メディア取材班のアカウント凍結で見る「力関係逆転」
メディアはこれまで情報を発信するという特権を持っていたはずですが、社会のSNS化でこの特権がなくなり、どうやらSNSで発信するという意味では我々一般人と対等な立場となったようです。こうしたなかでメディアとSNSの力関係逆転を象徴する出来事がありました。共同通信の有志記者らが運営していたと思われる「共同通信ヘイト問題取材班」(@kyodonohate)のアカウントが、29日未明頃に凍結されたようです。
第四の権力が崩壊した
新聞、テレビといったメディアは、かつては大変に大きな社会的影響力を持っていました。とある大手新聞社は社説などで場合によっては政権を退陣に追い込むほどの力を発揮することもありましたし、メディアの「中の人」たちの中には、自分たちのことを「第四の権力」などと呼ぶ人もいたほどです。
ただ、これが明らかに大きく変化しています。
新聞の部数はダダ下がりであり、テレビの視聴者は高齢層にほぼ限られつつあるなかで、メディアの社会的影響力はかなり下がってきています。あきらかに、新聞、テレビを中心とするオールドメディアの社会的影響力が低下したのです。
いわば、第四の権力は、もはや完全に崩壊したと断じて良いでしょう。
では、オールドメディアの社会的影響力が低下した影響は、いったいどこに出てくるのでしょうか。
SNSの影響力は強まるばかり:メディアも一般人と対等に!
その答えのひとつが、ネット空間、とりわけSNSです。
SNSの社会的影響力は年々強まっており、当然、SNSの世論は選挙結果にも大きな影響を与え始めています。2024年11月に行われた兵庫県知事選挙では、一部メディアの攻撃にもかかわらず、前職の斎藤元彦氏が当選しましたが、これにはSNSの影響力があったことを、メディア自身も認めています。
そうなると、メディアの間で「SNS嫌悪」が強まるのも自然な流れといえるかもしれません。
実際、『有権者がネット世論で政治家をコントロールする時代へ』などを含め、繰り返し指摘しているとおり、メディア側はSNS空間とどう向き合えば良いか、考えあぐねているフシがあります。
事実、一部メディアは最近、「SNSはデマばかり」、などとレッテルを張り、決めつけでSNS攻撃を始めているフシがありますが、これも「社会的影響力」という既得権益を握っていたメディアにとっては、その既得権益を喪失することへの恐怖があるのかもしれません。
ただ、それ以上に面白いのは、一部のメディア、あるいはメディア記者らはSNSを敵視するわりに、そのSNSを使って自分たちの主張を伝えようとしているフシがあることです。
これは、メディア自身が自分たちのプラットフォーム(地上波テレビや新聞の紙面など)だけでなく、SNS運営事業者(たとえばXを運営するX Corp. やFacebook、 Instagram などを運用する Meta Platforms, Inc. などのプラットフォーム)を利用するユーザーになった、ということです。
ということは、メディアやその関係者(新聞社、通信社、テレビ局、記者、ジャーナリストなど)は、SNS上では私たち一般人と対等な立場で情報発信している、ということであり、これは「情報を発信すること」がメディアの特権ではなくなったことを意味しているのです。
そして、数年前にX(当時は “Twitter” )に「コミュニティノート」の機能が実装されたことで、メディアのツイート・ポストにも容赦なくコミュニティノートが「着弾」するようになり、メディアの「権威」はますます低下しているのが実情ではないでしょうか。
とあるアカウントの凍結
こうしたなかで、本稿で取り上げておきたいのが、「共同通信ヘイト問題取材班」(@kyodonohate)のXアカウント凍結です。
現時点で同アカウントにアクセスしようとしても、こう表示されてしまいます。
アカウントは凍結されています
