ベネズエラは国際法の保護受けるに値する国だったのか

米国東部時間の2日から3日にかけて、ドナルド・J・トランプ米大統領の指令により、米軍が電撃的にベネズエラのニコラス・マドゥーロ「大統領」夫妻を拘束した件を巡っては、「米国による国際法違反」という側面がある可能性は否定できませんが、それ以上にもっと深刻にとらえておかねばならないのは、ベネズエラが国際法に守られる資格があったのかどうか、という点ではないでしょうか。

マドゥーロ政権の崩壊…米軍は国際法違反?

当ウェブサイトでもっと早く取り上げたかった話題が、米軍がベネズエラでニコラス・マドゥーロ「大統領」を捕縛した件です。

マドゥーロ「大統領」、とカギカッコを付けているのは、政権が事実上崩壊したからです。

米NBCニューズの報道等によれば、米国東部時間2日(金曜日)夜10時46分、ドナルド・J・トランプ米大統領が秘密裏に作戦決行の指令を出し、少なくとも150の航空機が陸上と海上の約20ヵ所の基地から出撃。日付が変わって土曜日の午前1時までにはマドゥーロ大統領夫妻を逮捕したそうです。

A CIA team, steel doors and a fateful phone call: How the U.S. captured Maduro in Venezuela

―――2026/01/04 11:34 GMT+9付 NBC NEWSより

この件を、どう見るか―――。

端的にいえば、これは米国による国際法・国連憲章違反という可能性がある事態です。

たとえば、国連憲章第2条第4項では、国連加盟国は外国の領土での軍事力行使を慎まなければならないと規定しています。

国連憲章第2条第4項

すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

これを米国による自衛権発動と呼んで良いのか

もちろん、この国連憲章の規定には、例外もいくつかあります。たとえば安保理の決議を経たときか、もしくは国連憲章第51条に定める個別的/集団的自衛権の行使によるもののいずれかである場合は、軍事力行使が認められることもあると考えられます。

国連憲章第51条

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

しかし、今回の米軍の作戦は、国連安保理決議を経たものではありませんし、ましては米国自身がベネズエラからの軍事攻撃を受けていたと見るには少し無理があるため、やはり同憲章第51条の適用は難しそうにも見えます。

ベネズエラも国際法の保護を受ける資格があるかは微妙

ただ、先に著者自身の勝手な見解を述べておくと、そもそもベネズエラ政府(というか、故ウゴ・チャベス前大統領やマドゥーロ「大統領」)がこれまで国際法や自国の法律を守っていなかったわけですから、国連憲章による保護を受ける資格がある存在といえるのかは微妙です。

とりわけベネズエラの状況を調べていくと、ベネズエラが限りなく腐敗し、失敗した国家である、と言った背景も見えてくるからです。

そもそもベネズエラは産油国であり、もともとは豊かな国になり得るポテンシャルがあるにも関わらず、チャベス・マドゥーロ両政権の失政により汚職が蔓延し、国民が貧困水準にあえいでいたことは、なにより見落とせない重要な視点です。

外務省の『ベネズエラ』(section 4)の説明によると、べネズエラは「世界有数の石油産出国」であり、原油の確認埋蔵量は3038億バレル(※2021年BP統計に基づく2020年時点の予測)で、これは世界第1位だそうです。

ただ、それと同時にベネズエラの石油埋蔵量には「オリノコタール」と呼ばれるオリノコ川北岸の超重質油も含まれており、開発・生産しても通常の精油所では精製できないため、先進国などの技術協力が必要と考えられますが、現状でそれは望み薄です。

たとえば、国連UNHCR協会の説明によると、ベネズエラは人口の4分の1にあたる790万人が政情不安と社会経済の混乱、食料難、人道危機を要因として同国からの避難を強いられているそうです。

また、ベネズエラは米国への違法な麻薬・薬物等の輸出拠点となっていたことが米国政府からしばしば問題視されており、今回の軍事作戦に先立ち、昨年12月29日にはベネズエラ近海の麻薬密輸船への攻撃の一環として、麻薬を船に積み込むベネズエラの港湾施設を攻撃しています。

