オールドメディアの不公正な報道がもたらす意外な効果
オールドメディアによる特定候補を貶めるかの報道姿勢は、じつは、逆効果なのではないか―――。そう思えるような事例があるとしたら、先日の地上波の報道番組で司会者が特定候補だけいじめるかのような進行を行ったとされる事件です。これがSNSで結構炎上しているフシがあるのです。ただ、こういう騒動を眺めていると、個人的には1980年代に一世を風靡した「悪徳レフェリー」を思い出してしまいます。
一世を風靡した「悪役・ダンプ松本」
プロレスに詳しい人であれば、1980年代に女子プロレスの世界で活動し、一世を風靡した「極悪同盟」という悪役グループを覚えているかもしれません。
「ダンプ松本」のリング名で活動する悪役レスラー(本名は松本香さん)を中心にしたグループで、松本さんは派手な化粧をする、リング上では反則技に加え、凶器を使うなど、まさに「悪役」として全国に名を轟かせ、全盛期にはプロレスのみならずタレント活動などでも人気を博したのです。
ただ、当時のことを覚えている人にとっては、「ダンプ松本」が根っからの悪人ではなく、あくまでも女子プロレスの世界で悪役を演じていたに過ぎないということは、なかば常識でしょう。実際、松本香さんの交友関係の広さや人柄の良さを示すエピソードなどは枚挙にいとまがありません。
ダンプ松本 客席で観戦の「極悪女王」ゆりやんを称賛、斎藤工にはラブコール【神取忍還暦興行】
―――2024.11.19付 よろず〜ニュースより
ダンプ松本人気には悪徳レフェリーの存在が…!?
そして、著者自身の見解ですが、松本さんの「悪役」としての魅力をさらに引き立て、その人気を支えたのは、悪徳レフェリー、あるいは「極悪レフェリー」とも呼ばれた阿部四郎さんだったのではないでしょうか。
阿部さんはレフェリーという立場にありながら、極悪同盟側の反則をわざと見逃したり、極悪同盟側が負けそうになったときにわざとゆっくりとカウントしたり、酷い場合にはわざと凶器を手にリングに上がり、極悪同盟側に加担したりするなど、まさに「悪徳レフェリー」を演じた格好です。
極悪レフェリー・阿部四郎とは?
レスラーを凌ぐほどの人気を博した極悪レフェリー・阿部四郎。反則見逃しや超スローカウント(逆に高速カウントの時も)、挙げ句の果てには凶器の手渡しで「極悪同盟」を勝利へと導く(!?)頼れる存在<略>。
(【出所】Netflix Japan YouTube公式アカウント・2024/10/01付『何でもあり? – 全女の極悪レフェリー 阿部四郎 | 極悪女王 | Netflix Japan』より)
プロレスの世界でレフェリーは公正中立でなければならないはずですが、片方の選手に肩入れし、わざと反則を見逃し、スリーカウントも悪役側をわざとゆっくりとしたうえで正義側をわざと速くするなど、明らかに公正でも中立でもない態度が、観客の悪役側への憎悪を掻き立てる、という格好です。
スイカを食べるときにわざと塩をかけたら甘さが引き立つのと似たようなものでしょうか?
不公正な司会者に対しSNSで溢れる不満の声
ちなみに漏れ伝わるところによると、阿部四郎さんはリングから降りると「悪徳」とはまったく無縁の人物だったとの話もありますが、これはダンプ松本こと松本香さんが多くの人から親しまれているのと同じようなものなのかもしれません。
ただ、これはある意味、プロレスという興業の世界で成り立つ話であって、プロレス以外の世界でそれを行うとどうなるかは、また別の問題でしょう。
じつは、X(旧ツイッター)で数日前からちょっとした話題となっているのが、「不公正な司会者」です。
とある選挙に関連し、5人の候補者が出演する中で、司会者が特定の候補に対してのみ批判的で、話を振っておきながら途中で話を遮るなど、明らかに不公正な進行を行ったとされているからです。
X上ではこの司会者に対する批判コメントが溢れており、なかにはこの司会者に番組の降板を求める意見もあります。
もっとも、この現象を眺めていて、個人的に真っ先に思い出したのが、悪役レフェリーの問題です。
報道番組とプロレスはまったく別物ですが、報道番組の司会者とプロレスの試合のレフェリーは、「公正中立に運営することが期待されている」という意味では非常によく似ており、その司会者ないしレフェリーが公正中立をかなぐり捨てたら、番組も試合も滅茶苦茶になってしまいます。
もちろん、プロレスの場合は、悪役レフェリーの存在自体も、(※これが「そういうものだ」という前提で)一種の「エンターテインメント」として楽しむ分にはジャンルが確立しているという側面もあるのですが、これが報道番組だと、そもそも司会者が公正中立でない時点で、それは報道番組としての体をなしていません。
むしろ「いじめられた側」の人気を高めたりしないか?
