供託金が、日韓関係を吹き飛ばすのでしょうか。韓国メディアの報道によれば、先日の自称元徴用工判決で日本企業に勝訴した自称元徴用工側が、日立造船が二審判決の際に納付した供託金から賠償を受ける意向を示しているそうです。もしもそれが実現すれば、被害者たる日本企業から加害者たる自称元徴用工側に金銭が渡ることになります。これはまさに、日本政府が警告してきた「日本企業に不当な損害が生じること」そのものです。
目次
自称元徴用工問題の大きな問題点
自称元徴用工問題の核心は、いうまでもなく、①韓国側のいう「戦時中、日帝により強制徴用の被害に遭った」という主張がウソであることと、②仮にその主張が事実であったとしても、日本企業に賠償を命じる判決を下すこと自体が1965年の日韓請求権協定に反し、違法であること、の2点にあります。
これに加えて韓国政府は2019年7月19日、日韓請求権協定に従った問題解決プロセスを完全に無視したという意味で、まさに名実ともに無法国家と化した格好であり、本来ならばこのような無法国家と国交を維持すること自体が「あり得ない話」でもあるのです。
しかも、岸田文雄政権、あるいは外務省の最大の問題点は、自称元徴用工問題を巡る韓国側の虚偽の主張にろくに反論せず、違法判決問題を解決させようとする努力すら放棄し、さらに2019年7月19日の韓国側の請求権協定違反を不問に付していることにあります。
実際、尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が今年3月に打ち出した自称元徴用工問題の「解決案」とは、そもそもの2018年10月と11月の違法判決を是正することなしに、韓国企業から集めた寄付金で財団が自称元徴用工らに第三者弁済を行うというものであり、正直、お話になりません。
それなのに岸田首相はこの第三者弁済案を「日韓関係を健全な関係に戻すものとして評価する」などと述べ、韓国による蒸し返しの可能性についても「仮定の質問には答えない」と言い放ってしまいました(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』等参照)。
こと対韓外交に関して言えば、岸田首相の実務能力やセンスのなさはピカイチです。
「解決策」はさっそくほころび
ただ、そんな岸田首相の「努力」(?)をあざ笑うかのように、最近、韓国が打ち出してきた「解決案」のほころびが各所で出て来ています。
たとえば、自称元徴用工やその遺族らのなかには、財団からの弁済金を受け取らないとする者もいて、財団側が供託手続を行ったものの、その供託が裁判所から拒絶されるなどの事例も相次いでいます(『「日本は今こそコップの水の残り半分満たせ」=韓国紙』等参照)。
また、三菱重工の知的財産権や日本製鉄・不二越の合弁会社株式などは韓国国内で差し押さえられたままですし、強制的な競売・換金手続に移行する可能性は残されています(といっても、換金困難なそれらの試算を、どうやって強制換金するのかは知りませんが…)。
こうしたなかで、さらに興味深いのが、韓国の大法院(※最高裁に相当)がここにきて、連続して日本企業に敗訴判決を下しているという事実でしょう、いわば、韓国の司法府が引き続き、国際条約を無視し続けるという意思表示そのものともいえます。
たとえば先日の『またも自称元徴用工判決…今度は日立造船も被害者に!』でも取り上げたとおり、今月に入って再び違法な判決がいくつか出て来ています。
それにこうした判決が続けば、第三者弁済を行う財団の原資も枯渇していきますし、供託拒否事例が続けば在韓資産の売却問題が再び頭をもたげてくる可能性もあります。
日本企業に不当な損害が生じればどうなるか
問題は、それだけではありません。
もしも大法院判決で敗訴した被害者(※日本企業)から加害者(※自称元徴用工ら)に対し、たった1円でもおカネが渡れば、日本政府が長年警告してきた、「日本企業に不当な損害が発生する」という事態に陥ります。
日本政府は約束通り、韓国に対する対抗措置を講じなければなりません。
差し当たって外為法にいうところの支払い禁止、資本取引禁止(資産凍結措置)などを発動することを検討しなければならないでしょう(※ただし、『乗客たった数人の定期便…小樽に入港の怪しいロシア船』などでも指摘したとおり、現在の外為法の規定上、これらの経済制裁の発動は容易ではないと思いますが…)。
あるいは簡単なところで、韓国人に対する入国ビザの復活あたりも発動すべきでしょうか。
自称元徴用工側が賠償金を供託金から回収へ?
こうしたなかで、またしても面黒い話題が出てきました。28日の自称元徴用工判決を巡り、加害者である自称元徴用工らが、被害者である日立造船が韓国の裁判所に納めた供託金をから賠償金を回収する考えを示したのだそうです。
勝訴の徴用被害者「賠償金は日本企業の供託金から」
―――2023.12.29 19:16付 聯合ニュース日本語版より
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の報道によると、「徴用被害者」(正しくは自称元徴用工、あるいは「自称元徴用工問題加害者」)らは29日、日立造船が2019年1月に強制執行停止を申し立てるために供託した6000万ウォン(約650万円)を賠償金として受け取る意向を示したそうです。
ちなみに判決に基づく賠償金は5000万ウォンと遅延利子だそうですが、これについて被告の代理人を務める弁護士は、次のように述べたそうです。
「(受け取りが実現すれば自称元徴用工訴訟で)日本企業が自発的に出した金銭が被害者に渡される初のケースになり、事実上の賠償が日本企業によってなされるという点で意味がある」。
これは、まったくその通りでしょう。
自称元徴用工判決の被害者である日本企業から加害者である自称元徴用工らに直接現金が渡るのは初めての事例となり、まさに日本政府による制裁措置発動理由となります。
まだ確定ではないが…日韓関係を吹き飛ばすのか?
