嫉妬の体系?不可解な「高所得層の基礎控除削減」構想

いつから日本は共産国になった

またしても、財務省でしょうか。「高所得者」(?)に対して恩恵が及ぶことを、何が何でも防ぎたいようなのです。当ウェブサイトではこれまで何度も指摘してきましたが、そもそも年収1000~3000万円というレベルでは、私たちがイメージするほどに自由になるカネは多くありません。それなのに、一部報道によれば、高所得層(といっても2400から2500万円レベル)の基礎控除を、さらに奪うことが健闘されているようなのです。ここまでくると、日本は共産主義国家のようなものではないでしょうか?

年収1000万円って高年収?

実際のところ、年収1000万円から3000万円クラスというのは、私たち一般人が受ける印象のわりには、高年収であるとは言えない」。

当ウェブサイトでは少し前から、こんなことを議論しています。

先日の『「取って配る」に拘泥する人たち』などでも指摘したとおり、一般的な給与所得者は、だいたい年収の16分の1が額面の月収となり、というケースが多いです。ボーナスが年2回、合計月給の4ヵ月分出る、という前提を置くためです(つまり、ボーナス4ヵ月分とあわせて年間16ヵ月分の給与が出る計算です)。

また、手取りについては、その所得者が既婚者であるかどうか、子供が何人いるか、その子供の年齢は何歳か、などによっても条件は異なりますが、多くの場合、手取りは社会保険料や各種控除を引いて税率を乗じるため、結果的には手取りは額面月収に対し7~8割に減ってしまうことが多いようです。

年収階層別・月手取り額のめやす

一番シンプルな、「配偶者控除や扶養親族控除の適用を受けていない・年収は給与のみである」という人の場合、当ウェブサイトなりの試算だと、年収1000万円の人の月手取りは441,338円です。

年収と手取りの関係(~1000万円、扶養控除なし、社保は東京都政管健保の料率を適用)
  • 年収*200万円→月収125,000円→月手取り*99,718円(月収の79.77%)
  • 年収*300万円→月収187,500円→月手取り145,728円(月収の77.72%)
  • 年収*400万円→月収250,000円→月手取り191,713円(月収の76.69%)
  • 年収*500万円→月収312,500円→月手取り237,259円(月収の75.92%)
  • 年収*600万円→月収375,000円→月手取り282,095円(月収の75.23%)
  • 年収*700万円→月収437,500円→月手取り324,768円(月収の74.23%)
  • 年収*800万円→月収500,000円→月手取り366,788円(月収の73.36%)
  • 年収*900万円→月収562,500円→月手取り405,181円(月収の72.03%)
  • 年収1000万円→月収625,000円→月手取り441,338円(月収の70.61%)

年収1000万円なのに毎月自由になるカネは441,338円。

いかがでしょうか?「意外と安い」と思われるのではないでしょうか?

年収が上がるほどに手取り率は下がる!

もちろん、これら以外にも、ボーナスは年2回、合計年間250万円分支給されます(ただし手取りは175~200万円程度です)。したがって、年間のボーナスも含めると、月収以外にも、この人にとっては「自由になるカネ」は多少残る計算です。

ただ、多くの日本人はボーナスについては生活費に廻そうとせず、貯金や各種ローンの返済などに充てようとする傾向があるでしょうし(※著者の私見です)、そのような理解が正しければ、仮にボーナスが年間250万円出たとしても、たいていの人はそれをパーッと使っちゃったりはできないでしょう。

いずれにせよ、ここで重要なことは、世間では「高年収」というイメージがある年収1000万円の人も、案外、自由になるおカネはそこまで多くない、という事実です。

そして、この額面収入と手取りの関係は、年収が上がれば上がるほど、割合が低くなります。ためしに、1000万円以上、3000万円までの人について、500万円刻みで年収を計算すると、それは明らかです。

年収と手取りの関係(~3000万円、扶養控除なし、社保は東京都政管健保の料率を適用)
  • 年収1000万円→月収**625,000円→月手取り**441,338円(月収の70.61%)
  • 年収1500万円→月収**937,500円→月手取り**636,376円(月収の67.88%)
  • 年収2000万円→月収1,250,000円→月手取り**803,204円(月収の64.26%)
  • 年収2500万円→月収1,562,500円→月手取り**962,379円(月収の61.59%)
  • 年収3000万円→月収1,875,000円→月手取り1,121,642円(月収の59.82%)

