この冬休みは魅惑の極寒ロシアツアーが中国人に人気?
日本旅行のキャンセルと中国発日本行きの減便が相次ぐなかでも羽田路線は手放せない中国の航空会社の中途半端な決断、あるいは中国人の日本旅行キャンセルにあわせるかのように出て来たビザなし極寒ロシアツアーのお誘い…。なんとも面黒い話題が相次いでいます。個人的には中国がさらにセルフ経済制裁の手を緩めないことを期待したいところですが…。
目次
中国の航空会社が日本行きの減便を拡大
中国人の日本旅行自粛の動きが拡大しているようだ、とする情報が、続々と入ってきています。
そのひとつが、4日前のこんな記事です。
中国航空会社、日本行き減便900便超に拡大 関空中心に全体の16%
―――2025/11/29 05:00付 日本経済新聞電子版より
日経によると先月27日朝の時点で、12月に中国から日本に運行を予定していた合計5,548便のうち、16%にあたる904便(座席数では約15.6万人分)が運休を決めている、などと指摘。
空港別でみれば関空が626便で最も多く、▼成田(68便)、▼中部(68便)、▼新千歳(61便)、▼那覇(26便)―――などが続き、合計13の空港が影響を受けている、などとしています。
この記事は先月29日時点のものですが、その時点でここまでの影響が出ているわけです。
やはり気になるのは、今後、中国人観光客がどの程度日本にやって来るのか、といった点でしょう。
日本旅行はトップ10から外れる
これに関して気になるのが、中国の大手旅行サイトで2026年1~2月の冬休み期間中の人気海外旅行先トップ10から日本が陥落した、などとする話題です。
中国の人気旅行先、日本はトップ10から陥落 中国紙報道https://t.co/2r1eWdQBIe
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) December 2, 2025
同じく報じたのは日経新聞で、こちらの記事によると12月の減便数はさらに1,900便と全体の40%超に拡大している、との話題もあります。報道ベースのみで判断する限り、中国人の日本旅行はいよいよ本格的に冬の時代を迎えるのかもしれません。
中国の皆さん、冬休みは戦時下ロシアへの極寒ツアーなどいかが?
そして、それ以上に印象的なのが、こんな話題です。
【ロシアが中国人対象にビザ免除】ロシアのプーチン大統領は1日、同国を訪れる中国人向けに短期滞在ビザを免除する大統領令に署名した。これにより、中国公民が観光や商用でロシアに入国する場合、30日以内であればノービザで滞在できるようになる。発表から30分後、旅行サイト「同程旅行」では、ロシ… pic.twitter.com/UxMhwRIPuk
— 人民網日本 (@peopledailyJP) December 2, 2025
中国メディア『人民網』(日本語版)によると、ウラジミル・プーチン露大統領が1日、訪露中国人向けに30日以内の短期滞在ビザ(観光・商用ビザ)を来年9月14日までの期間限定で免除する大統領令に署名。
これを受けて中国の旅行サイトでは発表から30分後にロシア関連の検索数が2倍以上に増えたのだとか。
なんというか、いろいろと思うところはありますが、やはり真っ先に出てくるのは、「貧すれば鈍する」、という感想です。
ロシアによるウクライナ侵略戦争は2022年2月24日に勃発し、先月、つまり2025年11月1日時点で1346日と大東亜戦争(太平洋戦争、1941年12月8日~1945年8月15日)の期間を越えてしまっています。
長引く戦争と外貨資産凍結もあり、外貨不足が深刻になっていると考えられる(※この点については余力があれば近日中にIMFデータでの分析結果を紹介します)ロシアが、中国人観光客の獲得に乗り出したのだとしたら、これはこれで興味深い現象です。
来年1~2月のシーズン、日本旅行を取りやめた中国人が大挙して戦時下の極寒ロシアに観光に訪れるというのは、絵図としてはなかなかに印象的ですね。
羽田路線は手放せない中国の中途半端さ
さて、冒頭に挙げた日経新聞の記事に、少し話題を戻しましょう。
記事の中で個人的に気になるのは、羽田空港に関するこんな記述です。
「羽田空港は到着便989便のうち減便は7便にとどまり、比較的影響が小さい。航空事情に詳しい桜美林大学の戸崎肇教授は『羽田路線は安定的な需要があり、発着枠を巡る競争も激しい。運航実績が下がると発着枠返上を求められかねず、減便に消極的になっているのではないか』と分析する」。
…。
これも驚くべき話です。
