日経平均株価、史上最高値まであと2千円あまりに迫る

日経平均株価は終値ベースで36,897円42銭で、史上最高値まであと2018円45銭まで迫りました。日経平均株価が史上最高値を更新するのも時間の問題、といったところでしょうか。ただ、東証の時価総額に関しては931兆円で、すでにバブル期の611兆円を大きく超過しています。日経平均株価自体、株価指数として、日本国内で重視され過ぎているのかもしれません。

日経平均株価は9日、36,897円42銭で取引を終えました。前日比+34円14銭と小幅な上昇となりました。1990年2月20日の36,895円52銭以来、約34年ぶりの高値水準です。史上最高値水準(1989年12月29日の38,915円87銭)まで、あと2018円45銭まで迫りました(図表1)。

図表1 日経平均株価の推移

(【出所】WSJのマーケット欄のダウンロードデータをもとに作成)

また、9日の場中では一時37,287円26銭を付けましたが、これは1990年2月19日の37,222円60銭以来です。いわば、そろそろ終値ベースでも37,000円の大台を超えそうな状況です。

ただし、先日の『東証時価総額「史上最高値」更新』でも指摘したとおり、東証時価総額ベースでは先月1月末で931兆2295億11百万円でしたので、すでにバブル期の最高値水準である611兆1518億73百万円を大きく懲戒している状態にあります(図表2)。

図表2 東証の半世紀の時価総額推移

(【出所】JPX公表データをもとに作成)

このあたり、株高がいつまで続くかについて、当ウェブサイトにおいて断定的なことを述べるのは控えますが、日経平均が過去最高値を更新するのも時間の問題にもみえます。

ただ、「日経平均」は日本経済にとっては大変重視されている指標ですが、そもそもこれが経済指標として、どこまで信頼に値するものであるかについては、個人的には疑問でもあると思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. はにわファクトリー より:

    熱狂が足りない。それに懲戒は悲しい、せめて鳥海くらいだと。

  2. さより より:

    >そもそもこれが経済指標として、どこまで信頼に値するものであるかについては、個人的には疑問でもあると思う次第です。

    このサイトのコメント欄で書いている人もいるように、日経平均組入銘柄が海外で事業展開して高収益を上げている企業の比重が大きいので、平均株価が上昇しているのではないでしょうか?
    先日の、第一次所得収支が過去最大ということは、グローバル展開している企業が儲かっているということでしょう。
    いずれにせよ、株式投資をしている人にはいいでしょうが、現実の日本経済には余り関連していないでしょう。
    何しろ、ユニクロなどの日経平均組入上位銘柄が、日本での事業展開に限界を感じて海外展開した企業なのですから。
    日本の経済指標とは関連性は薄いでしょう。
    日経さん、散々日本企業の海外展開を煽って、日経平均銘柄に海外への事業展開比率の高い企業を組み入れて、一体何が狙いなのでしょう?

    1. さより より:

      それにしても、第一次収支が過去最大とは、日本企業の力とその強さを証明するものではないのか?
      すると、こんなに強い企業があるのに、その力を国内で発揮することが出来ないのは、どこに原因と理由があるのか?
      昔、良く言われた言葉を思い出した。
      「日本は、経済は一流、政治は三流」。
      今、これに加えるとしたら、野党は最悪。

      1. sqsq より:

        日経平均は経済の体温を測る「象徴的な」指数と考えた方がいいんじゃないか。

        輸出ではなく、海外に工場を作って稼ぐ企業が多くなると、GDP(国内総生産)という概念が国力をあらわさなくなると思う。

        1. さより より:

          >GDP(国内総生産)という概念が国力をあらわさなくなる

          ここで概念という言葉は少しそぐわないかもしれません。GDPは数値ですから。
          GDPが国力を表さないとすれば、GDP+第一次所得収支=GNIが、その代わりの数値になるのか?
          しかし、そういう感じもしないですね。
          Iの海外分が、国内に回収されて、国内の投資や給与所得に還元されて、GDPを押し上げてこそ、国民は豊かさを感じられるはずです。国民が豊かさを感じない国力とはなんでしょうね?
          GDPは、国内の豊かさを見るための数値です。
          グローバル企業ばかり儲けて、国内で国民が最低賃金で働くのは、果たして国力ありと言えるのでしょうか?
          それよりも、こういう状況でも未だGDP世界3位ですから、日本の底力は凄いですね。
          ですから、第一次所得収支を国内に環流して、GDPを押し上げる政策が必要ですね。
          これ、カズさんが書いていることですね。

    2. はにわファクトリー より:

      上方名物口三味線をひとつ
      べんべん、べんべん
      経済のようで経済でない(べんべん)
      言論のようで言論でない(べんべん)
      祟り紙のようで神でない(べんべん)
      貧乏紙のようで神でもない(べんべん)
      それは何かと尋ねたら
      自称日本の経済新聞

  3. G より:

    まあ計算方法からしてユニクロ指数かも。

    ただ、実際のところ日経平均で軽くみられがちなバリュー株の上昇率はさらに大きく、もう実質的に最高値なのかもとすら思います。
    ちゃんと博打でない株式投資してる人なら株価上昇のメリットは受けています。正直言ってウハウハですよ笑

    1. はにわファクトリー より:

      この店で一番高い酒をもって来いや
      今夜の盛り場はこれで決まりっすね。不肖はにわの若いころは脚色でなく毎晩こうでした。

      1. G より:

        うらやましー
        ちょうどバブルも終わり景気も冷え冷えなころに社会人始めたもので。

        まあ、会社からの給料でなく、工夫して投資した結果のウハウハなんで誰に遠慮することもないのが良いですね。

  4. やるお より:

    ただ、「日経平均」は日本経済にとっては大変重視されている指標ですが、そもそもこれが経済指標として、どこまで信頼に値するものであるかについては、個人的には疑問でもあると思う次第です。

    いやいや、信頼できるでしょう。
    株価上がるのに経済衰退する国はまずありません。
    経済は気配のケといいますから、投資家を過小評価すべきではないです。
    第二次世界大戦でも日本やドイツの株価は下がり、アメリカやイギリスの株価はどんどん上がっていきましたから。

    1. 匿名 より:

      >いやいや、信頼できるでしょう。
      >株価上がるのに経済衰退する国はまずありません。
      >経済は気配のケといいますから、投資家を過小評価すべきではないです。

      ブログ本文を誤読してません?
      新宿会計士氏は別に株価を否定してませんよ?「株価で経済を図るなら日経平均じゃなくて時価総額を使うべきでは?」と主張しているようにしか見えませんが。。。?

      1. やるお より:

        いやー、その通りですね。
        匿名様、ご指摘ありがとうございます。
        新宿会計士様、誤読をして考え無しにコメントしてしまい非常に失礼いたしました。

    2. ema より:

      ちなみに当たり前ですが株価はインフレでも上がる傾向にあります
      トルコやアルゼンチンはハイパーインフレですが、株価はインフレ率以上に上がって比較的短い期間で3倍とかになったりもしてましたね(なお外貨換算)
      株式はインフレに強いというのを証明した事象ですね

  5. やるお より:

    いやー、その通りですね。
    匿名様、ご指摘ありがとうございます。
    新宿会計士様、誤読をして考え無しにコメントしてしまい非常に失礼いたしました。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告