現在まさにハイパーインフレを経験中のアルゼンチンの事例
「通貨論」というと、どうしても「専門的な用語」、「複雑な統計」などを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、その一方で、通貨論自体は意外とカジュアルです。おカネは経済の血液のようなものであり、私たちの日常生活とも密接につながっているからです。そこで本稿では、日常生活の延長としての通貨論として、(情報自体は少し古いですが)諸外国の現金事情から垣間見えるカジュアルな通貨論を紹介したいと思います。
2023/08/20 23:33追記
記事のURLが間違っていましたので修正しています(内容は変更していません)。
目次
身近な通貨論
「通貨論」は意外とカジュアル
当ウェブサイトではときどき、国際決済銀行(BIS)の国際与信統計(Consolidated Banking Statistics, CBS)だの、日銀の資金循環統計だのといった専門的でマニアックな統計をもとに、通貨論について議論するのですが、
基にした高度な議論もさることながら、通貨論というのは、意外とカジュアルです。
当たり前の話ですが、私たち現代人は、「おカネ」を毎日のように使っているからです。だからこそ、おカネの議論は、意外と私たちが日常の延長線上で理解できるのです。その典型例が、昨年の『「小銭逆両替」という社会的ニーズはビジネスチャンス』などでも取り上げた、「小銭とキャッシュレス決済」という論点でしょう。
ゆうちょ銀行がATMでの硬貨預入手数料を新設するなど、「小銭受難」の時代が到来しています。こうしたなか、神社が両替をする時代がやってきたのかと思いきや、その続報を見ると、両替はかなり限られた回数で終わってしまったようです。ただ、世の中にはニーズがあればかならずサービスを提供する業者が出現するものです。小銭マッチングアプリのようなものを、誰かが開発したりしないものでしょうか。神社が両替する時代、到来か!?以前の『小銭受難時代、とうとう神社も両替業に参入するのか?』では、大阪府にある交野住吉神社... 「小銭逆両替」という社会的ニーズはビジネスチャンス - 新宿会計士の政治経済評論 |
最近、わが国では「小銭受難」の時代が到来しています。銀行に小銭を預けるにしても、また、小銭に両替するにしても、多額の手数料が必要となっており、言い換えれば、「現金で支払い、お釣りをもらう」という商取引の在り方が、抜本的な変革を迫られているのです。
実際、個人営業の飲食店、商店などに出掛けると、少し前までであれば現金しか使えませんでしたが、最近だとSUICAやPayPayなどのキャッシュレス決済が使用できる店舗も徐々に増えつつあります。
あるいは、ランチにしたって、あまり細かい刻み(一円単位、十円単位など)は避け、たとえばキリよく「焼肉定食950円」、「ハンバーグ定食900円」、といった具合に、50円、100円刻みで値段設定をする飲食店も見かけるようになったように思えます。
これも時代の流れでしょうか。
街の小売店ですらこうなのですから、全国的なスーパーマーケットのチェーン店、コンビニエンスストアのチェーン店などに出掛けると、現金だけでなく、クレジットカードから電子マネー、ペイアプリなど、たいていの決済手段が整っており、それらを自在に使用することが可能です。
今から5年後、10年後を見据えると、ますます現金が敬遠され、キャッシュレス決済が一般化していくことは間違いないでしょう。自販機でも電子マネー、キャッシュレス決済対応のものが増えてくると思われますし、大手チェーン店はもちろん、個人経営の店舗などにもキャッシュレス決済は広まるでしょう。
災害時の備え?機能通貨を蓄えておくのも有効
もっとも、「私たちの生活から現金が100%排除される」、といった未来については、さすがに予想し辛いところです。とりわけ、多くのキャッシュレス決済は電源や通信網の存在を前提としているため、震災、台風などの災害時にはこれらが機能しなくなるリスクもあります。停電、通信の途絶には弱いのです。
これに対して現金は、決済手段としては「最強」です。災害などによって停電していたとしても、現金であれば、自在に使用することが可能だからです。
こうしたなかで、東日本大震災、阪神・淡路大震災の経験者は、「10円玉や100円玉、1000円札といった便利な幣種、券種を、自宅には常に備えておいた方が良い」、などとアドバイスします。ある意味では、非常食を備蓄しておくようなものだともいえます。
10円玉、100円玉、1000円札など、頻繁に利用されるおカネのことを、ここでは便宜上、「機能通貨」とでも呼びましょう。
海外の現金事情①2010年代の香港の場合
この「機能通貨」は、国によってさまざまですが、じつはこの「機能通貨」を比較すれば、日本と外国の物価感覚を比較することにもつながります。
少し情報が古くて恐縮なのですが、「山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士」は、かつて円高だった2000年代後半から2010年代前半を中心に、かなり頻繁に海外に出掛けていたことがあります。
