もしも「自民圧勝」なら今後の政権運営はどうなるのか
今回の衆院選、議席予想を出そうとも思っていたのですが、ちょっと読めません。結論からいえば「最大野党」である立憲民主党あらため「中道改革連合」が惨敗し、自民党がダブルスコアどころかトリプルスコアで圧勝する可能性が出てきたのですが、「保守(?)野党」がどこまで議席を積み増すか読み辛いところでもあります。ただ、少なくとも「保守野党」が自民票を奪うという要因は、そこまで選挙結果を左右するものでもないのかもしれません。
目次
本稿は「予定稿」
本稿は、第51回衆議院議員総選挙の選挙運動の期間(1月27日~2月7日)、および本日・8日の午後8時を迎える前の時間を使い、事前に執筆した「予定稿」です。
本稿が読者の皆さまの目に留まるのは2月8日午後8時以降ですが、これはもちろん、公選法の規定などに抵触する可能性を完全に排除するための措置であり、現時点においてはまだ投票が締め切られた状態ではありますが、この選挙について、現時点の情報をもとに考察しておくという趣旨のものです。
ただし、残念ながら著者自身はジャーナリストではなく、一介のビジネスマンに過ぎません。入手できる情報にも限界があるため、結論からいえば、今回は具体的な議席の予想は実施しません。
というよりも、予測に当たって入手できる資料は、①前回までの衆院選や参院選などの選挙結果に関する公開データ、②各メディアが事前に公表した支持率調査や情勢分析―――などであり、これに著者自身の感覚を加味したものですので、もし予測を出したとしても、その精度は決して高いものとはなりません。
後述する通り、衆院選は投票率や「旋風」などに応じ、かなりブレがあるため、今回は具体的な数値予測を出さない(出せない)のです。
ただ、あくまでも現時点でのメディア報道やSNS上の反応などを見る限り、日本国民(とくに現役層やSNS層)は(旧)立憲民主党、あるいは同党と公明党が合体した「中道改革連合」に対し、非常に強い拒絶感(あるいは嫌悪感、でしょうか?)を抱いている可能性が濃厚です。
もちろん、選挙は水物ですので、現実の投票結果がどうなっているかについては、現時点ではまだわかりません。
しかし、想像するに、中道改革連合は「最大野党」の地位にはとどまるものの、改選前議席を大幅に減らすほか、党の重鎮を含め、多くの候補が議席を失うという結果になる可能性が、非常に高いと見ています。
選挙結果予測の難しさ
前回衆院選は大外れだったが、参院選は良い予測が出せた
ちなみにこの「事前に入手できる情報のみを使って選挙予測をする」という当ウェブサイトのアプローチは、当たることもあれば、外れることもあります。
実際、このアプローチを使い、当ウェブサイトでは、前回の衆院選については自民党が案外そこまで苦戦しないのではないか、とする予測を出しました(『「自民苦戦と立民躍進」は本当か』参照)。
ところが、読者の皆さまもご存じの通り、現実に2024年総選挙では、自民党は大敗を喫しました。いわば、当ウェブサイトの予測は盛大に外れ、現実には自民党が単独過半数割れし、立憲民主党が小選挙区を中心に議席を伸ばして大勝しているのです。
一方、昨年の参院選に関しては、これと似たようなアプローチを取りつつも、直前の東京都議選などの分析を加味した予想を立てたのですが(『もし自民惨敗でも石破氏を総裁に選んだ議員の自業自得』)、こちらは議席予想が現実の選挙結果とかなり近く、自分でも正直驚いた次第です。
ついでに石破茂首相=当時=の居座りと、自民党党内から党則第6条第4項を使った事実上の解任動議が出てくる可能性を、この時点で予測していたことについては、ちょっとだけ自慢したいと思う次第です。
ではなぜ、参院選についてはここまで制度が高い予測ができたのか、そしてなぜ、衆院選についてここまで盛大に予測を外したのか―――。
言い訳がましいですが、衆院選は小選挙区が主体であり、ちょっとした「風」、あるいは投票率により、選挙結果が大きく動くからです。これに対し参院選は「一人区」が全国で32区しかなく、改選数124議席のうち全国比例に50議席、中選挙区に42議席が配分されていて、一時的な「風」よりも、その党が持つ基礎体力が、議席数に反映されやすいためです。
