法やルールは整備だけでは無意味

著者自身の持論ですが、ある国が発展途上国から脱して先進国になるためには、①最低限の法律やルール、倫理規範などが存在していることはもちろん、これに加えて②それらの法やルール、規範などが人々により受け入れられ、守られていることが必要だと考えています。こうした観点からは、法やルールは整備するだけでなく、それらを運用することが大切です。労働者不足の日本で外国人労働力を呼び寄せようとする議論も、少し慎重に考察すべきではないでしょうか。

日本円の購買力

日本円をそのまま使って買い物ができたギリシャ

当ウェブサイトにてしばしば述べてきましたが、著者自身は過去に旅行が大好きで、とくに学生時代には格安航空券を買い求め、わりと頻繁に海外旅行に出かけていたクチです。

当時、日本の購買力は世界でもトップレベルだったという事情もありますが、日本円も今とは比較にならないほど強く、とくに前世紀末頃、一部の国では円紙幣を持って行けば、そのまま買い物ができたほどです。

とくに強く思い出に残っている旅行先のひとつは、学生時代に出かけたギリシャです。

アテネの繁華街を歩くと日本語で話しかけられましたし、土産物屋で良い牛革製バッグを発見したところ、それを現地の通貨(当時は「ドラクマ」)ではなく、日本円でそのまま売ってくれたのです(たしか値段は6,000円でした)。

ギリシャという国は日本から遠く離れているにも関わらず(たしか当時も直行便はありませんでした)、アテネの街では日本円が米ドル、ドイツマルク、フランスフラン、英ポンドなどと並んで高く信頼されていたというのは、今でも鮮烈な思い出です。

日本円の購買力は3分の1に?

ちなみにそのたった6,000円で購入した牛革製バッグはかなり長持ちし、帰国・就職後も長く愛用していました。ただ、ギリシャは南欧の中では最も物価が安い国のひとつであるとされるものの、さすがに6,000円でしっかりした牛革製バッグは手に入らないのではないでしょうか。

1ユーロ=175円と仮定すれば、6,000円は約34ユーロ。実際にアテネのいくつかの牛革製品ショップを選び、ウェブサイトなどで相場を調べてみると、当時著者が購入したのと似たようなバッグの価格帯は軒並み100ユーロ(17,500円)を超えているようです。平均すると20,000~25,000円程度でしょうか。

すなわちこの30年で、日本円の購買力は3分の1以下に落ちたという見方もできるかもしれません。いずれにせよ、かつて世界に冠たる圧倒的な先進国だった日本の地位の下落は、こうした細かい情報からも浮かび上がってくる格好です。

※ただ、それでも日本がこれから大きく復活するための足掛かりはいくつか存在しますが、これについては触れておきたい話題もありますので、近いうちに別稿にて取り上げたいと思います。

某国の鮮烈な旅行記

とある発展途上国の入国審査場の思い出

もっとも、日本が依然として、世界のなかでは稀有な先進国であることもまた間違いありません。

その根拠のひとつは、日本が法とルールを非常によく守る国である、という点に求められるでしょう。

そのことに気づいたのは、著者自身が若いころに「とある発展途上国(※)」を訪れたときのことです。

※当ウェブサイトでは外国に対する敵愾心(てきがいしん)などを煽るつもりはありませんので、この「とある発展途上国」の実名を挙げることはしません(たぶん)。文章を読んでいけば、旅行好きの人にはどの国かバレてしまうかもしれませんが…。

その国(ここでは仮にE国とします)は、飛行機を降りた瞬間から、私たち日本人にとっては色々と規格外のことばかりでした。

海外旅行をしたことのある方ならご存じかと思いますが、多くの国では飛行機を降りるとまずは入国審査場に向かい、そこで審査官にパスポートを提示し、ケースによっては2つ、3つの簡単な質問を受け、それで入国スタンプを押したパスポートを返却されて入国できます。

ところが、そのEジプトという国の場合は違いました。飛行機を降りた瞬間、タクシーや宿の勧誘業者らがゲートで待ち構えており(※つまり彼らは入国審査場を乗り越えて入り込んできており)、外国人観光客を見かけるや、片っ端から勧誘していくのです。

ちなみに当時、そのエジPトという国に入国するためにはビザが必要だったのですが、そのビザは入国審査場の手前で購入する印紙(たしか15米ドルでした)をその場でパスポートに貼り付ければよく、私たちのような外国人であれば、印紙を貼ったページを広げて入国審査官に差し出せば、秒で入国許可が下ります。

