中国のTPP加盟申請の「狙い」
本日は、久しぶりに驚く話題がありました。中国が昨日夜、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を申請したと発表したというのです。といっても、中国が参加できるか、できないかを論じるよりも、むしろ大事なのは、「中国がこのタイミングでTPPに揺さぶりをかけてきた理由」、という論点ではないでしょうか。
中国がTPP加盟申請
すでに複数のメディアが報じていますが、中国商務省は16日の夜、同国が環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を申請したと発表したそうです。
中国、TPP加盟を正式申請 アジア貿易主導権狙う
―――2021年9月16日 23:29付 (2021年9月17日 5:22更新)日本経済新聞電子版より
中国、TPP加入を申請 アジア太平洋主導権狙う
―――2021.9.17 0:34付 共同通信より
中国、TPP参加を正式申請 通商交渉で主導権狙う
―――2021年09月17日05時56分付 時事通信より
これらのメディアによると、王文濤(おう・ぶんとう)中国商務相がTPPの事務局の役割を担っているニュージーランドのダミアン・オコナー貿易・輸出振興相に申請書類を提出したうえ、電話会談を行った、などとしています。
もっとも、「加盟に向けたハードルは高い」(日経)、「早期の参加は困難とみる向きも多い」(時事)のが実情でしょう。
というのも、TPPへの新たな加盟には、全加盟国(※)の同意が必要であり、さらに要求される自由貿易の水準も高く、国有企業を補助金などで優遇することが禁じられるため、現在の中国がTP加入要件を満たすのは非常に困難だからです。
(※TPP加盟国は、豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの11ヵ国。)
WSJ「米中争いの一環」
ただし、ここで重要なのは、「なぜ、中国がTPPへの参加を表明したのか」ではないでしょうか。
これに関し、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に先ほど、興味深い記事が掲載されていました。中国のTPP参加表明は、ちょうど「オーカス(AUCUS)」と呼ばれる、米英豪3ヵ国の新たな安全保障枠組みにぶつけて来たものだ、という見解です。
China Seeks to Join Pacific Trade Pact After U.S. Forms New Security Alliance
―――2021/09/16 16:47 ET付 WSJより
(※なお、リンク先は英文であり、有料契約していないと閲覧できない可能性がありますので、ご注意ください。)
WSJの記事では、冒頭から「激化する米中競争のなかで、伝統的な米国の同盟国を中国の経済勢力圏に引き込もうとする試み」、などと述べています。
英米メディアの、この手の「客観的事実」と記者の「主観的意見」を混ぜこぜにする書き方、個人的には大嫌いですが、それでも、WSJのこの見解自体は大変に参考になります。
WSJも指摘するとおり、もともとTPPは米国がバラク・オバマ政権時代に提唱したものであるにもかかわらず、ドナルド・J・トランプ政権時代にその米国自身がTPPから離脱した、という経緯があるのですが、逆に、中国としては「米国の伝統的な同盟国」を経済圏に取り込む狙いがある、というわけです。
このあたり、成功すれば、中国にとっては大変に痛快なものでしょう。
おそらく中国としては「自国の改革を通じてTPPへの参加要件を整える」意図などは最初から持っておらず、「14億人の市場」、「一帯一路」などの「ニンジン」をぶら下げ、TPP自体を形骸化して自国に取り込むのが本当の目的ではないでしょうか。
すなわち、TPP11ヵ国の間で、「ぜひとも中国にはTPPに入ってもらいたい」、「中国が参加しやすいように、TPPのハードルを下げよう」とする議論が高まることを狙っているのかもしれません。
逆に、中国が「TPPに参加できる理由」が見当たらない
もちろん、自分自身で書いていて、「まさか、そんなことはありますまい」と言いたくなってしまいますが、ただ、逆に「中国にそのような意図がある」とでも想定しなければ、中国のTPP参加意思表明という行動の合理的な説明がつかないのです。
現在の中国の行動は、そのくらい支離滅裂だ、と言えばよいでしょうか。
もっとも、もしこの見方が正しかったとして、そううまく行くものでもありません。
