給食停止騒動に見る「過剰サービスから脱却する日本」
インフレに伴う労働力不足が全国的に顕在化し始めているなかで、そろそろ破綻しそうなのが、「格安理論」――、すなわち「労働力の対価以上の過剰なサービスを提供する」という業者の存在でしょう。昨今は給食事業者の事業停止が問題となっているようですが、その背景にあるのは、「安いのは良い」といった意識ではないでしょうか。結局、適正なサービスを受けるためには適正なコストが必要だという、あたりまえの理論に行き着くのです。
目次
「段ボールを大事に扱え」という過剰サービス
最近、当ウェブサイトでわりと頻繁に取り上げる話題が、「格安理論(?)」です。
これは、製品やサービスを提供する側が、ちょっとあり得ないくらいに安い値段を設定し、売る側も買う側もそれを当たり前と捉えてしまっている、という、現代日本社会の問題点を示したものです。
先日の『「お客様は神様」論、くたばれ!』で取り上げたのが、フリーライターの橋本愛喜氏が約2年前に執筆した、こんな記事です。
世間が知らない「段ボール箱も商品のうち」がトラックドライバーに及ぼす深刻な影響
―――2021/09/27 8:13付 Yahoo!ニュースより
タイトルにある「段ボール箱も商品のうち」とは、「段ボールに傷が付いただけで配送業者に苦情を申し立てる顧客が多い」という、現代日本の現状をレポートするものです。
橋本氏は記事の中で、自身の米国在住経験などを踏まえ、「段ボールはあくまでも『梱包材』」、「(配送過程で)商品の代わりに角が潰れたり、穴が開いたりするのは当たり前」と認識していたとしつつ、日本では段ボールがちょっとでも傷ついたら返品・弁償させられる、などと指摘しています。
これなど、正直、「過剰サービス」の典型例でしょう。
もちろん、特殊な事例もあるが…やはり料金を上乗せすべき
正直、中身がまったく傷ついてもいないのに、しかも製品の配送が終わったらどうせ捨てられるものなのに、その外側の段ボールの角がちょっとへこんだくらいで「返品」だ、「弁償」だ、と大騒ぎするのは、やはりどう考えてもおかしなことに思えます。
この点、当ウェブサイトの読者コメント欄では、こんな趣旨の指摘がありました。
- 商品を梱包する箱がきれいな状態だと(中古品として)転売するなどの際に高く売れるので、箱が傷つくのを嫌がる人もいるのかもしれない
- ゲームや書籍、音楽や映像ソフトウェアなどの場合、製造元が輸送用段ボールとしているものにも贅沢な化粧箱に近いものもあって、傷がついたりすると残念な気持ちになるケースもある
…。
これらの指摘は、そのとおりでしょう。
ただし、こうしたケースだと梱包する箱自体に価値がある、というものであり、こうした商品を「傷つかないように配送せよ」、と要求するならば、やはり運送業者がそれなりに注意を払う必要が出てくるため、その分は本来ならば料金に反映させるべきでしょう。
いわば、「段ボール箱ができるだけ傷つかないように気を付けて配送する」、というオプションは、「通常配送」とは別料金にするのが筋だ、ということです。この「別料金」を取ることができない現状が、現代日本の
インフレ率は40年ぶりの水準
ただ、最近とみに目に付くのは、こうした「労働力を安く買いたたく風潮」の行き詰まりです。とくに日本経済に労働力不足が徐々に顕在化し始めるなかで、これまでは維持できていた「過剰サービス」も、各所で破綻し始めているフシがあるのです。
これについてはあくまでも著者自身の(いちおう経営者としての)肌感覚に過ぎず、信頼し得る公的データをもって明確に示せるという状態ではありません。
ただ、一般的なデータをちょっと調べるだけでも、全体的な価格の上昇や労働力の逼迫はあきらかでもあります。
ことにウクライナ戦争以降、世界的な資源価格の上昇の余波もあり、日本でも少し前から物価が上がり始めていて、とりわけ総合指数もさることながら、「コア(生鮮食品を除く総合)」「コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)」も、近年あまり例がない、まさに「40年ぶりの水準」です(図表1)。
図表1 インフレ率(総合、コア、コアコア/いずれも年率)
