政治家は「ふるさと納税」で中国の輸出規制に対抗せよ
中国によるホタテ不買を救うのは「ふるさと納税」、しかしその「ふるさと納税」については総務官僚が敵視しており、制度の使い勝手を悪くしようとしている――。その意味で、外交にせよ、内政にせよ、経済にせよ、すべての問題は根っこでつながっているのです。
ホタテ禁輸騒動で苦慮する生産者
『核汚染水呼ばわりの中国にセルフ経済制裁が突き刺さる』では、日本の福島第一原発のALPS処理水を中国大使館などが「核汚染水」呼ばわりしていること、ただ、日本を批判する動きに中国・ロシア以外の主要国が同調しているフシはないことなどを指摘しました。
ここでもうひとつ、違う側面から、なかなかに興味深い話題が出てきました。
その前提条件が、これです。
中国の水産物輸入停止で行き場失う100トンのホタテ…影響広がる中、札幌市では道産食品の大規模輸出商談会
―――2023/08/29 19:21付 Yahoo!ニュースより【HBC北海道放送配信】
北海道放送が29日に配信した次の記事で、中国政府による日本の水産物禁輸措置により、ホタテが100トンほど行き場を失っている、と報じました。このホタテに関する話題は、当ウェブサイトの読者の皆さまでも目にしたことがある、という方は多いでしょう。
あるいは、「中国への輸出には不買運動などの嫌がらせを受けるリスクを伴う」という点については、本件で強く認識した人も多いかもしれません。
ふるさと納税でホタテ求める人が急増
ただ、これにこんな「続報」があったのです。
ふるさと納税、ホタテ返礼品が急増 中国の海産物輸入停止後 産地支援の動き広がる
―――2023/09/01 11:25付 Yahoo!ニュースより【北海道新聞配信】
北海道新聞によると、中国による日本の水産物禁輸措置発動以来、ふるさと納税でホタテ返礼品を希望する人が急増しているのだそうです。
具体的には、ふるさと納税の申込ポータルサイト大手「ふるさとチョイス」では24日から29日の期間、ホタテ返礼品の寄付額が前年同期比で79%増加したほか、別海町では24日以降、町内産のホタテ返礼品を選んだ寄付が急増しており、「昨年の同時期と比べ寄付額が5~8倍」という日も続いているのだとか。
この点、「ふるさと納税」のヘビー・ユーザーという立場から言わせていただくならば、人気のある商品はすぐに品切れになってしまうため、むしろ中国の禁輸措置により、良い商品が「ふるさと納税市場(?)」に流れ込んでくることは、歓迎すべき話といえるかもしれません。
そして、私たち一般国民が納税先をある程度自由に選べるという「ふるさと納税」制度が、こんなときに役立つというのも、非常に興味深いところです。総務相時代にこの制度を創設した菅義偉総理大臣が、なかなかの実務家であることは間違いありません。
総務省はふるさと納税を「改悪」
こうしたなかで、やはり理解に苦しむ話題があるとしたら、これでしょう。
「ふるさと納税」の寄付は23年9月末までに 10月以降は“改悪”
―――2023年08月25日付 日経クロストレンドより
『日経クロストレンド』によると、総務省は10月以降、ふるさと納税に新たな制限を導入するのだそうであり、自治体によっては返礼品の質、量の低下などが懸念されているのだそうです。
具体的には、ふるさと納税は「返礼品・発送費・ふるさと納税ポータルサイトに支払う手数料・その他必要経費」を納税額の50%以下にしなければならないとされているのですが、この「その他必要経費」に次のような項目も付け加えられるのだそうです。
- 寄付金受領証の発行費用および発送費用
- ワンストップ特例事務の費用
- その他の付随費用
そうなると、返礼品にかけるコストを削らなければならないケースも出て来るかもしれません。
もちろん、自治体によっては、かつては金券などで寄付を募る、といった行為も横行しており、税制の公平性などを担保する観点からは、一定の制約を導入せざるを得ないというのは、仕方がない話ではあります。
しかし、以前の『菅総理の置き土産「ふるさと納税」総務省が敵視の理由』でも取り上げたとおり、総務省はこの制度を敵視しているフシがあります。おそらく、自分たちが持っている、地方交付税交付金の配分などの権限を失うことを恐れているからでしょう。
こういうときにこそ、政治主導で、たとえば福島県などを含め、中国による不当な禁輸措置で打撃をこうむっている産業を支援するために、ふるさと納税などの制度を大々的に利用することを認めるのが筋ではないでしょうか。
ふたつの教訓
いずれにせよ、ホタテ事件からの教訓は、2つあります。
ひとつめは中国との付き合い方を日本全体として見直すべき、とする論点です。
中国のような全体主義国家は、輸入相手国としても、輸出相手国としても、はたまた投資相手国としても、リスクが高すぎる、という典型例に見えてなりませんし、こういう事態に備える意味でも、「▼日本全体として販路を中国以外に拡大する、▼調達先を中国以外にも多様化する」などの動きは必要なのです。
ただ、もうひとつの論点は、日本国内の政治に関するものです。
ふるさと納税を総務官僚が敵視していることは間違いない事実ですが、総務官僚、財務官僚などの役人は、私たち国民から直接に選ばれたわけでもないくせに、やたらと強い権限を握っている存在でもあります。よって、(とくに総務官僚、財務官僚など)官僚の権限については制限しなければなりません。
官僚らの権限を制限するには、結局のところ、国民が選んだ政治家が力を持つことが必要なのであり、そのためには(とくに衆議院の)議員定数の大幅増に加え、強くなり過ぎた役所を分割すること、立法段階で官僚の裁量の余地を減らすことなどが必要です。
その意味で、結局、外交、内政、経済などの問題は、根っこですべてつながっているという言い方もできるのでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
ホタテ、台湾買ってくれないかな?