※どうでも良いのですが、タクシーや宿の業者が入国審査官をすり抜けてバンバン審査場に入って来るので、外国人もその気になれば15ドルのアライバルビザを購入せずに審査官をすり抜けて入国できてしまいそうな気もします(もちろん、日本人はそんなことはしませんが)。

どうやってバスに乗れば良いかわからない&ひっきりなしに声かけられる

しかし、驚くのはそこだけではありません。

空港を出て市内に向かうためのバス路線もいろいろと規格外で、まず、バス停があやふやです。いちおう観光ガイドブックでアラブ圏の数字の読み方をひととおり覚えたうえで市内行の系統を探すのですが、日本などの先進国と違って、どこのバス停から出発するのか、案内がほとんどありません。

また、バスに乗ったら乗ったで驚くのが運転マナーの悪さです。

どの車ものべつ幕なしにクラクションを鳴らしまくっており、急停車・旧発車も日常茶飯事で、しかもバスのなかにいても日本人が珍しいからか、現地人からひっきりなしに声を掛けられます。何とかホテルに着いても、それだけでドッと疲れてしまいます。

さらに、その国の唯一と言っても良い観光名所である石造りの三角形の巨大構築物に辿り着くためには、またしてもバスに乗らなければならないのですが、空港と異なり街中ではバス停自体が存在しません。バスに乗るためには道を走っている路線バスを見つけ、手を挙げて止めたうえで乗り込む、というルールです。

某国の唯一の観光名所

(【出所】著者撮影)

しかもその観光地に到着したら到着したで、警備にあたっている現地の警察官から「写真を撮ってやるからチップを寄越せ」、などと公然と要求されたり、現地人から「入場料を払わないで入る道があるからこっちに来い」と手を引っ張られたりします。

こうした混沌も、ある意味ではこのEGPTという国のお約束のようなものなのでしょう。

※どうでも良い話ですが、よくピラミッドは「宇宙人が作ったものだ」などとする子供向けのデマ番組を見かけますが、ピラミッドを建造した目的は現在の科学ではほぼ解明されています。これについては別途、きちんと議論したいと思う次第です。

「まつょびし」のCDコンポ

このエGプトに関しては、興味深いエピソードがほかにもいくつもあります。

たとえばこのEジPテという国の首都である「回路市(仮)」にはできたばかりの地下鉄が走っていたのですが、地下鉄駅では東京の営団地下鉄(現在の「東京メトロ」)とまったく同じ発車音が鳴り響いていたのも鮮烈に記憶しています(多分、日本のODAで作られたのでしょう)。

ただ、この街にあふれていた「日本製品(?)」は、正規の日本のものだけではありません。

街歩きしているとそこかしこに電器屋があり、HONDAのテレビ(?)やTOYOTAのCDコンポ(??)など、日本国内ではおそらく一生目にすることがないであろう日本企業のハイブランドの製品がたくさん並べられていたのです。

(どうでも良いのですが、当時発見したCDコンポのなかに、「MATSOBISHI」というブランドもありました。どう読むのでしょう?「まつょびし」?)

また、その国の名物とされる鳩料理(美味しかったかどうかはノーコメント)を食べていたら、向かいの席に日本人バックパッカーが座り、どちらからともなくこの国のカオスについての意見交換を行ったこと、空港で入国したばかりの日本人バックパッカーにバスの乗り方を教えたことも、今となっては良い思い出です。

銀行員が両替をごまかす国

ただ、それ以上に著者自身の印象を決定づけた「事件」があるとしたら、銀行員がおカネをごまかそうとしたのに出くわしたことです。

旅行中に現地の通貨が足りなくなり、手持ちの紙幣を現地通貨に両替してもらうために銀行に立ち寄り、トラブルを避けるために両替の計算書の交付を求めたところ、そこの係員から、こんな趣旨のことを言われたのです。

今回の両替はとても少額だから両替の計算書は渡せない」。

いくらカルチャーが違うからといっても、さすがに銀行員が計算書の交付すら嫌がるというのは不自然です。また、銀行の表に表示されている両替レートと比べて、銀行員が目の前に差し出してきた現地通貨は、どう考えても金額が少なすぎます。