(【出所】『政府統計の総合窓口』ウェブサイト『消費者物価指数』データをもとに著者作成)
「物価の上昇」とは、「貨幣価値の下落」を意味します(※当たり前ですね)。
これを経済的に言い換えれば、「需給ギャップの解消」、「総需要が総供給を上回っている状況」を意味しており、もっといえば長いデフレ不況からの脱却を示唆しています。
インフレで労働力が逼迫し始める
そして、世の中が物価上昇局面に入ってきたときに、大きく影響が生じる分野のひとつが、雇用です(※このあたりについては「フィリップス曲線」などをご存じの方ならピンと来るかもしれませんが、詳しい経路について説明し始めると長くなるため、本稿では割愛します)。
日本の場合、雇用はすでに安倍政権時代に大きく改善し始めており、有効求人倍率は2017年6月に1倍を超えて以来、ずっと1倍超の水準を維持しています。コロナ禍の時期ですら1倍を割り込まず、完全失業率もコロナ禍の一時期を除いて3%を割り込んでいます(図表2)。
図表2 有効求人倍率と完全失業率
(【出所】厚生労働省『有効求人倍率と完全失業率の推移』バックデータをもとに著者作成)
こうした数値だけでも、日本国内の労働力不足は明らかでしょう。
この状況は、「働きたい人は仕事さえ選ばなければ働ける世の中になった」、ということを意味しますが、それだけではありません。有効求人倍率が継続的に1倍を超え続けていれば、当然の帰結として、働き手が不足してきます。つまり、働き手の側にとっては、わざわざ過剰な労働を提供する必要などなくなってくるのです。
人手不足倒産は過剰サービス終焉の証拠
モノやサービスを買う側からすれば、今までだとコンビニも(とくに都市部の場合は)24時間オープンしていて、あなたが夜更かしして深夜に小腹が空いたときに、ホットスナックをたった1個買っただけで「ありがとうございました」、「またのお越しをお待ちしています」とうやうやしく挨拶をしてくれていました。
逆にモノやサービスを提供する側からすれば、安い時給で過酷な労働を求められ、ときとして高齢の不愛想な男から「マイセン」などと意味不明な要求をされ、わからなければキレられるという理不尽な思いをしてきた(『「お客様は神様」と「デフレマインド」のコンビニ業界』等参照)のです。
しかし、全体的に物価も上昇し、失業率も低下し、有効求人倍率も高止まりしていけば、賃金水準が大きく上昇し始めます。現在は安い給料で働いている人も、同業他社に移れば給与が増えるからです。
こうしたなかで、一部のメディアや会社、エコノミストらがさかんに喧伝し始めているのが、「人手不足倒産」と呼ばれる現象です。たとえばTSRが配信した次の記事などは、その典型例です。
2023年1‐7月の「人手不足」倒産は83件 「人件費高騰」と「求人難」が大幅に増加
―――2023/08/17 15:31付 Yahoo!ニュースより【東京商工リサーチ配信】
TSRによると「人手不足に起因する企業倒産」が増えている、というのですが、正直、これが問題なのかは微妙です。「従業員に適正な給与を支払っていなかった企業が、人手不足で事業活動の断念に追い込まれている」、と見るのならば、それはむしろ歓迎すべき話だからです。
給食停止騒動の現状
ところで、こうした状況を踏まえると、数日前から話題になり始めている、「広島市の給食停止騒動」は、気になるところです。これは、全国で学校給食などを提供する食堂運営会社が今月1日以降、事業停止してしまっている問題です。
たとえば読売新聞の次の記事によれば、広島県立高校6校で寮生に対する食事提供が滞っており、給食運営会社に対して数百万円の違約金を請求している、などと報じられています。
給食停止で「ホーユー」に数百万円の違約金請求、広島の県立6高校が契約解除
―――2023/09/08 15:47付 読売新聞オンラインより
ただ、この「事件」を巡っては、業者の問題というよりも、どうも給食業界自体に問題があった、という可能性があるようです。
「安くて当たり前」給食業界の実態…業者が明かす それでも残る謎はホーユーの「安すぎる入札価格」
―――2023/09/07 18:47付 Yahoo!ニュースより【テレビ新広島配信】
