多数から支持されない公約と運動では当選もおぼつかず

政治家に課せられる使命とは、「人々の安全を守り、豊かな生活を保障すること」であり、これは古今東西を問わず、あるいは国政選・地方選の違いを問わず、共通しています。こうしたなかで、本稿で改めて注目しておきたいのが、選挙で当選するためには有権者の多数から支持されなければならないという事実であり、そのためには、なるべく多くの人々から支持される公約が大切だ、という点です。

ビジネスでも政治でも大事な「多数決の原則」

当ウェブサイトは「政治経済評論」と名乗っているとおり、取り上げる話題は政治(とくに国内政治や外交)、経済(とくに金融、企業経営、産業)、エクセル、ハンバーガーなど、さまざまです。

ただ、一見すると節操なくさまざまな話題を食い散らかしているように見えるかもしれませんが、実際のところ、そんなことはありません。政治の世界であれ、ビジネスの世界であれ、人間を相手にしている以上は、評論の基盤は多くが共通しているからです。

そのひとつが、「多数決の原則」でしょう。

自由・民主主義社会では、より多くの人から支持を得た勢力が「勝つ」とされています。

たとえば、政治の世界だと、国政選挙(とくに衆議院議員総選挙)で最も多くの票を得た政党(または最も多くの票を得た候補者が所属する政党など)が政権与党となりますし、都道府県知事選、市区町村選のように「個人」を選ぶ選挙だと、最も多くの票を得た候補者が当選します。

これに対し、選挙で十分な票を得られなかった場合は、落選するか、当選しても野党議員の地位に甘んじることとなり、どこかの国の特定野党のように、今後恐らく、半永久的に政権与党になれる見込みがない、というケースもあります。

同様に、ビジネスの世界でも、多くの場合、競合他社が存在するなか、商品が最も多く売れた企業・業者などがその市場を制し、大きく稼ぎます。そうでない企業・業者は、一部で消費者からはニッチな支持を得るかもしれませんが、少なくとも市場で優位に立つことはありません。

もちろん、わざと少数の人にしか支持されない商品・サービスを提供する企業もありますが、これらの企業は自分たちの「コア・ターゲット層」を理解していて、その「コア・ターゲット層」に絞れば、その層の多数の支持を得ているわけです。

よって、「多数決の原則」は、わりと広範な場面で当てはまる法則だと考えておいて良いでしょう。

政治で考える「本業」

「自分たちの役割」を考えたら難しい話ではないはず

では、こうした自由・民主主義社会における競争を勝ち抜くための条件とは、いったい何でしょうか。

著者自身の持論ですが、それは、「自分(たち)の本業とは何か」をしっかりと理解し、政治家ならば「有権者が何を求めているのか」、ビジネスマンなら「消費者・顧客が何を求めているのか」を調べたうえ、それに合致するよう、真摯に行動・努力する以外にありません。

ただ、それについては、「自分たちの役割」を突き詰めて考える人にとっては、さほど難しい話ではないはずですが、

本稿では文字数の都合上、ビジネスではなく政治に焦点を当てて話を進めていきたいと思います(※余裕があれば、別稿にて、いずれビジネスでも同様のテーマで議論を展開したいと思います)。

まず、政治の役割、あるいは「国家の役割」という意味では、古今東西、国家の役割というものは共通していて、それは究極的には「平和と発展」―――つまり「人々が安全で豊かに暮らしていけるようにすること」―――にあります。

少し難しい言葉を使えば「安全保障」と「経済的利益」の追求、ということですが、これは要するに外国の軍隊が攻めてきたり、自然災害に襲われたりするリスクをできるだけ減らし(=安全保障)、国民が真面目に働けばちゃんと健康で文化的な暮らしが営めるようにする(=経済的利益)ことにあります。

少なくとも外交、内政のどちらかをないがしろにしたら国滅ぶ

そして、この2点をないがしろにする政府は、いずれ必ず滅びます。

旧ソ連の例を持ち出すまでもなく、国民が豊かで安全に暮らしていける国づくりを疎かにする政府は、その国の国民から支持されないだけでなく、経済的に行き詰まって自滅するか、外国の軍事的侵攻、自然災害等によって滅ぼされるのです。

