「北朝鮮ミサイル危機で日韓関係改善が必要」論の誤解
「北朝鮮と向き合い、東アジア情勢を改善させるためにも、日韓両国の関係改善が急務である」。そんな主張が出て来ました。どうして「日韓関係を改善」したら「北朝鮮が核・ミサイルを放棄する」といえるのか、その論理的な流れがまったく意味不明でもあります。ただ、こうした意味不明な社説が出て来る背景には、日韓関係を巡る根本的な誤解があるように思えてなりません。
日韓関係改善論
当ウェブサイトで以前から、想像ベースでの「日韓関係改善論」というものを提示してきました。簡単にいえば、「日本にとって韓国は大事な国だから、日本が韓国に対して譲歩する形で日韓関係改善を図らねばならない」、とする主張です。
「日韓関係改善論」【想像ベース】
- ①日本にとって現在の韓国は、経済・産業上も、外交・安全保障上も、大変に重要な国である。
- ②しかし、韓国が日本との間でさまざまなもめ事を起こしており、これらについて国際法や国際社会の常識に従った解決も期待できない。
- ③だからこそ、日本が国際法に拘泥するのではなく、多少とも韓国に譲歩し、日韓関係の破綻を防ぐべきだ。
(【出所】著者作成)
もちろん、当たり前のことですが、こんな主張を本気で記載しているわけではありません。「世の中の『日韓関係改善論者』の主張はおかしいよ」、と説明する目的で使っている議論です。
上記の①、②については、おそらく見立てとしては正しいでしょう。しかし、これに続く③は、①、②とは論理的につながっていません。「日韓関係の破綻を防ぐべき」という「結論ありき」で議論を構築しているからです。
ただ、ここで疑問に感じるのは、「なぜこんな議論が出て来るのか」、という点です。
日韓関係に関しては現在、竹島不法占拠、自称元慰安婦問題、自称元徴用工問題など、韓国の日本に対する一方的な不法行為により、破綻寸前の状況に追い込まれてしまっています。韓国が国際法を守るか、日本が韓国に譲歩するか、そのいずれかがなければ、日韓関係は本格的に破綻するかもしれません。
わかりやすい東京新聞社説
だからこそ、「なぜ日韓関係が必要なのか」、という点を強調するかのような議論が、定期的に出てくるのです。
東京新聞に今朝掲載された次の「社説」など、その典型例でしょう。
<社説>北朝鮮ミサイル 日米韓協調で自制促せ
―――2022年1月12日 06時59分付 東京新聞より
記事タイトルでだいたい想像がつくと思いますが、北朝鮮がミサイル発射を繰り返していることを受け、「日米韓が協調し、北朝鮮に対し自制を促すべき」とする主張です。
東京新聞は、社説の末尾の方で、こんなことを述べています。
「近年開発に力を入れる中ロに加え、北朝鮮が配備に至れば、北東アジア情勢を一変させる可能性もある。日韓両国には深刻な事態だが、歴史問題を巡る対立で意思疎通や情報交換ができていない。/北朝鮮と向き合い、東アジア情勢を改善させるためにも、日韓両国の関係改善が急務である」。
これこそまさに、先ほど述べた「日韓関係改善論」の典型的です。
ただし、「日韓関係改善が急務である」などと述べていますが、こちらの東京新聞の社説の場合だと、「不法行為を行っているのが韓国の側だ」という点も伏せられていますし、「誰が」「どういう努力をしなければならないのか」という点への言及がありません。
また、「日韓関係改善」が「北朝鮮の核・ミサイル放棄につながる」というのも、論理的にはまったく整合しません。
ある意味では大変わかりやすい社説だ、ということもできますね。
日韓関係テーパリング論
ただ、世間には日韓関係を巡る「誤解」があるように思えてなりません。それは、「日韓関係が日本にとって必要だ」とする議論です。
以前から当ウェブサイトを通じ、あるいは拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』などを通じて申し上げてきたとおり、日韓関係が(日本にとっても)重要だ、というのは、「必然」ではありません。
日本にとって経済・産業上の韓国の重要性が大きい理由は、韓国が日本をベンチマーキングしながら経済を発展させてきたため、日韓の産業構造が似ている(あるいは日韓両国が国際分業を前提とした産業構造を取っている)からです。
また、日本の外交・安全保障にとって韓国の重要性が強い理由は、日韓両国が地理的に近いということよりも、どちらかといえば、「日本の同盟国でもある米国の都合」という側面が強いと考えられます。
もちろん、韓国、あるいは朝鮮半島は日本から地理的に近いため、この地域が日本にとって敵対する国・地域(たとえば中国)の版図に入ってしまうことが、日本にとっては大変な脅威になる、といった議論があることは事実でしょう(※著者自身はその見解に必ずしも賛同するものではありませんが)。
しかし、話はむしろ逆であり、日本の意思次第では、朝鮮半島から距離を取ることが可能です。これがいわゆる「日韓関係テーパリング論」です。
「日韓関係テーパリング論」
- ①日本にとって現在の韓国は、経済・産業上も、外交・安全保障上も、大変に重要な国である。
- ②しかし、韓国が日本との間でさまざまなもめ事を起こしており、これらについて国際法や国際社会の常識に従った解決も期待できない。
- ③もしも韓国が国際法を守らないならば、日本は経済、産業、外交、安全保障などにおける韓国の重要性を下げるべきだ。
(【出所】著者作成)
先ほどの「日韓関係改善論」と比べ、こちらの「日韓テーパリング論」に関しては、①、②から③への流れがよりスムーズです。
ただし、日韓の産業が密接に結びついているという事実に加え、朝鮮半島が日本と地理的に近いという点を踏まえるならば、どうしても日本にとっての韓国の重要性をいきなり下げるということは難しいでしょう。