そこで、その銀行員が差し出したおカネにとりあえず手を付けず、著者自身が銀行員に計算書の交付をしつこく要求したところ、この銀行員は最初に出したいったんおカネを引っ込め、改めて計算書と一緒に紙幣を1枚追加してこちらに寄越したのです。

要するに、計算書の交付を当初拒絶したのは、計算書を出さなければ両替をごまかせるという算段だったのでしょう。

暗算が得意な日本人を騙せると思っている時点で呆れますが…。

そして、このエ●ジプトという国を出て、乗り継ぎ(1泊)のために訪れたキプロスの静かさに、心の底から驚いたのは、ここだけの話です。

文化の違いを良く踏まえるべき

インフラよりもそれを運用することの方が大切

なお、このエジ●プト(仮)という国の事例はかなり古いため、現在では若干、様子が変わっている可能性はありますが、それでも最近この国を旅したという人たちのブログ記事を読む限りでは、少なくともクラクションの五月蠅さはあまり変わらないようです。

この点、交通インフラなどは日本のODAなども活用しつつ、やたらとブラッシュアップされているようですが(調べてみると地下鉄は3路線が運行中で、計画中の路線もさらに3路線ほどあるそうです)、いくら表面的なインフラが日本などと似ていても、やはり雰囲気は日本とまったく異なるようです。

何が言いたいのかといえば、社会というものは、制度を作っただけでうまく廻るほど甘いものではない、ということです。

これは交通インフラといったハード面だけでなく、社会の精度を含めたソフト面もそうでしょう。

日本は自由・民主主義が完全に社会に定着していますが、これは外から押し付けられたものではありません。明治天皇がお下しされた五箇条の誓文や板垣退助氏らの自由民権運動などの長い歴史があるのです(ちなみに男子普通選挙は今からちょうど100年前の1925年の法改正で実現しています)。

この点、アメリカ合衆国はGHQを通じて日本を専制国家から民主国家に作り変えたと勘違いしていますが(これが米国の今日の不幸の原因かもしれません)、日本の自由・民主主義は誰かに与えられたものではなく、日本人が自ら獲得してきたものなのです。

こうした正しい歴史を知らないからこそ、アメリカ合衆国はアフガンでもイラクでも、「日本のように統治して民主主義的な憲法を実施すれば、それらが勝手に定着する」などと勘違いしているのかもしれません。

いずれにせよ、著者自身が訪れた「とある発展途上国(※名前は明かしません)」の場合も、地下鉄は日本製だったのかもしれませんが、街中の電器屋などで売られている「HONDAのテレビ」はおそらくは日本製ではありません。

途上国から脱皮する2つの条件

というよりも、こうした外国製のハイブランドを偽装する商売が横行しているという時点で、そもそも商道徳や商慣習という社会の最も基本的なインフラの部分で、かなか日本人とは相いれない部分があります。

日本では明治期に制定された民法に加え、明治32年、つまり1899年に制定された商法が(あまたの改正を経ながらも)こんにちまで残っていて、権利は濫用しない、不正な競争はしない、といった常識が(一部を除いて)社会全体に貫徹しています。

もしも街の電器屋が「HONDA製のテレビ」なんてものを店頭に置いたら、その瞬間、その電器屋は信用を失ってしまうでしょう。

著者自身の持論ですが、ある国が発展途上国から脱して先進国になるためには、①最低限の法律やルール、倫理規範などが存在していることはもちろん、これに加えて②それらの法やルール、規範などが人々により受け入れられ、守られていることが必要だと考えています。

正直、私たちは日本人であり、日本がこれからも先進国、そして世界のトップティアであり続けることに関心を払うべきであり、日本以外の国が先進国になるか、発展途上国で留まるかは、私たち日本人にはあまり関係のないことです。

その国が「我々は日本のような国を目指す」と決意し、頑張るなら、私たちの国・日本としては、可能な範囲でそれを手伝えば良いだけのことであり、そうでない国にまで徹底した支援を行うべきかは疑問です(もちろん、地政学的に無視できない国もありますが…)。

Xで話題:空港にすら入れない東南アジア某国

こうしたなかで、Xで先日、ちょっと興味深いポストを発見しました。

これは、東南アジアのとある国を旅していたという人が、非常に謎な体験をした、とするものです(とある理由でポスト自体を当ウェブサイトに埋め込むのは控えておきますが、リンク自体は貼っておきます)。