逆にいえば、古代の王朝、中世の封建領主、近現代の政府などを問わず、現在まで残っているものは、外国に攻め落とされず、経済的に困窮して自滅することもなかった、ということでもあります。

日本でも近代国家成立までは、政治権力を持つ者は、蘇我氏、藤原氏、平氏、源氏、北条家、足利家、織田信長氏、豊臣秀吉氏、徳川氏など、目まぐるしく入れ替わってきました(政治学的には彼らの一部は日本国王に位置付けられるとの説もあるそうです)。

これなども個々の王権の栄枯盛衰を議論し始めるとキリがないのですが、それでも結論からいえば、かつて存在した王権・体制などが崩壊したのも、これらが時代にそぐわなくなり、人々の安全と繁栄を守ることができなくなったからだと考えると、大きくは間違っていないのです。

皇室を戴く日本の奇跡

なお、ちょっとだけ余談です。

日本において特筆すべき点があるとすれば、万世一系の皇室の存在であり、権力と権威を分けてきたことではないかと思います。皇室は実在が確実視されている継体天皇から起算しても、1500年ないし1600年以上の歴史があるとみられており、この点について、歴史学者の意見もほぼ一致しています。

著者自身は、日本国の正式な歴史書である記紀に神武天皇がご即位されたとの記載がある以上、公式には、皇統の歴史は2684年だと結論付け、あとは歴史学者が学問の自由に従い諸説唱えていれば良いのではないかと考えているクチです。

ただ、「皇統の歴史は2684年」が真実であろうがなかろうが、それによって皇室の権威が揺らぐことはまったくありませんし、国民の圧倒的多数が皇室を崇敬しているという状況は変わりません。

なお、それとまったく同じ理由で、「初代国王が即位してから起算して今年で4357年だ」、「わが国の起源は1919年に設立された臨時政府であり、1945年の光復のときまで植民地支配に抵抗を続けて来た」など、外国からしたら完全な与太話を、著者自身はハナからバカにするつもりはありません。

しかし、国民などに対し、あまりにも露骨な虚偽説明を続けている姿勢は、感心しません。「建国の神話」があまりにも露骨なウソであれば、そうした与太話は必ず強力なブーメランとなり、最終的にはその国のアイデンティティを崩壊させるからです。

もちろん、このあたりは彼ら自身が「歴史の事実」にどう向き合い、どう折り合いをつけていくのかという問題であって、本来ならば私たち日本人が論じるべきものではありませんが、「ウソツキ国家は必ず滅亡する」という教訓という観点からは、非常に参考になる者でもあるのです。

民主主義への移行は不可避も…民主主義の欠点とは?

さて、余談はともかくとして、ここで改めて強調しておくと、国家の役割とは、究極的には「国民が平和で豊かに暮らしていけること」にあり、この点については古今東西、まったく変わりません。

「多くの共産主義国家が必ず滅亡する運命にある」というのも、共産主義国家では多くの場合、圧倒的多数の人民の生活を犠牲にしたうえで、独裁者、あるいは共産党員ら一部のエリートだけが豊かになる、という仕組みだからです。

もちろん、ここ30年の中国のように、共産主義を標榜する国家でありながらも経済発展の恩恵が人民にも行きわたったという事例も、あるにはありますが、著者自身、これは「西側の投資を呼び込みながら知財窃盗やダンピングを続けられる」という特殊な条件が揃ったから実現した、一時的現象に過ぎないとみています。

そして、独裁国家でありながら経済発展に成功するという、いわゆる「開発独裁」モデルも、ある時期においては有効かもしれませんが、国家がある程度の発展段階を過ぎたあたりで限界を迎えるのは避けられないのではないでしょうか。

シンガポールのように強権的手法が成功し続けているという事例もあるにはあるのですが、やはり多くの国は、独裁国家から自由・民主主義国家に移行せざるを得ません。

ただ、自由・民主主義社会というものは、運営が大変難しい社会でもあります。なぜなら、自由・民主主義国家において選ばれる政府は、その国の国民のレベルを超えることができないからです。