当時はまだコロナがなく、日本のパスポートと航空券さえあれば、地球上のたいていの場所には自由に出かけることができました。外国の入国審査官に対し、日本国のパスポートを見せれば、たいていの国ではとくに入国目的を尋ねられることもなく、一発で通してくれたからです。
また、諸外国では物価も現在ほど高くはなく、ホテル代や食事代も、(国によりますが)日本国内で宿泊したり、食事したりするのと比べ、大して変わらないか、国によってはずいぶんと安かったものです。
こうしたなかで、とくに私たち日本人にとって興味深い事例があるとしたら、香港ではないでしょうか。
「香港」と聞くと、私たちの多くは、「先進的で洗練された金融都市」、という印象を抱くことが多いと思いますが、少なくとも著者自身が頻繁に訪れていた1990~2010年代の香港は、「おカネ」の面から見れば、残念ながら、決して「洗練された都市」とは言い難い街でした。
観光客向けの飲茶店などを除けば、個人が経営するような小規模店舗では、現金払いしか受け付けてもらえず、クレジットカードなどは使用できませんでした。香港では早くから「八達通(オクトパスカード)」と呼ばれる交通系ICカードが普及していたわりに、2010年代の香港では、キャッシュレス化は遅れていたのです。
(※現在の事情については正直、よく存じ上げません。このあたりについて、詳しい方がいらっしゃれば、読者コメント欄などで教えてください。)
その香港で当時、頻繁に利用されていた「機能通貨」は、間違いなく、20香港ドル紙幣でした。為替相場は1米ドル≒7.8香港ドルですので、かつて1米ドル=80~100円の時代だと、1香港ドルはだいたい10~13円程度であり、したがって20香港ドルは円換算でだいたい200~260円ほどでした。
香港では当時、20香港ドル紙幣があれば、街の小汚い(失礼!)食堂ではランチを食べることができましたし、街中で食べ歩きをするときにも、20香港ドル紙幣などが飛び交っているなど、香港ではこの20香港ドルは大変便利な紙幣でした。
まさに20香港ドル紙幣は、日本でいう500円硬貨の感覚に近かったのではないでしょうか。
非常に乱暴な言い方をすれば、当時の香港の「体感物価」(?)は、日本と比べてだいたい2分の1程度だった、ということでしょう。
海外の現金事情②台湾の場合
これと同様に、同じ中華(?)圏で日本人に大人気の渡航先が台湾ですが、その台湾の「機能通貨」は、やはり2010年代は100台湾ドル紙幣だったのではないかと思います。
台湾ドルは米ドルに対し、おおむね1米ドル=30台湾ドル程度であり、同じく2010年前後は1ドル=80~100円程度だったことを思い出しておくと、100台湾ドルは日本円に換算して270円~333円、といったレベルであり、その価値は20香港ドルとだいたい一致します。
ただ、台湾ではこの100台湾ドル紙幣が、日本でいう1000円札と同じような感覚で流通していたように記憶しています。したがって、50台湾ドル硬貨は、日本でいう500円硬貨のようなものです。
先ほどの香港の感覚に当てはめるならば、当時の台湾の「体感物価」は、日本と比べて3分の1から4分の1程度、という計算です。
もっとも、香港でも台湾でも、高級レストランでの食事代は日本とさして変わりませんでしたし、当時からホテル代は高く、中級ホテルの場合だと、正直、日本の地方都市で宿泊するのとあまり変わらない水準だったので、この「体感物価」という議論はずいぶんと乱暴ではあります。
特殊な事例と貨幣経済崩壊
海外の現金事情③自国通貨以外の通貨が通用している国
こうしたなかで、さまざまな国に旅行に出かけて気付いたのは、国によっては、自分の国の通貨よりも外国の通貨の方が信頼されている、という事例がある、という事実です。
その事情はさまざまです。
たとえば香港にほど近いマカオの場合、カジノなどで潤っているためか、近年は非常に豊かな都市として知られていますが、意外なことにマカオでは独自通貨であるはずのマカオパタカがあまり使われておらず、基本的には香港ドルをそのまま使うことができます。
香港観光のついでにマカオを訪問する人は、わざわざ両替屋でパタカを手に入れる必要はなく、香港で入手した香港ドルをそのままマカオで使うことができます。
ただ、これは別に、マカオでパタカが信頼されていない、という意味ではありません。ちゃんとパタカも等価で使うことができます。ちなみにマカオパタカは香港ドルに対し、1香港ドル=1.03パタカでほぼ固定されているため、必然的に1米ドル≒8パタカ前後、という具合に、為替相場は非常に安定しています。
少し「せこい」話をすれば、マカオに到着したら街中のレートの良い両替商に香港ドルを持ち込み、パタカに好感してもらうと、ほんの少しだけ儲かります。たとえば1000香港ドルで1029パタカ程度を手にすることができますので、香港ドルのまま使うのと比べ、29パタカ分だけ余分におカネを使うことができるのです。
(※ただし、パタカが使えるのはマカオに限られ、香港では使えませんので、両替のし過ぎにはご用心を。)
海外の現金事情④その国の通貨自体が手に入らない、というケースも!