というのも、中国を巡っては、「一帯一路」構想と並び、自国が主導して発足させた「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」が事実上の失敗に終わりつつあるという状況にあるからです(『日米が「乗り遅れた」AIIB発足6年目のお寒い現状』等参照)。
「14億人の市場」と言いながら、中国に対して貿易黒字を計上している国は、韓国などごく一部に限られており、主要先進国(とくに米国や日本)は毎年、中国に対して膨大な貿易赤字を計上しています(日本に関しては『台湾が韓国を抜き「3番目の貿易相手」に浮上した意味』等参照)。
少なくとも中国自身が喧伝する「中国夢」を巡っては、正直、そのメッキが剥げ落ちているように思えてなりません。
これに加え、日本とは東シナ海で、ベトナムとは南シナ海で、豪州とは貿易摩擦問題で、それぞれ中国と緊張関係にあることを忘れてはなりません。
また、昨年の香港に対する国家安全法の適用で公然と英中共同声明を破ったことや、冒頭に示した日経電子版の記事にもあるとおり、9月から「データ安全法」などでデータの国外持出を禁止するなどの「データ統制」を強化しているなど、国際的に反発を買うような行動に出ていることも見逃せません。
このように考えていくと、「中国がTPPに参加できるか、できないか」を論じる以前の段階として、「中国がTPPに参加できる理由」自体が見当たらない、と述べた方が正確ではないでしょうか。
いずれにせよ、現状で見るならば、よっぽどのこと(たとえば日本で「枝野幸男政権」が発足する、などの事態)が発生しない限り、中国のTPP参加は実現しないと見るのが正しそうですし、個人的な意見ですが、TPPに新たに参加する可能性としては、中国よりも英国の方が高いと見るべきではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
ツイート @新宿会計士をフォロー
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
コメントを残す
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
AUCUS→AUKUSですね。私としてはJAUKUSになって欲しいです。
TPPを見て見ぬフリをしている米国が焦ってくれれば、中国には感謝ですな。
韓国は申請できるチャンスですね。
「加盟申請してやるからありがたく思え」
とか言ってくれると盛り上がるんでしょうが。
日米、または日台への離間工作なのでしょうかね。
申請に至ったキッカケはよくわかりませんが、中国は期待効果はたくさん想定してると思います。
日米、日台、TPPそのもの等々、ほぼノーリスクで、いろいろ揺さぶりをかけられますよね。
受け側はオタオタしないことでしょう。
西村大臣:「中国がこのTPP11の極めて高いレベルを満たす用意があるのかどうか、まずはしっかりと見極めるべき、見極める必要がある」
現状の中国はレベルが低いと言ってます。(笑)
元ジェネラリスト様
同感です。
日本にとっては、アメリカのTPP参加への圧力となりえるので、中国の参加方針は必ずしも悪いものではありません。
そもそも、公営企業への優遇や知的財産権の保護等、中国はTPPの参加基準を全く満たしていないので、共産主義を事実上放棄しないかぎり、参加はありえないでしょう。
中国の意図がいまいち不明です、参加できないのは中国自身一番解っているはずですから。。
米国への嫌がらせが最大の目的でしょうかね。
勘ですが。
元ジェネラリスト様
そうかもしれませんね。
そもそも米国内世論はTPP反対ですから、バイデン政権も中間選挙を終えるまではTPP参加の議論をテーブルに載せることもできず、もしTPP参加をしたいという気持ちがあるのならジリジリした気持ちになるでしょうね。
ということは、中国政府はトランプ前大統領と違ってバイデン大統領は実はTPP参加に前向き、と考えているのかもしれません。
攻撃は最大の防御とばかりに「偉大な」習近平主席の教えに従ったアリバイ作りの一環でしょう。昔の文革外交に先祖返りした「戦浪外交」で盲目になった外交当局の劣化の現れだ。
自国との関係が険悪、ないしは冷却の一途にある日本、オーストラリア、カナダが主導権を握るTPPに、いくら自意識過剰の中国だって、遠くない将来に加入できるとは思ってないでしょう。況してや、そのヘゲモニーを握れるなんぞ。それでも経済発展への有用性を考えれば、中国なりに無視できない存在と見なしているんだとは思います。
上海協力機構、一帯一路構想、ABBI、RCEP、そのうちひとつでも順調に発展しているんだったら、TPPなんぞに色目を使う必要はないでしょう(鳴り物入りで発足した、日本も加盟国のひとつであるRCEP。その後一向話題になりませんが、開店休業状態なんでしょうか?)