Xでは、Xルールに違反しているアカウントを凍結しています
…。
同アカウントが、いかなる理由で凍結されたのかについてはよくわかりませんが、『Xルール』のリンクを確認すると、たとえば次のような禁止事項が列挙されています。
- 暴力的な発言: 暴力や加害の脅迫、煽動、賛美を行うことや、その願望を表明することは禁止されています。<略>
- 暴力行為やヘイト行為の主体: 暴力行為やヘイト行為の主体に加入したり、そうした主体の活動を奨励したりすることはできません。<略>
- 児童の性的搾取: Xは、児童の性的搾取を一切容認しません。<略>
- 攻撃的な行為/嫌がらせ: 攻撃的なコンテンツを共有したり、特定の人物を標的とした嫌がらせに関与したり、他の人にそうするよう扇動したりすることことは禁止されています。<略>
- ヘイト行為: 人種、民族、出身地、社会的地位、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、深刻な疾患を理由とした他者への攻撃行為ことは禁止されています。<略>
- 暴力行為の加害者: テロリスト、暴力的な過激派、または集団による暴力行為加害者によって管理されている個々のアカウントを削除し、加害者が作成した声明やその他のコンテンツを拡散するポストも削除することがあります。<略>
政治家も意識をそろそろ改めよ
禁止行為はこれら以外にもいくつか列挙されていますが、どれも当然のルールばかりです。
ということは、同アカウントが凍結されたのは、これらのいずれか(またはその複数)に同アカウントが抵触した(とX社が判断した)からだと考えるのが自然でしょう。
ちなみに複数のXユーザーらの情報によると、凍結されたのは日本時間の12月29日未明ごろだそうですが、少なくとも本稿執筆時点においては、同アカウントのホーム、個別のポストなどはすべて閲覧ができない状況となっています。復旧するのかどうかは、正直、著者自身にはなんともわかりません。
このあたりは、時代の変化でしょう。
理屈の上では、たとえば著者のアカウント(@shinjukuacc)だって凍結されるおそれがありますが(そうならないように健全なアカウント運営に努めているつもりです)、極端な話、新聞社やテレビ局の公式アカウント自体も凍結される可能性がある、ということでもあります。
いずれにせよ、オールドメディアとSNSは、いまや完全に力関係が逆転しました。
政治家の皆さんも、そのことを改めて強く認識なさった方が良いと思うのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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毎度、ばかばかしいお話を。
共同通信:「我々の取材班のアカウントを凍結するとはけしからん。X(旧Twitter)なんて潰してやる」
この話は2025年12月30日時点では笑い話である。しかし、明日はどうなるかは分からない。
蛇足ですが、共同通信は、X(旧Twitter)のネガティブキャンペーンをするのでしょうか。
毎度、ばかばかしいお話を。
共同通信:「我々の取材班のアカウントが凍結されるなんて、嫌なんだもん」
この話は、2025年12月30日時点では笑い話である。しかし、明日はどうなるかは分からない。
情報を扱うプロが規約違反でアカウント凍結って何の冗談でしょうね。
全く恥ずかしいです。世の中の笑いものと言ってもいいんじゃないでしょうか。
共同通信はこれを恥と思うのかな。
しかも『ヘイト問題取材班』って。。。
オールドメディアは、今までの特権階級的な、何をやっても許される、と言う感覚をそろそろ捨てるべきですね。SNSの世界では新参者ですし、SNSの世界ではそんな階級無いですから。
@kyodonohate
共同のヘイト?共同の果て?
