立憲民主党不祥事の話題避けるテレビこそ自民党応援団
テレビ朝日の番組で田崎史郎氏が立憲民主党の梅谷守・衆議院議員の「有権者買収疑惑」に触れようとしたところ、玉川徹氏が「別にここで取り上げなくてもいいかなと思います」と応じたそうです。立憲民主党の「徹底して自分に甘く他人に厳しい」という姿勢を支えているのは、新聞やテレビのこうした報道姿勢にもあるのかもしれません。ただ、こうした報道姿勢が立憲民主党のためになっているかは別です。
自民も不祥事は多いが…立憲民主党にも問題が!
当ウェブサイトでは普段から指摘している通り、立憲民主党とは、徹底して自分に甘く、他人に厳しい政党ではないでしょうか。
もちろん、自民党だって不祥事は多く起こしており、最近だと例の「自民党青年部のダンサー事件」などもありましたが(『「ストリッパー」まがいのダンサーを呼んだ県議が離党』等参照)、正直、自民党がこの手の不祥事を発生させるからといって、「立憲民主党が不祥事のない政党」であるとも言い難いのが実情です。
その最たるものが、ダブル・スタンダードです。
立憲民主党が現在、党を挙げて舌鋒鋭く、自民党の「裏金問題」を追及しているわりには、自分たちの政党も多くの不祥事を抱えています。
代表例を2つ挙げるならば、安住淳・国会対策委員長によるパーティ券収入に関する政治資金収支報告書不記載、梅谷守・衆議院議員による有権者に対する日本酒の差し入れがあります。
産経「梅谷氏問題、3週間経ってもまだ結論出ず」
このうち後者に関しては、いちおう、こんな「続報」がありました。
立民議員の日本酒配布、発覚3週間も…岡田幹事長「最終結果まだ」 与党追及機運に水
―――2024/03/12 19:35付 産経ニュースより
有料会員限定記事ですので、契約をしていないと全文を読むことはできませんが、記事タイトルでもだいたい想像がつく通り、梅谷氏の日本酒差し入れ問題発覚からすでに3週間が経過したにも関わらず、「党も梅谷氏本人も詳細な経緯などを明らかにしていない」とする記事です。
産経によると同党の岡田克也幹事長は12日の会見で、本件に関する党の調査については「もう少し時間がかかる」としたうえで、「まだ、事実関係について本人から最終的な結果も聞いていない」、などと説明したそうですが、想像するに、これも「なかったこと」にして世間が忘却するのを待っているのではないでしょうか。
ただ、有権者に対して物品を提供するなどしていた場合には、公選法違反(たとえば「買収及び利害誘導罪」など)に該当する可能性が出てきます。もし公選法の買収罪などに該当した場合、3年以下の懲役などに処される可能性があります。
公職選挙法第221条第1項
次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮こ又は五十万円以下の罰金に処する。
一 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。<以下略>
すなわち、梅谷氏の行為は公選法上の買収に該当するのではないか、という疑念は払拭できませんし、本件についても梅谷氏や立憲民主党が沈黙を守っていること自体、普段、自民党議員に不祥事が発覚すると、立憲民主党が議員辞職などを求めていることとの平仄(ひょうそく)が合いません。
メディアの追及が甘すぎる…テレ朝番組の謎
こうした話題を目にして生じる疑問がもうひとつあるとすれば、それは新聞、テレビといったマスメディアの、立憲民主党を筆頭とする野党に対する追及の緩さです。
産経ニュースなどを除けば、安住氏の「裏金疑惑」や梅谷氏の「有権者買収疑惑」をまともに報じているメディアは非常に少ないのが実情であり、新聞やテレビが連日のように報じている自民党の不祥事の分量と比べると、報じていないにも等しいのではないでしょうか。
では、そんな新聞、テレビの報道姿勢、「中の人たち」は、いったいどう考えているのでしょうか。
これに関し、『スポニチアネックス』が興味深い記事を配信しています。
玉川徹氏VS田崎史郎 田崎氏「立憲民主党の問題にも目を」玉川氏「別にここで取り上げなくても」
―――2024/03/13 11:36付 Yahoo!ニュースより【スポニチアネックス配信】
これは、13日放送のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』に出演した元テレビ朝日従業員の玉川徹氏と政治ジャーナリストの田崎史郎氏のやりとりを記事にしたものです。