だけど、国の将来を視野に入れれば重要、などという長期的なはなしはともかく、事前に慎重な根回しもせず(?)、中国がいきなりTPP加入などと言い出したのは、もっと差し迫った理由、というか焦りがあるんじゃないでしょうか。わたしが勘ぐるのは、台湾のTPP加入交渉が水面下で進んでいるという情報を掴んだという可能性です。
今公論化されている台湾のWHO、ICAO加盟問題など、日頃の悪行が祟って、事態は中国の思惑に反する方向に進んでいるように見えます。中国が正式メンバーであるからこそ、これまで国際的圧力に抗することができたわけですが、TPPについては何らの発言権もない。せめて加入申請だけでも出しておけば、「国内の」一地域に過ぎない台湾にあとから加入を求める資格はないとか何とか、イチャモンを付けることができる。まあ、そんなところではないかと思うのですが。
昨日発表されたEUのインド太平洋政策に「台湾と協力」と明記されました。水面下で台湾の国際機関などへの加盟工作が進行しており、その先には国家承認まで視野に入れた動きがあるという可能性は確かにあると思います。事実上の独立国家である台湾を各国が承認しないのは、つまるところ各国が中国との関係を考慮してということでしょうが、もしも将来的にそれを考慮しなくても良い状況になる可能性が高まりつつあるのであれば、そのための布石を打つことも考えられるでしょう。
ただ、仮にそのような流れを中国が察知したとしても、CPTPPへの加盟申請がそのような流れに対する牽制になるようにはちょっと考えにくいように思います。地理的に遠いヨーロッパ各国とは違い、CPTPP加盟国の多くは中国に近く、少なくとも当面はあからさまに中国を敵視するような姿勢を取るのは難しいと考えられるので、仮に台湾が加盟申請しても受け付けるのは難しいでしょう。中国が加盟申請していようがしていまいが、中国はいくらでも圧力を加えられるし、日本でも単独ではなかなか抗せません。故に、アメリカがCPTPPに復帰し、さらに台湾承認に動けば状況も変わりますが、そのためにはアメリカは中国との軍事的衝突を覚悟する必要があります。現時点でのアメリカにそれほどの覚悟はないでしょう。
中国が台湾の動きをとても警戒していること、そして各国が台湾に若干傾きつつあることについては賛同しますが、CPTPP加盟申請とどの程度官界があるかについては、少々疑問があります。
龍様
>中国が台湾の動きをとても警戒していること、そして各国が台湾に若干傾きつつあること
中国外交を大国外交とみるのは過大評価で、内実は非常に臆病なんじゃないかと、密かに思っています。軍事力ばかりをやたらに誇示し、肩肘張ってみせる様は、なんとなくチンピラの所業を思わせます。
台湾問題で引くことは習近平のみならず、中国共産党にとっても命取りでしょう。米国で台湾承認に向けての一歩となりかねない動きが出るたびに、軍事演習、領空侵犯など、これ見よがしの威嚇ポーズを取ることは、いかに台湾の国際的地位の向上にナーバスになっているかの証左のように思えます。
事態は中国が望む方向とは逆に動いていると思います。本気で台湾侵攻を考えているなら、北京冬季オリンピックも、建国100周年も、待つ必要はないでしょう。経済、人口、国力がこれから縮小に向かうのが不可避とするならば、やるなら今すぐでなければならないと思うのですが、大規模な戦争を起こす国内体制の整備がおこなわれている気配はないし、実際その方向に国内をまとめるなど無理なはなしでは?