これに加え、参考となる選挙が直近で行われていたかどうかも大きなポイントです。
前回衆院選は石破前首相が就任した直後に行われたものであり、「石破効果」が読めなかったのですが、これに対して参院選は前月に都議選が行われたばかりであり、有権者の石破前首相に対する嫌悪感の効果が抜群に発揮されたのを見た直後だったので、自民党の惨敗が予測しやすかったのです。
いわば、衆院選に関しては石破茂氏が首相・自民党総裁に選ばれて初めてのケースであったため、有権者の「石破アレルギー」の大きさを盛大に過小評価してしまう一方、参院選に関しては直前の東京都議選で有権者の動向が何となく読めた、という要因が大きかったのかもしれません(※これが自分なりの勝手な分析です)。
いずれにせよ、当ウェブサイトの2つの選挙予測が大きく違った点については、選挙分析の難しさとともに、参考となる指標がどれだけあるかにも依存するという教訓が得られたのではないかと思います。
あるいは小選挙区主体の衆院選の予測は難しい反面、比例議席が多く、また、中選挙区もある参院選に関しては、予測は比較的容易なのかもしれません。
以上の要因より、本稿では各政党の具体的な議席数の予測は控えます。
もちろん、2021年や2024年の各選挙区における得票データなどはあるのですが、「石破嫌悪票」がどこまで戻るか、あるいは投票率が上がるか下がるか、といった要因もあるため、とくに今回は積み上げ計算が難しい、という事情があるからです。
ただ、結論からいえば、自民党が大幅に議席を上積みし、おそらくは単独過半数どころか、下手をすると1党で絶対安定多数(261議席前後)を超える圧倒的な議席を得る可能性が高いと考えています。あるいは自民・維新であわせて「3分の2」ラインである310議席を超える可能性もあります(ただし維新はやや苦戦するかもしれませんが…)。
一方で、最大野党である立憲民主党改め「中道改革連合」は、旧公明党と合わせて獲得議席が100を割り込むなど、盛大にズッコケるほか、左派政党(日本共産党やれいわ新選組、社民党)も議席を大きく減らす可能性がある一方、いわゆる「保守野党」(国民民主党、参政党、日本保守党、チームみらい)は議席の維持または獲得が見られるかもしれません。
いわば、自民党が300議席台を視野に入れる一方、中道改革連合は100議席を割り込むという、「ダブルスコア」どころか「トリプルスコア」状態も視野に入るのです。
で、自民党は勝つのか、負けるのか
そこに至る前に、今回の選挙を読むにあたっての「視点」を取り上げておきたいと思います。
今回の選挙を読むうえでの不確定要素としては、少なくとも次の4点があるはずです。
- ①立民公明の組織票…自民票⇩減らす要因
- ②保守票の食い合い…自民票⇩減らす要因
- ③左派支持層高齢化…自民党⇧増やす要因
- ④サナエ旋風の発生…自民党⇧増やす要因
これを受けて、①の要因と②の要因をある程度織り込み、選挙期間入りする直前、2026年1月26日時点で作成したのが、こんな予想です(図表1)。
図表1 選挙予想(2026年1月26日時点)
| 政党 | 公示前 | 新勢力 | 増減 |
| 自民 | 198 | 218 | 20 |
| 維新 | 34 | 33 | -1 |
| 中道 | 172 | 142 | -30 |
| 国民 | 27 | 40 | 13 |
| 共産 | 8 | 4 | -4 |
| れ新 | 8 | 4 | -4 |
| 保守 | 1 | 3 | 2 |
| 有志 | 5 | 0 | -5 |
| 参政 | 2 | 14 | 12 |
| 未来 | 0 | 2 | 2 |
| 諸派 | 10 | 5 | -5 |
| 合計 | 465 | 465 | 0 |
この主旨は、こうです。
- 『中道改革連合』は野党同士の選挙協力に失敗するが、創価学会票がある程度上積みされる
- その一方で自民党は2021年総選挙並みに得票するが、いくつかの選挙区で参政党と競合する
…。
中道改革連合は予想外に大苦戦か
ただ、この予想を立てたのは、選挙戦に入る直前までに入手できた情報に基づいて、です。
しかし、選挙戦入り直後から出て来たいくつかのメディアによる世論調査、Xにおける野党支持層と思しきアカウントなどの情報発信、そして著者自身の観察結果を受けて、この考え方を変えました。「中道改革連合」が、思った以上にズッコケる可能性が高いからです。