米国、ベネズエラの港湾施設を無人機で攻撃…ギャングが麻薬の積み替えに利用

―――2025/12/30 20:13付 読売新聞オンラインより

ではなぜ、同国経済はここまで行き詰まってしまったのでしょうか。

関東学院大学の中泉教授の指摘

同国経済について、関東学院大学経済学部の中泉拓也教授はnoteに興味深い論考を投稿しています。

経済政策の失敗から経済破綻、独裁、麻薬国家に成り果てたベネズエラの現状

―――2026年1月3日 20:22付 noteより

中泉氏によると同国経済の破綻は「チャベスの政策が酷かった」ことに尽きます。

なぜベネズエラが麻薬を売るしかできないほど経済が酷くなったのかといえば、たとえば無茶な価格補助があります。

小麦粉は近隣国で1㎏10ドルで売られており、国内で生産すると1㎏5ドルだとします。

その小麦粉を、マドゥーロ政権は輸入してきて1㎏3ドルで売るのです。

ということは、市場では1㎏3ドルで売られている小麦を国内で生産するというインセンティブはなくなってしまいますし、また、1㎏を輸入するには10ドルあれば足りるはずなのに、腐敗と汚職で20ドルが支出され、10ドルは「誰かのポケット」に消えてしまいます。

結局、ベネズエラ政府は外国に行って20ドルで小麦粉を買って来て国内で3ドルで売るため、差額の17ドル(※うち10ドルは誰かのポッケに消える)はベネズエラ政府が負担しなければなりません。

しかも、話はそれにとどまりません。

小麦粉自体は近隣国では1㎏10ドルで売られているため、ベネズエラ国内で誰かが1㎏3ドルで小麦粉を買い占めて近隣国に輸出すれば、自動的に7ドル儲かります。

あるいは、書類上は100トン輸入したことにして、実際には50トンしか輸入しない(残り50トンは買い付けた国でそのまま1㎏10ドルで売却する)、といった汚職も横行し、その結果、ベネズエラ国内の店頭では小麦粉が手に入らない、といった事態も生じていたようです。

一事が万事この調子で石油資源があるはずなのに国全体が外貨不足・モノ不足に陥ります。

マドゥーロの居座り

しかも、マドゥーロの居座りも大きな問題です。

米NGO「フリーダムハウス」の「エレクション・ウォッチ」や「2025年自由度スコア」などによると、2024年の大統領選では有力候補だったマリア・コリーナ・マチャド氏が前年に15年間の立候補禁止措置を受けており、代わりにエドムンド・ゴンサレス・ウルティア氏が野党側の暫定統一候補となったそうです。

Election Watch 2024: Venezuela
Freedom in the World 2025: Venezuelaf

しかも、現実の選挙では政権側による独立系ウェブサイトの検閲や閉鎖に加え、逮捕や起訴なども日常的に行われ、選挙は自由・公正でなく、かつ、大規模な不正なども存在したと指摘されています。

野党側はまた、ゴンサレス候補が67%の票を得て圧勝していたと主張したものの、ベネズエラ政府当局がゴンサレス氏に対する逮捕状を発行したため、24年9月には国外逃亡を余儀なくされ、さらには同国の人権団体は抗議デモの弾圧で少なくとも24人が死亡し、政治犯は2,400人に達したと報告しているそうです。

いずれにせよ、客観的に見ると2024年の大統領選はゴンサレス氏の勝利に終わっていた可能性が高く、実際、米国政府はゴンサレス氏をベネズエラの「正当な大統領」と呼んでいます(たとえば米国務省の次のページなど)。

Secretary Rubio’s Call with the Rightful President of Venezuela González Urrutia and Venezuelan Democratic Opposition Leader Machado

―――2025/01/22付 米国務省HPより

メローニ首相のバランス感覚

すなわち、ベネズエラはチャベス、マドゥーロの両政権を通じたさまざまな失策・汚職で経済が完全に崩壊し、それにより国民の4分の1が難民化して近隣国などに逃れ、また、国内では麻薬産業がさかんになり、こうした麻薬が米国に流入していたという実態があるわけです。

