事実上の旧旧対決か…立憲民主党代表選「刷新感」は?
23日に投開票が予定されている立憲民主党の代表選の候補者が出そろいました。結論的にいえば、やはり、事実上の「旧旧対決」といえるのではないでしょうか。いちおう「若手」とされる現職の泉健太氏、女性の吉田晴美氏も立候補しているのですが、やはり有力候補者は枝野氏、野田氏の両名ではないでしょうか。やはり、10人前後の立候補が取りざたされている自民党総裁選と比べ、刷新感のなさは否めません。
立民代表選は4人が出馬
予想通り、旧旧対決となるようです。
9月7日に告示された立憲民主党の代表選では、野田佳彦(元首相)、枝野幸男(前代表)、泉健太(現代表)、吉田晴美(新人)の4氏が立候補を届け出ました。23日の臨時党大会で新代表が選出されます。
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立憲民主党代表選
第1日目が終了!
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代表選が告示された7日、4候補者は都内での記者会見後に名古屋へ。東海ブロック立会演説会・候補者討論会に臨みました。
ご参加いただいた皆さま、配信をご覧くださった皆さま、ありがとうございました。明日は九州ブロックでお会いしましょう!#代表選2024 pic.twitter.com/r4C0G012dS— 立憲民主党 (@CDP2017) September 7, 2024
代表選の仕組みは、合計740ポイントが国会議員(272ポイント)、国会議員公認候補予定者(98ポイント)、地方自治体議員(185ポイント)、党員・協力党員(185ポイント)に配分され、第1回投票で過半数を得た候補者がいなければ上位2名で決選投票が行われる、というものです。
各候補者の概要やそれぞれの推薦人、代表選の仕組みなどの詳細については、詳しくは同党の公式ウェブサイトをご確認ください。
ただ、各候補ともにいちおう推薦人は20人ずつ届け出たようですが、現実問題としては、有力候補は、やはり野田氏か枝野氏のいずれかであろうと考えられます(著者私見)。
この点、吉田晴美氏は1972年生まれの50代で、2021年に東京8区で自民党の石原伸晃・元経済再生担当相を小選挙区で破って初当選したという「実力者」(?)です(ただ、これは「吉田氏が頑張った」のではなく、「石原氏がふがいなかった」だけではないか、という気もしますが…)。
しかし、著者自身の試験では、吉田氏が出馬できた理由は、このままだと「刷新感」がなく、自民党総裁選に話題を持っていかれてしまうという危機感があったからではないでしょうか。
その意味では、あくまでも「客寄せパンダ」てきな印象は否めません。
また、(一部報道等によると)推薦人が集まらずに立候補を断念せざるを得ない状況に追い込まれる、との観測もあった泉氏は、(他派閥の恩情もあってか)辛うじて出馬できたようですが、あくまでも個人的な見立てでは、苦戦が予想されるところです。
野田佳彦氏は2012年総選挙で民主党を惨敗に導いた
ただ、冷静に考えると、(著者自身が)「有力候補者」である(と勝手に決めつけている)枝野氏、野田氏は、どちらも立憲民主党ないしは旧民主党を「敗北」に導いたとして、退陣している人物です。
このうち野田佳彦氏は2011年9月2日に、当時の民主党政権下で首相に就任したのですが、自身が打って出た衆院解散によって2012年12月16日に実施された総選挙では、民主党は惨敗し、獲得議席は480議席中57議席にとどまりました。
しかも、この選挙では田中真紀子・文科相(※当時)を含め、野田政権下の現職閣僚が8人落選しており(※うち7人が民主党、1人が国民新党)、党の分裂といった事情もあったとはいえ、解散前勢力の230議席だったことを思い出しておくと、その惨敗ぶりがわかるでしょう。
結局、野田佳彦氏は首相を辞任した(2012年12月26日)だけでなく、民主党の代表をも退任(同12月25日)しています(後任は海江田万里氏)
枝野幸男代表下で立憲民主党は2021年の総選挙に敗北
また、枝野幸男氏は旧民進党から「排除」された人たちが立憲民主党を結党した2017年に代表に就任したのですが、(※厳密には2020年に1回解党し、再結党しています)、2021年10月31日に実施された衆院選では、獲得議席は465議席中、96議席となりました。
民主党時代の「480議席中57議席」と比べたら、ずいぶんとマシであるようにも見えます。
しかし、2021年の総選挙では、立憲民主党の改選前勢力が109議席だったこと、また、当時は一部メディアが積極的に「政権交代」を煽っていたことなどを思い出しておくと、立憲民主党が議席を減らしたことは、やはり「敗北」だったと結論付けて良いでしょう。
すなわち、少し酷い言い方をすれば、野田氏、枝野氏はいずれも「敗軍の将」、というわけです。
もちろん、故・安倍晋三総理大臣のように、かつて退陣に追い込まれ、再起を図り、成功したという事例もありますので、「敗軍の将」が再登板してはならない、というルールはありません。
(あくまでも個人的な意見ですが)「日本を良い国にする」という熱い志と、具体的なビジョン、そしてそれを実現させるだけの実務能力があれば、どなたが最大野党の党首になっても良いと思いますし、何なら日本国の首相に就任していただいても良いと考えています。