上記と同じ計算式を当てはめるならば、仮に年収1000万円を超えていたとしても、たとえば年収1500万円の人でも月の手取りは636,376円ですし、年収2000万円になっても月の手取りは803,204円と、100万円を超えることはありません。

手取りが100万円を超えるために必要な年収は、なんと2618万円(!)であり、しかも所得が2500万円を超えると基礎控除自体も完全に消滅してしまうため、月収に占める手取りの割合はどんどんと下がってしまい、年収3000万円水準だと手取りは額面月収の60%以下になってしまうのです。

「カネ持ちから税金を取り立てろ」?それって嫉妬の体系では?

この計算結果を見て、皆さまはどう思われるでしょうか。

もちろん、「お金持ちが羨ましい!」、「あいつ、あんなに貰いやがって!」、「税金はカネ持ちに負担させるべきだ!」、などと思う人にとっては、給与収入が上がれば上がるほどに税金が高くなる仕組みは、留飲を下げるうえで十分でしょう。

しかし、著者自身は、そうは思いません。あまりにも極端な累進課税は、おカネを稼ごうとする人のインセンティブを阻害するからです。

ちなみに所得税の最高税率は45%ですが(※これでもかつてよりはかなりマシになった方です)、これに10%の住民税も徴収されるため、最高税率が適用される部分の実質的な税負担は55%です。個人的には江戸時代の「六公四民」を思い出してしまいます。

まさに現在の日本の税制は、カネ持ち(正確にいえば「高額所得者」)を罰するかの制度なのでしょう(あるいは高所得者に対する「嫉妬の体系」、とでもいえばよいでしょうか)。

「おカネ持ちを貧乏にすることによって貧乏人をおカネ持ちにすることはできません」という名言を残したのはマーガレット・ヒルダ・サッチャー元英国首相(2013年没)だったと伝えられていますが、残念ながら、この手の「おカネ持ちを罰せよ」とする考え方は、いまでも根強いのが実情かもしれません。

ただ、このように議論していくと、「人数論」による主張に出くわします。

どうせ最高税率の適用を受ける人は多くない。だから高額所得者には税金をたっぷり払ってもらおう」。

そう思う人もいるかもしれませんが、そういう問題でもありません

日本から、富裕層が逃げ出そうとする(かもしれない)からです。

富裕層が日本から逃げ出すリスクも考えておけ

富裕層が日本から逃げ出せば、いったい何が生じるか。

そもそも富裕層の多くは、(先祖代々の資産家などの事例を除けば)ビジネスで何らかの成功を収めた人であったり、売れっ子であり続けている芸能人であったり、クリエイターであったり、はたまた何か大きな発明をした人であったりします。

そのような人たちが日本社会を捨て、どこかよその国に住所を移せば、日本社会からは活力も失われますし、消費力のある人がいなくなりますし、結果的に日本社会がますます貧しくなっていきます。

もちろん、所得が高い人は(一般論として)「担税力(たんぜいりょく)」、つまり税金を負担する能力が高いはずであり、したがって、所得水準が高いほどに税率を引き上げるという、累進課税の考え方については、必ずしも否定されるものではありません。

しかし、現在の日本だと、この累進課税の考え方がちょっと極端になっている気がします。

たとえば、所得が一定水準を超えたら、基礎控除が使えなくなり、住宅ローン控除が使えなくなり、さらには実効税率は50%を超えるのです(図表)。

図表 高所得者に対する懲罰的な税制の例
所得額事例備考
1800万円超これを超えた部分に対する所得税率が40%になる住民税10%とあわせて実質的な税率は50%
2400万円超基礎控除が48万円から32万円に減額される住民税の基礎控除は43万円から29万円に減額
2450万円超基礎控除が32万円から16万円に減額される住民税の基礎控除は29万円から15万円に減額
2500万円超基礎控除がゼロになる住民税の基礎控除もゼロに
3000万円超住宅ローン控除が使えなくなる
4000万円超これを超えた部分に対する所得税率が45%になる住民税10%とあわせて実質的な税率は55%