もちろん、米国が国際法違反すれすれの軍事侵攻をやって良いのか、といった疑問はあるのですが、米国の立場としては、選挙で正当に選ばれたわけではないマドゥーロは「大統領」ではなく、また、米国の治安を脅かす「犯罪者」だ、という位置づけなのだと言えなくもありません。

こうしたモヤモヤをうまく言語化してくれた人物が2人います。

ひとりは、イタリアのジョルジャ・メローニ首相です。

なかなかのバランス感覚です。メローニ氏の発言を意訳すると、こんな具合だからです。

  • 私はベネズエラの状況をかなり初期の方からずっとフォローしてきており、また、わが国は国際社会の主要なパートナー諸国とともに、マドゥーロの選挙の勝利を決して認めず、同政権の抑圧を非難し、ベネズエラが民主主義国に移行することを常に支持してきた
  • わが国は歴史的に一貫して、たとえ全体主義政権を終わらせるためとはいえ、外国による軍事行動という手段は避けるべきとする立場を取ってきたが、同時に、麻薬取引を助長・支援する国からの自国の安全保障に対する複合的な攻撃に対する防衛という性質を持つ介入は合法的だと考える
  • わが国はベネズエラのイタリア人コミュニティの状況を特に注意深く追跡し続け、その安全が政府の絶対的な優先事項であると考えている

第2段落が最も興味深い点でしょう。

主語を微妙にボカしていますが、「外国による軍事行動による全体主義政権の打倒」は「米国によるマドゥーロ捕縛」を意味していることは明確であり、こうした行為は「たとえ全体主義政権を打倒するためとはいえ慎むべきもの」であるといったんは指摘。

ただ、後段で、ベネズエラが「麻薬取引の助長や支援を行っていた」としたうえで、そのことが米国に対する事実上の安全保障への脅威であるとする立場に理解を示し、米国の軍事行動はかかる安全保障への自衛、という側面があり、国際法的には合法である(可能性がある)とする立場を明確化した格好です。

高市総理はそこまで踏み込まず

こうした見解を踏まえつつ、もうひとつ紹介したいのが、こんな声明です。

こちらは、高市早苗総理大臣のポストですが、こちらもメローニ首相のポストと同様、なかなかのバランス感覚です。

高市総理はXで次の4点を指摘しました。

  • ベネズエラでの事案を受け、日本政府としては、私の指示の下、邦人の安全確保を最優先としつつ、関係国と緊密に連携して対応にあたっている
  • ベネズエラ情勢については、日本政府として、これまでも、一刻も早くベネズエラにおける民主主義が回復されることの重要性を訴えてきた
  • 我が国は、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきた
  • 日本政府は、こうした一貫した我が国の立場に基づき、G7や地域諸国を含む関係国と緊密に連携しつつ、引き続き邦人保護に万全を期するとともに、ベネズエラにおける民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進めていく

メローニ首相と立場は非常に似ています。

たとえばベネズエラにおける民主主義の回復や国際法の順守、G7諸国との連携といったキーワードに加え、自国民の安全確保の重要性にも言及しているからです。

もっとも、その順序と踏み込み方が違います。

高市総理は「邦人の安全」を最初に持ってきており、また、いわゆる価値外交(自由、民主主義、法の支配)への言及の箇所で、暗に米国の行為が国際法に触れる可能性があることに言及し、いわば、同盟国である米国を牽制している格好です。

このあたりは「自衛のための軍事作戦は合法」と言い切るメローニ首相との立場の違い、といったところでしょうか。

中国のメンツが丸つぶれに!?

さて、それはともかくとして、今回の米国の軍事行動、日本でもXなどの空間では、これを「国際法違反」と断言して激しく非難している者たちの異常さも浮き彫りになった格好だといえるかもしれません。

台湾海峡での圧力を強める中国に対してはなにも文句を言わないくせに、あるいはロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の日本人拉致や核・ミサイル開発などにはほとんど文句を言わないくせに、米国の軍事作戦に対しては発狂したように大騒ぎする者たちを見ていると、違和感しか覚えない、という人も多いでしょう。

ただ、それ以上に、おそらく今回の米国の行動を見ていて、最も焦り、おそれおののいているのは、北朝鮮の金正恩(きん・しょうおん)、ロシアのウラジミル・プーチン、そして中国の習近平(しゅう・きんぺい)という「3独裁者」かもしれません。