ポストと添付されている動画を見ると、こんな具合です。

  • 空港に入ろうとしたら、なぜか長蛇の列ができていて、フライト時間が迫っているのに空港にすら入れない
  • 困っていたら謎の人物が「おカネを払えば列に並ばずに空港に入れてやる」と言ってきた
  • 「空港に入るためのファストトラック」におカネを払え、というのも意味がわからない
  • 数少ない外国人である私に対してだけ話しかけてくる者たちを見逃している当局もどうかと思う

…。

上記のような内容を、もう少しざっくばらんな口調で述べているのですが、たしかにこの状況は、なかなかに意味不明です。

結論からいえば、この人はビジネスクラスを予約していたためか、おカネを払わずに無事、カウンターにたどり着き、飛行機に乗れたのだそうですが(詳しくは続きのポスト参照)、同じような状況に直面したらおカネを払ってしまう日本人はいるかもしれません。

ちなみに調べてみたら、空港に入るためのセキュリティチェックで長蛇の列を作らせ、外国人はおカネを払えば列をショートカットできるという報告がいくつか存在するようです(しかもおカネを払わずにマトモに並んでいると、次々と横入りされ、順番を抜かされるそうです)。

外国人労働者を入れるのは正しいのか

ただ、この手の「列を守らない者が多い」、「なぜかおカネを払えば横入り可能」などといったシステム、「その国の文化なのだ」といわれればそれまでの話ではあるものの、やはり釈然とするものではありません。

少なくとも日本だと、客が多くて窓口が少なく、列を作るというケースはありますが、空港でのファーストクラス客やビジネスクラス客への優先サービスなどを除けば、割り込みなどは基本的に発生しませんし、正体不明の者におカネを払ったら列を飛ばせてくれるという考え方はありません。

(そういえば東京近郊の某遊園地はファストパスなどの仕組みがありますが、これについてもファストパスに関する案内がちゃんと明示されています。)

やはり、世界にはさまざまな国が存在し、日本を含めた先進国の常識が通じないというケースもあるわけです。

現在、わが国では労働力不足から、外国人労働者をもっと広範囲に呼び寄せるべきだ、といった議論もあるようですが、そもそも文化や社会のバックグラウンドがまったく異なる国々から労働者を呼び寄せることが日本社会にもたらすであろう影響を議論する方が先ではないかと思う次第です。

本文は以上です。

金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない

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読者コメント一覧

  1. はにわファクトリー より:

    インドネシアの首都ジャカルタでは、日本の中古電車が走り回っていることはよく知られています。撮り鉄集団がわざわざジャカルタへ向かって写真を撮って自慢し合っているとも言われています。

    今では東京と見分けがつかなくなった最新ジャカルタ鉄道事情ですが、以前は運転手を防護するためにフロントガラスに金網が装備されていました。今は撤去されています。
    ずいぶん以前のことで、東南アジア在住者のかたが Twitter(当時)投稿していて、列車投石を話題にしたところ周囲からこんな反応を得た、書いてました。マレーシアだったかインドネシアだったかを話題に、列車投石をやっているうちは先進国には数えてもらえないんだよ、と言ったら、図星だったのか現地人たちは居心地悪く黙ってしまった。列車投石を気にしなくてよくなったジャカルタは先進国都市になれたのでしょうか。

  2. 引きこもり中年 より:

    立憲が野党勢力を結集させようとしたら、外国人政策がネックになるのではないでしょうか。(下手をすると、立憲内部でも、意見がまとまらない可能性さえあります)
    蛇足ですが、情報がフローからストックになった現在、(オールドメディアも含めて)今の外国人政策への意見が将来、掘り起されることもあるのではないでしょうか。

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      朝日新聞:「自民党新総裁の外国人政策を応援する某会計士に反対しよう」
      まさか。

    2. 引きこもり中年 より:

      >https://www.moneypost.jp/1319638
      週刊ポストの有料記事からですが「日本全体では外国人割合は3%も、20代では10%」だそうです。ということは、高齢者と若者では、見える景色が違っているのではないでしょうか。もっとも高齢者にとって(出身国にもよるかもしれませんが)外国人若者と日本人若者の区別がつかないのかもしれません。なにしろ、日本人若者は新人類だそうですから。