まず、各選挙区で2万票を持つとされる公明票については、今回の選挙ではおそらく、関係者が想定していたほどには「中道改革連合」には流れません。
そう考える理由はいくつかあるのですが、ひとつの客観的証拠を示すならば、公明党が小選挙区で候補を立てず、各地の比例上位を独占したことです。
これにより、比例代表では公明票と立民票を合わせることで、公明党系の候補者のかなりの割合が当選を保証されている反面、小選挙区では公明党が候補を立てていないため、公明支持層(創価学会票など)にとってはわざわざ選挙区で立民系の候補に票を投じる義理はないのです。
そもそも論として公明党が本当に各選挙区で2万票前後の基礎票を持っているのかという疑問もありますが(公明党が与党で国交相のポストを独占していたことによる上積みも考えられるからです)、意外と公明票は立民票を押し上げる効果を持たないと予想しています。
この視点に気づいた原因のひとつが、著者自身の近所にいる、いくつかの家庭/店舗/事務所の事例です。
とある店舗のケースだと、店主が自ら公明党の支持者であることを公言しているらしく、公明党の代表や地元選出の国会議員、あるいは地方議会議員のポスターを店の外壁の目立つ場所に、常時、デカデカと張り出していました。
ところが、立憲民主党と公明党の「合体」が発表されて以降、それらのポスターが剥がされていたらしく、選挙期間中も単に中道改革連合の文字が刷り込まれたポスターが1枚張り出されているのみになりました。
こうした「異変」が生じたのは、この店舗だけではありません。
近所にある小規模な建設会社のオフィスの壁にも、やはり同様にこれまで公明党系の政治家らのポスターが何枚もべたべた貼られていたのがすべて剥がされていましたし、さらに公明党や日本共産党、「れいわ新選組」などのポスターが貼られていた個人宅からも、公明党のポスターだけがキレイにはがされていたのです。
想像するに、これは公明党支持者が「中道改革連合」に対し、無言の抗議をしたものであるという可能性はありそうです(といっても、組織票の影響力をそこまで軽視すべきでもありませんが…)。
立民圧勝シナリオの前提条件は崩れた
これについて、上記図表1では、「前回の選挙で自民党候補者に投じられた2万の公明票が、今回はそのまま『中道改革連合』(≒旧・立憲民主党)の候補者に流れるため、公明党の連立離脱と新党結成効果だけで、自民と立民の得票差は最大で4万票(=2万票+2万票)開く可能性がある」という前提を置いています。
しかし、そもそも論として公明票が本当に2万票もあったのか(せいぜい1万票程度ではないか)、という観点もさることながら、その1~2万の公明票が立民に流れなかった可能性があることから、選挙前に予想された立民圧勝シナリオの前提条件が崩れている可能性が高いのです。
というよりも、先ほど挙げた4つの要因のうち、「③左派支持層高齢化」に関しては、予想外の速度で進行しているかもしれません。新聞、テレビの社会的影響力が高齢層にほぼ限定されており、しかもその高齢層すら、最近は新聞、テレビから遠ざかっている可能性があるからです。
立憲民主党も公明党も(あるいは日本共産党や社民党なども)基本的には「高齢層のための政党」であり、支持者の若返りに失敗している限りは、未来が見通せない、ということでもあります。
つまり、「1+1」を3とか4とかにするというシナジー効果は働かず、それどころか「1+1」が2に届かない、といった現象すら予想されるのです。
ちょうど半年前の参院選で、当ウェブサイトでは石破茂首相(当時)が率いた自民党が「盛大にズッコケた」と述べましたが、もしかすると今回、「盛大にズッコケた」のは中道改革連合なのかもしれません。
とりわけSNSなどを見ていると、単純に若年層が中道改革連合を「支持していない」というれべるではなく、むしろ「積極的に忌避している」フシがあります。この効果で、中道改革連合が公明票・労組票などの「基礎票」と引き換えに、浮動票をゴッソリと失った可能性があるのです。
いずれにせよこれらの政党の現実の得票状況については、開票速報を待ちたいと思う次第です。
自民党はどこまで伸びる?
