「暇空氏が東京都に勝訴」を報じないオールドメディア

「暇空茜氏という個人が住民監査請求を認めさせたほか、東京都を相手取って多数の住民訴訟を起こしている」などとする話題を、主力メディアが無視しているという事実自体、この国のメディアが、「情報の中間業者」としての役割を放棄しつつあることを意味していることは間違いありません。こうしたなか、その暇空茜氏が東京都を相手取った訴訟のひとつで勝訴したという話題についても、暇空氏の公表から1日が経過したにも関わらず、相変わらずメディアは無視を決め込んでいるようです。

暇空茜氏が勝訴

「暇空茜」のハンドルネームを使い、X(旧ツイッター)やnote、YouTubeなどで情報発信をしている人物が26日、「国家賠償請求訴訟で東京都相手に勝訴した」とする趣旨の内容をXにポストしました。

「暇空茜」氏がポストした画像には、こんな記載があります。

令和5年行ケ374号公文書不開示 51部岡田幸人裁判長

原告 水原清晃

被告 東京都

決定を取り消す

1千万円払え

その余は棄却

訴訟費用は10分の1原告

その余を被告

仮執行なし

これは、いったいいかなる訴訟なのでしょうか。

本人が肉声でライブ配信

これについてはご本人が26日、YouTubeに肉声でライブ配信を行っています。動画の時間は14分です。

訴訟に至る経緯を要約すると、こんな具合ではないでしょうか。

  • 今回の判決はいくつかある訴訟の最初のもので、暇空氏が(東京都の)DVや若年(に関連する部局)に対して毎月1回請求している、「新たに作られた書類」の開示に関するもので、2023年5月1日に請求した書類に関連し、7月24日に「不開示」の通知が来たもの
  • 不開示理由は「まだ決定していない団体名を公表すると都民を不安にさせるため」などというムチャクチャなもので、(暇空氏は毎月)東京都から開示を受けた書類などを弁護団に毎月報告しているのだが、その弁護団からは「おや、これは行けますね」といわれた
  • 弁護団は暇空氏に、「(不開示決定通知時点で)すでに発表されている内容なのに、その理由で不開示にしたのだとすれば、(東京都の不開示決定は)明らかに違法ですよ」としたうえで、「国賠で勝ったら開示に対しての意味付けもできると思うので(訴訟を)やりたい」と伝え、(暇空氏は)了解した

…。

つまり、暇空氏によれば、毎月定期的に東京都に開示請求を行っていたところ、このうちの不開示通知が来た一部の書類について、弁護団側からは「不開示の決定の理由は明らかに違法」と伝えられたため、「弁護団に丸投げ」して始まったのが今回の訴訟だそうです。

最大のポイントは「東京都の不開示判断の違法性」だが…

ちなみに裁判で要求したのは損害賠償金(暇空氏によると「33万円」だそうです)と不開示決定の取り消しの大きく2点だそうですが、このうち賠償金については、認められたのは11,000円と微々たるものに過ぎないのだそうです。

しかし、それと同時に暇空氏は今回の訴訟の最大のポイントについて、「東京都による不開示決定にかかる判断が違法だった」という認定が取れた点にある、ということだと力説します(ただし、暇空氏は「まだまだ住民訴訟もいっぱい残っている」としつつ、今後も訴訟が続くことを示唆しています)。

これについては、どう考えれば良いのか。

正直、一番驚いたのは、判決から1日が経過したにも関わらず、新聞、テレビなどがこの裁判について、ほとんど報じている形跡がないことです。

いくつかのメディアは先月、暇空氏が一般社団法人Colabo(コラボ)に対し、自身のブログサイトで名誉を傷つけたとして書類送検された、などと報じているわけですが、そのときの扱いと比べると、そもそも暇空氏がいくつもの住民訴訟を起こしているという事実をメディアが取り上げないのは不思議といわざるを得ません。

「書類送検」といえばものものしい表現ですが、一般に書類送検は警察が告訴・告発を受けた場合、必ずやらなければならないものであり(刑事訴訟法第242条)、正直、この「暇空茜(氏)書類送検」にニューズバリューがあるのかは不明です。

刑事訴訟法第242条

司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

これについては暇空氏自身も次のようにポストしているほどです。

しかし、そのメディアは(なぜかは知りませんが)発端となった、東京都から事業を委託されていた法人側の会計処理の不適切さ、あるいは暇空氏が個人で起こしている住民訴訟の数々に関しては、ほとんど報じている形跡がないのです。