ただ、それ以上に注目したいのが、その意外な効果です。
あくまでもSNSの反応からの想像ですが、きょうび、テレビ番組を無批判に視聴する人は少数派です(なにせ、テレビ番組に違和感を覚えたら、現代人は容赦なくその「違和感」をXなどに投稿する時代です)。
ということは、番組を視聴している一般国民のなかには、番組司会者を「悪役レフェリー」だとみなし、その司会者からいじめられている候補者に対する同情を覚える人が、少なからず存在するかもしれません。
せっかくその番組司会者が特定候補を落選させようと努力しても、それが逆効果になってしまう、という可能性があるのです。すなわち新聞、テレビなどのオールドメディアが「不公平なレフェリー」であると認定され、これらのオールドメディアが貶めようとした候補者が、むしろ有権者らの同情を買ってしまう、という現象です。
これは著者自身による単なる仮説ですが、もしこれが正しければ、これこそまさにSNS時代の新たな現象ではないでしょうか。つまり、SNS上で、新聞やテレビを中心とするオールドメディアが一種の「抵抗勢力」と認定され、敵愾心が醸成される可能性があるのです。
もちろん、総裁選の結果がどうなるかについては現時点ではまだ読めませんが、これも想像するに、どのような結果になったとしても、オールドメディア時代に戻ることはありません。
SNSで待望論が大きい候補が勝利すれば、その政党の崩壊は回避されるかもしれませんが、SNSで「総裁に選んではならない」という意見が強い候補者が選挙を制してしまうようなことがあれば、その政党のみならず、オールドメディア自体の崩壊も加速するのではないかと思えてならないのです。
こうした見立てが正しいかどうかは、あと10日もすれば判明します。
果たしてどのような展開が待っているのでしょうか。
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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毎度、ばかばかしいお話を。
①オールドメディア:「自民党総裁選の候補者出演番組の司会者が、不公平であったかどうか、世論調査で尋ねてみよう」
②不公平な司会者:「自民党総裁選の候補者出演番組で、司会が不公平であったかは関係ない。それで視聴率がどうなるかだ」
まさか。
『高市候補については、総務大臣のときに放送法第4条違反に対する電波停止に言及したため、放送会社としては”意趣返しをしたい、公平さが欠落しても処分を受けることはないと誇示したい”という意図を持って、そのような司会進行をさせたんじゃないかな。』と受け止めました。
後で「そういう意図はもってない」と幾ら叫んでも、印象は変わらず、個々人の感想を書き換えることもできませんが、放送会社としては未だに「シチョーシャどもの心はコントロールできる」と思っているのかもしれません。
「敵もさるもの引っ掻くもの」
政治家の先生たちはオールドメディアを頼り、SNSには無頓着と思われています。が、どうしてどうして、巧みに(巧妙に?) SNSを駆使して総裁選を戦っておられるようです。今後は悪役レフリーを、もとい報道番組司会者をも含めた「仁義なき戦い 総裁選編」が熱く展開されていくのでしょう…。
【小泉進次郎陣営が「ニコニコ動画」で“ステマ指示” 「石破さんを説得できたのスゴい」など24パターンのコメント例、高市氏への中傷も…】
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/bunshun/politics/bunshun-82367
>【小泉進次郎陣営が
真偽は別ですが・・・
新宿会計士さんもツイートしていますが、自民党公式が出している各候補のプロフィールツイートの「いいね率」の差が高市氏と小泉氏で40倍ほどの差になっています。
進次郎氏のリプ欄も随分荒れ模様。
https://x.com/shinjukuacc/status/1971031905106887165
Tiktokでの炎上も合わせて、自民党情弱派の「情弱ムーブ炸裂!」といったところでしょうか。
波乗りは簡単じゃないんで、頑張って欲しいものです。(棒)
真偽はさておき、
「バレない程度にサクラをしこんでおく」
程度のSNS広報基礎知識すら、準備できない総裁候補者たちに、ビックリしますねえ。
サクラをしこんでおくスキルが無いなら、サクラを仕込まれた時に対応できませんから。
石丸伸二をはじめ国民民主党や参政党など、
「SNSで共感と支持を増やしてる現象」
をきちんと現実認識できているならば、少なくとも他の候補者なみのPV数となるように、仕込みするだろうに。
本質は政策内容なのですが、そんな初歩的なプロパガンダくらいハンドリングできないようでは、
「マヌケ」
の一言でオシマイですな。
SNSってのは、『狡猾探知機』。
「狡猾なレフリー」のジャッジマン。
不公正な司会者の効果かどうかわかりませんが、小泉氏がTiktokで投稿を開始したところ、炎上して話題になっています。Tiktokあんま見ないのでわからなかったです。
https://www.tiktok.com/@shinjirokoiz/video/7552080007552650503
「Tiktokを始めました。皆さんよろしくお願いします。」
ただそれだけで大炎上です。(笑)
これ、嫁さんも見てるでしょうにね・・・
この資料のP.12にありますが、Tiktokの利用者は10~20代が多く40代あたりまでそいこそこ。Youtubeと比べると年代による差が激しいですね。女性の利用者も多いです。
「若者」に嫌われちゃった「若手のホープ」、なんてことになってるのかどうなのか。
沈みゆく船の船長にはあってる・・・かな?