保守野党の躍進を阻むのが「サナエ旋風」
さて、そうなってくると、残りの要因はどうなるのでしょうか。
まず、先ほど示した4要因のうち、「②保守票の食い合い」に関してです。
これも現時点の考えですが、参政党や国民民主党、あるいは日本保守党や「チームみらい」などの「保守(?)野党」がある程度は票を獲得し、ケースによっては小選挙区で議席を積み増す可能性はあるものの、最終的に自民党を大敗させるまでのうねりにはならないと見ています。
(※なお、ここで「保守野党」と記したのはあくまでも便宜上の話であって、ここに挙げた4つの政党が「保守」なのかどうかについては別問題です。)
そもそも「保守(?)野党」が複数存在しているという時点で、自民党の票を割るという意味ではなかなかにハードルが高いです。比例と合わせて190人の候補を擁立した参政党はともかくとして、ほかの3党は「大躍進」するのは難しいのが実情ではないでしょうか。
そして、この「②保守票の食い合い」という要因を無効化するのが「④サナエ旋風」です。
その影響を読むうえで参考となるのが、2005年以降の各衆院選における各党の議席状況です(図表2)。
図表2 衆院選・獲得議席数(選挙区+比例代表合計)
| 選挙年 | 最大政党 | 第2政党 | 第3政党 |
| 2005 | 自民(296議席・占有率61.67%) | 民主(113議席・占有率23.54%) | 公明(31議席・占有率6.46%) |
| 2009 | 民主(308議席・占有率64.17%) | 自民(119議席・占有率24.79%) | 公明(21議席・占有率4.38%) |
| 2012 | 自民(294議席・占有率61.25%) | 民主(57議席・占有率11.88%) | 維新(54議席・占有率11.25%) |
| 2014 | 自民(290議席・占有率61.05%) | 民主(73議席・占有率15.37%) | 維党(41議席・占有率8.63%) |
| 2017 | 自民(281議席・占有率60.43%) | 立民(54議席・占有率11.61%) | 希望(50議席・占有率10.75%) |
| 2021 | 自民(259議席・占有率55.70%) | 立民(96議席・占有率20.65%) | 維新(41議席・占有率8.82%) |
| 2024 | 自民(191議席・占有率41.08%) | 立民(148議席・占有率31.83%) | 維新(38議席・占有率8.17%) |
(【出所】総務省『衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果』データをもとに作成)
2024年を除いて、どの回でも第1党が全体の過半を上回る議席を占有していることがわかりますが、ここまで極端な差がつく理由はもちろん、小選挙区制度にあります。小選挙区では過半の得票がなくても、圧倒的多数の議席を獲得し得るからです。
カギを握るのは小選挙区の「風」の動向
このことをさらに示すのが、選挙区における獲得議席数を示した、次の図表3です。
図表3 衆院選・獲得議席数(選挙区)
| 選挙年 | 最大政党 | 第2政党 | 第3政党 |
| 2005 | 自民(219議席・占有率73.00%) | 民主(52議席・占有率17.33%) | 無所(18議席・占有率6.00%) |
| 2009 | 民主(221議席・占有率73.67%) | 自民(64議席・占有率21.33%) | 無所(6議席・占有率2.00%) |
| 2012 | 自民(237議席・占有率79.00%) | 民主(27議席・占有率9.00%) | 維新(14議席・占有率4.67%) |
| 2014 | 自民(222議席・占有率75.25%) | 民主(38議席・占有率12.88%) | 維い(11議席・占有率3.73%) |
| 2017 | 自民(215議席・占有率74.39%) | 無所(26議席・占有率9.00%) | 希望(18議席・占有率6.23%) |
| 2021 | 自民(187議席・占有率64.71%) | 立民(57議席・占有率19.72%) | 維新(16議席・占有率5.54%) |
| 2024 | 自民(132議席・占有率45.67%) | 立民(104議席・占有率35.99%) | 維新(23議席・占有率7.96%) |
(【出所】総務省『衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果』データをもとに作成)
保守野党票が自民党にリバース?
