自民党しか選択肢がない?この状況を変える唯一の人物

当ウェブサイトではこれまでも(これからも)、どこか特定の政党や候補者を応援したりする予定はありませんが、それと同時に、客観的事実として、自民党が2012年12月の衆院選以来、政権与党の座にあり続けているという点については、その理由などを考察しておく価値はあると考えています。端的にいえば、私有財産制度を否定するかのような野党もあるなかで、実務能力的に一番マシだと判断されているのではないかと思います。

自民党政権は国民の判断の結果

正直なところ、著者自身は自民党が好きではありません。

ただ、それと同時に自民党が有権者から圧倒的に支持されていて、自民党政権が続いているという点については、マジメに考察しておく必要があります。

なお、その前提として申し上げておくと、著者は読者の皆様に対し、「選挙には必ず行ってほしい」とお願いする反面、具体的にどこの政党・どこの候補者に対し、票を入れてほしい(あるいは票を入れてほしくない)、とお願いすることは避けてきたつもりですし、今後も当面はそのスタンスを維持する予定です。

ただ、現実問題、票を投じることができる政党/候補者は限られてくるのが実情でしょう。

さすがに私たちの大事な国・ニッポンの舵取りを、「非武装中立」、「外交で平和を達成」、「憲法第9条死守」などと主張する政党ないし政治家に委ねるというのも非現実的な話ですし、そうなればやはり「現実路線」を歩む政党に投票せざるを得ない(と判断する人が多い)のも当然すぎる話です。

自民党は2010年参院選以降改選第1党

そして、(少なくとも2010年参院選以降)選挙のたびに自民党が比較第1党であり続けたという事実は、日本国民がそのように判断してきたという証拠ではないかと思います。

参考までに、国政選挙の獲得議席合計を並べておきましょう。

選挙における最大会派と獲得議席・議席占有率
  • 2005衆…自民296議席(61.67%)
  • 2007参…民主*60議席(49.59%)
  • 2009衆…民主308議席(64.17%)
  • 2010参…自民*51議席(42.15%)
  • 2012衆…自民294議席(61.25%)
  • 2013参…自民*65議席(53.72%)
  • 2014衆…自民290議席(61.05%)
  • 2016参…自民*55議席(45.45%)
  • 2017衆…自民281議席(60.43%)
  • 2019参…自民*57議席(45.97%)
  • 2021衆…自民259議席(55.70%)
  • 2022参…自民*63議席(50.81%)
  • 2024衆…自民191議席(41.08%)
  • 2025参…自民*39議席(31.20%)
  • 2026衆…自民315議席(67.74%)

(【出所】総務省『衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果』資料および『参議院議員通常選挙 速報結果』資料をもとに作成)

誰が率いるかで選挙結果は変わるが…

2005年衆院選は小泉純一郎首相(※当時)が仕掛けた「郵政解散」で自民党が圧勝した回、2007年参院選は「消えた年金問題」で安倍晋三総理大臣が率いた自民党が惨敗した回、2009年衆院選はマスメディアの「政権交代」偏向報道事件で麻生太郎総理大臣が率いた自民党が惨敗した回です。

ただ、民主党政権の2010年には、菅直人首相(※当時)が率いる与党・民主党が比較第1党になれず、谷垣貞一総裁が率いた自民党が改選第1党の地位を回復しており、これが後に第二次安倍政権時代以降、自民党が安定政権を作るのに寄与します。

実際、自民党総裁に再登板した安倍総理が第二次政権を作るきっかけとなった2012年衆院選を含め、自民党は実に11回連続して、選挙で比較第1党となり続けています。石破茂首相(※当時)のもとで、2024年、25年と連続してズッコケたものの、それでも(いちおうは)比較第1党であり続けました。

安倍総理や菅義偉総理大臣らの「遺産」がいかに大きかったか、という証拠といえるかもしれません。

そして、高市早苗総理大臣のもとで行われた今年の衆院選では、自民党が議席占有率3分の2超という歴史的な大勝利を収めており、少なくとも衆院側では石破前首相の失地を回復した格好です(参院側では自民党政権が少数与党という状況があと5年続く可能性はありますが…)。

ただ、ここで重要な点があるとしたら、国民が過去11回の大型国政選挙で、常に自民党を第1党に選び続けてきた、という事実でしょう。

これについては「完全比例代表制度だったとしたら自民党がそこまで多くの議席を獲得していないに違いない」、などとする反論が寄せられるかもしれません。

ただ、『完全比例代表でも政権交代は生じなかった可能性が高い』でも指摘したとおり、仮に日本の選挙制度が完全比例代表制度を取っていたとしても、自民党が得票率でも比較第1党でありつづけているという事実は、おそらくは変化しません。