FNN系列の『テレビ新広島』が配信した記事によれば、もともと給食業界は全国的に経営破綻が非常に増えて来ているとしつつ、その大きな理由が「安すぎる」から、と指摘されています。
たとえば警察や留置所の(給食の)入札は「安すぎる」から「入札する業者がいない」、という状況にあるのだそうですが、その一方で日本給食業経営総合研究所の井上裕基副社長は給食業界について、こう指摘したそうです。
「契約を取りたいために採算度外視の価格設定で契約をしてしまっているケースが多数あるのが実情です」。
記事によると井上氏は、そもそも給食業については「安く物を作るプロフェッショナル」と指摘します。
「大量調理をすることによって飲食店や他の業界と違って、安く物を作るプロフェッショナルというのが給食業の特徴です」。
また、これについては同業者も、学食などのように「多ければ多いほど利益は出しやすい」反面、規模が小さくなると採算が厳しくなると説明。井上氏も、とりわけ学食や社食などでは「安くて当たり前という風潮がある」ことが問題だと指摘しているそうです。
異常な安値での入札は排除すれば済む
ちなみにテレビ新広島の記事によると、該当する業者については、同業他社だと絶対に受けないような安い水準で契約を取って来ていたとの証言も紹介される一方、県は物価高騰に対応した給食事業の補助を事業者に提案していた事実などが浮かぶなど、不自然な点もある、などとしています。
このあたりの事情については、正直、現段階ではよくわかりません(というよりも、個別企業の経営状況については、当ウェブサイトであまり深く取り上げるつもりはありません)。
ただ、一般論でいえば、(該当の業者がきちんとした原価計算をしていたのか、を含め、)もともとダンピングによるシェア拡大という無茶な経営戦略を取って来たなかで、昨今の物価高騰が打撃となり、事業運営に苦慮しているのだとしたら、それは経営者の自業自得のようなものでもあります。
実際、テレビ新広島によると、広島県の給食事業の事例では、3社が入札に参加したところ、A社が1億7640万円、B社が5899万円の金額を提示したものの、問題の会社は1800万円と、他社と比べ「圧倒的に格安」(というか異常な安値)で落札したのだそうです。
もちろん、これには無茶なダンピングでシェアを拡大することで市場を独占するという狙いがあった可能性もありますが、背景にはそもそもサービスと値段のつり合いが取れているのか、といった点については、検証する価値はあるのかもしれません。
この場合、常識的に見ても異常に安いわけですから、発注者側である広島県が、このような業者を「安いから良し」とするのではなく、やはり適正な最低価格を設けたうえで排除すべきだったのではないでしょうか。
いずれにせよ、上述の通り、現在の日本ではインフレと労働力不足が顕在化し始めており、今回のような事例は、日本全国で次々と発生していく可能性があることには注意が必要です。
ただ、基本的にいえることは、ただひとつ。
「適正なサービスに対しては、適正な報酬を払うべし」、です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
>「人手不足に起因する企業倒産」
これが増えると日本政府は大抵の場合、既存企業の現状維持をメインに対策を打ちがちに見えます。コロナのゼロゼロ融資とか。必要だとは思いますが、やり過ぎもどうなのかなと思います。
解雇・倒産時における労働者のサポート、業態転換、機械やデジタルによる省力化など、未来に繋がる方の対策に多めに注力してくれたら社会の雰囲気も明るくなりそうなのにと思います。
ぬい 様
仰る通りですね。
人手不足倒産等というものは言い訳に過ぎない。経営者のモラルハザード。
ご指摘の対策等、産業の構造転換やデフレ脱却に資する策を優先すべきでしょう。
デフレの原因は自民党・財界の誤った産業政策(事業の海外移転と安価な労働力移入)です。また、ここで自民党が産業政策を誤り、技能実習生だの留学生だのを手当てしないように監視が必要です。
特に岸田首相は縁者を見れば要注意。
以下妄想です
そんな難しいことではなく
>A社が1億7640万円、B社が5899万円の金額を提示したものの、問題の会社は1800万円
と、
他社の『十分の一』ですよ、これはまともじゃない!