これも、「石破自滅効果」で自民党が盛大にズッコケた2024年を除くと、どの回でも最低でも3分の2近く、多いときは8割近い議席をかっさらい、2009年では民主党が、それ以外の回では自民党が、それぞれ圧勝していることがわかります。
ただ、とくに2012年以降の3回においては、「安倍自民」の圧勝を阻むはずだった要因が、ことごとく機能しなかったことを思い出しておく必要があります。
たとえば2012年だと「日本維新の会」が3番手に浮上し、当時の民主党と野党票を割ったことで、結果的に自民党の圧勝につながったという側面があります。また、2014年に関しても同じく、民主党と「維新の党」が票を食い合い、自民党の躍進を止められませんでした。
さらに2017年は、いうまでもなく、当時の最大野党だった民進党が「希望の党」と立憲民主党、それから複数の無所属に分裂しての戦いとなり、結果的に自民党の圧勝に利することとなったのです。
2021年は野党が選挙協力し、日本共産党票が立憲民主党に集まったこともあり、立憲民主が100近い議席を獲得したほか、2024年には「石破自民」の自爆で立憲民主がさらに50議席ほど積み増したわけですが、こうした経緯を振り返ると、野党が団結していない状況は自民党に有利に働いてきたことがわかります。
そして、2024年総選挙で自民党がズッコケた分、「保守野党」が躍進したわけですが、逆にいえば自民党がズッコケなければ、保守野党がそこまで勝てる要因もありません。くどいようですが、衆院選は小選挙区主体の選挙だからです。
今回、少なくともSNS上では、全国的に「サナエ旋風」が吹き荒れていることを考えると、「保守野党」(とくに参政党)による自民票を奪う効果については、そこまで大きくない可能性が高いのです。
それどころか、「保守野党」に行くはずだった票が自民党に盛大にリバースし、結果的に自民党の圧勝を演じる、という可能性も否定できません。
それよりも『速報:2日前時点投票数が大幅増』でも取り上げたとおり、投票率が大幅に上昇すれば、結果的に自民党の圧勝につながる可能性が出て来ます。
本日はあいにく全国的に天気が悪く、特に午前中に関しては投票率が芳しくなかったようです。
この点、首都圏では多くの地域で午後から夕方にかけ、雪が止むなどしたためか、投票率は若干持ち直しているとの情報もあるにはあります。
ただ、少なくとも本稿執筆時点で入手可能な最新の情報(たとえば総務省『令和8年2月8日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料』など)によると、少なくとも夕方時点の投票率は、自民党の圧勝をもたらす「サナエ旋風」といえるほどの投票率水準ではありません。
総務省発表投票率【前回→今回】
【期日前投票抜きベース】
10:00 時点…*6.33%→*3.72%(▲2.60pt)
11:00 時点…10.44%→*7.17%(▲3.26pt)
14:00 時点…19.12%→16.05%(▲3.07pt)
16:00 時点…24.30%→21.64%(▲2.65pt)
【期日前投票込みベース】
期日前投票…20.17%→26.10%(+5.93pt)…— 新宿会計士 (@shinjukuacc) February 8, 2026
しかし、期日前投票については非常に好調であり、おそらく合計投票総数については前回を上回る可能性が高いです。
ちなみに前回・2024年の小選挙区の投票総数は54,261,878票、投票率は52.23%でした。
仮に投票率が前回より3ポイント上昇し、55.23%となったと仮定すれば、今回の投票総数は57,168,635票で、2021年の57,457,033票、2012年の59,626,568票には届きませんが、2014年の52,939,790票や2017年の55,422,193票を上回ります。
ことから、やはり「投票率が低迷して自民党惨敗につながった」という前回のパターンを踏む可能性は、現時点では非常に低いといえるでしょう。
与党は絶対安定多数以上の可能性の一方、最大野党は?