パイナップル、買ってあげたし。
しかしながら、ホタテといい、パイナップルといい、彼の国をまともな国だと思って相手にすると、大変な事になる事を、一番の肝に命ずるべき教訓としなければならないですね。
尤も、これは彼の国の国民もそのようで、
食糧の自給政策を急に決めたので、今迄バナナを作っていた農民に今から小麦を作れと、バナナが収穫直前なのに、バナナの木?を根こそぎ薙ぎ倒して、明日から小麦作れ、と。農民は、収穫までもう少し待ってくれ、これを収穫しないと子供の学費が払えないから、と泣き叫んでいましたが、お構いなしに薙ぎ倒していました。これは、YouTube動画で見ました。
こんな国と未だまともに付き合えると思っているのか、二階氏に訪中を頼んだとか。
>こんな国と未だまともに付き合えると思っているのか、
こんなお花畑脳も、根こそぎ洗浄してくれないかな?誰か。
さより様
色々とご返信頂きましてありがとうございます。元々、ここ数年は日本人の対中感情が悪化しており、70%近くの日本人が親しみを感じないと回答していたと記憶しています。今回の件で90%近くに跳ね上がり、中国人は処理水の件で訪日を取りやめ、日本国内の中国人が帰国してくれる、日本領海内での密漁が減り、我々が美味しい魚介類が手に入れ易くなると。メリットしか見当たらない感じがします。
中韓なんて、日本の何の偏向もないごく普通の義務教育の教科書を勉強していれば、中は、覇権の歴史、韓は、混沌と節操の無い訳の分からない歴史しかないとしか思えません。感情の悪化とか、感情では無く、客観的な歴史的に見た、彼の国達の本質です。ですから、近づき関係を持つ事がオカシイのです。
岸田は、希に見る大バカ総理だ。もしかしたら「trust、Me」といった鳩山由紀夫を凌ぐ大馬鹿者かもしれぬ。鳩山由紀夫のときは国民生活はましだった。岸田ときたら国民生活の真逆を行く鈍感さ。まだ2割強の支持率があるのがふしぎだ。支持してる奴等はマゾかよほどのバカか。安倍晋三がいきていればなぁ。
戦後大抵首相、その汚名をしょいかねない展開が続いています。
政府というのは、彼にとって自らの名声を高め、手柄を増やしてくれる都合のいい道具であって、だからこそ増税という禁句を口にして憚らず、官僚たちをおだてては安っぽい智慧を上申させ、ばら撒き補助金でうまく仕事をやっているつもりでいるのです。コロナからの立ち直りという重大なフェーズにおいて、彼のような愚かな総裁を選んだ自民党の罪は本当に深いです。
近隣諸国の嫌がらせよりも日本政府に腹が立つ。そう言う人が最近多くなってきましたね。愚策ばかりの岸田さんだが、不思議なのが具申する人が周りにいないのですかね?聴く力があると自分で言う位だからきっといないのでしょうね。まあ自分の長所を自慢する奴でその通りだった奴は余り見たことはないですが。いやきっと聴力検査に合格したことを自慢していたのかもしれませんね。
ふるさと納税は総務省管轄だったのか?凄いな。あの悪名高いNHKも総務省だったよな。利権が少ないから必死だな。高市早苗でも手付かずなら省益が大きいんだろうな。官僚もくさってんな。政治家もヒドイが官僚もヒドイ。報じない、オールドメディアも癒着が激しいのなら信頼感は乏しい。ま、菅義偉を手放した今日本国民の思慮のなさ、定見のなさが岸田のバカの政権を招いたことにきづくべきだ。覆水盆に返らずで、死んだ子の年を数えるようなものだな。
こんにちは。
今日チラ見ですが、関西地区(と一部地域)で放送されている”教えて!ニュースライブ 正義のミカタ”で、この投稿とほぼ同じ事を、高橋洋一先生が仰ってたので苦笑しました。
先に会計士さんの投稿を拝見してたもんだから「デジャヴ」と言ったら大げさですが、TV番組の方がパクったかのように感じましたww
たまたまかもしれません(会計士さん失礼)が、中身のある発信を、一般人が先に出来る時代になってるんだと改めて思いましたね。
しかもTVは制作費やらギャラやらおカネかけてますが、こちらは会計士さんの時給というか手間賃だけですから、コスパも高いですよね^^