10分の1のお金でやれるわけがない!
他社の『三分の一』これも絶対に不可能!
何故、こんなに安い金額で応札したのか、しなければならなかったのか!
そりゃあ、金が欲しかった!
兎に角、現金が必要だった。後の事などどうでもいい…という状況に追い込まれていたんでしょうよ、本業でないことに大金を注ぎ込んだ挙げ句の果て!
まあ、博打でオオコケした…んでしょうよ!
アメリカの政策金利独歩高、かつ、日本円の独歩安で…株・為替・FXやらの追証とか!…← 単なる直感。
リーマンショックのときと同じなんじゃないですこ。
>有効求人倍率が継続的に1倍を超え続けていれば、当然の帰結として、働き手が不足してきます。つまり、働き手の側にとっては、わざわざ過剰な労働を提供する必要などなくなってくるのです。
これがパート・アルバイトだけでなく正社員にも適用するとなると、納期に間に合わすという結果責任を何処まで果たすのか、に掛かってくるかと。
例えば、A社がB社に発注した製品の納品について、B社の労働力不足による納期遅れにA社が何処まで違約金などの請求無しでOKとするか、ですね。
労働力不足を起こしてしまったB社の見積もりのミスですが、その結果B社が受注が取れなくなって倒産してしまったら、労働者達は次の仕事がいつ見つかるか、今の給与水準が維持されるかを気にする訳ですし。
>しかし、全体的に物価も上昇し、失業率も低下し、有効求人倍率も高止まりしていけば、賃金水準が大きく上昇し始めます。現在は安い給料で働いている人も、同業他社に移れば給与が増えるからです。
人件費を費用として扱い、人手確保や人財への投資と捉えない企業が大多数でしょうから、何処も最低賃金で出すので給与は増えないと考えますが。
多分、ある仕事について一定期間以上働いて知識と経験を有する労働者なら…と置いても、結構特殊な職業だけじゃないですかね?
>TSRによると「人手不足に起因する企業倒産」が増えている、というのですが、正直、これが問題なのかは微妙です。「従業員に適正な給与を支払っていなかった企業が、人手不足で事業活動の断念に追い込まれている」、と見るのならば、それはむしろ歓迎すべき話だからです。
んー、でも潰れるのって中小零細とかの企業ですよね?
私の経験も含め、東証一部に上場しているような大企業でもブラック労働環境なら潰れるような状況にならないと変わらないし、そんなクソ企業の経営者が心を入れ替えるのは行政から強く指導を受けた場合だけでは?