自ら役割を放棄するメディア

そういえば、一部の新聞は「偽情報に騙される人はSNSを信頼している人」、「新聞を読む人はそうでない人に比べ、偽情報に気付く確率が高かった」、などと喜々として報じている(『「新聞を読む人ほど偽情報に騙されない傾向」…本当?』参照)やに聞きます。

しかし、現実に新聞、テレビなどの大手メディアの報道ぶりを見ていると、著者自身が知る限り、少なくともこの「暇空氏勝訴」を報じたメディアは見当たりません(探し方が悪いのでしょうか?)し、少なくとも全国紙・ブロック紙・在京テレビ局・NHKなどのなかで、大きく取り上げている事例はないようです。

なんだか、よくわかりません。

このあたりは、自民党の「裏金」問題を針小棒大に騒ぎ立てるわりに、立憲民主党などの野党の側で生じた政治資金規正法違反(の疑い)や公選法違反(の疑い)について、ほとんどスルーを決め込むというのと、状況はそっくりな気がします。

いずれにせよ、「暇空茜氏という個人が住民監査請求を認めさせたほか、東京都を相手取って多数の住民訴訟を起こしている」などとする話題を、主力メディアが無視しているという事実自体、この国のメディアが、「情報の中間業者」としての役割を放棄しつつあることを意味していることは間違いないでしょう。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 一応匿名 より:

    腐ってる。まあゴミだから仕方ないか…
    増す増すゴミだな。
    Colaboコラボだの、シールズだのさんざん取り上げとったくせに

    1. 一之介 より:

      ゴミ、特に生ゴムは腐るものですね。
      悪臭の漂うところには、肉体的にも精神的にも健康を損ねるおそれが大いにありますから、近寄らないようにしないといけませんね。

  2. 川崎の匿名 より:

    いつも楽しく拝見しています
    この話題ありがとうございます
    朝の記事にもコメントさせて頂きましたが、この国のオールドメディアは何に忖度をしてるのでしょうか?
    メディアとして終わっています

  3. 匿名 より:

    暇空茜氏の住民訴訟案件は、活動家お得意の「差別だー!」に持っていきにくいので、無視を決め込んだのでしょうね(笑)

  4. たい より:

    言及するところとそうでないところが混在してもいいと思います。
    暇空氏に批判的な捉え方であってもいいと思います。
    何か統制でもされているかの様にどこも全く取り上げた気配がないのがあまりに気持ち悪すぎます。

  5. KN より:

    住民監査請求が認められること自体が少なく、しかも相手が東京都となると、結構大きなニュースだと思うのですが。
    公金チューチュースキームの闇が暴かれるかもしれないので、アッチ系の勢力は被害者ポジションをとるのに必死ですね。
    暇空氏の書類送検の記事に、悪意のあるサムネイル画像(パトカー)が使われた例も報告されています。
    https://getnews.jp/archives/3505137/gate
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/502396127.html

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話を。
      ○○(好きな言葉を入れてください):「自民党の公金チューチュースキームは悪いスキーム。正しい目的のための、我々の公金チューチュースキームは良いスキーム」
      蛇足ですが、もしかしてオールドメディアは小池百合子都知事に傷がつくのを恐れているのではないでしょうか。

  6. 野良黒伍長 より:

    いつもお疲れ様です。
    暇空さんの勝訴、とりあえずはおめでとうございますになるのでしょうか。
    ただ、今回オールドメディアが無視黙殺するのは予想外でもないですしこれで完全に見限るいいきっかけになるのではないでしょうか。
    安倍総理の時も生前はモリカケ桜に殺せ殺せ、死語は統一教会に安倍派裏金…貶めたくてしょうがないのがプンプン伝わってきませんか。
    暇空さんの書類送検だって起訴か不起訴のどっちになるかの前の段階で大騒ぎです。毎日新聞の酒造や立民議員の塩村が鬼の首を取ったかのように大喜びしていたのを忘れてませんから。結局、安部総理のときと何も変わらないということではないでしょうか。
    朝日新聞が安倍の葬式はうちが出すなんてことを言ってたような覚えがありますが、日本のオールドメディアを葬るのは日本国民ですよ。だって害ばかりで利なんて一つもありませんから

  7. 引きこもり中年 より:

    毎度、ばかばかしいお話を。
    オールドメディア:「暇空氏という存在を言論空間から抹殺したい。だから暇空氏関連の報道はできない」(もし、過去の映像に暇空氏が映っていたら、その部分を修正して消すのでしょうか)
    蛇足ですが、ネットでは、自分の気に入る情報だけ集めて、気にいらない情報は無視するそうです。ならば、オールドメディアも同じではないでしょうか。

  8. 引きこもり中年 より:

    もしオールドメディアが、この東京都への勝訴を報道せざるを得なくなったら、「今、初めて知った」という顔をして報道するのでしょうか。

    1. 徐々の微妙な放言 より:

      テンプレ
      「誰それが、何々していたことが、〔自社メディア名〕の取材(調査)で明らかになった。」

  9. 日本人です より:

    何故マスゴミと言われるのか?
    1,事実を報道しないから
    2,事実を捻じ曲げるから
    3,上記によりある方向へ導くから
    4,単純に嘘を報道するから
    5,嘘と明確にわかっても訂正(修正報道)しないから  
    6,謝ると死ぬ病気に集団でかかっているから
    これの対策は
    *総務省がきちんと管理指導していないから
    そして国民が与党へ意見をしないから
    ですね

  10. 農民 より:

    >団体名を公表すると都民を不安にさせる
     無茶な言い訳する都は、「コイツらバカだろ」と思われるリスクを背負ってのことでしょうからまだ良しとしますが、この経緯をもし正当だと考える方々は、

    ・住民を不安にさせるので福島第一原発の状況を伏せよう、直ちに影響はない。
    ・国民を不安にさせるので連合艦隊の壊滅を伏せよう、我軍優勢で戦略的転進をしている。
    ・同志諸君、チョルノービリでの死者は僅か数名だ、良いね?

     等々といった歴史の数々を肯定することになるのではないでしょうかね。

  11. 迷王星 より:

    それにしても,朝日や毎日やNHK・テレ朝・TBS・日テレなど反日サヨク御用達のメディアが小池都政とサヨク共との結託による公金チューチューの実態を暴こうとする暇空茜氏の戦いとしての裁判やその一つの結果である勝訴を徹底的に無視するのは日頃の彼らのスタンスからしても首尾一貫しており彼らの立場では合理的対応と理解できるんだよね,一応は(全く賛成できないが).

    要するに,これら反日サヨク御用達メディア(別名,マスゴミ)の考える「日本における社会正義」は我々市井の人間の大半つまり人口数の多寡を以て「普通」の定義あるいは基準とすれば普通の感覚に基づく「社会正義」と全く異なるというに過ぎない.だからマスゴミ各社の(不動産事業等の副業はいざ知らず)メディア事業はどんどん大衆から忌避されて低迷・没落を余儀なくされ続けて来た.

    これに対して理解できないのは,普段は反日サヨクに対して批判していた筈の産経新聞までが少し前の暇空茜氏の書類送検は報道しても彼の起こした裁判や今回の勝訴を報じていない事実だ.「日本における社会正義」について産経新聞としてはどういう考えなのかね? 産経も反日サヨク御用達マスゴミと同じく,「人権」に名を借りての利権作りとそれによる公金チューチューは正当という考えなのかな?

    1. 迷王星 より:

      それはともかくとして,今回の勝訴は実に目出度い.
      暇空茜氏の戦いの正当性を司法が認めたという実績ができた訳だから.

  12. 元・北の酔いどれランナー より:

    おそらくオールドメディアは、上級審でこの判決がひっくり返ると見越して、その時に大々的に報道するつもりなんではないでしょうか。
    特に最高裁は、権力寄りの判決を出すことで有名ですから…
    しかし、今回のこのオールドメディアの(無)反応、暇空さんの行動が既存の権力者連中にとってどれほど都合が悪いものなのかを推察させてくれますねえ。
    この一件がどう決着するか、しばらくは目が離せませんね。

    1. 雪だんご より:

      「見越している」よりは「願っている」くらいのニュアンスかと思います。
      そしてもしそこでも覆らなかったらやっぱり無視するのではないのでしょうか。

      もしこれで小池百合子氏が失脚したり、”それ以上に酷い状態”になったとしても、
      暇空茜氏の事は徹底的に伏せて全く別の理由を作り上げると予想します。

    2. 徐々の微妙な放言 より:

      (??? )「そんなことを報じる時間はない!大谷翔平や裏金問題(自民限定)の方が重要だ!」

  13. 元日本共産党員名無し より:

    少し脇道ですが、こんな住民訴訟や国賠訴訟を提起して、ネットでカンパを1億円以上集めた暇空茜氏は先月自身の対東京都の訴訟合戦が始まる直前までの一風変わった自叙伝を発売されて、何やら既に三刷を重ねた(Kindle版も別にある)由。てか私も新宿会計士様の玉稿と同じく購入したのですけれども。
    で、この本の中にはColaboやWBPC問題やフェミニストとのバトルは何も記載無い話なのに、何故か版元に出版するなと言う圧力がかかり、大手書店の一部には「取り扱いを中止せよ」「(脅迫された経過を伏せて)日にち指定で必ず取り扱い中心と発表せよ」「さもなくば京都アニメーション放火事件の再現をする」と言う不思議な脅迫があった。その同じ日に新宿会計士様が言及された「書類送検記事」が出ました。
    こうして、いよいよ暇空茜さんの発言や法廷バトルにはおかしな集団からの攻撃があります。
    今夜は在米映画評論家の町山智浩氏が妙に暇空茜氏に絡んできた経緯から生ボイスのトークショーをYouTube上でやる事に。

  14. 青い鳥 より:

    最早ゴミに収まらず、公害の様相を呈してきたように思う
    この件、自称市民団体や自称権力の監視を役割とする業界こそが応援し取り上げねばならない事柄のはずだが

  15. ベル より:

    各メディアにこの件を取り上げてほしいと電話やメールなどをされた方はおられますか。
    私は主要メディアにメールしてみました。
    もちろん受信契約をしていないNHKは除いていますw

    元地方公務員の単なる願望にすぎませんが、
    パブリックコメントなどよりは要望が通りそうな気もします。
    視聴率や部数が取れると思えば節操もなく報道することもあるのではないかと
    夢想してみました。

  16. こんとん より:

    暇空茜氏のXポスト 午後1:09 · 2024年3月27日 73.6万 件の表示
    27日13時時点で「国家賠償請求訴訟」156,477postでトレンド多分1位
    https://twitter.com/himasoraakane/status/1772838323297681616

    12時間後の28日1時前(混沌目検)で「国家賠償請求」118,190postでトレンド1位
    (因みに2位は「大林ミカ」例の中国すかしの人で 75,896post)

    普段からXのトレンドネタを探して、DM依頼でコタツ記事作ってる大マスコミの記者さんが、まさか12時間以上?トレンド1位のネタを見逃すわけはありません罠w

    意図的に無視していると思われる蓋然性は充分だと思います。

  17. 通勤嫌いな不良サラリーマン より:

    本件「マスゴミ」が、自らゴミ(害悪)と証明し続けている件ですよね♪

    もう露骨過ぎて、、、
    信頼ゼロどころか、もはや何処ぞの害国のヤバヤバ〜な広報誌扱い・・・
    公金、再エネ賦課金とかを害人や害国に貢ぐ片棒を担いでる反社と誤解!?しそう・・・

  18. WindKnight.jp より:

    この件、絵が無いのでニュースにしづらいとは思いますが、未だに扱っていないのは、情けないなぁ。これでは、本当に、読者や視聴者から捨てられますね。
    で、東京都もつまらないミスをしたもので、訴訟になるとは思ってなかったんでしょうね。
    さて、次の知事会見はどうなるでしょうか?

  19. 匿名 より:

    1千万円ではなく¥11,000ですね

  20. 匿名 より:

    一時期X(旧Twitter)のトレンドに15万ポストもされていて連日トレンドのトップにあったのに、今はトレンドから消えてしまいましたね。3/27夜からXで不具合があったようで。考えすぎですかね。
    https://twitter.com/game_watch/status/1773171527237914966?s=46&t=HNUB7LyqhLHkiGK5HL5IKw

  21. nanashi より:

    マスコミは、水原は水原でも一平さんの違法賭博については、連日しつこく報道をしていますが、清晃さんの国賠勝訴については、どれだけ重要度が高くても、全く報道しようともしませんね。
    まあ、マスコミの取っているスタンスが分かり易いと言えばそれまでですが、結果としてマスコミへ対する国民の不信感を更に強めてしまっている事については、全く気付いていないようですね。

  22. DEEPBLUE より:

    まあ元から「報道しない自由」なんて物をメディア自らが掲げてますからねえ。

  23. 匿名 より:

    書類送検(犯罪が証明されたことではない)されたことは報道するが
    勝訴(法的に正しかった)したことは報道しない。
    報道しない自由ここに究めり。

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