だからこそ、逆に私たち日本人の「覚悟」というものが必要だ、と考える次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
>北朝鮮と向き合い、東アジア情勢を改善させるためにも、日韓両国の関係改善が急務である」。
韓国が北朝鮮に相手にされてないのに、日韓関係を改善しても意味が無いでしょう。
「制裁で北朝鮮を対話の場に引き摺り出す」事の方が、重要だと思います。
東京新聞の社説には、次のような主張があります。
「北朝鮮のミサイル技術は近年、飛躍的に向上しており、従来のミサイル防衛網による対処には限界がある。日米韓三カ国が協調して北朝鮮に自制を促し、対話に導く努力を続けなければならない。」
この前段は正しいかもしれませんが、後段は誤りで次のように言うべきだと思います。
「日本は、自由・民主主義・法の支配など価値観を共有する諸国と協調して国連決議に基づく経済制裁を強化するとともに、日米同盟の更なる深化と敵基地攻撃能力の整備など有効な対抗策を構築し、北朝鮮を完全かつ検証可能で不可逆的な非核化実現に導く努力を続けなければならない。なお、北朝鮮や中国が入手した場合に我が国の安全が脅かされる機密情報については、共有する相手国を十分に厳選する必要がある。」
北の暴挙に対して「安保理決議違反」を言えず、また融和を持ち出そうとするなら、南北まとめて制裁を強化すべきでしょう。
南を締め上げれば、瀬取りも随分減るでしょうから。
対北朝鮮ということで言えば、ミサイルや核兵器に限らず、拉致問題などでも、韓国が日本にとって役に立ったことは一度もありません。そして、今後とも役に立ってくれる可能性は低いでしょう。むしろ、邪魔になる、邪魔をしてくる可能性のほうが高いと思います。
そのように考える理由は単純で、多くの韓国人にとって、「自由民主主義」などという価値観よりも、「民族」のほうが優位だからです。従って、半島内での主導権争いならばともかく、自由民主主義陣営のために北と対峙するという発想そのものがないと思われます。ゆえに、拉致問題解決のために協力するなどということは、全く思考の枠外でしょう。
さらに、対中国ということでも、韓国の協力などは全く期待できません。文在寅政権が対中屈従外交を繰り広げているのは周知のとおりですが、対中屈従に大きく舵を切ったのは非左派政権である朴槿恵政権でした。つまり、次期大統領が左派だろうが非左派だろうが、おそらく対中姿勢は大して変わらないでしょう。
結局のところ、日本から見て、韓国は「東アジアの安定」に関して何の役にも立たず、むしろ不安定要因そのものであると見做すことも可能です。確かに、朝鮮半島南部が完全に「敵方」になるというのは、日本の安全保障にとってけしてプラスとは言えませんが、致命的というほどのことはありません。ゆえに、日本が原理原則の部分まで譲歩して関係「改善」を図るというのは、まさに論外です。そして、いかに外交交渉には妥協がつきものだとは言っても、そもそも「外交交渉」自体が成立しないのですから、妥協も何もありえません。
強大な敵より厄介なのは、信用できない味方です。韓国を信用することができる人は、香山リカ女医の診断を受けた方が良いでしょう。
北が同じ民族、同胞と考えているのなら
なおのこと(国民を餓死させて1人だけブクブク太りまくった)金一族を追放し、北をまともな国にするなり韓国に併合するなりすべきだと思うが?
従北左派の言うところの「民族」は所詮観念的なものに過ぎず、現実的な問題になどちっとも興味がないからですわな。あるいは、核やミサイルが「民族」のものになるとか、低賃金労働者(=奴隷)がたくさん入手できるとか、都合のいいところだけ切り取り、なおかつ自分たちでは何もしない、できない、誰かがしてくれることを待つことしかできない連中なので、ただ吠えてるだけとなるんでしょ。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、東京新聞と同じく、自分は間違えない存在と自惚れそうなので)
東京新聞としては、「日韓友好のために、日本が韓国に譲歩しろ」という(東京新聞内の空気では)正しい目的のために、北朝鮮のミサイルを利用(?)しているのではないでしょうか。つまり、(極論では)「新型コロナ対策のために、日本が韓国に譲歩しろ」でも、「台風がくるから、日本が韓国に譲歩しろ」でもよいのです。
蛇足ですが、仲間内の空気に(あからさまに)逆らう人物は排除するのが、日本の組織の特徴ではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
対北朝鮮で、もろ手を挙げての対峙しかできない国に何を期待しろと言うのでしょう?
そもそも、ミサイルの射程以前に、国境付近からの砲弾が不可避な国なんですものね。
ミサイルの長距離化に反比例して、かの国の存在感は小さくなるばかりなのです・・。
*彼らの参加は、連携の弱体要因。「常に自分の都合が最優先の人たち」だから・・。
記者は、日韓友好の起稿用マニュアルをなぞっただけで、別に他意はないのかも。こんなのに時間割かれるのが嫌だったし、どうでも良かったんだろうね。
この状況下では、朝鮮半島の38度線の南側700キロを非武装緩衝帯とすれば良いのです。 現在の住民の皆さんには38度線の北に移住して貰えば一石二鳥です。
う〜む…
私は韓国・大韓民国・北朝鮮や中華人民共和国って実在しない架空の地域部族でISみたいに主張しているだけの集団だとか思っているので面妖なこともあるもんだと…
だって中国共産党とかってのも自称国民総数の14分の1以下だし華僑さんや台湾とかの古代から連面と連なる中華系の人達の総数からの比率だともっと少数になる自称しただけの武装凶悪集団でしょ?
残忍無比な人類史に残る殺戮集団が国家のはずがない…バチカンのイエズス会じゃあるまいし!