それどころか、国民の側も未成熟だと、民主主義をうまく運営することすらできません。国民がみずから大統領を選んでおきながら、週末ごとにローソクを持参して大統領官邸付近に押し掛け、議会に圧力を掛け、弾劾に追い込んだ国の例を持ち出すまでもないでしょう。

日本国民は忍耐強く民主主義を実践してきている

その意味で、日本はじつに恵まれた国だと思います。

いや、「恵まれた国」、というと、語弊があります。

私たち日本国民自身が、民主主義をうまく運営していくうえでの忍耐力を持っているからです。

たとえば、自民党は2012年12月の衆議院議員総選挙で圧勝して以降、今日まで、1日も絶えることなく政権与党の地位にあります。自民党は衆院総選挙、参院通常選挙で4回連続して第1党となり続けているからです。

当然、そのときどき、政権に対し、国民が強い不満の声をあげることもあります。

著者自身は故・安倍晋三総理大臣による強権的・独善的な政策(たとえば2015年12月の日韓慰安婦合意、2014年4月と19年10月の消費税等の税率引き上げなど)には強い不満を抱いてきましたし、そのことは、当ウェブサイトにも記してきました。

また、安倍総理の後任の菅義偉総理大臣に関しても、政権下で再生エネルギーの推進が行われ、原発の再稼働や新増設がほとんど進まず、日本を「観光大国」にしようとする政策なども進められたことについては、強い不満を覚えています。

さらに、岸田文雄・現首相に対しても、いわゆるLGBT法の推進であったり、韓国に対する理不尽なまでの譲歩であったり、といった具合に、一部の政策には大変強い不満を持っている次第です。

著者自身がそうなのですから、普段から政治についてさほど高い関心を持っているわけではない人たちに至っては、なおさらそうでしょう。

もちろん、著者などは、「政治家はゼロか100かではなく、是々非々で評価すべき」と考えている次第ですし、トータルとして見て、自民党政権は民主党政権(2009年9月~12年12月)と比べて遥かに良い仕事をしていると評価しているため、「自民党政権を倒せ」、などと主張するつもりはありません。

ただ、なかにはごく一部に、選挙で成立した現在の岸田文雄政権を、暴力的に倒せ、などと主張する者がいます。いわば、「革命思想」のようなものでしょうか。

ところが、こうした極端な革命思想をお持ちの御仁が世の中にいることは事実ですが、その者たちが首相官邸を取り囲む「ローソクデモ」を主催したところで、集まるのは高齢者を中心とするせいぜい数百人の「(自称)市民」であり、しかも彼らの多くは高齢者です。

要するに、日本国民の圧倒的多数は、こうした暴力的な「革命」には賛同しておらず、支持もしていないのです。実際、少なくとも衆議院議員総選挙では(辛うじてですが)50%を超えています(総務省『国政選挙における投票率の推移』等参照)。

何故や党は選ばれないのか?

日本国民は自民党を選び続けている

つまり、国民の多くは、街頭デモないしネット上の不平・不満などを通じ、自民党政権を批判することもないではないものの、少なくとも2012年12月から21年10月までの4回の衆院選に関していえば、日本国民は自民党政権を是とし、信任したのです。

逆にいえば、冒頭で指摘したとおり、現在の野党は「民主的に行われた選挙の結果、政権与党に『選ばれなかった』」人たちなのであり、少なくとも現在の衆院の任期が2025年10月までに終了するまでの間に、彼らが岸田首相に代わって組閣する可能性は、極めて低いでしょう。

では、なぜ国民は自民党を選び続けて来たのか。

あるいはなぜ、国民は(旧)民主党、(旧)民進党、立憲民主党を「選ばなかった」のか。

これについては諸説あろうかと思いますが、投票行動だけでいえば、「多数決の原理に従い、有権者の多くに支持されるような公約を出すことができなかったのではないか」―――という仮説が成り立ちます。

もちろん、これは単なる仮説であり、「彼らが有権者の目から見て魅力的な公約を掲げるのに失敗したから」だけでなく、「自民党の方が彼らよりも魅力的な公約を掲げたから」、「2009年からの悪夢を日本国民が忘れていないから」、といった可能性もあります。

現実の社会において、たとえば「時間を過去に戻し、公約を入れ替えて得票数がどう変化するか」などを実験することはできませんので、このあたりはあくまでも単なる仮説に過ぎません。

