ネット調査で「けん制」を牽制か
「自民党内で石破首相の退じん論が広がるなか、執行部側はこうした動きが広がらないよう、けん制する動きを強めている。森山幹事長らがけん引する執行部は、急きょ、参院選総かつを来月初旬にまでえん期するなど、情勢はひっ迫している」。端的にいえば、変な文章です。ただ、この「けん制」、「けん引」、「急きょ」、「ひっ迫」といった奇妙な表記は、報道記事や役所文書などではよく目にしますが、SNSなどではあまり評判が良くないようです。
目次
イラッ!「牽制」と入力したつもりが「けん制」に!?
当ウェブサイトを長くご愛読いただいている皆様であれば、なんとなくお気づきかもしれませんが、当ウェブサイトでは次のような表現を可能な限り避けています。
「自民党内で石破首相の退じん論が広がるなか、執行部側はこうした動きが広がらないよう、けん制する動きを強めている。森山幹事長らがけん引する執行部は、急きょ、参院選総かつを来月初旬にまでえん期するなど、情勢はひっ迫している」。
ちょっと強引な文章かもしれませんが(笑)「けん制」、「けん引」、「急きょ」、「ひっ迫」といった、片方が漢字、片方が平仮名という単語は、報道記事や役所文書などではよく目にするものです(ちなみに「退じん」、「総かつ」、「えん期」などの表現はあまり見かけませんが、ここでは「わざと」そう書いています)。
もちろん、「けん制」は「牽制」、「けん引」は「牽引」、「急きょ」は「急遽」、「ひっ迫」は「逼迫」のことです(念のため申し上げておくと、「退じん」は「退陣」、「総かつ」は「総括」、「えん期」は「延期」のことです)。
じつは、Windowsに標準搭載されている日本語変換システム(IME)、あまり優秀ではないのか、「牽制」と書きたくて「けんせい」と入力すると、勝手に「けん制」と表示され、個人的にイラっと来ることがよくあるのはここだけの話です。
(※余談ですが、「イラっと来る」という意味では「5万円」と入力したいのに「5蔓延」になってしまうことが頻繁に発生するのも困りものです。何度も同じ誤変換を繰り返すなど、学習機能は過去のIMEと比べ、明らかに低下しています。)
当用漢字表にない漢字で交ぜ書きが始まったらしい
さて、この手の「けん制」、「けん引」、「急きょ」、「ひっ迫」、あるいは「覚せい剤(=覚醒剤)」、「補てん(=補填)」、「ばん回(=挽回)」、「伴りょ(=伴侶)」といった「おかしな表記」(※著者私見)は、いったいどこから来たのでしょうか。
じつは、これらの表現は、「交ぜ書き」と呼ばれます。
文化庁の『国語政策・日本語教育』に関するウェブサイトの『交ぜ書きの問題』によれば、昭和21年(1946年)に「当用漢字表」が定められたことで、当用漢字表にない漢字が含まれた単語に、このような「交ぜ書き」が一般にみられるのだとか。
ただ、昨今のように、文章は手書きでなく、PCなどを使用して作成することが多くなっているなかで、こうした「交ぜ書き」にどれほどの意味があるのかは疑問です。
当ウェブサイトの事例:「けん制」は大嫌い
ちなみに「けん制」または「牽制」に関しては、当ウェブサイトでは「けん制」ではなく「牽制」を使うことが多いと思います。
当ウェブサイトの過去の実例を調べてみたら、報道記事などのタイトルや本文に「けん制」が含まれていたときにはそれをそのまま使用せざるを得ないにせよ、それ以外のケースでは「牽制」を(なかば意図的に)使用しています。
また、外部情報源の「けん制」を、わざわざ「牽制」と書き換えて引用していることもあります。
たとえば1年前の『「日本の財政は健全」指摘は「高市氏の持論」なのか?』では、こんな記述が出てきます。
「どうでも良い余談ですが、記事タイトルにある『けん制』とは、『牽制』のことだと思われます(個人的に、この手の漢字語の一部をわざと平仮名で表記することは日本語の破壊だと考えていますが、この点は余談なので、本稿では割愛します)」。
また、3年前の『「米国か中国か」選択迫られる韓国社会の悩みは深まる』でも、韓国メディアの報道を引用したくだりで、こんなことを述べています。
「朝鮮日報は、『米国のジョー・バイデン大統領の韓日歴訪スケジュールが確定する中、中国の牽制が本格化しつつある』と指摘します(原文の『けん制』という表記を、本稿では敢えて『牽制』に修正しています)」。
こうした事例からも、当ウェブサイトにおける「けん制嫌い」がおわかりいただけるかと思います。