(【出所】国税庁ウェブサイト、地方税法等を参考に作成)

なかなかに、強烈です。

ちなみに基礎控除は2019年分以前は本人の所得にかかわらず一律で38万円でしたが、この高所得者に対する基礎控除の廃止という論点は、やはり何度見ても意味がよくわかりません。

そもそも基礎控除は日本国憲法第25条第1項の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とされる規定(いわゆる生存権)の要請に従い設けられた制度だ、とする学説があるようです。

かかる学説に照らせば、基礎控除減額は違憲です。というのも、この学説が正しければ、基礎控除とは、収入のうち生存するために最低限必要な部分には課税をしない、という考え方だからです(わかりやすくいえば、高所得層(?)には生存に必要な最低限の控除すら認めない、という意味でもあります)。

高所得層への基礎控除をさらに削減?

こうした文脈から、産経ニュースが26日に配信したこんな記事を紹介しておきましょう。

<独自>政府・与党「年収の壁」見直しで年収2400万円超の基礎控除廃止・縮小を検討

―――2024/11/26 20:00付 産経ニュースより

記事タイトルでもわかる通り、「政府・与党」は現在、所得税の基礎控除を巡って、高所得者を対象に廃止や縮小を検討している、というのです。表題に「独自」と銘打っていて、記事本文では「複数の関係者への取材」が情報源としていますが、(想像するに)財務省あたりが産経の記者に流した情報ではないでしょうか。

しかも、記事によると、こう書かれています。

所得税の課税最低額を現在の103万円から引き上げた場合に高所得者にも恩恵が及ぶため、基礎控除の廃止・縮小で不公平感を緩和する狙いがある」。

なぜ、そうなるのでしょうか。

なぜ「高所得者」(?)とやらにも恩恵を及ぼしてはならないのでしょうか?日本はいったいいつから、財務省が支配する実質的な共産主義国(あるいは最近流行の用語でいえば「ザイム真理教」、でしょうか?)となってしまったのでしょうか?

正直、この「高所得層に恩恵を及ぼしてはならない」とする発想自体、共産主義ないし社会主義の発想そのものであり、あさましいと言わざるを得ません。

(※なお、どうでも良い余談ですが、産経記事では基礎控除について、「年収2400万円までは一律48万円で、年収が2400万円を超えると段階的に縮減されて2500万円超でゼロになる」、と記載されていますが、これは誤りです。「年収」と「所得」は別の概念だからです。)

産経によると、政府・与党(というよりも財務省でしょうか?)は現在、この基礎控除がゼロになる金額を、現行の2500万円超から2400万円超に引き下げたり、2400万円超からの縮減額を大きくしたりすることを検討している、としていますが、もっと不可解なのは、この記述です。

廃止・縮小で得られる税収増は限定的とみられる」。

ますます、意味がわかりません。

国税全体の収入に与える影響が限定的であるにもかかわらず、どうしてこんな姑息な真似をしようとするのでしょうか?

衆議院議員の数を1200人に増やしたら?

それに、世の中がインフレ傾向になってくれば、賃金水準だって上がってきます。

極端なケースだと、10年前と比べて物価が2倍になったときに、理論上、賃金水準も2倍近くに増えるわけですが(※ただし、賃金は遅行指数であるため、必ずしもきれいに2倍になるわけではありません)、そのときに適用される税率を調整しなければ、私たちにとっては納税負担が重くなります。

これが専門用語でいう「ブラケット・クリープ」、わかりやすくいえば「インフレ増税」です。

いずれにせよ、「政府関係者」(というよりも「財務省関係者」、でしょうか?)のこうした姑息な観測気球の数々を眺めていると、国民に選ばれてもいない者たち(財務官僚)が大きな権限を持ち、国民経済を活性化させるための政策に口出しをしてくることに対し、私たちはもう少し危機感を持つべきではないでしょうか。

本来、財務官僚や総務官僚、厚労官僚といった者たちは、国家公務員試験を合格し、省庁に採用されただけの者たちであり、それが私たち国民の選んだ政治家を上回る権力を持つこと自体、おかしな話です。