ただ、仮説としては、なかなかに優秀ではないでしょうか。

立憲民主党の3年前の「衝撃の公約」

こうしたなか、ここで改めて振り返っておきたい「衝撃の公約」(の一部)があります。

立憲民主党が前回の衆院選(2021年10月)に先立って、同年9月に発表した、事実上の政権公約の「第一弾」です。

詳しい内容は以前の『発表しない方がマシだった?立憲民主党の政権「公約」』でも取り上げましたが、同党の枝野幸男代表(当時)は自身が首相に就任した場合、初閣議で直ちに「7つの項目」を直ちに決定すると宣言しました。

それが、次の通りです。

「枝野幸男内閣」が初閣議で直ちに決定する7項目
  • 2021年度補正予算の編成
  • 新型コロナウイルス感染症対策司令塔の設置
  • 2022年度予算編成の見直し
  • 日本学術会議人事で任命拒否された6名の任命
  • ウィシュマさん死亡事案における監視カメラ映像ならびに関係資料の公開
  • 「赤木ファイル」関連文書の開示
  • 森友・加計・『桜』問題真相解明チームの設置

(【出所】立憲民主党HPの当時の発表)

要するに、立憲民主党は当時、これらの7項目を「最優先で取り組むべき課題」だと認識していたわけです。

当時、すでにロシアがウクライナに軍事侵攻する可能性が取りざたされていたにも関わらず、また、台湾海峡問題は当時から深刻な問題であったにも関わらず、外交・安全保障分野に関するものはひとつも含まれていないのは序の口。

そもそも論として、国防、外交、予算、税制、経済・産業振興などの現実の諸課題に対する言及がほとんどないわけですから、正直、驚いてしまいます。

とある地方選でとある候補者が掲げた公約

もうひとつ、事例を挙げましょう。「とある地方選挙」(※わざとスットボケます)において立候補している「とある候補者」(※同上)が公表した「7つの公約」です。こんな具合です。

「7つの公約」
  1. 現役世代の手取りを増やす/本物の少子化対策
  2. あなたの安心大作戦/頼れる保育・教育・介護・医療へ
  3. もっと多様で生きやすく/あなたの人生の選択を大切にする
  4. 本物の行財政改革/徹底見直しで、ガラス張りの●政に
  5. 本物の●●大改革/古い政治から、新しい政治へ
  6. ●全体をもっと良くする/未来への責任/住みよい●●へ
  7. 良い政策は発展させる/行政の継続性も大切に

(【出所】某選挙に対する某候補の公約集。なお、都市名については伏字にしている)

「●」で示した部分は選挙名が特定できるため、いちおう、伏せ字にしています(バレバレだとは思いますが)が、果たして、この候補者の方は、この7つの公約で、有権者に対し、いったい何をどう訴えるつもりだったのでしょうか?

いちおう、各項目についてはそれぞれ解説文が付されているので、「まったく意味がない抽象的な文言だ」とは言いませんが、ただ、敢えて厳しいことを述べるならば、どれも具体性に欠けるといわざるを得ません。

たとえば、最初の「現役世代の手取りを増やす」の箇所には、こんなことが記載されています。

  • 新しい条例で、自治体と契約する事業者に、働く人の待遇改善を要請します
  • まずは非正規の職員を、専門職から正規化するなど処遇を改善します
  • 新しい職種に転職しやすくするリスキリング(職能再開発)を支援します

…。

なんだか、よくわかりません。

なぜこれらのことをやれば、「現役世代の手取りが増える」のでしょうか?

