「遅刻魔」プーチン、中国主席との会談では定刻通り?

ロシアの大統領で遅刻魔としても知られるウラジミル・プーチン容疑者は昨年、ロシア・アフリカサミットで「ある姿」が報じられて話題になりました。それは、会談相手から待たされて手持無沙汰で部屋をうろうろする姿です。そんなプーチン容疑者、16日には習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席と会談をしたようですが、会談に際して習近平主席を待たせた、とする報道は、見当たりません。どんな偉そうな人間も、面接官の前にはおとなしくなるのかもしれません。

ロシア大統領のウラジミル・プーチン容疑者といえば、国際刑事裁判所(ICC)から児童誘拐などの容疑で逮捕状を請求されている男です。

ウクライナ戦争という、彼自身が違法に始めた戦争では、侵略されたウクライナで多くの方々が犠牲になり、また、避難を余儀なくされているだけでなく、物価高騰で世界中に迷惑をかけるなど、私たち人類に対し、深刻な悪影響を与えています。

ただ、そのプーチン容疑者といえば、「遅刻魔」としても知られており、故・安倍晋三総理大臣との会談でも、時間に遅れて到着することが頻繁にありました。

「約束の時間にわざと遅れることで、どちらが『上』なのかを見せつける」、というのは、未開国家ではよくある話だという説も耳にしますが、こうした「外国首脳との会談でわざと遅れる」姿を見せつけることは、自国内に対しても「強いリーダー」を印象付ける狙いでもあったのかもしれません。

いずれにせよ、プーチン容疑者の「遅刻常習犯」ぶりは、国際的にも有名でした。

ところが、ウクライナ戦争開始以来、興味深い現象が生じているとしたら、そのプーチン容疑者自身が「待たされる」姿ではないでしょうか。

昨年7月、ロシア・サンクトペテルブルクで開催された「ロシア・アフリカ首脳会議(サミット)」で、会談相手のエジプトのアブデル・ファタハ・アル・シシ大統領がなかなか現れず、プーチンが手持無沙汰でうろうろ歩き回る一幕が見られたのだそうです。

立場が変わった? 会談相手が現れず「待たされる」プーチン大統領、所在なく歩き回る寂し気な姿に注目が

Video shows Putin forced to wait awkwardly for Egypt’s president

―――2023年7月28日16時57分付 ニューズウィーク日本版より

普段、相手に対して無礼な言動を繰り返していると、こうしたちょっとしたイベントで、その権威の失墜が無様にさらけ出されるのでしょう。

こうしたなか、そのプーチン容疑者は5期目の任期をスタートして初めての外訪先として、中国を選んだようです。

プーチン大統領の5期目初訪中、西側へ対抗を確認へ

―――2024年5月15日 10:12 GMT+9付 ロイターより

このうち、16日には習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と会談したようですが、中国から「平和と交渉を促す」、「政治的な解決を推進する」などの従来通りの方針から逸脱する声明が出て来たとの報道は、今のところは見当たりません。

ちなみに中国外交部の王文斌(おう・ぶんひん)報道官は16日、ロイター記者などからの「プーチン訪中で中国はロシアに新たな支援の提供を約束したのか」などとする質問に対しても、「政治的解決がウクライナ危機を終わらせる唯一の方法だ」とする従来の中国政府の見解を繰り返しています。

ただ、個人的に興味深いのは、「プーチン容疑者が習近平主席との会談の場に遅れた」とする報道がないことです。どんな偉そうな人物でも、やはり「面接官」との面接時間に遅れるのはマズい、ということを理解している、ということでしょうか?

そんな中国では最近、一部の銀行が米国からのセカンダリー・サンクション(二次的経済制裁)を恐れ、ロシア関連の取引を謝絶し始めている、との話も耳にします(『中国の銀行が「二次的制裁」恐れロシアとの取引中断か』等参照)。

「中露は相互信頼を持った良き隣人にして良き友人、そして良きパートナーだ」とする王文斌氏の発言とは裏腹に、結局のところ、中露両国が反米・反西側諸国で結束しているに過ぎない、という実情が垣間見えて、個人的にはなかなか面黒い、などと思ってしまう次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. アオキ より:

    2023年3月、習近平ロシア訪問
    2024年5月、プーチン中国訪問

    これは中国のインテリジェンスがロシアの勝ちを確信していることを意味する。
    もう少し言えば、中国が絶対にロシアを勝たせる。

    現在の地政学状況を見てみよう。

    米英は「第一の敵は中国」と数年前から公言。
    インドは中国の潜在的敵国として発展を続ける。
    日本、韓国は西側に位置する。
    フィリピンなどアジア諸国とも南シナ海で火種を抱える。

    この状況でロシアに親米政権が樹立されれば中国は詰みとなる(米英が狙ってるのがこれ)
    中国にとりロシアの現国体の維持は死活問題であり「核心的利益」

    これが現在の地政学状況でプーチン、習近平もこれをよく理解している。

    絶対に勝たせるための中国による支援は絶大で

    主要産業におけるエンジニアリングを提供
    特に絶対不可能と言われた航空機の生産継続は驚異的

    兵器、弾丸以外のあらゆる軍需品の提供
    人民解放軍幹部が観戦武官として現地でアドバイス

    特にドローン、ジャミング、グライドキットにて技術供与
    世代が変わる、と称される進化改良が続いている

    制裁逃れに表になって裏になって全力支援
    これは「上に制裁あれば下に対策あり」の中国のもっとも得意とするところ。

    このようにしてロシアを勝たせる。

    戦勝後のロシアの復興支援も手伝う。
    ウ東部の復興も案外早くなりそうだ。

    中国にとって来るべきアジア有事に向けて強いロシアの存在が必要。
    そしてアジア有事ではロシアが巨大な後方兵站基地となる。

    かつてはソ連が兄貴分であり中国は弟分。
    だがロシアと中国の関係は完全に対等である。
    もちろん中国の方が力は強いがロシアを自国と対等として接する。

    西側がロ中を敵視する限りロ中の関係は進化、深化を続ける。
    現在のロシアと中国の関係は完全に対等であり、過去最高に良好にして美しい。

    1. がみ より:

      下目黒の昆陽さんですか?
      めっちゃ長生きですね
      いつもおいも美味しくいただいています

    2. ドラちゃん より:

      習近平がマクロン仏大統領との約束通り「フランスオリンピック期間中の停戦」を提案し
      プーチンが習近平の顔を立てて「停戦」言い出したら
      困るのはむしろゼレンスキーウクライナ大統領の方だったかもね
      停戦=現在の占領地で固定だから、ロシアに利の無い話ではない

  2. 匿名 より:

    ニュース野写真で見ただけですが、
    プーチンなんか元気ない様子
    前はもっと胸を張って堂々としてたのに
    ちょっと猫背で年寄りに見える
    習近平の方が元気っぽい

  3. 世相マンボウ(^^) より:

    ならず者国家同士の会合が
    お互いマウント取りたさに
    相手が先に出るのを待っていて
    時間切れで階段が流れた (^^);
    なんて展開なら面白いのですがねえ。

    でも実際は、抗争し合う暴力団の
    親分同士の会談ほどそうはならないのと
    おなじようなものなのでしょう(笑)

    「核汚染水」?という呆れた
    不適切な表現を使ってますが、
    まあ、ならず者同士の会談ですから
    同じ表現は、北のゴキぶた将軍や、
    日本の韓流政党の阿部知子氏や
    その手のゴネ得活動家さんも
    言っちゃってしまっているもので
    鼻くそにも笑われる?レベルの
    位置づけなのだろうなあと感じます。

  4. naga より:

    マウントを取りたい相手で容易く取れる相手には遅刻してマウントを取るということでしょうね。中国にも取れれば取りたいが、機嫌を損ねると良くないので遅刻をしなかったのでしょう。
    相手が日本の場合、北方領土の件がありいつも(なんとなく)下手に出るので、偉そうに遅刻するんでしょう。・・・これだけでも美味しくて北方領土なんか簡単に返さないでしょう。

    1. 新宿会計士 より:

      別に返してもらわなくてもそのうち勝手に返って来るに1票w
      ロシアという国が崩壊した時がチャンスww

      1. がみ より:

        ロシアが中華人民共和国に99年貸しそうになったらアメリカが動きそうな気がする

  5. 雪だんご より:

    ロシアだけじゃなく、中国も色々大変らしいですね。経済問題だけじゃなく、
    三峡ダムも怪しい噂が絶えないし(コロナはどうなったんだろう?)。

    「ロシアが倒れたらもう自分だけが世界の敵になっちゃう!」と言う中国の懸念は
    実にごもっとも。そんな状況に上記の国内問題を抱えたまま突入などしたくないでしょう。