結局、日本の国会は政府提出法案を多く可決して来たわけですし、毎年の予算だって大蔵省、財務省の主計局が策定したものがそのまま可決されています。予算の重要な部分を決定するためには財務官僚と仲良くしなければならない、というのは、どう考えても異常です。

これに関し、著者自身は国会議員の数がまだまだ足りないと考えていますし、また、国会議員1人が持てる秘書も、現行の3人ではなく、もっと劇的に増やすべきだと考えています。

もし本当に国会議員が政策を立案し、議員立法をどんどんと出していくためには、政策秘書も3人~5人くらいいても良いでしょうし、衆議院議員は少なくとも現在の465人ではなく、人口10万人の1人―――つまり1200人―――程度いても良いのではないでしょうか。

そのうえで、予算編成権については、少なくともただの公務員である財務官僚からは取り上げ、主計局は衆議院などに移すのが筋ではないかと思いますし、国民から選ばれたわけではない官僚、マスメディア関係者らが権力や社会的影響力を持つという現在の利権体制は、急いで変革しなければならないのです。

結局、当ウェブサイトもそのことを訴えるために続けているようなものですが、果たして著者自身がこのウェブサイトを継続している間にそれが実現するのかどうか。

期待を持って待ちたいと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

    所詮、人間は感情の生き物で、他人が不当に得をしていると思うと感情的に我慢できないのではないでしょうか。

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話しを。
      裏取りなしで、高いギャラをもらって、公共の電波をつかって、好き勝手なことを言っている人から徴収しよう。
      ネット民が賛成するかな。

  2. 匿名 より:

    負担能力のある者(≒高額所得者)に多く負担させるというのは、ある意味で合理的だと思いますけどね。バランスの問題はありますが。
    年収の壁を無くすだけであれば、扶養者控除を平等に全廃するという手段もあります。財務省好みの増税になりますし。ほとんどは労働者ではない未成年者だけは被扶養者と認めてもよいかもしれません。未成年者の場合には所得に関係なく控除対象として、それ以外は扶養者控除を一切認めないとしても年収の壁は消失します。そのような解決策が国民の支持を得られるかは別問題ですが。

    1. taku より:

       私は、現時点での扶養者控除の全廃には、反対です。減ってきてはいるのでしょうが、「亭主がフルタイムで働きメインの家計を支え、女房がパートで働き小遣い稼ぎをする」家庭も少なくない、と思うからです。
       それくらいなら、米国のように2分2乗方式(夫婦の所得を合算し、それを「2分」した金額について 税率表を適用して算出した金額を「2倍」して税額を算出する方式)を採用すべきです。これなら〇万円の壁は生じません。いわば、「亭主が2倍働いて、女房が家事・子育てをする」「亭主・女房がそれぞれ働き、家事・育児も分担する」かは、それぞれの家庭の選択となります。
       未成年者の扶養控除は賛成です。

  3. 七味 より:

    >個人的には江戸時代の「六公四民」を思い出してしまいます。

    同意なのです♪
    税率もそうですし、費用を除かずに収穫の全てを課税対象にするってことも共通してるように思います♪

    給与所得だって、それを貰うためになんの支出もしてないってないわけじゃないのに・・・・

  4. Sky より:

    私があうシステムを開発するときは、選択できる限りで出来るだけ「筋の良い素性の良い」アーキテクチャなり部品を用いる、選択出来ない場合でも、その粗が表に出ないような設計を心がけます。
    後から問題を起こす可能性も減るし、メンテナンス性も上がり引継ぎも容易になるからです。
    税制は、どうも逆のようで、やたらとこねくり回し切った貼ったする下手くそ設計、所謂スペゲッティプログラムのような印象です。
    旧態依然とした税申告も、今では多くの場合計算は机上の申告用紙ではなく計算機で行われているはず。課税額など段階を区切るのではなく、1次方程式(足切り以降は一定税率)、或いは2次方程式(累進税率)程度で明示化すれば宜しい。そうすれば、方程式に盛り込んだ「思想」も説明しやすいし理解されやすいでしょう。所謂「義務教育」レベルでできるはずです。
    あえてそういうことをしていない気がします。後ろ暗いのでは?と邪推します。