とりわけ北朝鮮に対しては、米軍がいわゆる「斬首作戦」を遂行するだけの十分な能力を持っていることが、今回のベネズエラ軍事作戦でも明らかになった格好です。

今から4年前に親EU政権の排除を目的に隣国であるウクライナに侵攻したロシアがいまだに戦争中であること、建国からもうすぐ80年を迎えるにも関わらず、中国が海を隔てた先にある台湾を実効支配できていないことなどと比べると、あまりにも鮮やかな国力の違いです。

しかも一部メディアなどの指摘によると、今回、米国がベネズエラの大統領夫妻を拘束できた理由が、彼らが中国からの使節団を迎えていたため、米軍側が標的の所在地をうまく把握できたからだ、といった背景もあるとのことです(この点については著者なりにもう少し裏を取りたいと思っています)。

これが事実なら、中国はまさにメンツが丸つぶれ、といったところかもしれません。

本文は以上です。

金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない

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読者コメント一覧

  1. 正月ボケ中 より:

    中日スポーツにこの人の談が載っていた

    〝「高市首相、トランプを制止すべし」 鳩山由紀夫元首相、米国のベネズエラへ攻撃めぐり訴え 「殺人行為が許されるわけはない」”
    ベネズエラの件は意見は専門家でも別れるが、これで正解がわかりました。

    この人の言うことは常に逆が正しい。

  2. クリリン より:

    高橋洋一先生が「トランプ大統領は3期もって言い出すかな?合衆国憲法的にダメだけど」っておっしゃっていたけど、、どうだろ。
    後任期3年に泥をかぶってでもレッドチームの末端を潰して再起不能にすると同時に国内産業空洞化再生やらドル回収でドル基軸のいじやらやってアメリカ覇権継続を確固たるものにしようとしているのかもしれない。

  3. はにわファクトリー より:

    やまたつさんは、トランプ政権がネココン勢力に巻き取られようとしているのかも知れないと懸念を示しています。アメリカの宿痾でしょうか。
    当方は近隣諸国に害毒を流してきたベネズエラが良くなるならそれ以外の答えはないと考えています。現にたくさんの人が喜んでいるではありませんか。

  4. 引きこもり中年 より:

    戦前の国際連盟は、加盟国していない国が無視して、加盟国も無視して(あるいは脱退して)有名無実化していきました。今の国際連合も、同じ道を歩むのでしょうか。

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      ○○(適当な言葉をいれてください):「核保有の超大国は、国際法を無視できる」
      だれか笑い話だと、言ってくれ。

    2. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      アメリカ大統領:「国際刑事裁判所ICCができない、ベネズエラ大統領を拘束を我々はやった」
      ベネズエラ大統領を批判してきたリベラル派は、賞賛するのかな。
      おまけで
      中国:「国家維持法違反の台湾の総統も、拘束しにいこう。ついでに高市総理も」
      朝日新聞社長なら、喜ばれたりして。

  5. 悪徳銀行員 より:

    新宿会計士様も言及されてますが、この斬首作戦が北朝鮮の金正恩に対して実行され成功していたら、私たち日本国民はどのような反応をするでしょうね。

    1. リーフ より:

      この北朝鮮の斬首作戦については、YouTubeの楽待で石平さんと山上さんの対談でも言ってますね。それより韓国も鈴置氏が「隣の国はベネスエラ」とプライムニュースで提言してますね。

    2. CRUSH より:

      2017年に米国空母が三隻揃って日本海で演習をしてました。
      (空前絶後の異例の異例)

      もしかしたら?