「台湾国」が国際的に認知されてしまえば、台湾侵攻は内戦ではなく、対外侵略と見なされてしまいます。それだけは何としても避けたい。何とか脅しと懐柔で統一までもっていく奇策もがな。然れども、ときわれに利あらず。
ということで、こと台湾が絡んでくる問題には、いかに非理性的に見えようが、なりふり構わずジタバタしてみせるというのが、今の中国外交の姿なんじゃないでしょうか。
伊江太 様
私も伊江太様の仰るように、今回の中国の動きには「台湾」のCPTPP加盟情報が大きいものと見ています。
メディアの報道通りであるならば、中国はいきなり「TTPへの加盟を正式に申請した」(朝日新聞)とあるからです。たしかに昨年12月のAPEC首脳会議で習近平は、参加の意思を表してはおりましたが、その後あまりたいした動きはなかったように記憶しています。それが突然、昨日16日にニュージーランドへ申請書を送付したということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9716d152a7ca1096562ca863c05e1f5fb361fd66
さすがに日本やオーストラリアへは、申請しづらかったのかもしれないなと苦笑しながら記事を読みました。
しかしそれにつけても、何この唐突感は?と思わざるを得ません。これまで中国という国家は、否中国共産党という組織は、このような行き当たりばったりの外交政策を採るようなことはあまりなかったような気がします。というわけで、違和感が半端なくあります。
まるで何かに怯えてせかされているが如き動きのように見えてなりません。
こと台湾が絡んでくる問題には、いかに非理性的に見えようが、なりふり構わずジタバタしてみせるというのが、今の中国外交の姿なんじゃないでしょうか >
仰る通り、大いにあり得る話だと思う次第です。
NZに送ったのはCPTPP事務局の役割を担っているからだそうです。
中国、アジア太平洋地域の貿易協定に参加申請ーBBC
https://www.bbc.com/japanese/58593233
伊江太さま
>わたしが勘ぐるのは、台湾のTPP加入交渉が水面下で進んでいるという情報を掴んだという可能性です。
お見事な推理、感服しました。
(台湾高官、TPP加盟を「正式に申請した」)
https://news.yahoo.co.jp/articles/949c79f361e250a34b22e52301ce579247b09464
手を突っ込んで、弱い所から剥がして行く思惑だと思います。
口だけで中国は、損しません。
>「中国がTPPに参加できる理由」自体が見当たらない
公式に関係各国との二国間事前協議の場を設けること。(個別切崩し?)
もしくは、「加盟拒否されること自体」が目的だったりするのかな??
加盟したからって信用が培われたりはしません。
信用が培われてこそ加盟が許されるのかと・・。
カズさま
>「加盟拒否されること自体」が目的だったりするのか
その可能性はあります。
加盟に関わる過程で外野をくまなく睥睨し「テキミカタ」を見極めてハカリに掛ける効果もあるかも知れません。
はにわファクトリー 様
『世界の ”〇分” をお前にくれてやろう』との囁きですね。
これアメリカ相手にほんとに言ったことあるしな。
「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」
中国同様 支離滅裂な隣国も参加を表明するでしょうね。 「先に手をあげるからオマエも後から付いて来いよ!」と先日の会談で命令されたと想像しています。
もう「ワクチン2回目接種副反応は?」どころでは無くなりました(誰の?笑)。
米中、日中もそうですが、豪中も大変険悪な状況です。少し前迄は中国にベッタリで、習近平が訪豪したぐらいですが、今や中国は豪州産の石炭や農産物などの輸入を制限する制裁を行っています。
反対に豪は、中国企業が北部準州政府と結んだダーウィン港を99年間賃借する契約(香港やん。何故そんな契約を結んだ?)も、安全保障上の理由から利用制限など見直しをし始めた。ココは日本にも影響あります。ダーウィンからまっすぐ北上すれば南シナ海、東シナ海、日本列島です。
豪は「一帯一路」に関して南東部ビクトリア州政府が結んだ協定2件を破棄しました。中国は当然、反発してます。