  5. taku より:

     それを言うと累進課税そのものが、「高所得者に対する嫉妬」の体系です。そして、高所得者は多数派ではありませんので、取られやすいのです。
     累進課税は、他国でも採用されているので、まあ万国共通の感情なんでしょうね。ただ、日本の傾斜は少し急坂かもしれません。
    主要各国における税率比較
    https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/234.pdf

  6. JA より:

    高額所得者への累進課税というのは、国民の機会均等(低額所得者に生活向上への再挑戦をするための機会を設けること)を保障するために、富の再配分するための徴税制度が第1義ではないですか?
    高額所得者から徴税しすぎて国外脱出等を引き起こして再配分制度の持続可能性を棄損したり、低額所得者へ配分しすぎて「労働するのは馬鹿らしい」と思わせて再配分制度の目的を達成できなかったり。程度問題でしょう。
    基礎控除が憲法第25条に基づくならば、貧富の差なく日本国民に等しく適用されるべきで、高額所得者は日本人でないみたいな扱いはするべきではないと思います。
    財務省的には、取れるところから取れるだけ取る(鼻血も出なくなる)制度だということでしょうから、何でもありですよね。

  7. 元雑用係 より:

    >「高所得層に恩恵を及ぼしてはならない」とする発想自体、共産主義ないし社会主義の発想そのものであり、あさましいと言わざるを得ません。
    >「廃止・縮小で得られる税収増は限定的とみられる」。

    「蟻の一穴」狙いかあるいは、「所得水準で除外する」って概念を消滅させたくないのでしょうかね。
    先日貼ったものですが、国税庁の資料で給与階級別の人数の数値がありましたので、年収2000万以上の基礎控除を取っ払った場合の減税抑制効果を計算しましたが、1%以下でした。1000万以上でも一桁%。全然たいしたことがない。

    国税庁のこのページの「第3表 給与階級別の総括表」
    https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/minkan.htm

    皆が自身の利害のみで賛否を示すなら、多数派の賛成で押し切れちゃう。ポピュリズムの要素すらあると思います。
    所得階層別の人口構成はピラミッド様です。「自分よりも金持ち」を羨むのですけど、金持ちとそれ以外がどこに線が引かれるか。人口比率の均衡点になるのでしょう。
    露骨にやるとアレなので、割を食う人がごく少ない2500万以上に絞って、「所得による制限」という概念を「護持」したいのでは?(国体護持みたいな)
    時が来ればそれを拡大できるかもしれないし。

    基礎控除は基本的人権と結びついているものなので、高所得者がそこから除外されるのは確かに不公平ですね。差別ですわ。
    所得再配分は正義と思いますが、高所得者としてのその責任は累進課税によって果たしてもらっています。基礎控除の対象から外す理由にはなりませんね。

  8. はるちゃん より:

    税は政治であり政治は理念です。
    政権を担っている政治家に理念が無いから役人のやりたい放題がまかり通るのです。
    今回の103万円の課税最低限度額の引き上げ問題は、役人から政策決定権を取り上げるための第一歩です。

  9. sqsq より:

    今日テレビ見てたら年金受給者の「働き控え」というのをやっていた。
    年金受給者が一定以上働くと年金支給停止になるという制度のこと。

    年金もらうようになったとき送られてきた資料に生涯に支払った厚生年金保険料の金額がでている。雇用主と折半だからその倍額が年金機構に入っていることになる。
    自分が受け取っている年金額と比較すると総支払額(本人+雇用主)を取り返すのに16年~17年かかる。
    自分が払ったものを払い戻してもらっていると考えれば、なぜ働いたことを理由に減額または停止されなければならないのか。

  10. sqsq より:

    >いつから日本は共産国になった
    というよりも、役人は収支を合わせることしか考えてない。
    そのためにもっと広い視野で税制を考えられる党税調があるのに、細かい数字は役人に頼らざるをえず役人のいいように誘導されているのではないか。
    歴代中国王朝が宦官のせいで傾いたのと同じ。「官僚は現代の宦官」かもしれない。

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