      でも石油が出ない国の親分を拉致するよりは、共産党中国のリソースを消費するお荷物として存続させておく方が米国にメリット大だと判断されたのではないでしょうかね。

      もはや日本海は多国籍の海軍がリンバンデ瀬取りを見張ってながいですから。

  6. 引っ掛かったオタク より:

    まー地理的に“ザ・裏庭”のベネズエラと違って韓国・日本は基地あれど本土ぢゃあ無いからなぁ…
    知らんけど

  7. 元雑用係 より:

    露が失敗した斬首作戦、米との違いが鮮明になっちゃいましたね。
    中国が整備していた対空網もどこまで稼働していたかは別ですが、F-35等のステルス機の第一撃目で壊滅されたそうです。米軍の死者はゼロだと。

    中国もベネズエラには相当入れ込んでいたようで。融資が回収できなくなる可能性。
    調子に乗って米の庭先にちょっかい出してゲンコツ食らったというところでしょうか。
    https://public.flourish.studio/visualisation/27057900/

    国際法も各国の解釈(主張)の積み重ねで新たな解釈が生まれる面もあるのでしょうが、これまでの国際法の主旨に基づけば米国の行為は違反でしかないと思います(主観)。

    国際法ガン無視で侵略する露、国際法の穴を突いて遵守する国を攻撃する中国、なんてのが跋扈する現在ではこれまでの国際法が役に立たないですが、かといって「国際法なんてなくてもいい」ともならないので、新たな国際法が力の均衡点によって定まるまでは、日本は微妙な対応を続けるしかないのでしょうかね。
    どうもこの、今後の流れの解像度が今ひとつ上がらなくて、よくわかりません。とりあえずは「中国ザマァ」の感想はあります。

    米秩序化の国際法の方が中露秩序下の国際法(法にならなさそう)よりマシでしょうし、日本としては米国側に寄りながら「法秩序の維持」を唱え続けるに尽きるのでしょうかね。防衛費足らなさそう。
    中国経済が一度ボロボロになるまでの辛抱でしょうかね。今年の中国は不動産問題が金融問題に引火する可能性が高いとも聞きましたが。

    以上、そこらへんのオッサンの独り言感想でした。

  8. 狂信的パラドゲーマー より:

    日本の立場としては米国の裏庭を不安定化する中国の目論見を叩き潰したのは評価できるけど
    ほぼ国際法違反同然の事をしたのはピュロスの勝利として高く付く可能性も大きいと思います
    もはや独裁者が下がるものは国際法ではなく核兵器以外ありえない秘密核開発は活発化しそうですし

  9. 農民 より:

     国際法というのは「日本が空母を持つのは国際法違反」とかいうアレな輩のせいで曖昧さが浮き彫りにはなりましたが、本件については例示の国連憲章などがあるので、問題ではありそうです。かといってアメリカが「国連憲章など守る価値なし」などと言い放つわけもなく、ゴリ押しする程度には体裁を保つでしょうが。
     ただ、アメリカも意識した上でいるからこそではないかと思うのですが、「アメリカの利益になる限りにおいて」ウクライナや台湾においても「国際法をほどほどに武力介入する」可能性を高めたかなとも思えます。彼らのご都合主義は常ですから信頼というのとは違いますが。逆にご都合に合っている状況においては信頼できます。
     開戦当初のゼレンシキー大統領のように、主導権を握っているつもりのアメリカを最大限利用してやる、くらいの視点が必要ではないかと思います。この点において、安倍総理直系といえる高市総理の時で良かった。石破氏では……

  10. 七味 より:

    >中国のメンツが丸つぶれに!?

    そういう見方もあるのですね♪

    てっきり、中国が会談で時刻と居場所を定めて、米国が実行した♪という、連携プレーだと思ってました (^^ゞ

    1. 引っ掛かったオタク より:

      まー中共もフェンタニルの件でアメさんからガン詰めされてるハズなんで、麻薬前面出しベネズエラ事態については水面下でニギニギしててもオカシクはナイ??
      初っ端のアメ非難はアリバイ用か否か? 
      今後の中共の立ち回りでミエテ来ますかネ??
      知らんけど

  11. ひとことぬし より:

    不法者だから不法に対処してよいということにはならないでしょう。

    ですが、トランプの取った手段は不法行為であると非難することと、マドゥロのクソ野郎の失脚を寿ぐのは別物として並立し得ると考えます。

    後者については今後どこまでスムースにベネズエラの社会秩序を立て直せるのか不明ですので、予断は禁物ですが。

    また、今回はもはや平時の外交案件ではなく戦争に準ずる事件です。

    かつての戦争中に行われた各個の作戦についても、戦術、戦略的な目的、戦果、後世への影響など、是非については後日に多面的に評価されるものであり、またその場合にも分かりやすい結論は必ずしも得られません。