もちろん、現役世代の手取りを増やす努力は必要ですが、あくまで一般論として、手っ取り早いのは減税であり、しかもそれらは多くの場合、地方行政の話ではなく、国政の話でしょう。これまで長く国政に従事されていたわりには、この人物が「毎年度、消費税等の減税法案を出していた」といった話は聞きません。

さらに、「もっと多様で生きやすく」(例:LGBTの権利推進など)あたりも、多くの有権者が求めている項目なのかはよくわかりませんし、「本物の行財政改革」を言い出すなら、某他の候補者のように「公金チューチューをやめます」などと宣言するのが早いはずでしょう。

ちなみに最後の「行政の継続性も大切に」のくだりに関しては、この候補者がしきりに「リセット」、「リセット」と繰り返し、現職から「(地方行政のリセットは自治体に住む人々が)困るんじゃないですかね」、などとチクリと批判されたことを受けたものかもしれません。

このあたり、「公約が信頼ならない」という意味では、現職の政治家も五十歩百歩、という指摘もあるかもしれませんが、ただ、その「信頼のならなさ」、「ポイントの外し方」に関しては、群を抜いていることも間違いありません。

改めて、この「有権者にとって公約がいかに重要か」を意識することができるのではないかと思えるのです。

情報のアップデートが進まない人たち

さて、公約に関して、もうひとつ指摘しておくならば、一種の「ブランディング戦略」も大切です。

企業であれば、自社ブランドを守り、その価値を最大化するために、たとえばブランドに対する認知度を周知するとともに、顧客からどう思われたいかを決定したうえで、戦略を立案し、実行していることが一般的です。

政党にしたって、本来ならば、話は同じです。

ところが、特定政党・勢力に関していえば、だいたいいつも同じようなメンバーが支援者として名乗りを上げ、だいたいいつも同じような行動を取ります。

たとえば、今回もとある選挙でとある陣営が選挙違反を繰り返したとネット上で広範囲に指摘されていますが、これも想像するに、メディアがこれまでその陣営の政治家を、「野党である」というだけの理由で、「報道しない自由」を駆使して守ってくれていたからではないでしょうか。

ネットの普及もあり、「報道しない自由」はすでに過去のものとなっているわけですが(とくにXなどのSNSでは、選挙違反行為は証拠付きであっという間に拡散してしまいます)、どうも彼らの陣営ではこうした事実を認識できてないようです。情報のアップデートがうまく行っていない証拠でしょう。

これはあくまでも現時点における「仮説」ですが、その陣営はおそらく、とある選挙では、公約、選挙運動の両面において、メインのターゲット層を、たとえば「テレビが大好きな情弱層」などに設定してしまっている可能性が濃厚なのです。

少なくとも大企業や官庁などで働いているような現役層などに、どこまで支持を広げられるかは疑問ですし、むしろ特定の「いつものあの人たち(?)」が応援団に入った瞬間、逃げていく層というものも存在することを忘れてはなりません。

公約の本筋

いずれにせよ、くどいようですが、多くの企業にとってはできるだけ多くの人々から受け入れられる製品・サービスを提供することが目標であるのと同様、多くの政治家にとっても、できるだけ多くの人々から受け入れられる公約・選挙運動に努めるべきでしょう。

また、地方選と国政選では微妙に位置付けは異なるとはいえ、政治家に課せられた使命が「人々の安全を守り、豊かな生活を保障すること」であるという点は共通しており、この点をはき違えた公約を出したり、選挙違反を常態化させたりするような政治家が、果たしてどこまで票を獲得するのかは見ものです。

なお、個人的には現在の日本、「官僚、メディア、特定野党」という「民意を得ていない者たち」が結託し、お互いに依存(あるいは「寄生」?)し合いながら社会を悪くしてきた、と考えており、これについては以前の『【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる』などでも指摘してきたとおりです。

そして、メディアの社会的影響力が低下しているという証拠は、あれだけ自民党に対する「逆風」(?)が続くなかで、先日の沖縄県議選挙で自民党候補者が全員勝利する(『「逆風」のはずの自民党、沖縄県議選で候補が全員当選』等参照)というエピソードでも垣間見ることができます。

(というか、本当に自民党に対する「逆風」とやらが吹いているのか、個人的にはかなり疑問ではありますが…。)

その意味で、メディアが唱える「民意」、その「民意」を信じて出馬した陣営の戦績が、ごく近いうちに判明することでしょうし、これについては興味深く(かつ生温かく)見守ってみても良いのではないか、などと思う次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

    毎度、ばかばかしいお話を。
    立憲:「「自民党はだめだ」と言わないと票にならない」
    まあ、有権者は、多かれ少なかれ、自民党への不満はもっていますから。

    1. 引きこもり中年 より:

      立憲は、民主党時代の公約の反省から、「みんなにいい顔をすることはできない。しかし、みんなにいい顔をしなければ政権がとれない」と悟ったのではないでしょうか。(まあ、自分だけ不幸になるくらいなら、全員、不幸になるべきだ、と考える人もいますが)
      蛇足ですが、安全保障を誤ると、みんなが不幸になるのでないでしょうか。

      1. クロワッサン より:

        >蛇足ですが、安全保障を誤ると、みんなが不幸になるのでないでしょうか。

        元日本国民が名誉人民と不名誉人民とに区別され、少数の名誉人民が多数の不名誉人民を搾取し、使い捨てし、大陸への貢献に励む未来が見えますけどね。

        1. 星のおーじ より:

          眼科医にご相談下さい。

  2. 通りすがり より:

    都会に暮らしている人の盲点として,選挙は全国規模の「多数決の原理」以外に「地元優先の原理」が大きく働くことを忘れがちです。例えば「頼めば道路や橋を直してくれる政治家でないと困る」とか。
    アメリカ大統領選でも,ニューヨーク近辺の東部とカリフォルニアはグローバリズムの視点で選挙が進みますが,少し田舎の州では別の原理が働いて,トランプさんが優勢になってしまいます。
    都知事選はともかく,その後の衆院選・参議選は,少子高齢化が進んだ日本の地方に暮らす人達の考え方も理解しておかないと,意外なことが起きるかもしれません。特に,年金生活者の実情をよく知ることが大切でしょう。介護・医療・食料品価格・ガソリン価格は大きいかな。少子化は,もう子供がいなくなってしまったので「あとの祭り」。

    1. ドラちゃん より:

      アメリカの下院選挙では地元優先しない議員はすぐ落選するからね
      任期が2年しかないし

  3. カズ より:

    政治の最大公約数は1→日本国民の「 ”公共の福祉” の実現」
    そして最小公倍数は2→そのための「”安全”と”繁栄”の確保」

    ・・なんだと思っています。

    *野党の公約がピント外れなのは、コア・ターゲット層に訴求してるからです。

  4. クロワッサン より:

    >その意味で、メディアが唱える「民意」、その「民意」を信じて出馬した陣営の戦績が、ごく近いうちに判明することでしょうし、これについては興味深く(かつ生温かく)見守ってみても良いのではないか、などと思う次第です。

    特定野党は日本国民より移民の代表たる存在と言えるでしょうから、信じるのは民意ではなく移民なのでは?

  5. 都市和尚 より:

    いつも楽しみに拝読しております。

    先日北の大地から古い友人が久しぶりに上京し飲む機会があり、
    今回の都知事選は何の罰ゲームなのかと散々揶揄されました。
    彼の地元知事だって元々は都の職員だったわけで、
    東京は人材が豊富なのだと反撃しておきました。

    ブログ主様が別のスレッドに書かれているように、選挙はまさに
    「ゴミのような候補者のなかから、少しでもマシなゴミを選び出すようなもの」
    少なくとも今より悪くならないように、しっかり投票に行こうと思います。

  6. 農民 より:

     ウィシュマさん問題、立憲民主ら自身がもう全く興味無さそうなのが酷い。こういったその場限りのつまみ食いの積み重ねで、「彼らを信用してはならない」という実績がうず高く積み上がっているのです。

     さて民主主義の究極的な欠点は、各人が未来予測によって公平に投票するが、その未来が全く確約されないこと、でしょうか。その格好の事例になってしまったのが民主党政権であり、以後は無難な自民党が選ばれ続ける。
     勝つための選挙を戦うのには、多数派に支持される公約が必要です。公約は有権者の未来予測の最も重要な手がかりですから。そのせいで”本当に大事な政策”のウケが悪い場合は、隠すか嘘を付く必要が出てきてしまうのも難点です(現状では軍拡や原発増あたりでしょうか)。勝ちを捨てて誠実に政策の有用性を解いて回る政党は好ましい姿でありながら、選挙制度とは大変に相性が悪い。
     立憲共産やR氏などは、このへん大変な苦慮をされているのではないでしょうか。まぁ彼らが考えるであろう”本当に大事な政策”は、やらない方がほとんどの日本人にとって良い気がしますが。
     現に民主党政権では、公約はほとんど進めずに余計なことばかり(彼らにとっては本来の狙い通り)推し進めましたし。

