸入を開始したそうです。ロイターはチュニジアのラ・スキーラ港へのロシア産ナフサの到着量と韓国への仕向量のデータを突合し、ロシア産ナフサをチュニジア経由で輸入していると結論付けています。
本稿は、ちょっとしたメモです。先週金曜日、ロイターになにやら気になる記事が出ていました。
Tunisia to South Korea: A new trade route for Russian naphtha
2022/11/25 12:30 PM GMT+9付 ロイターより
これはリフィニティブ(※ロイターの運営会社)の貿易フロー・データをもとに、「韓国がチュニジア経由でロシア産のナフサの輸入を始めている」とするものです。ロイターはこれを “unusual trading routes” と称しています(さしずめ「異例な貿易ルート」でしょうか)。
具体的には、韓国の昨年を通じたロシアからの石油燃料の輸入高は59万トンでしたが、今年に入りこの流れはほぼ消滅。かわって韓国がチュニジアから輸入したナフサが先月74万バレル(約8.2万トン)に達したことが、韓国国営石油公社(KNOC)のデータから明らかになった、としています。
ちなみに2019年以降のKNOCデータによれば、韓国がチュニジアからナフサを輸入した月は2020年11月(19.2万バレル)のみであり、これが今年に入って急増し、今月もチュニジアからのナフサの輸入が約27.4万トンに達する見通しだ、とするのがロイターの指摘です。
これが事実だとすれば、たしかに不自然です。
外務省ウェブサイトによると、チュニジアでは少量ながら石油を産出しているものの、大々的に海外に輸出できるほどの産出量であるとは考えられないからです。
これについて、ロイターの記事にはまだ続きがあり、こんな趣旨の記述があります
「リフィニティブのデータによると、ロシアのナフサは今年8月からチュニジアのラ・スキーラ港に上陸し始め、先月、韓国に向けて最初の貨物を出荷した」。
そのうえで、ロイターはチュニジア自体、ナフサを滅多に輸入しない国で、2021年を通じてロシアからのナフサの輸入量がゼロだったにも関わらず、今年の8月から11月にかけて41万トン分を輸入した、などと指摘しています。
ちなみに記事では具体的にどの船舶がいつ、どこからナフサを運搬したのかに関する具体的なデータも出ています。
これについてはロシアのノボロシースク港からラ・スキーラ港への8月23日から11月11日までの到着分が約400万バレル、ラ・スキーラ港から韓国への9月28日から10月28日までの出荷分が約300万バレルだったのだそうです。
数値的にピタリと整合しているわけではありませんが、仮にこのリフィニティブのデータが正しければ、ロイターの報道通り、ロシアからチュニジア経由で韓国へ、というルートができている可能性はありそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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ロイター記事執筆者のお名前がインド系なのが気になって、LinkedIn で調べてみました。すぐ見つかりました。女性記者だったんですね。
せこい
面従腹背は、対中政策だけではなく、対露も然りってことかしら。
尹政権への見方は、武藤さんより鈴置さんの方が
正鵠を得てると見て、間違いないようですね。
それでもこの国に配慮し、あまつさえわがままを受け入れようとする八方美人外交とも言えない行為を平気で行う政権があるそうですね。
ほんとに自分のことしか考えていないようで国のことを考えるキャパシティは無いようです。困りますね。
仮にこのリフィニティブのデータが正しければという前提付きではあるものの、事実情報を端的明瞭に整理して報道するということのパワーをまざまざと見せつけられた思いです。
少なくとも、憶測を並べたてて「波紋が広がってます」とか「議論を呼びそうだ」とか言い募るどこかの国の報道とは、比較にもならないほどの力強さを放っています。
こういう事実情報がしっかり固められていれば、例えば「これは西側諸国による対ロ経済制裁のスキームを反故にする、韓国によるロシア産ナフサの迂回調達なのではないか」などの仮説の構築にある程度の説得力を与えることにもなりますし、西側諸国が対ロ経済制裁の実効性を向上させるために何をすべきかという考察の材料になるかもしれません。また、韓国に対し、このような貿易上の動きが発生している理由について説明を要求する圧力としても機能するかもしれません。
事実情報を冷静に報道するという行為の持つパワーを、素直に称賛したいと思います。こういう報道ができるからこそ、ロイターが国際的な通信社として確たる地位を占めているということなのかとも思います。
「政治的指導者の監視や精査」、「政治的決断に必要な情報の提供」、「政治的課題の設定」という役割をとくに重視している一方、「物事をありのままに伝える」「冷静な観察者である」という役割は軽視している、どこかの国のメディアの人たちは、ロイターの報道姿勢をほんの少しでも見倣ったらいいと思います。