>この場合、常識的に見ても異常に安いわけですから、発注者側である広島県が、このような業者を「安いから良し」とするのではなく、やはり適正な最低価格を設けたうえで排除すべきだったのではないでしょうか。
公共工事における最低落札価格みたいな制度は、何処でも必要なんでしょうね。
それこそ、東京都のWPBCとかもありますし。
なんだか人手不足倒産による労働環境向上に否定的なコメントをしちゃった気がしますが、私自身は人件費削減しないとまともな利益を確保出来ないような企業は潰れるべき、潰されるべきだと考えてますし、「安いのには訳がある」と考えずに安さに飛びつく日本社会の愚かさも元凶だとも考えています。
前から雑談掲示板でそんな趣旨の事をコメントしてますし。
記事を読むと人手不足倒産は中小零細が主だから、
人件費を絞って労働者を搾取して利益を出している大企業には無縁なお話しですね。
元肉屋を営んでいました。学校給食の場合、当たり前ではありますが、異物一つ、髪の毛一本許されませんでした。私の場合はアタマを五厘刈りにし、刑務所帰りのおじさんみたいで異物混入は一度もなかったですが、もしあった場合始末書にはじまり年端も行かない栄養士から叱責を長時間受け「業者をかえる」だのさまざまなお叱りを受けると聞いた。「買ってやってる」の意識だろうか高圧的だったとは聞く。人数が多いからけっこうな量と責任が伴う。入札時は異常な安値で厳しい付帯条件つきだから人数が多い元売でなければ大概は入札できない。おれは一度市会議員に掛け合ってちいさなみせにも発注をすれば商品の回転良くなり町の活性化に繋がるのではないかと言ったけど価格面では元売りにはかなわない。東京都ではこんな事例がある。入札し落札したはいいが価格があわない。配送手数料、ガソリン代諸々の値上げで、国産鶏肉では納品ができなくなった。値上げ申請しながゆるしてくれない。違約金もはらえない。彼は考えた。ブラジル産鶏肉を国産と偽り納品をしたのだ。当然ばれた。新聞にも載ったからおおきな事件だった。
さらに、夏祭り。大概は地元の商店で買うんだがときには量販店で買う担当が出てくる。おれの店では焼き鳥のロースターは無料貸出しなんだが焼き鳥は安い所で買うから機械だけ貸してくれ、、という。でご祝儀を集めるという。断った。悪いけど焼き鳥を買ってのサービスだし高い焼き鳥なのはわかっているから機械をサービスするむね断った。ロースターは借りたらしい。一泊2日12000えんで。当然御祝儀はなし。なんだ合計すれば高いじゃないか!雨が降った。祭りは中止。数が多いから返品不可。冷蔵庫に入れさせてくれっていってきた。良く頼めんなぁ。翌年おれの話は良く聞いた。
コメント失礼します。
建設業界の底辺で働いてますが、兎に角安くしろ!とほざくゼネコン居ますね。何処とは言いませんが。
徹底した合理化をしつつ安全もそれなりに確保出来てるなら、まだ言い分としてはマシなんですが(それでも儲けが出なきゃいつまでも付き合ってはいられない)、仕事の段取りに無駄が多過ぎて余計な時間、労力、金が掛かってる。熱中症対策としての冷水と氷すら用意しない。エアコン、プレハブの詰所も無い事が多い。
私は自営、業務請負になったので仲間の分の凍った飲み物とかもコンビニで買って配ってた(経費で落とせる。項目は接待交際費ではなく熱中症対策費にします。夏に冷水と氷の無い現場は冗談抜きで死ぬ)のですが、2カ月近く、毎日人数分×3回とかやってたら貯金底を尽きそうになりました。それでも何人か熱中症で倒れてるのが又悲しかったです。9月に入ってからは「すいません、もうお金無いです」と仲間に詫び入れて自分の分しか買わなくなりました。ガリガリ君なら多分まだいけますが、アイスボックスや凍った飲料は私の稼ぎでは全員分何度も毎日配るのはキツい。
デフレだとお金が少ないから金出す方が偉いと誤解する。インフレは商品が少ないから売る方が偉いと誤解する。お互い持ちつ持たれつなのにそうはならないのが残念です。
財務省としては狗総理を使って増税、緊縮、利上げ、更なる外人経済奴隷流入(労働力の過剰供給で賃上げを避けられる)を実施して日本国民を苦しめるのかな?大蔵省の頃は愛国心も在ったのですが、ノーパンしゃぶしゃぶ以降は駄目ですね。黒田前総裁はまともだったなぁ。
森友事件の時に財務省追い込んで「2~5%の経済成長をし続けま省」と改名させればもう少しマシになったかなぁ?
