終戦の日を迎える日本

終戦の日を機会に、日本の敗戦について、改めてじっくりと考えてみます。

終戦の日に思う

本日は「終戦記念日」とされています。ただ、私自身としては、終戦の日という表現に強い違和感もあります。「終戦」ではなく「敗戦」であり、また、法的な戦争の終結は9月2日の「降伏文書調印」です。実際、ソ連(当時)は8月15日以降も千島列島などに侵攻していますし、日本軍との間で戦闘行為が発生しています。我々日本人は、「敗戦」したということ、「敗戦後」にソ連から不法に領土を奪われたこと、戦後のドサクサで多くの日本人の財産が奪われたことなどを、きちんと記録していません。

なにより、あの戦争の本質は、日本軍という「巨大な官僚組織」が暴走し、日本全部を破滅に引きずり込んで失敗したものだと思います。また、「戦争を煽ったメディア」は、卑劣なことに論旨を大きく変えて生き延び、特に朝日新聞社はその後、「従軍慰安婦問題」という世紀の大捏造報道事件を発生させることになります。その意味で、日本人が本当に戦争を「総括」し、「反省」したのかと言われれば、私は大いに疑問を感じます。

ただ、それと同時に、国中の主要都市が焼き払われ、明日食べるものにも困る状況に陥ったにも関わらず、日本人は焼け野原から立ち上がりました。その後の目覚ましい経済発展により、日本は世界第二位の経済大国に成長しました。昭和天皇という偉大な存在に加え、一人一人の日本人が優秀だったことは、特筆すべきことです。戦後の日本人は、本当によく頑張ったと思います。

本日は、そんな日本人の戦後の歩みをしっかりと追憶する日にしたいと思います。

日本人風の「過去との向き合い方」

さて、日本は昭和20年(1945年)9月2日に「降伏文書」に署名。連合国の占領を受けることになったのですが、その期間も日本政府は連続して存続しています。しかし、連合国(というか、アメリカ合衆国)は、日本を「二度と戦争ができない国にする」ために、WGIP(War Guilt Information Program)なる計画に基づき、「プレス・コード」を導入。あわせて「戦争放棄」を謳った日本国憲法を日本に押し付けました。これらはいずれも、「占領軍による占領地の法律変更」を強要したという意味で、国際法違反の行為です。これに加え、極東軍事裁判により、日本政府の首脳を一方的に処刑したことも、れっきとした国際法違反です。つまり、アメリカ合衆国は、日本に対する国際法違反を、少なくとも2つ犯しているのです。

「無謬性(むびゅうせい)」を盲信するアメリカ人が、戦後の自分たちによる国際法違反という事実を認めたくない気持ちは良くわかります。しかし、日本国憲法にせよ、極東軍事裁判にせよ、また戦争末期に行われた東京大空襲や広島・長崎への原爆投下も、いずれも一般市民の大量虐殺です。アメリカ人が、「将来的に日本により報復されるかもしれない」ということを恐れていることは間違いないでしょう。

しかし、米国人が勘違いしていることがあります。日本人が過去を記憶する目的は、「悲劇を繰り返さないため」であり、「復讐のため」ではありません。私個人的にも、日本が仮に軍事力・国力を付けたとしても、米国に対して「1945年の復讐として」核攻撃をするなど、あり得ないと思いますし、だいいち、「人類に対する核攻撃」など、許されるはずなどありません。

だいいち、今日、日本が置かれている情勢を鑑みると、米国をわざわざ敵に回すだけの余裕など、日本にはありません。そして、原爆投下、日本国憲法、極東軍事裁判などは、いずれも米国の戦争犯罪であることは間違いありませんが、それらをいまさら日本が糾弾したところで、なんら生産的ではありません。

日本人としては、「終戦の日」を良い機会として、過去をしっかりと記憶し、追想するだけで良いのです。

謝罪を求めなかった日本人

今年5月のG7サミットにあわせ、米国のバラク・フセイン・オバマ大統領が、「現職の米国大統領」としては史上初めての広島訪問を敢行しました。オバマ大統領の広島訪問前までは、米国を中心に、メディアで強い批判が発生していたことは事実です。しかし、訪問したオバマ大統領に謝罪を一切求めず、ただ原爆の犠牲者への追悼と、悲劇を繰り返さずに未来を思うことを求めた日本に対し、実は、世界的には驚きの声も上がっています。

日本の隣に、口を開けば「謝罪」「謝罪」と繰り返す国があることも知られていますが、日本はそんな国ではない、ということです。これはなぜなのでしょうか?

理由は簡単です。日本はアメリカと戦って敗けたからです。戦って敗けた以上は、それ以上のことは言いません。しかし、戦わずに敗けた国は、いつまでたっても相手に謝罪を求め続けます。これは興味深い現象ですね。

地球がますます「一体化」を強める中、正体不明のテロリズムも蔓延していますが、「恨み」に対する「復讐」は何も生み出しません。日本人のように、誰かを恨むのではなく、しっかりと過去と向き合うという姿勢こそが、世界平和に貢献する。これが、私の得た結論なのです。

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