ただし、それでも表記に揺れは生じている
もっとも、漢字と平仮名、送り仮名などの表記は、なかなかに難しいところでもあります。
「牽制」、「牽引」、「逼迫」などのケースだと、それ自体が確立した単語であるため、これを「けん制」、「けん引」、「ひっ迫」などと書くのには違和感があります。
ただ、それ以外にも、漢字と平仮名が混じるケースなどは当ウェブサイトでも結構多く存在しますし、また、送り仮名を付けたり付けなかったりするケースも多々あります。
思いつくまま列挙しても、たとえば「皆様」と「皆さま」、「手続」と「手続き」、「子供」と「子ども」などのケースがあり、これらは当ウェブサイトでもずいぶんと表記の揺れがありますし、さらに「金持ち」ではなく「カネ持ち」と書くなど、当ウェブサイトではなかば意図的に、漢字で書くべきところをカタカナ表記することもあります。
したがって、当ウェブサイトでは何でもかんでも漢字で表記しているわけではなく、(とくに最近は)わりと平仮名を積極的に使うようにしているのではないかと思う次第です。
また、同じ単語でも、漢字が続くような箇所だとわざと平仮名やカタカナにしたり、あるいは平仮名、カタカナが続いている場合はわざと漢字に変えたりしているのは、ここだけの話です。
なお、余談ついでに申し上げると、会計上の専門用語である「繰延税金資産」や「受取配当金」を、一部メディアは「繰り延べ税金資産」や「受け取り配当金」などと送り仮名付きで表記していることもありますが、これらはそれぞれ専門用語ですので、当ウェブサイト的には絶対に容認できません。
どうでも良い話かもしれませんが…。
日経校閲のウェブ調査だと75%が牽制を支持
さて、いずれにせよこうした「交ぜ書き」、「漢字と平仮名の書き分け・送り仮名」などに関する表記は、さまざまな場面で問題となるようですが、この「けん制」を巡っては昨年、日経校閲のXアカウントがこんな内容をポストしていました。
「けん制」「急きょ」など漢語の熟語の一部を仮名で書くことを「交ぜ書き」といいます。戦後、漢字使用を制限する色彩の強い当用漢字表が制定されたのを受け、表内の字種・音訓では書き表せない語を表記するための一つの方法として、新聞や公用文などを中心に交ぜ書きは行われてきました。 https://t.co/nUY9ndYNvq
— 日経 校閲 (@nikkei_kotoba) October 20, 2024
ちなみにこのポストが引用しているのが、同じく日経校閲による、2023年10月6日付のこんなポストです。
「牽制(けんせい)」の表記として、「牽制」と「けん制」のどちらがしっくりきますか。#ことばリサーチ
— 日経 校閲 (@nikkei_kotoba) October 6, 2023
日経校閲が実施したアンケートでは、「牽制」と「けん制」の「どちらがしっくりくるか」を尋ねたところ、「けん制」が12.6%に過ぎなかったのに対し、「牽制」がなんと75%(!)です。メディアによる「けん制」表記を牽制するかのごとき結果ですね。
これは個人的な感覚なのですが、やはり「けん制」という表現を見かけると、頭では「牽制」の意味だとわかるのですが、「けん」と「制」が視覚的に分断され、違和感を覚えてしまうのです。
もちろん、これは統計的な無作為調査ではないため、この結果を盲目的に信頼するには慎重であるべきですが、それでもSNSを通じた多数の意見は「けん制」を牽制しているのかもしれません。
日刊ゲンダイ校閲部の問題提起には反応が多数!
こうしたなかでもうひとつ目についたのが、日刊ゲンダイ校閲部が8月21日付でポストしたこんな内容です。
ちょいとお聞きしたいのですが…
紙面における「交ぜ書き」について、どう思いますか?
「交ぜ書き」とは「ひっ迫」「急きょ」「けん引」のように漢字と仮名を交ぜた表記なのですが、読みづらいですか?
それとも、ルビ(振り仮名)を付けた漢字表記の方が読みやすいですかね?( ´͈ ᵕ `͈ )— 日刊ゲンダイ 校閲部 (@nkgendai_kotoba) August 21, 2025
こちらのポストにはさらにざっくばらんな読者の意見が多数寄せられていますが、パッと見たところ、こんな趣旨の意見が多いようです。
- 逼迫、急遽、牽引くらいなら普通に読めます
- わざわざ交ぜ書きで表記されると逆に迷惑だ
- 逆に交ぜ書きを支持している人はいるのか?