記事を拝読して現役サラリーマン時代の、とある入札「事件」を思い出しました。
食材配送を主とする事業者から、蓄冷材凍結倉庫の相見積もりを要請されたことがあったのです。各家庭に食材を届ける際、断熱梱包の中に保冷用の蓄冷材が入っていることは皆さんご存じだと思いますが、あれを回収して翌日の朝までに凍結させるにはそれ相応の冷凍能力が要求されます。
ひとつふたつならともかく、全体として何十トンもの蓄冷材を夕方5時から翌日の朝までに凍結させるにはすさまじいぐらいの冷凍能力が要求されます。
冷凍能力というのは、1トンの0度の水が24時間で0度の氷になるのに必要な能力を示す単位ですが、見積もりで提示された条件では24時間ではなく12時間ですから、ほぼほぼ2倍以上の能力が要求されるはずでしたし、私もそのつもりで計算し見積もりを作成したのです。
しかし我が社は落札できませんでした。ある筋から確認できたのですが、弊社の2/3程度の価格で入札した会社が受注したとのことでした。
結果として、落札した会社の冷凍機では所定の冷凍能力を満たせなかったらしく、事業は見直しをせまられたと、これまたある筋から後日耳にしたものです。
相見積もりによる価格要件だけで業者を選定することの愚かしさを、あの事業者は学べたのかどうか、その事業者はその後とある別会社に吸収されてしまったため、その辺りの事情について詳しくは知りません。
>「労働力を安く買いたたく風潮」の行き詰まりです
「売上はすべてを癒す」と言ってた会社が潰れましたが
「安いことはすべてを癒す」会社は、そろそろ潰れてほしいですね。
モノを仕入れる側、消費者も「適正な値段で買います」への今は分岐点でしょうか
今回の問題の会社、外国人労働者への待遇が酷かったみたいですが
人件費削減・労働者不足解消のための外国人研修制度利用ですね。
研修生は人件費が抑えられてる原因のひとつ。人件費アップはモノの転嫁できるか。
インフレ→物価が上がる→給料が上がる→値上の物を買う→物価が上がる
「安いニッポン」脱却する好循環のサイクルになって欲しいです。
これ日本の物価が上がらない原因かもしれないね。
オーストラリア人と価格のことで話したことがある。
彼らは原価+利益=売価のようだ。原材料の値段が上がればその分は売価に確実に乗せる。
「そんなことしたら客を奪われるだろう、競争はどうなってる」と聞いたら「みんなが同じことをするから心配ないとのこと」
どうりでオーストラリアのマクドナルドのクルーの時給は2200円(24.22豪ドル)を超えビックマックの値段は665円だそうだ。日本のマックの牛肉はオーストラリア産なのにね。(狂牛病騒ぎの時にバレた)
個人が商品を買う時、見るところは 商品の質と値段です。
どんなに安くとも悪かろうでは買うのに躊躇するか違う商品にします。
値段と室のバランスをみて買うのが普通だと思います。
が、国や企業の仕入れは安かろうしか見ていないのが原因では。
で、仕入れ担当者が商品の質を見る能力がないので値段しかみないのか、またはその上からとにかく安いのをという圧力があるのか。
YouTubeで面白いのをみました。
そのチャンネルでは中華機械を分解し機械で測定して能力を図るのです。
たしかマキタの電動ドリルの互換バッテリーですが、表示能力はマキタの純正バッテリーと同じですが、はかってみると全然能力が足りてません。