普通の西側のまともな国では
考えられないセコさですが
韓流においては、
罪の意識のかけらも持たずの
普通にできてしまうのだろうと感じます。
おそらくは、
イランへのフッ化水素横流し(?)疑惑も
同じ韓流の流儀では あり得るのだろうとも推測します。
ま、経済的には西側を頼ってるチュニジアなので
そのうち西側の圧力で
韓国への横流しをやめたときには
ぜひ「輸出規制許さないニダ!」と
同じように韓流らしく騒いでほしいものです。
「せこぃんダニー・サンクション?(二次制裁)」とすべきですね。
原油でなくてもナフサだって”バレル”とは思わなかったんですね。きっと。
*浅はかです。
そうですよねえ。
金融危機絶賛突入中の韓国さんなのに
これじゃあ、米国から為替スワップどころか
格付引下げ食らっちゃいますのにねえ。
座布団謹呈です ありがとうございました(^^)
皿屋敷のように
1ばれる
2ばれる
と数えるんですね、分かります。
>1ばれる
>2ばれる
(^.^)wwww
テレビショッピングの電気刺激ベルトより
よほど腹筋への効果絶大でありがとうございます(笑)
ところで、日本では報道で隠されてましたが
11/17の国連 クリミア人権決議案において
日米欧の西側民主主義国78か国が賛成したのに
韓国さんは棄権して脱落してました。
その時は、半導体希少資源姑息に
ぬけがけ確保のためかと思いましたが
実はこの、ナフサ闇横流しのためだったのかも?
と今にして思います。
>クリミア人権決議案において日米欧の西側民主主義国78か国が賛成したのに韓国さんは棄権して脱落
ロシア産の資源を買い叩きつつも決議を放棄した国に倣ったんでしょうね。
それらの国とは違い、安保を米国に依存してる現実を顧みもせずにですね。
まぁ、彼らは、米露二股GSOMIAの国でした・・。
*座布団ありがとうございました。
チュニジアに騙されたニダ。
ウリは、被害者ニダ。
もちろん、日本が悪いニダ。
謝罪と賠償を要求するニダ。
これが、頭の中でリフレインしている気がする。
事実を踏まえる必要がありますが、最初のケムリが割と鮮明に上がりました。これが火のない所のケムリなのか、後から正解が続報で裏書きされる端緒なのか。
あと、これがOINKなのか、苦し紛れに弱い諸国が軒並みやってるズルなのか、と言う事も。
チェニジアのラ・スキーラ港、探しにくかったです。以下で位置を特定できます。
34.32232100378316, 10.140116211380079
参考になりそうなWEBページは
https://shipnext.com/port/la-skhirra-tnlsk-tun
http://www.ommp.nat.tn/skhira-port/?lang=en
http://wikimapia.org/14143583/ar/La-Skhira-%D9%85%D9%86%D8%B7%D9%82%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D8%B5%D8%AE%D9%8A%D8%B1%D8%A9
エリア88並みにひとけのない場所のようですね。秘密交易にはぴったりw
なるほど。これで日本に、輸出管理(ROK表記では輸出規制)を外せとよくも言うなぁ、と思いますね。
ナフサを含めた石油・原油の国際流通の現状の話です。
正確な量は分かりませんが,ロシア産原油を中国とインドが大量に輸入していることは公知の事実だと思います。噂では,かなり買い叩かれているようです。その分,中東産原油が売れなくなって,原産しても値下がり傾向です。
この前,EUはロシア産原油を上限1バレル60ドルで輸入する協定を議論していましたが,ゼレンスキー氏は上限40ドルを主張していました。参考までに,中東産原油は現在74ドルで,3月の高値が130ドル,6月が120ドルでした。
中国経由のロシア産原油横流しの記事も昔ありましたが,最近はどうなのでしょう。韓国がそういうことをしようとすると,すぐバレるのですね。
BBC Reality Check 記事が参考になりそうです。11-15 付けですのでフレッシュ。図表もあります。
『Ukraine crisis: Russian oil and gas turn to Asia』
https://www.bbc.com/news/world-asia-india-60783874
中東から買ったほうが船賃の点で有利に決まっています。ですからロシア原油は相当買い叩かないと購入側にメリットがありません。OPEC+ がロシアを見限って潰す気になれば、あっさりそうなってしまいそうです。
おそらくではありますけれど、韓国としては「バレないようにうまくやった」つもりだったのですよ。あにはからんや、バレちゃったので、さあ困ったなというところでしょうね。