すなわち自民党主体の政権が続いている可能性が極めて高く、自民党からの政権交代が生じていたという可能性は考え辛いところです。

いずれにせよ、誰が何をいおうが、日本国民が自民党を政権与党に選び続けていたことは事実であり、逆にいえば、2012年12月に民主党が下野したのを最後に、自民党以外の政党が主体となった政権が誕生していないというのは、「日本国民による厳粛な信託の結果」なのです。

実務能力の点からは自民党を選ばざるを得ない

ただし、著者自身は自民党が好きではありません。

現実にこの高すぎる税・社会保険料、非効率すぎる政府・自治体、若者や現役層の稼ぎが容赦なく団塊世代を中心とする老人に収奪される構造など―――を作ってきたのが自民党であり、また、それらを是正するチャンスがあったのに先送りしてきたのも自民党です。

ただ、これもくどいようですが、「好き/嫌い」で政党・政治家を選べるほどに選択肢は多くないのが現状であり、結局のところ、「最もマシ」な選択肢を選び続ける以外に方法はなく、その「最もマシ」な選択肢を選び続けた結果が現在なのだと思うのです。

こうしたなかで、なぜ国民が野党を選ばなかったのかについては、少しマジメに考察しておく必要があるかもしれません。

これについては、やはり、「実務能力」、あるいは「実務担当能力」という視点があると思います。実務能力は、「政治家が政策を推進・実行する能力」のことだとでもいえば良いと思いますが、要するに国民のために働く力のことです。

たしかに自民党は国民が求めてもいない政策を勝手に導入してきたりしますが、だからといって「自民党を政権から追放して野党を政権の座につけよう」、とはならなかったのは、想像するに、野党の実務担当能力に対する疑問が国民の側にあったからではないかと思います。

小川代表、それは共産主義では?

そして、政権交代が生じ得るなら、その最大の候補は最大野党ですが、現在の「最大野党」は衆院側では中道改革連合です。こうしたなかで、中道改革連合の小川淳也代表が30日、自身のXを更新し、『アエラデジタル』に掲載された記事を自ら引用するかたちで、こんな内容をポストしました。

小川代表は、こんなことを提言したそうです。

亡くなった方の資産のほとんどが自分の子どもに行っていますが、もし、亡くなった方の資産の一部が、若い世代に還元される――といった世代循環型の資産による支え合いみたいなシステムがあれば、可能性が出てきます。それらをトータルでパッケージとして、見直さなければならない」。

このあたりは、なかなかに興味深い(?)発想です。

さりげなく凄いことを述べていますが、これ、私有財産制度の否定、あるいは新手の共産主義でしょうか?小川氏の主張が「私有財産の没収」に見えてしまうのは気のせいでしょうか?あるいは今でさえ理不尽に高い相続税を、さらに引き上げるつもりなのでしょうか?

なんだかよくわかりません。

中道改革連合が与党になる可能性

いずれにせよ、小川氏の発言を眺めていると、なぜ民主党、民進党、立憲民主党、中道改革連合と次々と名前を変えて来た最大野党が政権の座に返り咲くのが難しいのか、なんとなく見えてくる気がします(というか、そもそも参院側では立憲民主党と公明党が中道改革連合に合流してすらいないのですが…)。

もちろん、「大きな政府」、あるいは社会主義・共産主義的な社会を目指すのであれば、それはそれで主張としてはアリかもしれませんが、少なくとも政党名で「中道」という単語を使っている以上は、明らかに社会主義的な方向を目指すというのは、(少なくとも著者自身にとっては)違和感があります。

いや、そもそも「中道とは社会主義的な考えを含めた政策の方向性なのだ」、などといわれると、「はぁ、そうですか…」と納得するしかないのですが…。

いずれにせよ、中道改革連合、あるいは立憲民主党と公明党の両党が、今後も「この方向性」で進んでいくのかどうかはよくわかりませんが、少なくともこれ以上の増税と結果の平等を目指すような方向性で、国民の支持が短期的に上向くのかどうかはよくわかりません。

とりわけインターネットが普及し、ネットの影響力はこれからますます高まっていくと想定されるなかで、すでに支持者が高齢層に極端に偏っているとされる中道改革連合・立憲民主党・公明党が若年層にも支持を伸ばしていくためには、やはり現役層に寄り添った姿勢を打ち出せるかがポイントでしょう。

この日本を良い方向に変えていける「唯一の人物」

では、今後もずっと自民党を選び続けなければならないのか―――。

これについては、しつこいようですが、当ウェブサイトとしては「どこの政党が理想的である」、「どこの政党を勝たせるべきである」、といった内容に言及することはありませんが、ひとつだけヒントがあるとしたら、やはり日本国憲法の精神でしょう。

日本国憲法では、ともすれば「戦争禁止」、「戦争放棄」が注目されがちですが、もっと大事な点があるとしたら、それは「自由主義」と「民主主義」です。

この2つの柱は、じつは大日本帝国憲法でも採用されていた考え方でもありますが、早い話が「みんなで自由闊達に議論して国の方向性を決めていきましょう」というものであり、そのための手段が「自由な言論」と「民主的な投票」なのです。