また、安い4TBのSSDも中身は500GBのSDカードで、バソコンで見ると4TBと表示されますが使えるのは500GBというシロモノです。
商売の本質は、モノの価値を見極める事だと思うのですが、デフレが長く続いたせいか 安いものをより安く モノの価値など二の次となった事が原因かと。
インフレがこのまま続けば、いずれデフレ商売が駆逐されると思います。
給食会社のニュースは1,2本読んだ程度ですが、このネタが出たらコメントしようかと思っていました。コメントお休み予定でしたが予定変更で。
いや、たいしたことは書きませんが。(笑)
影響は学校給食だけでなく企業や役所の食堂などもだそうですね。
ニュースを見たときに思ったのですが、公的機関が価格一本(だったかどうかはわかりませんが)の入札をやるってのは、悪質なデフレ支援だったのかもですね。
入札基準には提供されるサービスや提供者の持続可能性の判断を入れたらいいんじゃないでしょうかね(入ってて機能しなかっただけかもですが)。
納税者などへの説明は、公的機関には健全な社会形成や経済発展に寄与する義務があるから、などで。
総務省あたりがガイドラインやテンプレートを作りゃいいんじゃないでしょうか。今回はいい機会でしょう。
それでも給食費払う親のハードルは高いかな。(笑)
元首相の「財務省の主査クラスの発想」なんてソロバン勘定優先を揶揄する言葉を思い出しました。役所や政治のあらゆるところに蔓延していると。安けりゃ正義のような。
役所だけの話ではないですが、世の「金を払う方が偉い」とも通じていると思います。
>公的機関が価格一本
”俺たちの血税だぞ”精神は大事ではあるのですが、お役所までが「なんでもかんでもコストカットで頑張っています」アピールなんてのが必要になってしまったのは、一般大衆の圧力かもしれません。「金を払うほうが偉い」に「金を払うのは愚か」まで加えてしまったのが厄介で。そしてこれも(某経済誌なんかのせいで)コストカッターが持て囃され、TVなどで節約倹約が大正義と刷り込まれたせいなような。
旧来はお役所なんて、民間企業ほど支出に頓着していなかったと思います。「どうせ自分の金じゃないし業績と給与関係ないし」ですから。”無駄を無くす”までは良かったのですけど。
公的機関に必要なのはコストカット体質などではなく、地元経済であれ日本経済であれ広大な経済観、経済成長まで意識した健全公正な差配だったのかもしれません(結果論)。
農民様
私が住んでいるのは、農業県を標榜する自治体、米どころです。
おそらく全国に先駆けて、米飯給食に切り替え、使う食材も地産地消優先の方針を打ち出しています。
家内が長らく学校図書館の司書をしていて、学校給食のお世話になったのですが、今時の給食、本当にオイシイと言っておりました、配られた分を大急ぎで片付け、お替わりを狙う様子を見れば、家であまり満足でない食事をしている子が分かるなんてはなしも。
先年の広島サミットで、広島風お好み焼きをはじめ、ご当地グルメを大いに売り込んだそうですが、その足元の学校給食がこのざまではねえ。中央政界の限らず、政治家に「志」が大切というのは、地方でも変わりがないのでしょうね。
なるほど、地元特産物を子どもたちに刷り込む(言い方)というのは良い方策ですね。社会学習にも後々の産業育成にも食育までも。当の子どもたちの多くが満足そうというのも高得点。コストは想像でしかないものの、地元で募っていれば安いか最低でも割安かな?