韓国としては、どうしてもナフサを調達したいが、アメリカの手前、正面切ってロシアから買うというだけの度胸はなく、さりとてほかから買うと高すぎ、それならばということで、きっとバレないであろう迂回ルートを作り、ナフサ調達に成功した……はずだったんでしょう。こんな小細工がバレるということは、韓国の動き方を怪しんでいる人がおり、さまざまな記録を追跡していたのだと思われます。まさに日頃の行いの賜物ですが、やり方が情報機関っぽさを感じさせるので、あくまでも想像ですが、実際に調べ上げたのはCIAあたりで、ロイター電はそのリークに因るものなのではないかと思います。
当然ながら、こんな小細工はバレたりすると大いに信用を傷つけるのですが、バレっこないから大丈夫だと思い込んだのか、それともこれ以上失う信用なんてないから問題ないと思ったのか、さてどちらなんでしょうね。
頭隠して尻隠さず、ではなく、頭隠さず尻隠さずの伝統は今も健在という事ですかね。事実で有れば、なんでバレないって思ったんでしょうね。ま、レーダー照射の件を考えれば納得ですが。
同じインド人記者の手による Reuters 記事で 2022-11-9 に公開されたもの
『South Korea’s LG Chem may extend maintenance at Yeosu naphtha cracker』
https://www.reuters.com/article/southkorea-petrochemicals-lgchem/south-koreas-lg-chem-may-extend-maintenance-at-yeosu-naphtha-cracker-idINL4N3250XE
Yeosu というのは韓国の地名「麗水」で LG 化学の工場位置は
34.85544958422317, 127.71559229747774
のようです。日本に近過ぎて不穏な印象を受けます。
naphtha cracker(ナフサクラッカー)とはなんじゃらほい。石油化学材料の製造方法を言っているようです。雑にググったのですが運よく SlideShare に辿り着きました。バンガロールにある IISc(インド理科大学院大学)石油化学科のかたによる執筆。資料は 2012 年作成。10年も前。LinkedIn がマイクロソフトに買収されてから SlideShare は廃墟になっています。
今回の事象は明らかに迂回輸入です。化学プラントに詳しいかたから上記2記事に何かコメントが頂けたらいいのですが。
naphtha crackerはnaphtha cracking装置という意味でしょう。ナフサを分解(クラッキング)して工業原料を得るプラントですね。
ナフサ分解
https://kotobank.jp/word/%E3%83%8A%E3%83%95%E3%82%B5%E5%88%86%E8%A7%A3-1191905
匿名 さま
開設情報へのポインタ提示ありがとうございます。
そもそも LG 化学は何がしたいんでしょう?
好奇心をマッサージされたので(調子に乗って)ナフサに関する国内動向分析記事がないか調べたところこれがまっさきに掛かりました。
『石油化学産業について 経済産業省』
・2013 年ごろ=十年前の資料です
・研究会 -> 稼ぐ力 -> PDF とは謎感強し
・10 年の間に何がどう変わったのか追加調査しないといけないですね
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/kaseguchikara/pdf/010_s03_02_01.pdf
文言を私選で切り抜いて列挙してみます
– 石油化学製品の国内需要は、主要な誘導品の最終製品である自動車や建設、包装などの国内生産に大きく左右される(12ページ)
– 2020年の国内のエチレン生産量は470万トンまで減少する可能性がある(15ページ)
– 強みを伸ばす / 弱みの克服(16ページ)
– 弱みの克服(ソフト面) 制度・規制の合理化 激しい国際競争環境において、スピーディーに事業展開を図ろうとしたところ、これまでの制度や規制が実態に追いついていないケース(22 ページ)
– 「攻め」の視点 / 「守り」の視点(24ページ)
– 長期展望:「資源は有限・欲望は無限」(30ページ)
– 「測定できなければ管理できない」(36ページ)
-「過剰品質」の淘汰:「利用価値」への移行・「合理的」な機能向上(44 ページ)
– Hermesは1日にして成らず(52ページ)
以降は著名化学企業の分析が続きます。
予想を超えて当方には面白かったです。経産省さんごちそうさまでした。
韓国は思考がまともじゃない。これはロシアを助ける利敵行為。ウクライナは苦しんでいる。少々高い油を買うくらい我慢できないのか。高いはずの油を安くで買った、賢い資源戦略だ!くらいに考えてるのだろう。
これはもう国際社会、少なくとも西側社会のメンバーでは無い。韓国との距離感を岸田首相は考え直して欲しい。今日の国会論戦も中身というか力が無かった。国民のフラストレーションは溜まる一方です。