    今回の件も現在分かっているだけの一連の事実を、無理に一つのパッケージとして評価するのは拙速でしょう。

    1. ひとことぬし より:

      〈補足〉

      米国も事前に大義を得ること、少なくともその努力は可能であったはずです。

      国連安保理に諮って、国連を通じてベネズエラ人道危機に対処する。

      もちろん中露は拒否権を発動するでしょう。

      そうであったとしても手続きを踏んだ上での『暴挙』であれば、部分的にであれ大義は得られ、国際世論の反応も違っていた可能性が高いでしょう。
      非難の矛先は拒否権を発動した中露に向かったかもしれません。

      ただ結果として、そのような手続きによって作戦成功の確率が下がる可能性の分析などを受けてのものかは分かりませんが、計画は総合的な判断の下に実行されたのだと思います。
      とはいえ、その判断の是非と大義を獲得すべき段取りの不備についての指摘は別の話かと思います。

      1. 引っ掛かったオタク より:

        まー今回の米国の動きは第一に米国内で起訴されている犯罪者を捕縛した!っスからねぇ
        『ベネズエラ人道危機に対処』は“明示した目的”やないから『国連安保理』に“米国から提起する”のこそ『筋違い』やないの?
        知らんけど

    2. 元雑用係 より:

      国際法が遵守されるかどうかは日本にとってはどうでもいい話ではないと思うので、私もその論点はそこそこ気になります。

      >米国も事前に大義を得ること、少なくともその努力は可能であったはずです。
      米国政府としては国際法ガン無視の姿勢は取らないと思うものの、トランプ個人はジャイアン風情をアピールするところがありますし、プロセス軽視も批判の一つとなるかもしれないと思いました。

      ただネット空間を見ていると、今回の米国批判者の多くがいつもの左巻きの面々になっているのと、国際法違反だからといって「元に戻せ」「マドゥーロを釈放しろ」とかアレなことを言っていて、まあほとんどは碌な議論にはなってないなと思いました。
      真面目な国際政治学者氏の多くは批判的な見解が多かったでようでした。

  12. 匿名 より:

    今回のことを国際法違反と主張する人は、国民を虐◯したポルポト政権を倒したベトナムは国際法違反と主張するのでしょうか。もっとガンボジア人が虐◯された方が良かったと考えているのでしょうか。

    1. DEEPBLUE より:

      大統領選挙の正当性に触れないメディアが多いですね。しかし、読売がすっかり朝日と同列の主張になったのはK国の浸透が完了したという事なんだろうな。

    2. はにわファクトリー より:

      日経も今回ひどいですよ。
      反米は親中とセットです。以前のシンパシー恋慕相手はソ連でした。いい歳をして学生運動の続きをやっている会社経営者層のことをちうごく人はよく理解していて、性根を見透して、巻き取ってやろうと虎視眈々狙って来ました。成果は見事に上がっている。そうではありませんか。

  13. seyg より:

    現代の満州事変か。
    あの時も、他国の不法行為を咎めても事実上無政府状態で、早急に解決するためには実力行使しかなかった。

    偽ベネズエラというのか。
    リットン調査団が派遣されるのか。

    日本と違い、米国は今の所うまくやってる様にみえます。

  14. 名無しで結構 より:

    チャウシェスクの処刑は金日成を震え上がらせたというが、今回の件では正恩が震え上がったようで、「うちには核がある」と言って、ご丁寧にミサイルまで撃ってましたが。チャウシェスクとマドゥロどっちが良いですかね。

  15. CRUSH より:

    「アル中の人から酒瓶を強奪することは、違法か?」
    みたいに僕には見えますね。

    今回のトランプのベネズエラ攻撃を、
    「国際法違反だ!」
    と言う人たちにとっては、例えば
    日本には売春は存在しない。
    日本には賭博は存在しない。