志の一番の利点は、こういう所に目が向くかという点ですかね。
「お上を叩ける快感」もそこには悪乗りしているのでしょうね。マスゴミの十八番ですし。
おっしゃるようにコスト意識なしのモラルハザードに注意は必要でしょうが、国や地方の支出は景気対策的な意味合いがあると思いますので、入札は安くするためではなく公正さの担保に主眼をおいてやって欲しいと思います。公的機関は「適正価格」で調達すべきだし、公務員の給料ももっと上げたらいいと思っています。
経済回復期は先に物価が上がり始めて、給与は遅れて上がると聞きました。公務員の給与含め公的な支出は自転車を前にひと漕ぎする効果もあると思います。
話ズレました。(笑)
>公務員の給料ももっと上げたらいいと思っています。
いや、それはやめた方が良い。
良いものをより安く
これが日本人のビジネスの基本哲学だと思います。
性善説のマインドで共通のルールで公平な競争であれば、それはそれで良いかと思います。安値攻勢でシェアを握って、その後価格を上げるのも作戦かと。今回の有り得ない安値で落札した挙句、契約不履行というのは、そんな思惑が失敗に終わった受注業者の経営ミスであり、リスクを考えず安値で発注した側のミスでもあると思います。見積もり書を見れば分かるはずです。
その業者が倒産してもA社、B社あるし、C社の残骸で後継会社が設立されるかもしれない。資本主義社会の典型的なワンシーンかと思います。
低価格のみを重視する。付帯条件。例えば機械類。夏祭りでいえば、焼き鳥の台とか、ワタアメのリース料とか。買ってもらいたいから、自前の冷凍庫で30キロの氷を20コ作ってサービスしてた。焼鳥台、氷、御祝儀、、、たぶん借りるか買うかで1000本の焼き鳥の価格差は埋まるだろう。しかも配送付きだ。学校給食の会社が槍玉にあがっているようだが、野菜や肉、魚の加工料含みでの入札なんだろうが過剰な条件や価格は求めるのは、どうだろうか。こういうことに補助金を出して助けるのはまちがいだろうか。価格が高騰すれば保護者の負担が増していく。物価や燃料費、電気代が上がれば納品業者は苦境に陥る。氷の水は食用じゃないからまだしも、万が一を考えれば沸煮消毒するならガス代が掛かる。発注者は安さを求めるが限度がある。肉でいえば夏は相場があがる。だけど入札時は安い春先なのだ。オレの所は平均よりは高目に設定していた。ま、たから先方から頼まれない限り、学校給食や病院食はうけなかった。あれ、厳しいよ。一切れ何グラムとか細かくしろとか。数が多いと負担はおもいな。
私は、人手不足が日本の全ての産業の競争力強化につながると思っています。
人手不足に因る労働力不足や賃金の上昇に対応するためには、少ない人手でより多くのものを作るか、より儲かるものをつくるしかありません。
今後は、生産性向上のための設備投資や、値上げしても売れる商品の開発が今まで以上に企業存続の成否を決めることになります。
この努力を続けることが、日本人の生活改善と国際競争力の向上につながるのでは無いでしょうか?
低賃金の外国人労働者に依存する愚を犯してはいけないと思います。
団塊世代役員がいたころは
ムリな要求でも、客の言うなりにしろ
悪質クレーマーだろうが、お前が悪い
って無茶苦茶だったなぁ・・・
そのくせ自分の所に来た時は
全部逃げやがった
デフレ経済に最適化しすぎた限界安売り企業は、これからバタバタ潰れていくでしょう。
日本がデフレ脱却する過程で当然起こることです。
役所の予算削減、削減が原因で地域サービスの質が低下しているということは中に居て感じることが多いです
民間委託も勿論ですが平成15年頃から始まった指定管理者制度も大概で、官製ワーキングプアを生み出す要因となっています
児童館などは場合によっては社会福祉法が職員の首を切りたくないため、あるいは地域貢献のために他の施設運営の黒字から埋めて赤字で請け負ってくれているところもあります
いよいよ公募しても応募者がなくなると廃止して、なかよし会に移行しますが保護者の負担は多くなります
サービス維持のためには国の基準に地方自治体で上乗せしてあげるべきではないかと思いますが、多くの自治体は実際問題お金がないんですよね
公共施設や道路、水道などのインフラが老朽化し、使えるお金は限られています
インフラの維持管理が非常にコストがかかりますので根本的な解決策は目先の運営経費削減よりも抜本的な効率化で例えば施設の統廃合だと思うのですが
、ハコモノを廃止するのは地域住民の反対が強く、ものすごいエネルギーが必要なためなかなか進まないのです
改革のためにはいつか誰かが大ナタを振るうしかないと思いますが、おそらくそれをやる首長は次の選挙で落選してしまう
そう考えると誰が解決できるのかという非常に難しい状況なのですよね