なんというか、やることなすことが中途半端で、このあたりがいかにも中国クオリティ、といったところでしょうか。
記事ではまた、シニアエコノミストのこんな発言も取り上げられています。
「中国政府が次のカードを切ってくるかどうか、今後の展開に注意が必要だ」。
そもそも中国が切れるカードって、いったい何なのでしょうか。
中国が日本に対して講じた「対抗措置」の例
- 日本向けの団体旅行の自粛
- 日本製のアニメの上映延期
- 日本の水産物輸入を再停止
- パンダの貸与期限の不延長
- よくわからない会合の中止
- ロックコンサート公演中止
(【出所】報道等をもとに作成)
中国が持っている「カード」(?)の例
- ビザ免除措置の廃止
- 邦人の嫌がらせ拘束
- レアアース輸出制限
- 税関の輸入手続遅延
- 対日軍事的威嚇行動
(【出所】一部報道などを加工)
なんだか、よくわかりません。
とくに「中国が持っているカード」とやらも、持っているだけで実際には切れないものばかりでしょう。
とりわけ日本から中国に渡航する日本人は主にビジネス目的が多いと考えられる反面、中国から日本に渡航する中国人は観光、留学、永住などを目的としており、日中相互往来の制限が日中双方に与えるダメージは、決して等しいものではありません。
個人的には中国がこれ以上のセルフ経済制裁に出てくれるのかどうか、内心でニヤニヤしながら眺めたいと思う次第ですが…。
GDPの0.4%で台湾有事回避、安いものだ
もちろん、現在の日本にとってインバウンド産業はそれなりに規模が大きく、国土交通省の推計(『訪日外国人の消費動向 2024年年次報告書』等参照)で2024年実績だと推定訪日外国人旅行消費額は8兆1257億円にも達しています。
しかも、中国人がインバウンド客全体に占める割合は(香港と合わせると)通年平均で30%前後であり、中国人旅行客の訪日が激減すれば旅行収支の黒字に影響が生じることは避けられません。2024年における中国人の支出額は1兆6901億円、香港人の支出額は6598億円と、小さくないからです。
ただ、これは平時から当ウェブサイトにて報告していることですが、そもそもいかなる場合であっても、安全保障は経済利益に常に優先します。中国、香港あわせて年間2.4兆円レベルの外国人旅行消費額が失われるのだとしても、それが「台湾有事リスクを大きく減らせる」のだとしたら、べつに大したコストではありません。
日本の名目GDPは約600兆円であり、2.4兆円といえばGDPの0.4%相当レベルであって、防衛コストとしてはむしろ安上がりでしょう。
しかも、それ以前に、わが国のインバウンド産業自体が現在、(中国以外の)世界各国からの旺盛な日本旅行需要で力強く伸びているため、中国人観光客が仮にゼロになったとしても観光業自体への影響は十分にコントロール可能です。
いずれにせよ、私たち日本国民に求められるのは、テレビを筆頭に最近、一部メディアが「中国人が来なくて大変なことになる」などと大騒ぎしているのに乗せられず、事態を冷静に把握することではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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| 自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
![]() | 日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |




台湾有事回避のために、日本GDPが0.4%減ることを嫌って、その結果、GDPが0.4%以上、減ってしまうことも、よくあることでは。
日本のサラリーマン社長や(与野党問わず)国会議員に、損切ができるのでしょうか。
日本のリベラル派は、憲法9条を損切(?)するかどうかの決断を、迫られる時がくるのでしょうか。
なんどか繰り返して取り上げている謝金河主筆がホストを務める Youtube チャネル數字台灣、日本が抱えるオトナの事情を、ホストもゲストもよく勉強している。今回の騒動は、中華民国台湾には衝撃波として伝わっています。あの『ことなかれ主義の』日本が、こんぱん初めてぶれない態度を取っている。驚きを込めて発言している。しかしゲストとつるんで半分はニヤニヤしているところが、東アジア地域の歴史政治経済に精通している謝金河氏の厚みと強みと当方は思います。
#プーチンの無慈悲なご招待
中国は不景気の為、皆様は仕事が無く困っていると聞く。幸いロシアは常に人手に困っている。是非ともワーキングホリデーに来てほしい!