さて、中国の巨大市場や一帯一路に目が眩む国など、、無いと言いたいが分かりません。日本、豪国、NZが反対して、もし賛成に回る国が有れば、そこからヒビが入る。それが加盟出来なくても中国の狙いだ。
だから、韓国などフラフラ国は絶対入れてはならないのです。中国の陽動作戦は、具体的なプラン無しでここまででしょう。逆に英国、米国、台湾が加盟を急いで欲しいですね。
確かに、今の中国が、TPPが求めるルールをクリアできるとは思えません。さらに、最近の共産党・政府のやり方を見る限り、クリアできるよう自国内部を変える気もないと思います。それなのに敢えて今、加盟申請しようとする動機は、WSJの見立てのように、米中対立における一手とする以外には考えにくいですね。
では何故これが一手になるのかと言えば、これを契機に米国のTPP加盟の動きが促進されるだろうからです。では何故、中国にとって米国のTPP加盟が望ましいのかといえば、この協定は米国、特にその経済にとって「毒」になる可能性が大きいからでしょう。そのことは米国ファーストのトランプが加盟をキャンセルしたことでも分かります。ですから、その毒を米国に呑ませることができれば、米国を弱らせることになって、ひいては中国の利益になるという理屈ですね。
或いは、米国が、加盟のためにルールを自国有利に変えようとし既存加盟国(日、豪、加など、米国との同盟国が多い)との間でモメれば、それだけでも半分成功と考えているでしょう。
中国がTPP加入をしようとするのは、中国が今までやり方では通用しなくなってきたことに由るのではないかと思います。
きっと中国からしたら、今までのやり方をTPPの中でやりたいのでしょう。
殺虫剤の噴霧から逃げる黒虫が、隙間に入ろうとしているのに、わざわざ隙間を広げたり逃げ道を作ってあげる必要はないですよね。
中に入れると卵産んだりします。
あとから駆除するのは至難の業です。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせてないと、素人が舞い上がってしまうので)
「米英豪のAUKUSに対抗して、中国が正式にTPP加盟を申請して(ダメ元で)揺さぶりをかけることを狙った」と考えるのは考えすぎでしょうか。(もちろん、中国としてはTPP乗っ取りが出来れば、それに越したことはない、と考えているのかもしれませんが)
そして、日米印豪クアッド首脳会談が対面で開催されることへのけん制も、あるのかもしれません。(もしかしたら、もうすぐ首相が交代する日本への揺さぶりかもしれません)
蛇足ですが、自民党総裁選の候補が、日本国内で話題になることを狙って、日米印豪クアッド首脳会談に出席の菅総理に(代理人かもしれませんが)同行して、アメリカに行くことも、あり得るのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
中国が揺さぶりをかけたタイミングには、自民党総裁選というファクターもあるのではないかと思いました。
高市氏はきっぱり断りそうな気がしますが、岸田氏は?河野氏は韓国にはキレたのが印象的ですが中国はどうでしたっけ?
中国のことだから表明したらTPPに入れると思っていそう
中国がTPPに加入申請した目的は、ズバリ日本を取り込むためではないかと思います。というのは米国から弾き出されそうになっている中国にとって、この上日本から技術や中間素材、製造装備類の輸入を絞られたら中国経済は息の根が止まってしまうからです。中国の産業の上流部分の技術を日本が多く持っていて日本がなければ中国は何も製造できないと自覚している節がありますので。以前record Chinaの記事を紹介するサイトで上記の理由で中国市場で日本の最終製品をあまり目にしなくなったからといって日本が衰退したなどと日本の技術を侮ってはいけないし、中間素材や部品機械装備などの技術は中国がまだまだ日本に追い付いていないなどの議論がされていたという記事を読んだことがあるからです。従って中国が米国に対抗していくためには是非とも日本を自陣営に取り込みたいはずです。それで韓国を利用して中国ー韓国ー日本というラインで日本を取り込もうとしたけど日韓関係は史上最悪と言われる状態でした。そこで日本を取り込みたい中国と南北首脳会談の実現に前のめりの文在寅政権の思惑が一致して昨年秋からの韓国の日本へのすり寄りが始まったのではないでしょうか?しかし舞台上の役者があまりにも大根過ぎて表面は関係改善をしたいと装っても、自分たちの思うように日本を利用しようという魂胆が見え見えで失敗しました。そこで中国はTPP加入申請を口実に日本と直接協議する機会を作り直接日本を脅したりすかしたりして取り込もうという考えではないかしら?そこには中国様に逆らえるのは米国以外にはあるまいという傲慢さが透けて見える気がします。