もっとも、聯合ニュースによると、この供託金はあくまでも二審判決が出たことによる強制執行停止のために納付したもので、もし裁判所側が原告の請求を受け入れたとしても、日立造船側が異議申し立てを行う可能性もある、などとしています。
これに加え、遅延利子を含めると、原告が受け取る金額は日立造船が供託した6000万ウォンを超過するという問題もあるのだそうです。
いずれにせよ、自称元徴用工らはこれまで、日本企業の資産を差し押さえるに際し、非上場株式だ、知的財産権だ、といった具合に、売れない資産ばかりをわざと狙って差し押さえていたフシがあります。
しかし、仮に自称元徴用工側による供託金の差し押さえを韓国の裁判所が認めた場合は、基本的には直ちに換金可能であり、日本企業に直ちに被害が生じることになります。
例の「売却スルスル詐欺」が何年も続いていることを思い出しておくと、韓国の裁判所が本気で日本を怒らせるような決定を下すかどうかはわかりませんが、いちおう、日韓関係を吹き飛ばす材料となるかどうかを巡っては、注目しておく価値はあるのかもしれません。
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注記…原因不明のエラーにより記事が公開されていなかったので、人為的に再度強制編集した都合上、記事更新時刻欄に「2023/12/39 07:15時点」と表示されてしまっていますが、別に記事の内容自体を編集・変更したわけではありません。
>供託金から賠償なら日韓関係破綻も=自称元徴用工問題
→「”金を生むガチョウ”を喰らう」かのような所業ですね。
>自称元徴用工判決の被害者である日本企業から加害者である自称元徴用工らに直接現金が渡るのは初めての事例となり、まさに日本政府による制裁措置発動理由となります。
でも、韓国政府が供託金を補填すれば「実害は出ていない」となってしまいそうですね。
ただ、韓国政府は裁判費用などの諸経費も補填する責務を日韓基本条約とその付随協約によって負っている筈なんですけどね。
岸田文雄首相は日本国民を代表していない。
当人は自民党が選んだ人物である。選挙を通じて付託を獲得したわけではない。
彼は握ったこぶしから突き出た親指が揃って下に向けられ上下に振られているのを目に入れようとはしない。
この状況のもとで暖かく米国出立を見送ることがどうしてできるというのでしょうか。全世界に広く伝え報じるべきは今の国民意識です。
>日立造船が二審判決の際に納付した供託金
日立造船は、勝手に供託したわけでなく、普通の企業の当然の判断として、外務省と相談しながら、供託していると思われる。外務省も、このような展開の可能性は予測していたと思うので、これから外務省が、どうするか楽しみ。
とうせ遺憾の意を示してなあなあで終わるだけだよ
穏便に(笑)お金を差し出せばいいと思ってるよ
徴用工補償財団の金が枯渇する。→日本政府が韓国企業サムスンに200億円を助成する。→サムスンが財団に寄付をする。
結局日本政府が金を出した事と同じ。
岸田が急いでサムスンへの助成を決めた理由はこれかねな。
ホワイト国、日韓スワップを戻して、かつサムスン補助金施策とかの結果がこの状態。
キッシーダメダメだよな~。
安倍~菅ラインから外れて、またK国に弱みを握られてる政治家になったんかなぁ~?
これは面白い展開になってきましたね。
実際に供託金で賠償が実施されなくても、この話が大きく報道されるだけで、実はいわゆる徴用工問題は何も解決してなかったことも明らかになって、岸田政権の解決したと主張した答弁が破綻します。それに基づいて行った韓国のいわゆるホワイト国復帰やスワップ等もなぜやったのかという話になりますし。
〜本気で日本を怒らせる事になれば〜
岸田は怒りませんよ。何をされても。
怒る勇気もなければ気概もありません。
今までのいいよ、いいよ、のズルズル譲歩を見る限り。
まあそうでしょうね。
何しろ、岸田氏(加えて林氏)の頭の中は、何事も自分の利益優先であって、国民、国の利益や国の歴史・文化の尊重などといった事は二の次ですから。それは例えばLGBT法案成立の経緯をみても明らかです。
更に林氏などはいまだに総理を目指す云々と恥る事なくマスコミに喋っています。どれほど自分達の決断、行為が国家の益を損なったのかとの自覚すらない。
岸田氏、林氏、そして勿論外務省も含めて、君達の行った対韓外交の責任をきちんととりなさいよ。
そういえば、尹大統領は竹島が紛争地域であるとの自国軍部の内部教材の記載に激怒し、この訂正を指示したとの報道があり。不法国家の面目躍如ですな。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b6c0dcb09403299623d79e23abe9d42a76b568d
情けない日立造船にを皆様のご意見を
入れましょう。自分は入れました。