どちらも政権を担いうる資格があるのか
ただ、野田佳彦氏に関しては、欧州債務危機の余波を受け、通貨危機のリスクが高まっていた韓国に対し、日韓通貨スワップの規模を700億ドルに拡充するなどの「功績」(※皮肉です)があった人物であるなど、個人的にはこの人物に日本の首相を務める資格があるのかは疑問です。
また、『発表しない方がマシだった?立憲民主党の政権「公約」』でも述べましたが、枝野氏に関しては2021年の時点で発表した「政権公約」の第1弾が、なかなかに強烈な代物でした。
「枝野幸男内閣」が初閣議で直ちに決定する7項目
- 2021年度補正予算の編成
- 新型コロナウイルス感染症対策司令塔の設置
- 2022年度予算編成の見直し
- 日本学術会議人事で任命拒否された6名の任命
- ウィシュマさん死亡事案における監視カメラ映像ならびに関係資料の公開
- 「赤木ファイル」関連文書の開示
- 森友・加計・『桜』問題真相解明チームの設置
(【出所】当時の立憲民主党のウェブサイトを参考に作成)
少なくともこの「第1弾」に限定していえば、国民生活に直結する重要な論点であるはずの経済・産業振興に関するものもなければ、電力の安定供給に関わるものもなく、なにより外交・安全保障に関するものはいっさいありません。
逆に、よくこの「公約」(なのかなぁ…?)で選挙に出ようと思ったものです(なお、いちおう第2弾以降で国防や経済政策などに関するものは出て来ていましたが…)。
これが、2021年の総選挙で立憲民主党が惨敗した原因ではないでしょうか。
いずれにせよ、今回の立憲民主党の代表選には「旧旧対決」という性格が強そうです。
少なくとも「40代の若手」2人、あるいは女性候補者複数名などを含め、10人前後の候補者が乱立すると見込まれている自民党総裁選と比べれば、刷新感のなさは否めないところではないかと思う次第です
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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吉田氏を除く3人とも、
「自民が~、裏金が~」と、自民党が大好きで愛して止まないという主張でワロタ。
自民か立民かを選ぶ選挙ではなく、誰が立民を率いるのかを選ぶ選挙だよね?
(えっ?私が間違ってる?)
3人の主張を全て聞いたわけではないので、NHKをはじめとしたテレビ局が
「自民が~」の部分だけ切り抜いているのかもしれないけど、
それはそれで、どうなんでしょ。
「4年間待ってください、必ずみんな幸せにします」
枝野氏のつぶらな瞳に騙された昔が懐かしい
立憲民主党の新しい党首には個人的には吉田晴美さんを応援したいと思いますが、小西さんとか言う小役人崩れとか、杉尾さんとか言うキャスター崩れとか、極めつけは、都知事に成れなかった蓮舫さんが復党して党首選に立候補したら、テレビ的には、もっと面白くて多少は盛り上がったかも?しれないのが残念ですね。と、思います。神輿は軽くてアホウが良い?とか言われていたやらいないやら、知りませんが、自民党は不幸にもそうなりそうな雰囲気だと私は感じています。党員と言うどこの馬の骨?か、わからない連中の投票で総裁、党首が決められ、そのまま日本国の総理になれることに何となく強烈な違和感を感じている今日此の頃のワタシです。
自民党員がどこの馬の骨かわからん連中、って…普通に日本国民でしょう。
自分の周囲に自民党員の知り合いがいないのでどんな人が党員なのか知らないけど。
総理大臣決めるのにアメリカの大統領選みたく国民投票すべきだとでも?
順番が異なっているだけでどちらでも結果は同じだと思いますけどね。
国民の投票で国会議員を選び、結果として第一党が定まりそのトップが総理に納まる日本、
各党がそれぞれトップを選んでそこから国民が選び、選ばれた大統領がほぼ与党になる米国。
一之介氏の違和感の由来であろう自分の一票が無視されているという思い違いからくる疑念が拭い去られることはないでしょう。システム上多数派に属しない一票は切り捨てられるのですから。
個人的には、泉さんに進次郎キラーとして頑張ってほしいかもしれません。
「小」泉には負けません!
でも、大泉洋が新党大地の党首になったら負けます。
お後がよろしいようで。
個人の感想です。
枝野:ダメだコイツ……
野田:ダメだコイツ……
吉田:ダレだコイツ……
泉 :ダメだコイツ……
枝野さん、演説で自民党が失われた30年を作ったと息巻いていましたが、そのうちの3年間政権中枢にいた貴方が言える台詞でしょうかね?
朝の特集討論番組で
4人首を並べて出てるの見ましたが
「自民が~、裏金が~」と言ってました(笑)
♪べべんべんべん
祇園精舎の鐘の声え〜
ち〜ん
・・・とBGMがはじまりそうな
漂う落ち武者感が半端なくて
すごいなあ と感じました。
なお、ブログ主さまからは
「刷新感はあるか?」との問いかけなので
なにか少しはないか?
と探しました。でも、すいません。
見つかりませんでした (><);
ただ、多くの国民が支える日本社会への
「サッシン感」?とかはまるではないものの
「アサシン(Assassin)感」らしきものは
その誹謗だらけの発言内容から
いわば山上安重根的なものが感じられるのでは?
と私は思いました。
石破さん立民に乗り換えて代表選出れば圧勝ですよ?