こんなことを考えたのは、 TPPが目指す自由貿易経済と、経済的に大きな力を持った大企業に対する規制を強め国家統制の経済を推し進めている習近平の政策とは全く逆向きだからです。
これって、大石内蔵助が率いる赤穂浪士の会に吉良上野介が「僕も入れて」と言っているようなもの。
上手いなあ(^^♪
こういうことが発せられると韓国大喜びでしょう。
中国と同時申請で どさくさで加盟。中国よりは韓国のほうがまし という比較論で加盟とか。
単独申請では拒絶されるから イギリスの加盟申請に便乗するき まんまんでしょ。
中韓をメンバーにしたら 拒絶権連発でTPP自体を 形骸化することになるとおもう。
発足メンバーと あとから参加のメンバーには 運営権に差をつけないと 乗っ取られることになる。
国連の常任理事国と同じですね。拒否権を持てるのは第一次メンバーだけ。
中国がTPPに加盟申請したそうでちょっとびっくりしました。本気なの。
子分の半島南部も真似しそうですね。
目的は中国が先に加盟して、アメリカや台湾の加盟を阻止、TPPを形骸化して有名無実化する。
無法者だから規則は守らないだろうし、入れたら内部崩壊すると思います。
全加盟国の了解が必要なので、弱そうな国から個別折衝して了解を得られなければ脅しにかかると思います。。。と私の妄想でした。
中国のTPP正式申請に対しての麻生財務大臣のコメント
https://news.yahoo.co.jp/articles/9754dc02d3ac008b2e225cdfaa7562641fdf63eb
「新規に加入できるような状態ですかね、今の中国は?」
共産チャイナからのTPPへの加入申請は,議長国であり米離脱後の実際上のTPPのリーダーである日本が共産チャイナと本気で対立する覚悟があるのか否かのテストということでしょう.
この加盟申請に対して,
ー1.日本が折れて共産チャイナの加盟を許せば,TPPという巨大な経済圏+安全保障の枠組みは人民解放軍のものになり自動的に日本も共産チャイナの属国にできる(つまり米の属国であり最重要拠点の日本を米国から引き剝がせる)し,
ー2.日本が折れずにあくまでも突っ撥ねたり更には逆に台湾の蔡英文総統ら台湾独立派と組んで台湾のTPP加盟の流れへと進めようとすれば,共産チャイナとしては尖閣・台湾侵攻プランを本気で進め最終的には南西諸島全てを共産チャイナの統治下に収める(と同時に現在の文政権による司法制圧により急激に加速した韓国の共産化を完成させて南西と北西の両側から九州を挟撃できる対日布陣を完成させて,日本に対して「お前の命運は北京が握っている」ということを思い知らせて膝を屈させる),
この何れの方針で対日というよりも西太平洋における米国にとっての対中封じ込め戦略の最重要橋頭保である日本を制圧するのか,そのための方針判断の判断の試金石が,今回のTPP加盟申請だと私は理解しました.
迷王星 様
このストーリーで行くと、対中姿勢の曖昧な岸田氏、河野氏への逆風、強硬な高市氏へのフォローと単純にはなりますが、
高市氏を総理にして、靖国参拝で日米離間を図る高等戦術かもしれませんね。
農家の三男坊様
>このストーリーで行くと、対中姿勢の曖昧な岸田氏、河野氏への逆風、強硬な高市氏へのフォローと単純にはなりますが、
いえ,そうとは限りません.
上述の私の予測ストーリーを自民党議員の大半が認識し危険性を共有していれば,仰る通り,今回の共産チャイナからのTPP加盟申請は高市候補への追い風となるでしょう.
しかしながら自民党議員という集団に対する私の推測だと,今回の共産チャイナの神聖の裏側にある危険性を(上記のようなストーリー=理屈レベルとは言わぬまでも感覚的にでも)感じている者は極めて少数に過ぎないでしょう.