これによると、番組が自民党の「フランス研修騒動」、広瀬めぐみ参議院議員による不倫謝罪、そして今回の「ダンサー騒動」について取り上げるなどしたところ、田崎氏はこう述べて立憲民主党を批判したそうです。
「自民党は批判されてしかるべきだし、いくら批判してもいいと思うんです」。
「他方で立憲民主党で3週間くらい前に議員が日本酒を地元で配ったことがありましたね<中略>3週間たっても一切、調査報告も何も出てこない」。
そのうえで田崎氏が「自民党だけが腐っていってるのか、政治そのものがそうなのかってことは考えないといけないと思います」と主張したところ、これに対し、玉川氏がこう述べたというのです。
「今、権力を持っているのが自民党政権ですから、僕は思うんですけど、政治というのは、よりましな方を選ぶということだと思う。だから、例えば両方に問題があるよねって言ったら何も選べない。どっちの方がよりましか、どっちがより悪いのかということを有権者は考えるべきだと思う」。
この時点で、なんだか強烈です。
「政治とはよりマシな方を選ぶものだ」、というのはその通りですが、「自民党が与党だから、自民党に対してやたらと舌鋒鋭く批判する」というのは、不公正です。
仮に自民党、立憲民主党の両者から政権を選ばねばならないのだとしたら、その双方の良いところ、悪いところを公正に取り上げるのが、報道の本来の役割ではないでしょうか(といっても、仮に現在が立憲民主党政権だとして、テレビが「与党だから」という理由で立憲民主党を舌鋒鋭く批判するとも思えませんが…)。
新聞、テレビの報道姿勢はむしろ「自民党応援団」
ただ、この玉川氏の主張に対し、田崎氏は、こうも主張します。
「でも、やっぱり立憲民主党の問題にも目を向けとかないといけないと思います」。
すると驚いたことに、玉川氏はこう答えた、というのです。
「まあそうですけどね。それは報道されていることですし、別にここで取り上げなくてもいいかなと思いますね」。
梅谷氏の件が「報道されている」から「ここで取り上げなくても良い」、というのは、意味がわかりません。そもそも梅谷氏の件が新聞やテレビでどれだけ詳しく報じられているのかという問題もありますが、それ以上に、「政治の腐敗」というテーマを取り上げているわけですから、このコーナーで取り上げなくてどうするのでしょうか?
「政治とカネ」という問題を報じるならば、与野党ともに平等に報じるのが筋ですし、与党の不祥事「だけ」を報じるという姿勢は、どう考えても不公正です。
ただ、これ以上にハッとするのが、ヤフコメにあった、こんな趣旨のコメントです。
「このやり取りは、報道する側が『弱い野党』『自民一強』を率先して作り出している。『与党には責任を求めるが自分達は責任を取らない』という政党に票を入れるだろうか?」
まったく、その通りでしょう。
有権者はそのことを、民主党政権で嫌というほど学んだのではないでしょうか。
というよりも、旧社会党時代から含め、テレビや新聞などの「(自称)第四の権力」は、野党を「報道しない自由」で徹底的に守って来たというフシがありますが、1955年体制成立以来で自民党以外が政権を担ったのは1993年の細川・羽田政権と、2009年から3年あまりの民主党政権のみです。
(※厳密にいえば、「自民党総裁が首相ではない政権」という意味では、村山富市・社会党委員長が首相を務めた「自社さきがけ連立政権」もそうです。)
このように考えていくと、日本国民は、メディアの報道にはあまり騙されてこなかった、ということかもしれません。
ましてや新聞、テレビを中心とするオールドメディアが加速的に社会的影響力を失っている昨今の事情に照らし、オールドメディア側が立憲民主党の不祥事を覆い隠そうとしたとして、このインターネット時代において、それはもはや通用しません。
このように考えていくと、オールドメディアが「自民の不祥事は追及するけれども、立憲民主党の不祥事は報じない」という姿勢を取ること自体が「自民党応援団」のようなものなのかもしれない、などと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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既に殆どの国民は、新聞やテレビなどマスコミに、そっぽを向いています。
実際、マスコミ内部の人達は、このような状況に危機感を抱いていないのでしょうかね?