    こうなると、西側諸国にとっては「なるべくロシア・ウクライナ戦争を長引かせた上で、
    最終的にウクライナが勝つ」が理想なのかなあ?出来るかどうかはもちろん別として。

  6. 匿名 より:

    最近の国会中継見ていて国民縛る法案ばかりでうんざりする。

    2012年自民党改憲草案を法律で実現しようとしているとしか思えない。

    日本政府に逮捕状も近いかも?なぜアメリカ大統領やネタニヤフには国際逮捕状でないのか不思議でならない。

    自公維新は独裁を強めているよね。

    維新の正体がわかるよね。憲法審査会見ていると。弱小政党の癖に憲法改正改正うるさい。しかも改正派だけで起草をさっさと進めようとする府政丸出しの恐怖政治。独裁自公政府と全く同じ。

    参議院憲法審査会
    https://m.youtube.com/watch?v=HBCBdPTo708

    衆議院憲法審査会
    https://m.youtube.com/watch?v=V_JwUdZ0IJE

    見てどう思いますか?
    誰が憲法改正を望んでるのかさっぱりわからない。玉木が言う議員だけで条文作るとか信じられない。
    今だけ金だけ自分だけの憲法改正は反対だし、戦争なんて絶対反対!
    9条改悪、緊急事態条項必要ない

  7. 三門建介 より:

    プーチンさんが5期目と言うことで浮かれているようですが、後継者を用意しないで大丈夫なんですかね。

    ロシアの平均寿命は69歳だそうです。プーチンさん超えましたね。
    ロシアの医療技術を駆使して若返りか延命をしているようですが、どこまで持つのか?

    SFの世界のようにクローンに記憶をコピーして永遠の命をつかみたいでしょうが無理だと思います。

    平均寿命を2・3年過ぎるといきなりガタが来る方も多いので数年後には違った景色が見られると期待しましょう。

    ちなみに、日本の場合の平均寿命は84歳前後です。最も健康寿命は74歳ですから大きなことは言えないですね。ここから後期高齢者の呼び方が生まれたかもしれないと思ってます。

    1. 匿名 より:

      >ロシアの平均寿命は69歳だそうです。プーチンさん超えましたね。

      ここ十年程で、随分伸びましたね。2010年頃は、男性60歳という記事も見かけました。

      ロシア人男性の寿命が短いのは、ウオッカの飲み過ぎだと言われていましたから、最近は、そんなに飲んでいないのかもしれませんね。
      寒いのと、ヤケ酒でも飲んで気を紛らわせないとやってられないからだと言われていましたが。
      大統領は、何事も思いのままでヤケ酒を飲む必要も無いから、長生きするでしょう。
      ソ連時代の歴代の書記長達も、皆長生きして90歳前後まで生きていましたし、ゴルバチョフさんも91歳で亡くなったようです。

      人間、他人にこき使われないで、つまり我慢しないで、好き勝手が出来れば長生きするようです。

      このサイトにコメント書かれている方々も、好き勝手なことを思う存分書けるので、長生きされるでしょうね。
      考えて見れば、このサイト、日本人の寿命を更に伸ばすことに貢献しているかもしれませんね。実際、コメントされている方々には、後期高齢者が多そうですから。

      このサイト、厚生労働省から、寿命延長に貢献していると感謝されるか、それとも、余り長生きさせないでくれと、サイトを止めてくれ、と言われるか?
      (年金会計と健康保険会計に負担を掛けるから?)

      1. ドラちゃん より:

        >大統領は、何事も思いのままでヤケ酒を飲む必要も無いから、長生きするでしょう。
        >ソ連時代の歴代の書記長達も、皆長生きして90歳前後まで生きていましたし、ゴルバチョフさんも91歳で亡くなったようです。
        ロシアの皇帝やソ連の書記長で、多量飲酒で短命だった人もいたはずだけどね
        プーチンは多量飲酒してないと思われるから長生きしそうだけど

        1. 匿名 より:

          あなたも、長生きするタイプのようですね。

  8. とくめい係 より:

    具体的な一次ソースが漏れてきてないのでなんともですが、中国の物言いから「米を刺激したくない&現状維持で許してプリーズ」は明らか、かつ米も反応してない所からも、「即死させると面倒(これは同意)なので、細く長いお付き合いまでは許す」を米中で合意あるんでしょうね。さて戦後処理が話あわれるウクライナ和平サミットに注目ですね。

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