これらを総合すると、今回の衆院選は、前回・2024年衆院選とはまったく違ったパターンとなる可能性が高いです。
すなわち、少なくとも「自民党惨敗シナリオ」の可能性は非常に低く、それどころか最低でも単独過半数(233議席)・維新と合わせれば絶対安定多数(261議席)、あるいは最終的な投票率次第では自民単独で絶対安定多数ラインを超え、維新と合わせれば3分の2が視野に入る展開もあり得ます。
そして、自民惨敗シナリオは、非常に考え辛いところです。
自民党が惨敗するとしたら、その最大の要因は立憲民主党が公明党と合体して「中道改革連合」を作ったことと、公明党の組織票が自民から逃げ、旧立民系候補に移ることだったはずです。
この点、中道改革連合は組織力が盤石であるため、各地の小選挙区などで重鎮議員を中心に堅調に議席を積み上げるなどするほか、比例代表では旧公明党議員を中心に議席が積み上がるため、引き続き「最大野党」の地位にはとどまる可能性はありそうです。
しかし、こうした「盤石な組織票」は、結局、組織票の枠を出ることができない可能性が高いです。中道改革連合が想像以上に支持層の拡大に失敗し、それどころか、SNS層を中心に若い有権者から拒絶感を持たれていたことは、おそらく間違いないからです。
しかも、(ここから先はあくまでも想像ですが)中道改革連合は今回の選挙でしこりが残り、立憲民主党と公明党に再分裂する可能性があります。そうなると、次回国政選挙では、両党ともに、壊滅的に議席を減らす可能性が出て来ます。
とくに今回の選挙で自民党が躍進すれば、高市早苗総理大臣の党内基盤も盤石化しますし、高市総理を拒絶して連立を出て行った公明党が、高市総理が在任している間に与党に戻るという可能性も極めて低いでしょう。
また、公明党は比例上位枠を独占したことで立憲民主党側の恨みを買った可能性があります。立民側の重鎮議員などにとっては、比例復活の可能性が下がるからです。
そもそも支持層の高齢化に苦しんでいる立憲民主、公明の両党にとっては支持層の若返りが大きな課題ですが、今回の選挙結果は、これらの政党が5年後、あるいは10年後にどうなっていくかを読むうえで大きなカギであることは間違いないでしょう。
ごく近い将来、下手をすると2年半後の参院選あたりで「最大野党の交代」という事象が発生する可能性すら浮上するのです。
与党は参議院では過半数割れ
ただし、今回の選挙結果は、自民党側がそれなりの勝利をおさめる可能性が高いと考えられる一方で、それにより「高市独裁」(?)が成立するというものではありません。
今回の選挙で仮に自民党が圧勝を遂げたとしても、高市早苗総理大臣にとっては、政権運営が楽になるかどうかは衆院側で3分の2を超えるかどうかにかかっています。石破茂・前首相の負の遺産である「参議院過半数割れ」という状況が残ってしまっているからです。
参議院側では、定数248議席(=過半数ラインは125議席)のうち、自民党は100議席に過ぎず、連立与党入りしている日本維新の会の19議席を合わせても119議席で、過半数にはなお6議席足りません。
しかも、さすがに自民党がそれなりに躍進したとしても、衆院側で「自民単独で3分の2」は難しいでしょう。
もしも自維あわせて衆院側で3分の2を獲得できれば、参院側で法案が否決されても衆院側での再可決という手が使えますが、それには維新が連立から外れないという前提条件が充足されなければなりません。
もしも維新が連立から離脱でもしようものなら、自民党政権は法案ひとつ満足に通せない、という状況に陥るのです。
もっとも、参院側では国民民主党が25議席、参政党が15議席を持っているため、おそらく高市総理の心中では、これらの政党との連携は視野に入っているのかもしれません。あるいは2議席の「チームみらい」、同じく2議席の「日本保守党」、さらには無所属の6議席などとの連携がひとつのポイントです。
その意味では、今回の衆院選のポイントは、①自民・維新が衆院側で過半数を得るかどうか(この場合も参院側は支配できていないので野党との連携が必要)、②自民が衆院で単独過半数を得るかどうか、③自民・維新が衆院側で3分の2を得られるか、④自民が衆院で3分の2を制するか、といった段階があります。
本稿はあくまでも予定稿であり、開票速報などをいっさい目にせずに執筆したものであるため、情勢については正直、よくわかりませんが、それでも選挙中に得られた情報などを総合すると、今回の選挙、案外、自民党が大躍進という可能性が高いことについては指摘しておきたいと思う次第です。
それが良いことかどうかは別として。