せいぜい,TPPに参加してルールを守らず更に貿易黒字を稼ごうとしているな,といった類の純粋に経済的な危険性だけしか今回のニュースに直面して理解していない議員が圧倒的多数であろう,と残念ながら自民党(に限らず現代日本における国会)議員の質を考えると推測せざるを得ないのです.
そして少なからずの議員や多くの国民は「共産チャイナが(TPPを進める)日本に協力的な姿勢を示しているのだから,日本も共産チャイナに敵対せず融和的になるべきだ」と今回のニュースに対して考えている(実に能天気なことだと思いますが)としても私は全く驚きません.
仮に直前の段落の私の(議員も国民も大半は能天気だという)推測が正しいならば岸田氏や河野氏への追い風として作用するのは確実ですし,北京政府はその効果(対中問題で対立派である高市氏への逆風)を狙っていると考えています.
麻生大臣の発言は「お前たち,今回の加盟申請を能天気に考えてたら駄目だぞ.北京の連中は少なくとも経済ルールを守る気なぞ毛頭ないんだから,TPPに入れたらいいようにショバ荒らしされて貿易黒字稼がれ,海軍や海警の船や戦闘機をますます増やされてしまうぞ」という警告弾だと私は理解しました.
冥王星様
危険を認識していたら、反対に「折れる」可能性もあるけどね
あと、「中庸の道」も素人ですら考えられる
例えば、トルコだってEU加盟申請していたが、即時却下されたわけではない
バシラス(長いので省略させて頂きました)様
>危険を認識していたら、反対に「折れる」可能性もあるけどね
折れるケース,つまり先の私のコメントの選択肢1のほうは折れた場合=日本がアメリカから引き剥がされた後に日本が蒙る危険性を書いていないので貴兄は折れた場合に生ずる危険性を考えていないのかも知れませんが,2の対立ケースと同じかそれ以上に危険ですよ.
アメリカから日本が引き剥がされて北京の属国になってしまうということは,日米安保が最終的に失われるということです.つまり日本はウィグルやチベットと同じく北京共産党政府によって民族浄化の対象とされる立場に置かれるのです.
しかも2の場合は日本はアメリカと組んだままですから南西と北西とから九州が挟撃を受ける状況であっても日米安保は存続しており在日米軍も居るでしょう.だから日本は一瞬たりとも油断はできない状況に追い込まれてはいるが,北京も簡単には対日侵攻を開始できないし,そもそも在日米軍が存在している状況で南西諸島を日本から奪い取るのは容易ではない.
だが,1を選び日本がアメリカから引き剥がされると日本は自衛隊だけで自分を守らねばならないのです.
つまり「折れる」=選択肢1を選ぶということは,北京が日本国民を民族浄化の対象としても自衛隊以外には守ってくれる戦力はなくなるということです.
TPP加盟申請で北京に対して日本が折れるというのは最終的に我々日本国民の抹殺へと至る自殺行為なのですよ.九州が挟撃される危険性を背負うよりも桁違いに危険なのです.
>例えば、トルコだってEU加盟申請していたが、即時却下されたわけではない
それは中庸の道ではなくて米中の間で韓国が良く使っている単なる曖昧戦略ですね.
共産チャイナによるTPP加盟申請を何年も実質的に放置しておけるなら幸いです.ですが,そういう都合の良い話が北京に通じるとは限らない.
韓国の曖昧戦略は3NOに典型的に表れている通り,米中対立でどちらかを選ばねばならなくなったら実質的には北京に従いワシントンを裏切る方向です.ワシントンは北京に比べればはるかに行儀が良く,しかも現時点で韓国に自国軍を駐留させているという一種の安心感から韓国による曖昧戦略のための裏切りを許しているのです.(そのアメリカでさえ韓国のGSOMIA破棄という一線を超えた裏切りに対しては相当に厳しく殴りつけた訳です.この裏切りは米中対立に対する曖昧戦略のためでなく対日反発のためですが,アメリカにとって裏切りの原因はどうでも良くて,裏切り行為が許容できる一線を超えるか否かだけが殴るか見過ごすかの判断基準ということ)
ついでに言えば,実例として挙げておられるトルコのEU加盟は余り参考にはならないと思います.