そして、日本国民はこのうち「自由な言論」を、新聞・テレビを中心とするマスコミ・マスメディアから取り戻しつつあります。言論の自由には、「マスコミを批判する自由」も含まれていなければならず、決して自分たちの業界を批判しないマスコミが言論の主役の座を失いつつあることは、日本の言論空間が健全化する前兆です。

また、自民党は石破前首相が率いたことで選挙で惨敗し、高市総理が率いたことで選挙で圧勝したわけですから、自民党の左派(旧宏池会や石破前首相ら)は党内で力を失い、リフレ派的な勢力の政治力が伸びる効果が期待されますが、それだけではありません。

自民党は「今回は」圧勝しましたが、減税、社会保険料下げなどに後ろ向きであれば、そして「減税や社保下げを訴えたら勝てる」ということに自民党以外の政治家らが気付いたら、そのときには自民党が惨敗し、政権を失うという可能性が現実味を帯びてきます。

小川代表の発言を見る限り、中道改革連合ないし立憲民主党への政権交代、という可能性は高くなさそうですが、「それ以外の政党」が今後、勢力を伸ばしていく可能性は十分にありますし、むしろ中道改革連合や立憲民主党が最大野党の地位を失っていくことで、自民党もうかうかできなくなる可能性が高いです。

そして、この日本という国をより良い姿に変えていける人物が、ただひとりだけいます。

それが「あなた」です。

もしもインターネットの端末を操作できるのであれば、ぜひともXなどのSNSをやってみてください。

もしも納得いかない報道を続ける新聞を購読しているならば、今すぐ解約して下さい。

もしも納得いかない報道を続けるテレビ番組を視聴しているならば、今すぐ視聴を止めてください。

そして選挙では必ず投票して下さい。棄権や白票だとダメです。必ず投票して下さい。

案外、日本はそれだけのことでかなり変わっていくのではないか、などと思う次第です。

本文は以上です。

金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない

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読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    高市氏の解散判断は確かに拙速でしたが、それを真っ当に糾弾する資格のある野党議員が現状果たしてどれだけいるのか甚だ疑問です。

  2. 丸の内会計士 より:

    世の中が変わる原動力としては、選挙ももちろんですが、技術革新の影響も大きいですね。中道の代表の方の発言ですが、こんなコメントが皆さんに簡単に共有させたら、かなりのマイナスインパクトになると思います。SNSの影響により、時間の経過とともに、言論空間が劇的にまともな建設的な方向になるように思います。中道とかは消えてなくなるのではと思ってしまいます。AIによって、中道の議員の発言等がクラスタリングされて、全体との比較で可視化されてしまうと、落選議員との類似性がハッキリと出てしまい、ご本人も政治屋を続けるためには、自分のコメントを落選しないように改めるしか方法がないということに気がつくでしょうね。自分の頭の改革が必要でしょうね。

  3. seyg より:

    少数野党の戦略として、
    自民党と同じ方向なら、自民党でいいやとなり埋没。
    では、自民党以外の方向なら 支持者は自民党より少なく 老舗の立憲に勝たないといけません。

    もし、自分が野党なら ミニ自民党戦略をとります。
    ミニ自民党戦略とは?
    少し保守であまり過激にならず 当たり障りのない少し右より政策をとり、ほとんどは自民党に協力し 自民党が左派的な政策を取ったとき(LGBTとか夫婦別姓とか)全力で反対する。
    そして実効性のある(その様にみえる)対案を出す。

    リベラル野党からゆ党とか自民の糞とか悪口を言われても実直に同じ道を歩く。

    そして、自民党に石破総理みたいなのが出てきた時、自民党からこぼれた支持者を全力で取りに行く。

    国民民主党もブレなければそうなれたのに。
    維新は、今はそのレールにのってますが高市さんのいる限り現状維持が精一杯。
    ですが、現状維持を臥薪嘗胆で耐える事が出来れば、自民党内がリベラル左派の内紛で左派が勝ったときチャンスがきます。
    みらいは、立憲のおこぼれ狙いぽいので与党は無理そう。
    参政党は情弱ビジネスぽい。情弱のパイ自体小さいのでこれ以上は望めず。
    保守は代表が交代して過激度がなくならないと先細り。が、自民党に協力して予算案成立を目指すのは他の野党との差別化で上手い戦略です。

    結論。
    維新が高市さんの影を臥薪嘗胆で耐えれたらワンチャン。
    ただ、大阪の地方政党のイメージが国政政党への道を邪魔するかも。

  4. 農民 より:

     素人考えの推論であり大変恐縮ですが……小川先生の仰る「自分の子供」というのは、ひょっとすると故人よりも「若い世代」である可能性があるのではないでしょうか。

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