  7. 伊江太 より:

    本当に真面目に考えるべき問題を取り扱っている本記事に対して付けるコメントにするには、こじつけが過ぎて少し気が引ける内容なんですが、記事冒頭の

    >取り上げる話題は政治(とくに国内政治や外交)、経済(とくに金融、企業経営、産業)、エクセル、”ハンバーガー” など、さまざまです。
    >政治の世界であれ、ビジネスの世界であれ、人間を相手にしている以上は、評論の基盤は多くが共通しているからです。そのひとつが ”「多数決の原則」” でしょう。

    にある、2つのキーワードから、ふと頭に浮かんだことです。

    実は来月、久しぶりに東京へ出る用ができたのですが、宿泊、食事はできるだけ安く上げたい。居住する地方と比べれば、物価水準がこのところ大きく差が開いている東京で、果たしてそれが可能か?なんてネットで探したら、今だって、結構お安い値段で泊まれるソコソコのクラスのビジネスホテルって、東京にもちゃんとあるんですね。

    朝飯は久しぶりに”ハンバーガー”ショップに入って済まそうかと、やはりネットで調べてみたら、マクド、モス、バーガーキング、その他地方では見ないチェーン店も含め、徒歩20分以内くらいの範囲内に何軒も見つかるのですが、それぞれの店のメニューとお値段をHPで閲覧すると、例えば、「炙り醤油風」「とろっ玉照り焼き」「アメリカンBBQ」だとか。私が知る定番メニューなんて、もはや見当たらないのが、ちょっとした発見でした(何年も前の古い知識ではありますがね、店頭で見れば,ごく普通のバーガーだって多分あるんでしょうが)。写真で見る限り、従来商品とどこが違うの?なんですが、味付け具合などが、日々進化してるってことなんでしょう。

    これなんか、「売り上げ」という冷徹な数字で測られる、カスタマーの“多数決”によって取捨選択が促された結果と言えるんでしょう。数年後にまた、バーバーショップのメニューを調べてみようなんて気になったら、そのときには、多分違った味付けになっている(ように見せかける)商品がそこには載っていそうです。

    消費者を有権者に置き換えてみたとき、そういう淘汰圧があることにすら全く気付いていないのが、立憲共産、レ新といった政党の特徴なんでしょうね。なにせ、うちの出すメニューを黙って食してこそあるべき市民の姿、と本気で思い込んでいる人達の集合体のようですから。

    だけど、昨今の自民党を見ていると、これも五十歩百歩なんじゃないかなと思えてきます。無論、移ろいやすい「世論」なるものにただただ迎合しているようでは、ただのポピュリズム政党に成り下がってしまってオワですが、ジャアそれに流されない芯のようなものがあるのかと言ったら、それがどうも怪しい。

    政治に一日の遅滞も許されないという現実に即して考えれば、いっそ与野党合わせてガラガラポンで、更地にしたあと再出発なんて乱暴なことはできないんでしょうが、ハンバーガーチェーンなどで、新しい試みの成否を探るために一部店舗をパイロットショップとして運用するなんてことがしばしばやられるように、旧態依然たる派閥とはひと味違う、党内党的な集団が自然発生的に現われてくるほどの活力がもう残っていないとするなら、自民党という党も、もはや寿命が尽きようとしているように思えるんですがね。

  8. CRUSH より:

    合同記者会見にて。

    小池:実績アピール。
    (しかしなにが実績なのかは??)
    蓮舫:自民党と勝負したかった~(ドヤっ)
    (小池=自民党という構図に持ち込みたい)
    石丸:国政の代理戦争に持ち込むのは都民の迷惑だ!
    (蓮舫が失速すれば批判票は石丸へ)
    田母神:ほぼ存在感なし
    (水素はエネルギー違うっちゅーねん)

    ま、細かいことはいろいろあれど、本格的に1次資料(記者会見ノーカット映像)がたくさん供給され多くのPVを稼いでいるのはとてもよいことですね。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
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