トルコは現時点でもNATO加盟国であり続けており(NATO内部において色々と軋轢を生み出しているのは私も知っていますが)最低限の行儀は弁えていると考えられますが,共産チャイナは現代において時代遅れの拡張主義あるいはネオ帝国主義やナチス並みの人種抹殺行為を平気で行う国です.
トルコのように加盟申請が何十年も宙ぶらりん状態に放置されたままで共産チャイナも大人しく待っていてくれると期待するのは甘すぎるでしょう.少なくとも宙ぶらりん放置をするにしても,共産チャイナがしびれを切らせて怒鳴り込んで来る事態は最初から想定して準備しておかねばならない.
迷王星様
ご説もっともですが、選択肢1のデメリットを考えていないのは私ではなく国会議員と自民党員の皆様という議論ですが?
貴兄は「日本の国会議員も国民も馬鹿ばっかりだ」と言ってなかったっけ?
ちなみに、純粋に経済的に考えたら中国は明らかに「TPP加入条件」を満たしていないから却下一択になるはずだけどね
TPP加盟国の分断との指摘がありご尤もなご意見。調略戦に徹した中国の加盟国炙り出し作戦だと思います。中国の思惑は、加盟国全てが反中では無い事の炙り出しと公表で、仮に11ヶ国の内3〜4ヵ国が中国加盟に賛成したとしたら、若しくは1カ国でも賛成したら、その時点で中国が加盟出来なくとも中国の調略が成功したものと言える。中国がこの期に加盟申請したのは離脱国の確証が得られつつあり、離脱国の翻意を促すのが今がチャンスと見たからではないか。ですから、賛成に転じるで有ろう諸国が絶対に出ないのか、或いは何ヵ国かが出て腐ったミカンになって中国から利を得ようとするのか、或いはTPPから離脱するのか、賛成する諸国に注目です。もしも11ヵ国全てが中国加入に反対ならば、TPPの結束=経済に於ける中国包囲網の完成と言えるかも知れません。
日米離間策だとか、皆様色々な見解がありますが……これ、もっと単純な話なんじゃないかと。
プーさん「なんで偉大なる中国の名がTPPに入ってないんだ!?」
側近「ハハーッ!」
つまりTPP加盟条件とか、中国の損得とか、すべて無視した独裁者の気紛れではないかと。
そんな風に思うのは、第二次文革とも言われる最近の強引な政策が理由です。
世界に存在感を示し始めた中国のコンテンツ産業を叩き潰す勢いの極端な規制強化とか、アリババを成功させたジャック・マーの失脚とか、中国の国としての損得勘定では有り得ない話ばかりです。
外から見てなんだかよくわからない手腕でスルスルと中共トップに上り詰め、長期独裁を成功させて来たこれまでの習氏とは別人のようだとも言えます。
ボケるにはちょっと早いので、権力の毒に当てられたのかも知れませんが…
オーストラリアは,早速,共産チャイナから課されている制裁関税の件と絡めてTPP加入交渉を拒否する意向を表明したようですね.
ただし,じゃあ共産チャイナがオーストラリアに対する制裁関税を取り下げると表明したらオーストラリアとしては加入交渉を許すのか,日本としてはまだまだ安心は出来ません.
豪、中国TPP加入交渉に応じない立場示唆
2021/9/17 16:35 (JST)9/17 16:52 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社
https://nordot.app/811501084819554304?c=39546741839462401
まあ入れる可能性は1%もなかったとしても、もし入れたら一気に覇権が目の前に来るので中国としては言い得なのでしょう
新宿会計士さんの100対0理論そのものと思います。言って損することは何もない。変な切り崩しに対抗するためには 麻生大臣の発言のように門前払いがベストと思います。
中国のTPP申請の主目的は「台湾のTPP加盟の可能性を摘むこと」ではないかと疑っています。例えば将来、台湾がTPP申請をした場合には、中国が「申請の主権は中国が持っており、中国が申請済みのため台湾の申請は無効」等を主張することも考えられます。
まだ申請だけなので自信ありませんが、今後の中国・台湾・米国・日本等の言動で判断していこうと思っています。