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます(コメントに当たって著名人等を呼び捨てにするなどのものは禁止します)。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
読者コメント一覧
※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。
やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。
※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。
※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。
当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。また、著名人などを呼び捨てにするなどのコメントも控えてください。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。
田舎の一市民 へ返信する コメントをキャンセル
【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
| 自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
![]() | 日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |




自民圧勝と報道されてますね
というか中革自滅、惨敗でした。
自民単独で3分の2の可能性も出てきた。
うひょー
宮城4区森下さん、ゼロ確です。嬉しい。
東京18区福田さん、当確です。選挙区だけに嬉しい。
東京8区が気になる。門さん、当選してして欲しい。
岩手3区、藤原崇さんが当確となりました。
奈良2区の高市早苗総理、福岡8区の麻生太郎副総裁も当確です。
青山繁晴さんも兵庫8区で当確となりました。
安住さんはやはり落選でしたね
悪態ばかりついて、有権者を馬鹿にしてた報い、因果応報だと
公明党に飛びついたのは、歴史的な愚策、特大毒饅頭でしたやはり
ゼロ打ちで与党絶対安定多数になってて、最初は何の数字が出ているのかわかりませんでした。(テレ朝)
自民党内左派は自身で選挙連敗して高市総理で記録的大勝利ですから、しばらくすみっこぐらししててもらいたいですな
にしても、公明党は、立憲の議席を削ることで相対的に自らの影響力を高める戦略だったんですかね
統合すると言ったときコイツらア○やろ、と思ってましたが、よく考えると複数形ではなく、片方はむしろクレバー、狡猾で、もう片方が救いようない○ホだった
でも石破は早々に当確なのが、鳥取から遠くに住んでいる身には不思議。やはり地方は政策よりも、地方に金を持ってくるかなんすかね。
なんと岡田克也さんも落選か
「岡田屋、観念せえ、お主も年貢の納め時じゃ」ってとこか、例の執拗な質問で国益を損ね、こどもみたいないい訳しててついに有権者に見限られたのか。
高市政権発足後、急激に国民も変わったように思います。ガラスの天井を突き破るのを目の当たりにして、自らも他人任せでなく未来に向けた行動をしよう、そんな風に影響があったのなら、日本の未来も少し明るくなるかも。
なんだかトリプルどころの話ではなく、さらに倍!以上な状況ですな。
おや岸田石破両氏はさすがに生き延びましたか。
まだ開票途中とはいえ、総裁選と同様、高市総理の浮かれずむしろ厳しい表情での受け答えが再び印象的です。対照的にもはや憔悴したような表情の大越キャスター……
知名度の低い中道議員が僅差で破れているように見えるのに対し、安住氏や米山氏といった”有名人”が大差で破れているのも印象的です。もはや元立憲的には大敗した方が勲章なのでは。
正直、「ネットでの旋風」など、まだまだそこまでの破壊力は無かろうと思っていました。平均年齢も非常に高く歴史的に左翼王国であり必ず民主系が一定の戦果を挙げていた長野ですら全区自民勝利。ネットだけではなかったということか?
その大越氏がさっそく高市政権の今後にケチをつけて放送時間枠に間に合わずアワアワしていますが(笑)それはそれで確かに一理あり、如何にまとめあげるのか、期待を裏切っては反動が史上最大級に極大になるであろうこと、まさにお手並み拝見といったところでしょうか。
高市政権安泰ならば、各論で支援したいような零細党の応援投票も出来るようになるな、と思ったものの。ここまで勝つと「勝たせすぎたからバランスをとらないと~」などと本質を無視した投票行動も出てくるでしょうから、結局は政権の仕事ぶりを見守る他無さそうです。