    ような気がしますよ。
    あるべき論はカマトトでしょう。
    アル中からは酒瓶を強奪して問題ありません。

    アル中に連帯保証人の判子を押させてる人たちに抗議しない方が、どうかしてますな。
    893がそんなに怖いのか。

    それと、ウクライナでも、スプラトリでも、ガザでも、ベトナムでも、台湾でも、竹島でも、国後でも、
    「進攻側が居座ってる」
    のに対して、今回はマドゥロ確保後は速やかに全員が撤収している点ですかね。
    あと、傀儡を立てずに現政権の次席に引き継がせているところも違いますかね。

    とにかく、ちゃっと落ち着いて推移と影響をきちんと観察しないとなんにも言えないと思います。
    あわてて非難してる人たちは、あわててる時点でまうダメですな。

    1. はにわファクトリー より:

      合法非合法論は、こんにゃく問答に過ぎず、一顧の値打ちもないというのが当方の見解です。もっとましなことを言え、頭の使い方の問題だと感じられてなりません。

  16. Masuo より:

    この件に関しては、私もアメリカは国際法違反だと思います。
    ただ、違反として裁かれるのは国連がきちんと機能している場合に限ると思います。

    国際司法裁判所(ICJ)の判断を「ただの紙切れ」と言い切った中国をはじめ、正直、国連は形骸化していて機能しているとは言えません。そうなれば「自分の身は自分で守る」は信条じゃないでしょうか。

    1つ注意しておかなければならないのは、アメリカは今回の行動を決して「正義の味方」としてやっていないという事。アメリカは常に自国ファースト、自国の為に行動します。(国家として当たり前なんでしょうけど)
    ここを見誤ると、「困っていればアメリカが助けてくれる」と勘違いすると思います。

    あと、普段国際法ガン無視の人達が、こういうときだけ「国際法違反ガー!」って声高に叫ぶのが本当に滑稽で乾いた笑いしか出ません。

  17. はるちゃん より:

    違法行為は警察もしくは検察が取り締まるべきですが、国際法違反を取り締まってくれるところは事実上ありません。
    世界の警察官を辞めたアメリカですが、さすがにアメリカ大陸での不法行為を見過ごすことは出来なかったのでしょう。つまり、アメリカは自身の勢力圏での反米的行為は見過ごさないという姿勢を見せた訳ですが、アメリカの勢力圏に日本が入っているのかどうか気になるところではあります。
    対中国でアメリカが日本を必要としているのなら台湾有事でアメリカ出動ということになると思いますが。
    日本が対中国で頼りになるかどうかが問われると思います。

  18. んん より:

    「石破君、中国の脅威が差し迫った状況だね」
    「安倍君、ホントに怖いのは自由化した中国だよ」

    1. はにわファクトリー より:

      「そのあかつきには、君の願い通りに大学生相手に中国で講演する夢がかなうんだろうね。帰国しないでいいってみんな思っているよ」

  19. 名も無き野次馬 より:

    この軍事作戦で特に言うべきことは、ベネズエラが購入したチャイナ製新型レーダーが役に立たなかった事でしょう。

    これにより台湾侵攻のためのチャイナの軍備もそこが知れてる事が分かりますし台湾側も一応安心でしょう。

    しかもこの出来事によりチャイナから武器を購入していた国々は購入先を変更する気になっていると言う話もありますし、この軍事作戦により石油どころか軍需産業の売上すら危うくなると言う一石二鳥な出来事だったと考えられます。

  20. 元日本共産党員名無し より:

    日共は1998年に中共がかなり踏み込んだ謝罪をした事で1967年以来の日中両党間の対立をやめて、江沢民政権と関係修復しました。その後江沢民が紹介・口添えする形でそれまで全く関係を持たなかった諸国政府や政治勢力と関係構築しました。その目玉は①韓国の左右両勢力②サウジアラビア③チェニジアのザイン・アル=アービディーン・ベン・アリー政権④列国議会同盟⑤ベネズエラのウゴ・チャベス政権でした。
    一番面妖なのは①の韓国の左右両勢力。左右とも日共は全く関係が無かったのが一気に親密な関係を結ぶ事になりました。中共の韓国への浸透の仕方を考えると恐ろしい事です。
    ②とは日共が一度訪問して、立場の違いを脇に置いてチョッピリ(中共の顔を立てて義理を果たす程度に)和やかに会談しただけでした。③も一度日共が訪問してベンアリの自叙伝みたいな本を貰って日共側は高く評価。今後は関係を深めましょうねぐらいの友好的な会談をしたんですけれど、2010年末に始まった退陣要求デモが全土に拡大する中、2011年1月14日に国外にベン=アリー大統領は国外に脱出。1987年以来のベンアリ政権はFacebookによるジャスミン革命であっさりと崩壊したのでした。④では国会に議席のある政党ならどの政党でも参加できるのが本来のタテマエなのですが何故か中共がエスコートして促すまでは日共は参加を検討した(上で参加を拒絶された)形跡が無かった。逆に中共が声を掛けたらホイホイと出て行って喜び勇んで活動をスタート。しかしその流れでどこかの国際会議で日共の持論の核兵器廃絶を演説した時に、中共側の意向と中共に忖度する会議運営が日共の発言をもみ消そうとしたとの事で日中両共産党は公然と意見対立(と日共側は『しんぶん赤旗』にて表明)。以降日共としては「中共の覇権主義と核兵器固執に反対、対立しています」と言う姿勢を示して居ますが1967年〜1998年の間の様な中共の全てに反対する対立はして居ません。そして⑤です。ウゴチャペス政権との関係は良好でした。経済失政は③のチェニジアのベンアリ政権と大差が無いが国民弾圧は桁違い。チャペス自身は大統領任期を無制限に延長した後個人的に寿命を迎えて終身大統領ではあったがまも無く終了。後継者指名されて居たのが今問題になって居るチャペスの右腕だったマドゥロでした。マドゥロの弾圧政治に『赤旗』は沈黙。今は詳しく追って居ませんが多分「アメリカガー」と吠えて居ると思います。日共党員や支持者でマドゥロ政権の国民弾圧や経済失政を知って居る人はほとんど居ないと思う。WikipediaでもYouTubeでも確認すれば誰でもわかるし、WikiやYouTubeが信じられないなら自分で調べれば英語でもスペイン語でも記事は幾らでも転がって居るし、自動翻訳ぐらいブラウザが勝手にしてくれる。だが調べようとしないし、『赤旗』に書いてないなら認めない。
    そんな発端は1998年の中共との関係修復で、中共を謝罪させたと言う事が日共としてはあまりにも大きな自慢で(2025年年末に死去した不破哲三氏が一躍筆名を轟かせたのは1966年訪中以来の対中共の批判論文でした)、その自慢の中でまんまと中共に取り込まれ、マドゥロにも甘い事になり、ベネズエラ国民の苦難に無理解に「国際法ガー」と橋下徹みたいな事を言う淵源でした。
    思えば中共と対立して居た当時は、ポルポト政権から脱走したヘンサムリンを神輿に担いでベトナム軍がカンボジアに軍事侵攻した時に、日本の他の政党が中共に気兼ねしてベトナム批判に加担する中、日共だけはベトナムを擁護してポルポト政権打倒の論陣を『赤旗』は当時張って居ました。ベトナムのポルポト政権への軍事侵攻とアメリカの今回のベネズエラ斬首作戦と方向性は大変似て居る。要するに中共を受け入れない日共は国際政治に一定の見識があったが、21世紀になってから中共に取り込まれすっかりダメダメに落ちぶれてしまいました

    1. CRUSH より:

      なるほど。
      理屈よりもウリナム(好き嫌い)が先に立つ、という子供みたいなところがあるのですね。

      個人的にはカラカスで、パリ解放後のリンチしまくりみたいな惨劇がおきやしないか、心配ですわ。
      とわいえ何にもできないし他人事なのですが。

      そういう意味では今回の米軍が、
      駐留せず、
      次席に統治を任せてる、
      のは、よい方策かもですな。

      マドゥロ側と解放された人民側とがそれなりにバランスしながら、米軍のプレッシャーの下でゆっくりと民主化を進めて行くかたちです。

    2. 元雑用係 より:

      >そんな発端は1998年の中共との関係修復で、中共を謝罪させたと言う事が日共としてはあまりにも大きな自慢で

      日本人に対して謝罪することによる独特の効果だったのかもしれませんね。
      今の中国には謝罪して得(徳)を取るなんて、とてもムリそうですが。

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