来てさえくれればツアーは下記のように無料で準備する
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1238939
このネタの面黒さに誰も気づいてくれなく寂しいです。
リンククリックしたら一発なのですが。。。
別の記事で、北朝鮮は若い兵力をロシアに捧げて見返りに食料を貰えると思って耐えたがなしのつぶて。北朝鮮国民の絶望が深く、北朝鮮に兵力おかわりはできないようで。ということは…。
中共の王毅氏がロシアのラブロフ氏とナンカ仲良しコヨシしよったみたいなし、『対日共闘』だとかナントカフキアガッとると報じられとりますが、
一方でソースがレコチャイ臭いので真偽??ではあるものの、「日本から中国向けのフォトレジスト出荷が止まってる」とかナントカで南鮮が“チャンス到来”とホルホルしとるそうですワ
ホンマかいな??
フォトレジスト禁輸「騒動」については、シンシアリーさんが丁寧に読み込んで 12/2 付けで日本語文章化していますね。貴重な情報と思います。李老師 X 投稿で当方の目にも触れてました。ビジョンタイムズは大紀元系と当方は思っていました。真偽不明の怪情報だから報道機関は取り上げようがない。
サステナ開示規制の影響で、人権蹂躙している国には、フォトレジストも売れないということでしょうね。文句があるならISSBに言ってくれ?という感じでは。有価証券報告書にどのように書くの?と社内で大議論になって、他社はどうするのかとなり、みんなでやめましょうという結論に。経済産業省と金融庁にも相談していると思います。こんな感じの着地なのかもと推測していますが、本当にどうするのでしょうね。ビジネスの前に、人権尊重ですから、開示規制は。人権蹂躙の国には、販売できないのでは。販売してしまうと、有価証券報告書で人権を尊重していますとは記載できません。
ISSBも規則を作る時に、中国のことも、半導体のことも考えなかった!?とか。そんなことはないでしょうけど。
ロシアの冬のツアーのオススメは『サハ共和国のオイミャコン』がとっても良いと思いますよ。人生で一度は体験したい極寒スポットです。中国人の皆さん、ご遠慮なく思い切って楽しんできてくださいね。はたして、行けるかどうかは知りませんけれども。
激安弾丸ツアーに集るような中国人観光客は進んでシベリアにでも行っときゃいいでしょう。
シベリアは普通は「送られる」場所なんですがね。
日中議連が年内に中国訪問の予定だそうで。
日中友好議連幹部が駐日中国大使と面会「中日の正常な交流に向け必要な条件を…」中国外務省が注文
https://news.yahoo.co.jp/articles/577d444862577503370a5531c0c785c4db65ca5a
んで、日中議連って今誰だっけ?と思って調べましたところ、(wikipediaより)
会長:森山裕(自由民主党/衆議院議員)[3][4]
副会長:岡田克也(立憲民主党/衆議院議員)[5]、海江田万里(立憲民主党/衆議院議員)[6]、赤羽一嘉(公明党/衆議院議員)[7]、志位和夫(日本共産党/衆議院議員)[8]、古川元久(国民民主党/衆議院議員)[9]、福島みずほ(社会民主党/参議院議員)[9]
幹事長:近藤昭一(立憲民主党/衆議院議員)[10]
事務局長:小渕優子(自由民主党/衆議院議員)[11]
お察しメンバーでした。古川元久氏だけが異色かな。
表敬訪問以外になにもやりようがないというか。森山・小渕コンビだと「反主流派」丸出しですな。それでも中国様はゴキゲンなのでしょう。文句言わないヤツしか来ないので。
岡田さん一族のイオンは無事に在中国店が開店したそうで。
https://agora-web.jp/archives/251202210702.html
今回の件は中国的にみて手柄なのか失敗なのか?
焼き討ちに遭ってないから手柄ってことなんでしょうねぇ。
中国の小売り店が客が入らず潰れまくってるという紹介動画などを見かけることがあって、中国に対してはまるでデフレ不況時代まっただ中という印象を持っています。こんな時でも新規出店できちゃうということはそう単純な話ではないのでしょうね。
ところでイオンは日本のデフレ時代の突入とともに名を馳せた記憶なのですが、デフレ大好きなんでしょうかね。
だとすると貧乏神では。
極寒ロシアが「大人気(ダイニンキ)」とは、これ如何に?
中共の扇動が「大人気(オトナゲ)ない」・・ですねぇ!
露国人:カモン、「集・金・Pay!」
中国人:・・。