玉川の
「両方に問題があるよねって言ったら何も選べない」からの
「別にここで取り上げなくてもいいかなと思いますね」発言には、意訳すると、
『両方に問題があったら有権者が、自民党も立憲民主党も選べない。だから、自民党だけ問題があるようにすれば、立憲民主党が選ばれるのだから余計な事を言うな』と言っているように聞こえました。私の感想ですけど。
しかし、この番組見て「自民党けしからん・立憲の方がマシ」と言うような人って一定数はいるのかなぁ~。不思議に思います。
マスコミが「与党スキャンダル」と言うスイーツを野党議員の前にチラつかせる。野党議員はここぞとばかり喰いまくる。スイーツを食べるのに忙しくて、政策研究と言うトレーニングをする暇がなくなって豚になる。有権者も「豚には投票出来ないなあ」となる訳で、自民党の長期政権が続く。そしていい気になった自民の議員は懲りずに不祥事起こしまくりでマスコミの餌食となる。(最初に戻る)
そして野党議員もブーメランを投げて自分に刺しまくる。
>どっちの方がよりましか、どっちがより悪いのかということを有権者は考えるべきだと思う
有権者が考える為の材料を揃える為の「報道の自由」であり、、判断材料を有権者に無断で選別するメディアには「報道の自由」を取り上げても良いんじゃないかと。
玉川は何気なしに言い放ってるけど、実際にはかなりアウトな発言だと考えます。
雑魚やチンピラの悪事には、誰も関心がない。
タレントも、交際・不倫・路チュー、売れないタレントは何をやっても、マスコミに取り上げられない。
つまり、立憲民主、いまや、誰も関心がないから、ニュース価値無し、と玉川氏は分かっている。そんな話題で番組の尺をとったら、視聴率悪くなる、と。
自民党、何をやっても批判する、される。
国民の関心が高いから。これを批判すれば、視聴率が取れる。
視聴率こそが、最大の女王、これが、マスコミ。
以前にも書いた覚えがありますが、野党はまさに「鞭を惜しめば子供はダメになる」ですね。
オールドメディア側の言い訳は「だってこいつら虚弱体質だもん!鞭なんかで打ったら
こいつらあっという間に死んじゃうもん!」なのでしょうけど。
もしマスコミがモリカケサクラと同等のレベルで野党の不祥事を追いかけていったら、
マスコミ側に「不審死」が相次ぐか、もしくは議員たちがバタバタと「入院」するんだろうな。
当時政権与党だった民主党の不祥事ではバタバタ関係者が死んだり失踪したりしましたが、マスゴミは「与党だから」と追及を殆どしませんでしたね。
野党に転落、立憲民主党に看板を架け替えてもしてもそのスタンスは変わりませんでしたね。
自民党が下野すれば心を入れ替えて野党批判に精を出し、自民党が政権奪還すれば本業たる与党批判に戻るのでしょう。
立憲君主党は野球で例えるなら9回までのエラー数と重篤性を競うスポーツをしていて国民と噛み合ってない所が面白いと思います。
政治は一回当たりのエラー数を競うゲームでは無いといつ立憲は気がつくのでしょう。
彼らにとっては徳川吉宗や村山富市、文在虎あたりが至上の政治家なのかもしれません。
玉川氏はプロレスでたまに見る一方にだけスリーカウントの速い悪徳レフリーにしか見えず、フェアでない精神的不健康な人です。
共産党も何やら偉そうに自民党の不祥事を批判してますが、あちらにもセクハラ問題はあるし、何よりも「変態サドルぶっ掛けマン」を二人も輩出すると言う「輝かしい」前例があります(冷笑)。どの口で与党批判をする、と言っても厚顔無恥な彼らには馬耳東風でしょう。
結局、マスゴミが野党を甘やかすからそれに連動して与党も腐敗堕落するのですが、まさか「わざと」甘やかしているのでは?と勘繰ってしまいます。
「日本にまともな野党が出てこないようにしろ」とどっからか「お達し」が来てるのでしょうか。
まあ、
過去の炎上で二度と顔見せできないはずの
玉川氏のようなものが、ばれた立ち位置棚に上げ
やれ腐敗だの正義だ(笑)と言ってる事自体が
ふつうにまじめな国民にとって聞く価値がない
彼らの山賊追い剥ぎ的主張を象徴しています。
そんな山賊追い剥ぎ的主張を垂れ流すメディアも
ふつうにまじめに働き納税し日本を支える
多数派国民良識倉からは距離がある
所詮は山賊追い剥ぎ的だったり
その手の韓流だったりのそんなこんなの人たちという
相手にする価値がないものだと正しく認識して
位置づけしてあげることが大切です。
マスコミの偏向もですが、検察を始め、官僚機構もおかしい。
今回のことで言えばいわゆる自民・安倍派だけを中心にあぶりだそうとしているように見える。問題にしたり起訴したり、逮捕したりの基準が明確でなく検察の裁量になっており、政治家の方を “コントロール” しようとしているように見えます。
財務省・国税庁にしても、かつて鳩山氏が母親から贈与された財産を申告していなかった件では逮捕だけでなく書類送検も、追徴課税さえも無しで明らかにおかしかった。管(かん)氏の外国人献金もおかしいし、小沢一郎氏の件も本当に起訴できる証拠等なかったのか疑問です。
田崎氏が「でも」を付けて返す必要が無い位に滅茶苦茶な発言だなあ、玉川氏のは
あからさまに報道がアンバランスだから程度の差を見積もる事も出来ないって点では確かに立憲に不利にも働いてる気はしますね
それが自民が今のマスコミを放置している理由の一つなのかもしれませんが
(直接どうこうするのはともかく、与党はマスコミを批判する事すら許されないという今のマスコミの論調は流石に…)