マスメディアによって事実上の公開処刑・社会的抹殺といったものが罷り通ってきました。そのマスメディアの根幹である通信社が、SNSアカウント凍結という公開処刑の憂き目に遭う。そしてそれを自らの発信力影響力を行使して晴らそうとしていない。出来ない。周囲も「公正中立たる通信社が言論を封殺されるなんておかしい!」と全く声を上げないどころか「あーね」ってなりかねないカンジになっている。
10年ほど前に「いつかそうなってしまえ」と思った程度でしたが、気づいたらそうなっているとはいやはや。2025年の終わりに丁度良いニュースでした。
世界各地で、(オールドメディアが報道しなくても)SNSで情報が広がり、Z世代を中心に政府への抗議活動が起きています。ということは日本でも、マスゴミが「報道しない自由」を行使しても、SNSで情報が拡散して、オールドメディアへの不信、不満から抗議活動が起きるのでしょうか。
年末はバタバタしますね。
この話題、赤旗の社会部長を名乗るアカウントのつぶやきで知りました。
「報道機関」を自称する公安監視対象の一政党の機関紙構成員のツイートが、援護射撃になってんだかなってないんだか。(笑)
ヘイト問題取材班のアカウントは普段から「沖縄基地反対運動」「選択的夫婦別姓」とか、ヘイトとは関係ない話題を拡散していたのが目立ってました。新聞労連アカウントみたいに。
ついでに自らの価値基準に合わない考えに「ヘイト」とレッテルを貼って批判を繰り返すとか。
ブラックジョークアカウントかと思ってました。:P
今まではこんな連中が世論形成をしてきたのに、今年などは世論形成にほとんど影響を及ぼさなくなっているような、答え合わせ的現象が多く見られて、精神衛生的には尻上がりによい年でした。
来年はいよいよ、「メジャー紙が飛ぶ」なんて現象が見られるのでしょうかね。
援護射撃というよりは「傷口に塩」ですねぇ。
これまで新聞・雑誌の見出しは言ったモン勝ちでした。その赤旗さんもヘイト問題で優れた云々と言ったモン勝ちな評価をとばしていますが(いやまぁ彼ら的には哀れなことに本気かもしれませんが)、私のようなXアカウントを持たず持ってても彼らのポストなど見ることはないであろう人間にも、旧態依然の言ったモン勝ちの姿勢と、実際に関連辿ったらヘイトそっちのけでただの反政府活動やんけという実態、そして世間からは批判ばかり食らって驚くほど同調者が居ない風景までもが明示されてしまいました。
実にオールドでSNSに向いてないですね。やればやるほど不利になるのになんでやるんだろう……やったら終わるけどやらなくても終わる、か。
余談。Xはアカウント所持者のみの通信プラットフォームではなく、ブラウザさえあれば読むだけならできる開放性が良いですね、今更ながら。単に気軽とか便利とかいうだけにとどまらず、「情報の威力」が桁違いに大きくなる。
取材班は援護射撃だと認識してるかもですね。(笑)
対象がちょっとズレますがオールド仲間の立憲。
臨時国会の期間中のyoutube、夥しい数の国会の切り抜き動画が溢れていましたが、私へのリコメンドは、そのほとんどが高市政権応援か立憲ディスリでした。私はそれほど見ていたわけではないので、視聴数は伸びていたのでしょう。
今まで国会中継なんか見たこともない、政治ネタ新規参入の人々に対して形作られた立憲の印象の酷さは計り知れません。会話が成立しない人々。ダブスタのズルい人々。若い社会人から見りゃ普段苦労させられている理不尽なパワハラ上司、カスハラ客そのままに見えたんでは?
さらにSNSでも動画を引用して盛り上がる中、立憲議員らは罵詈雑言で応じてさらに評価を下げ、敵を増やしていましたが・・・
オールドメディア共々一体何がしたかったのやら。
通常国会後にあるかもしれない総選挙が心配()です。
オールドメディアにおいて自分たちが「神様」であったのだが、SNSに同じノリで突っ込んでいったらそこの「神様」に罰せられたと。
昔読んだ星新一のショートショート「神」を思い出してしまいました。
毎度、ばかばかしいお話を。
共同通信:「我々はアカウントを凍結されたことに怒っているのではない。力関係が逆転したことに怒っているのだ」
力関係逆転の象徴が、アカウント凍結なのですね。
この話は、2025年12月30日時点では笑い話である。しかし、来年はどうなるかは分からない。
コレマデ“自覚無い”『井の中の蛙』が、“井の中の蛙”たるアイデンティティを獲得していく過程を、我々は目撃しているのやもしれぬ…
知らんけど
共同通信「日本人へのヘイトは法律で合法と聞いていたのに話が違う」
安倍政権のマイナスの中でも、ヘイト法は擁護出来ないやらかし。