また、なかにはこんな趣旨の指摘もあります。
- 「『汚水』を『お水』と書くと意味が逆になりかねない」。
- 「『処方箋』を『処方せん』と書くと『処方しろよ』と言いたくなる」。
- 「『狭隘』を『狭あい』と書くと『せま~ぁい』と読んじゃう」。
これだとたしかに「メッセージを正確に伝える」という意味では、不都合が生じかねません。
このあたり、役所やマスコミが「交ぜ書き」を好むという事情もわからなくはないのですが、やはり少なくともSNSなどで見る限りは、交ぜ書きの評判は頗(すこぶ)る悪く、交ぜ書きするくらいなら「牽制」と書いて「けんせい」というルビを振るほうがよほど親切そうです。
漢字の役割は「意味を伝える」こと!
さて、(これはあくまでも記憶ベースで恐縮ですが、)過去にとある言語学者の書籍を読んだところ、漢字というものは字の形でダイレクトに意味を伝えるという側面があり、日本人だと1秒間で認識できる文字数は7文字程度だ、などとする研究結果を見たことがあります。
そういえば、『中国語翻訳「電脳筆談」時代到来?日経記事非常興味深』では、こんな話題を取り上げました。
「我発見 many 名詞 in 中国語 and 日本語 are 同一, but 文法 and 副詞 are 完全 different. So my 提案 is 借用 some 副詞 from 英語, then 中国人 and 日本人 can 相互交流 with 中学生 level 英語 and 漢字.」
言いたいことはわかります(笑)
漢字は偉大な文化であり、漢字を知っていれば、文字だけでコミュニケーションをとることができます。
1970年代前後に漢字教育を廃止してしまった韓国、漢字が公式には使われていない北朝鮮やベトナムなどを除けば、現代でも漢字を使っている諸国―――とりわけ繁体字を使用している台湾、香港、マカオなど―――の人は、日本人と筆談ができるようです。
もちろん、大陸中国の人々も漢字を解するのですが、大陸中国は簡体字を使用しているため、一部、意思疎通が難しい場面もありますし、また、日本の常用漢字は台湾、香港などの繁体字や大陸中国の簡体字とも異なっているため、完璧な意思疎通が可能とまではいかないかもしれません。
しかし、著者自身は漢字文化圏の人々と意思疎通を図ったことが過去に何度かありますが(その中には漢字教育時代を過ごした韓国人も含まれます)、細かい漢字のニュアンスの違いはあれど、日常的な内容であれば、ほぼ、意思疎通に困ることはありませんでした。
このあたりは英語圏の人も、ラテン語・ギリシャ語・フランス語由来の単語を知っていれば、同じ印欧語の習得が比較的容易であるとされていることを思い出します。
ただ、日本人はやはり漢字を使いこなす民族なのですから、漢字をフル活用すべきですし、「常用漢字ではない」という理由で変な交ぜ書きをする必要などないと思うのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
金融評論家。フォロー自由。雑誌等の執筆依頼も受けています。 X(旧ツイッター) にて日々情報を発信中。 Amazon アソシエイトとして適格販売により収入を得ています。 著書①数字でみる「強い」日本経済 著書②韓国がなくても日本経済は問題ない日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
![]() | 日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |




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いしばそうりはむてきのひと
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石破総理は無敵の人
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石破総理は”無適の人”
やっぱり漢字じゃないと伝わらないことがある。
そういえば、昔はずっと純国産かな漢字変換ソフトを使っていたのに、いつの間にか変換精度に文句を言いながらIMEしか使わなくなった。
このことで、「正しい日本語入力を支援してくれる環境」から、「誤った日本語入力をお勧めしてくる環境()」へ変化したのではないかとなんとなく感じる。
この変換精度の悪いIMEというやつ、変換結果に文句言うなggrksとでも言いたいのかもしれん。
当用漢字に載らなかった文字のために特定の状況で不都合が生じた。
└問題の大きいものだけでも拾って順次当用漢字に加えよう ← わかる
└もう決めちゃったから交ぜ書きにして意味不明でもヨシとしよう ← わからない