  3. CRUSH より:

    JICA「ホームタウン」認定事業撤回
    交流への支援は継続へ
    NHK2025年9月26日
    URLは省略。

    その昔に「動物農場」という共産主義を揶揄した小説があったのを連想しました。

    自分の組織を疑わず真面目に労働に励んだとしても、
    「悪い奴に利用されると、労働の生産高は、ろくでもない事に使われてしまう」

    途上国支援に携わる殆どの人たちの善意を疑いはしませんが、
    「善意は、免罪符にはならん」

    アフガニスタンでのペシャワール会の活動や、パレスチナへの人道支援が結果的にハマスへの輸血になっていた様子などを見てると、少人数でホイホイ予算をつけてあとは特定のNPOに任せて知らん、というスタイルは、ダメですね。

    なにもしない方がましかも。

    1. はにわファクトリー より:

      古い話ですが東南アジア某島嶼国に対する政府 ODA に関わっている人物から赤裸々な証言を得ています。
      とかく国際支援は現地代議士・現地官僚の汚職材料になってしまう。官憲摘発で運悪く ODA 担当企業が連座してしまい、外務省として出入り禁止にせざるを得ない。ODA 事業に協力してくれる会社を排除してしまっては身動きが取れない。そこで不足する手足をダミー会社を呼び寄せて担当させる。
      話してくれたのはそんな一味に関与した個人経営商社さんです。彼から聞かされた税関突破術が笑えます。
      禁制品を持ち込まなくてはいけないとする。列に並んで携行品の中身を見せるとき、胸のポケットから『ポロリと』お札を荷物の上に落とす。すると、税関検査係は要領を得ていて、中身を精査せずに入国させてくれると言うのです。しかも彼は実践したとも言ってました。さすがに脚色かも知れません。

  4. ベル より:

    私も同時期にE国に行きました。
    当時は空港に到着したら入国審査前に証紙売り場で証紙を購入し、
    その証紙をパスポートに貼付してから入国審査を受けるようになっていました。
    (そしてホテルに到着したらホテル経由でE国内務省の三角形のスタンプをもらう)
    ところがその証紙売り場で釣銭をごまかされた。
    空港内証紙売り場で少額とはいえ油断していました。

    E国の人自体は人懐っこく、観光案内所でもらった英文表記の地図を街中で広げていると
    人がわらわらと集まってきてあっちだこっちだといろいろ教えてくれました。

  5. 美術好きのおばさん より:

    どうもおばさんの頭ではよくわかりません。どなたか、ご指導下さい。

    日本人ひとりあたりの生産性とホームタウンに挙げられた国の人々の生産性が同じとは思えません。たとえ日本人より安い賃金で雇用したとしても、2人、3人分で日本人ひとり分の生産性ではかえってコストが上がり、結局高くついてしまうのではないですか?その上がったコストを政府が企業に補填するのなら、最初から補填分を上乗せした賃金で日本人を雇用した方が良いと思うのですが…。(ん? 利権が無くなる?)

  6. はにわファクトリー より:

    昔の 空港はRPGのダンジョンだった
    これでググると、かつての P 国空港であったことの体験談が読めます。この世はこんなものです。

  7. Sky より:

    >現在、わが国では労働力不足から、外国人労働者をもっと広範囲に呼び寄せるべきだ、といった議論もあるようですが、そもそも文化や社会のバックグラウンドがまったく異なる国々から労働者を呼び寄せることが日本社会にもたらすであろう影響を議論する方が先ではないかと思う次第です。

    これが今回の記事で言いたかったことかと思います。同意します。
    前段の面白いエピソードありがとうございます。が、こんなに長い前置きは不要と思います。外国人移住者や観光客のモラルについて思うところがある人は多数いると思うからです。
    ヒトは一般的に従前に得られた体験や知識でモノを考えます。日本人の普通は海外では普通でないかもしれないが、なかなか日本社会で生活しているとそこに考えが及ばないものです。
    しかし外国人の振る舞いを間近にみた日本人は、その「異文化」ぶりを肌感覚で理解することがあるのでしょう。現在は日本国内に於いてその体験学習のフェーズ、で、体験者の一部から既に拒否反応が起きているのだろうと思っています。

    1. 新宿会計士 より:

      >今回の記事で言いたかったこと

      はい。もちろん、エ●ジプト旅行記です。

  8. KY より:

    >法やルールは整備だけでは無意味< 確かにそうですね。キチンと守らせないと。警察がろくに仕事しない所為で、一部野党は堂々と公選法と道交法違反の常習者に成り下がってますからね。中には買収の明白な証拠映像がありながら、不起訴に終わったとんでもない前例がありましたから。タイトルの通り、法律やルールを作っても、それを 守る意志と守らない者に対する制裁が無いと有名無実と化すだけです。もしこのまま警察が公選法違反を野放しにするのなら、それこそ民主主義の形骸化を招くでしょう。

  9. DEEPBLUE より:

    経団連とかの大企業はマニュアルだけ日本人より安く使い潰せるD隷が欲しいだけなんでしょうね。

  10. 徐々の微妙な放言 より:

    某奇妙なクルセイダーズ御一行様は劇中潜水艦でEジプトに入っていましたが…
    これって不法入国じゃね?と当時から思っていましたが、本記事の大らかさというかテキトーさからすると、どっちみちたいして問題にならなかったのかな(帰りは空港から飛行機乗ってるし)

  11. 転勤族 より:

    当方、今世紀初頭にエジプトに行きました。

    空港からホテルまでの喧噪は経験した事がないくらいで、たぶん交通事故に遭ったであろう人が道端で倒れていましたが、放置してた(ように見えた)のは衝撃でした。
    ホテルではシャワーが壊れており結局使えず。
    市内観光では、ピラミッドで例のラクダ詐欺氏たちに纏わりつかれ、ツタンカーメンを見ようと訪れた博物館では、受付の女性がおしゃべりに夢中でチケットを売ってくれない。
    帰国したらスーツケースのカギが壊されていて(幸いにも中身は無事、サムソナイト最高)、最初から最後まで、旅慣れない自分としては驚きの旅でした。

    感想。
    日本より治安の悪い国の方が大量に入ってくると、日本の治安は悪化すると思います。

  12. 匿名 より:

    日本は奈良時代の大宝律令の制定に始まり、鎌倉、室町、江戸時代を経て、明治の大日本帝国憲法制定と一貫して法制度の整備に努めてきました。
    英国も11世紀のノルマンコンクエスト依頼王権と議会の対立関係の中で法制度の整備を進めてきた歴史があります。
    一方、ユーラシア大陸の国々は、突如として異民族に支配されるという歴史のためか法制度の漸進的発展が無く、強権的な国家の支配体制に馴染んできた歴史があります。
    アフリカは、北アフリカの国々を含めて、部族単位で日本の弥生時代のような統治形態が続いてきた土地柄であり、白人によって人為的に作られた最近の国家体制に馴染む事が出来ない国が多いのではないでしょうか?
    元々法治という概念が無い国や、強権支配体制の下で服従を強いられてきた民族は、遵法精神というものが基本的に理解できないのではないかと思います。
    つまり遵法精神が歴史的に根付いているのは、異民族支配を免れてきたアングロサクソンであり日本人ではないかと思います。フランス、イタリア、スペインなどラテン系は中世のカトリックの悪しき影響のためか、順法精神に欠けるところがあるように思います。
    アメリカが第二次大戦後「日本の民主化に成功した」経験を世界的に展開した結果、世界の民主化に見事に失敗し、もう懲り懲りだと方針転換を図っているのがトランプ政権ではないでしょうか?

    世界には順法精神の大切さを理解しない国が沢山あります。
    法律を守る事の大切さを理解しない人たちの受け入れは基本的に止めるべきかと思います。
    また、順法精神を理解しない国々を支援して民主化しようなどということは徒労に終わると思います。
    「天は自ら助くる者を助く」が原則ですので、余計なお世話かも知れない支援はかえって自立心を削ぐ結果になると思います。

  13. 日本文化を守りたい より:

    アメリカが途上国支援(主に難民について)を止めた
    新聞TVではかわいそうな難民が映し出され何日も食べていない。と話す
    これを頻繁に放送する
    でも支援は十年以上もしてるよね
    その間指導者は何をしていたの?
    指導者の暮らしを報道している新聞TVは今のところいない
    支援したお金はどこで消えてるの?
    独裁国家の赤い貴族が益々肥え太るのと同じ構図ではないのか
    まさか支援金がその国の最大事業とか言わないよね
    日本の生活保護者の厚かましさが聞こえてきます
    タダをいったん知ってしまえば人間は怠けることが権利だと
    トランプのやったことが悪い。と簡単には言えなくなってしまった

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