コメ欄、封鎖するんでしょうかね。総裁選が終わったら使わなくなりそう。
総務省:令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(概要)
https://www.soumu.go.jp/main_content/001017240.pdf
今回の総裁選にあたって、
小泉氏陣営よりニコニコ動画へのステマ疑惑を文春が報じています。
真偽のほどは定かではありませんが、誤報であれば文春の信用が地に堕ち、事実であれば小泉氏の信用が地に堕ちるということで、生温かく見守っております。
このコメント見て爆笑しました。
今まで、さんざん文春砲を利用していたワイドショーは、当然、これも報道するのでしょうね。
マスコミは悪徳レフェリーであり、自民党内では石破総理が悪役レスラーだと思っていましたが、どうも朝日あたりの関係者には、自身は公正で石破総理は善玉に映っていたようです。
(アエラ、内容は深刻な困惑を来す恐れがあるため注意)
https://dot.asahi.com/articles/-/265393?page=1
石破総理は立場の異なる相手を小馬鹿にしたことなどなく、それは最近の総理では久しく、総理大臣は人柄が大切だそうです。
ジャーナリストなどではない私如きでも、石破総理が防衛庁時代に自衛官に無礼を働いて嫌われまくっているだとか、インタビュアーを小馬鹿にしたりと聞き及んでおり、逆に安倍総理が立場が異なるだけで相手を小馬鹿にしたこところなど見たことがありません。小馬鹿にされて当たり前なことを喚いている野党議員に失笑している場面や、選挙妨害という民主主義を冒涜する違法行為をしてくる連中に吼えたことならありましたが。
同じ構造を持つ生物同士でここまで認識が異なることって有り得るのか?と真面目に考えてしまいましたが、リンク記事の筆者らをはじめとする方々が茶番の悪徳レフェリーであるならば「そりゃそうか」となりました。安倍総理には超高速カウントを仕掛け(てすら勝てず)、左派野党や石破派らにはスローカウントどころかノーカウント。ルール破りも見て見ぬふり。
いやぁ良い喩えですね。
>だから私は今っぽくない石破さんを支持した。
「だから私は票を入れた」とは書かないんですね。
支持することでこの人は何をコミットしたんでしょうね。
URL含んだりすると反映が弾かれるのは以前と変わらずでしょうか?
まぁ「AERA」のURLだったので、スパムと言われたら否定できませんが……
レフリーというと、ミスター高橋も印象深いです。タッグマッチ(2人vs2人の試合で、リングに入れるのは1人だけ)で悪役が2人がかりで1人を痛めつけているので、助けに入ろうとすると、ミスター高橋が「No!No!」と言って押し返す。で、レフリーが悪役に背を向けているから、その隙に悪役は凶器まで使い出して、善玉が「悪役が凶器を使っている。」とアピールしても悪役は白々しく凶器を隠して「もってない」アピール。このさりげない(?)むかつく悪役サポートがミスター高橋の真骨頂でした。ここまで書いて、ミスター高橋はマスコミの様に思えます。
しかし、果してマスコミはミスター高橋の様に見せる試合が作れるのか。
そういえば、誤爆のふりをして善玉がミスター高橋に打撃を喰らわして、リングアウト、伸びてしまったなんてこともありました。
小泉のステマが話題ですが、小泉陣営も認めたようで、どうするんでしょうね。
そんな卑怯なことをしておいて、まさか総裁選にそのまま出るつもりでしょうかね。
閑話休題、小泉のステマもそうですが、日本人が最も嫌う事の1つとして、卑怯であること、嘘をつくこと、人を騙すこと、だと思います。それを地で行くのが今のマスコミで、不公平な報道もそういう事でしょう。そうしてますます嫌われていくんだと思います。
日経は昨日午後7時正時公開の記事でこう書いています。
『総裁選に出ている他の4候補はコメントを書き込める。
小泉陣営小林史明氏によると、Xアカウントを開設した当初からコメント欄を閉鎖してきた』
『陣営』がやったことで、総裁選立候補者たる当方は感知していなかった。
とでも言い逃れるつもりでしょうか。
感知は、関知の勘違い?
どちらにせよ、本人がコメント欄の閉鎖に気付いてない時点でアウトですよね。
「読んでない」
「読む気すらない」
ということですから。
小泉進次郎の公約やキャッチコピーは、話を聞くとか民意に耳を傾けるとかでしたっけな。
小泉陣営
総裁選辞退
で X を検索すると、出るわ出るわ。
月曜日の朝までに決着がつくかも知れないと思うとわくわくがとまりません。
陣営に巨大隕石命中、推薦人も敗残連座の危険性。
今夜まで持たない情勢、なのか。
「私自身知らなかった」
「一部行き過ぎた表現があったことについては適当ではなく、2度とこういうことがないように話をさせていただきました。再発防止を徹底をして、引き続き緊張感を持って総裁選に臨みたいと思います」
「私がもっと強ければ、しっかりしていれば、心配をかけることもなく、こうしたことは起こらないだろうというふうに申し訳なく思う。最終的に起こってしまったことの責任は、私にあるので、批判はしっかりと私がお受けしたい」