學とか櫻とか書きたくはないので複雑な旧字体をまとめた等の意義は一部わかりますが(これについても詳細な区別が消えてしまったりと問題はアリ)、言葉は自然に変化するものという言説がある程度支持されているのだから、字体も最適なものが残っていくと思うのですがね。お役所が半端に手を出す必要はあったのでしょうか。
あ、個人的にはけん制も嫌いですが、「だいがえひん」の方が嫌いです。「防犯対策」が正しいというのも納得していません。防犯に対策して突破したいという犯行側視点のようで。なぜ「犯罪対策」ではないのか。
フクシマ、とか書いてる人や界隈は漢字での意思疎通が困難と判断してますね
ヒロシマと書く人達と近いんですよね。
「不愉快な混ぜ書き」は、小学校低学年の子に「習ってない漢字は書くな」というくらいアホな配慮と思う。
・産経新聞の元校閲部長「漢字で書く熟語は全て、漢字で表すのが自然と考える」
https://www.asahi.com/articles/ASP8661Y8P85UPQJ00M.html
「改ざん」を改竄
「ねつ造」を捏造
「障がい」が障害
やはりATOKしか勝たん。
いや、ATOKですら役所の意向に盲従すること甚だしいと感じています。
そもそも正字と略字が溢れた状態で印刷物を作るのに一々活字を拾ってた時代を脱し、電子化されたツールで記述できるようになったのに、未だに漢字を制限しようとする意味がわからない。
娘の名前に「海」の字を使おうとして役所に届けたら、「母」の部分のなかを点ではなくて棒にしろ、点ではダメだ、などとこの「海」のような不細工な字で書類の書直しをさせられた嫌な経験をしました。ほんとアホか!馬鹿か?同じ字だろ?!と怒鳴りたかったのを思い出し、いまでもやっぱり腹が立ちます。
たぶん今の学校でも点母で書くと×を付けられてるのだろうと思ってます。
>同じ字だろ?!
まあまあ、「同じ」字なら良いではありませんか。
でも行政事務としてはおかしいですねえ。
「海」は戸籍統一文字番号 197580なので使えるはず。
ひょっとするとお役人さんは
「常用漢字表のカッコ内旧字は《参考》であり、
海は人名用漢字《別表》に載ってない!」
と考えて弾いたのかもしれません。
じゃあなんで戸籍統一文字にあるかというと…戸籍統一文字にあるからです!
いやホント法務省の裁量権デカ過ぎぃ。
しかも弱者に強く、強者(身内とか弁護士とかごり押し)に弱い…と思うのはきっとわたしの気のせい。
やっぱりね、ルビですよルビ。
『教養としての上級語彙 知的人生のための500語』の著者の宮崎哲弥さんも「日本人の語彙力の低下はルビが廃れたからだ」言うてますしね。
ということで、オススメはこちら!
【ふりがなって必要?】ルビの世界 ~有隣堂しか知らない世界345~
https://www.youtube.com/watch?v=1f9yNwJlOa0
いや、それはズルいですよ。
「福祉を充実します」
「まあできれば理想だが」
「増税しまーす!」
「は?」
「人手不足解消したいよね」
「まあできれば理想だが」
「移民促進しまーす!」
「は?」
「交ぜ書きは醜い」
「まあ無いほうが見映えは良いが」
「表外漢字使いまーす!」
「は?」
『「どちらがしっくりくるか」を尋ねたところ…「牽制」がなんと75%』
『そりゃあ「けん制」が「しっくりくる」とは答えないよな』
『75%が牽制(の使用)を支持』!
『は?』
ズルいでしょ。
醜い交ぜ書きしないのは読み手のためと主張するならなぜ単語の途中で改行するのか(*)。
表外漢字を使うのも単語の途中で改行するのも単に《書き手の都合》ですよね。
もちろん表外漢字を使うのも単語の途中で改行するのも書き手の《自由》ですが、
交ぜ書き論をダシにして
「頗(すこぶ)る悪く」と書き(交ぜ書き関係ない)、
ラストで「日本人は」と主語を大きくするがビジョン(到達点)は示さない。
結局《書き手が》知ってる漢字を書きたいだけですよね。
まあ、表外漢字を使う《自由》はあるのだから、交ぜ書きする《自由》も目くじら立てずに認めてくださいな。
あ、でも常用漢字から「韓」の字を削るなら「牽」の字を入れてもいいです(ハン国のほうが韓国語に近かろう)。
「ラテン語・ギリシャ語・フランス語由来の単語を知っていれば、同じ印欧語の習得が比較的容易」
《単語》を知っていればそうですね。
ギリシャ《文字》やヘブライ《文字》を日常的に使う必要はありません。
ついでに主張しとくと小学校で英語はいらない(国語が大事)。
(*) 単語の認識しやすさを主張するなら、HTMLタグ(とCSS)でワードラップできる(もちろんわたしは面倒だからやらない)…と思ったら今は機械学習で文節折り返しできるのか!