さて、もう少し「面白い事例」があるとしたら、それはアルゼンチンかもしれません。
今からもう10年以上前にアルゼンチンを訪れたのですが、当時の為替相場は、1米ドル=5ペソ少々、1ドル=100円ほどでした。このため、空港のATMで、日本円に換算して1万円少々を引き出すと、だいたい500ペソほどが手に入ったのです(つまり1ペソ≒20円、といった水準です)。
ただ、500ペソという紙幣、内訳は100ペソ紙幣(約2000円相当)が3枚、50ペソ紙幣(約1000円相当)が4枚だったのですが、当時のアルゼンチンではこれらの紙幣が「高額紙幣」だったらしく、市内に向かう空港バス(料金55ペソ)チケットは「お釣りがない」という理由で、受け取りを拒否されてしまったのです。
この点、空港バスやホテルなどに関してはクレジットカードが使用できたため、事なきを得ましたが、ブエノスアイレス市内で地下鉄に乗ろうと思い、チケット(たしか1.2ペソだったと思います)を買おうとして100ペソ紙幣を差し出したら、これまた拒絶されてしまいました。理由は同じく「お釣りがないから」、です。
この「細かいお釣りがない」、という不便さは、アルゼンチン旅行全体で満遍なく経験しました。
たとえば現地のスーパーで買い物をした際には、さすがに100ペソ紙幣を「拒絶される」ということはありませんでしたが、それでもお釣りがなかなか出てきませんでした。レジ係の人が店中を駆けずり回り、なんとかお釣りの小銭を揃えて渡してくれたのですが、紙幣やコインが流通していないというのは非常に不思議に感じたものです。
その理由は、インフレが進行していたから?
ただ、この「アルゼンチンで小銭などが流通していない」という理由については、長年謎だったのですが、そのヒントがあるとしたら、それはアルゼンチンの通貨・ペソが米ドルなどに対し、継続的に下落していることかもしれません。
国際決済銀行(BIS)のデータをもとに、アルゼンチンペソの対米ドル相場(USDARS)を調べてみると、8月11日時点の為替相場は1米ドル=287.29ペソであり、これは10年前に1ドル≒5ペソという水準と比べ、じつに50倍以上(!)です(図表1)。
図表1 USDARS
(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, US dollar exchange rates (daily, vertical time axis) データを参考に著者作成。なお、8月8日以降のデータはWSJのマーケット欄を参考に手入力)
そんなアルゼンチンでは、政策金利も日本などと比べて、ずいぶんとお高めです。同じくBISのデータに基づけば、アルゼンチンの政策金利は8月10日時点で97%でした(図表2)。
図表2 アルゼンチンと米国の政策金利比較
(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, Policy rates (daily, vertical time axis) データをもとに著者作成)
ところが、これには続きがあります。ロイターの報道によると、8月14日付で同国中銀は政策金利を118%(!)にまで引き上げたというのです。
Argentina raises interest rate, devalues peso after shock primary election -official source
―――2023/08/14 22:54 GMT+9付 ロイターより
ちなみにロイターの他の記事によると、同国のインフレ率は100%を超えているのだそうであり、アイスクリームの値段に至っては、たった1ヵ月で2倍になった、などと記載されています。
Ice cream prices double in a month as Argentina battles inflation
―――2023/08/18 05:08付 ロイターより
先ほど、「2013年の時点で1ドル=5ペソ程度、1ペソ=20円程度」、「最高額面紙幣は100ペソ(約2000円相当)」、という情報を記載しましたが、たった10年後には1ドル=300ペソ直前にまで暴落。先日発行された最高額面紙幣である2000ペソは約6ドルほどの価値しかありません。
札束で買い物をする日常:米ドルが信頼される社会
さて、こうしたなかで時事通信には今月10日付で、アルゼンチンの生活に関し、こんな記事が掲載されていました。
超インフレ下の街並が平穏な理由 ブエノスアイレスで見つけた日本人が忘れかけているもの ジャーナリスト・佐々木はる菜
―――2023年08月10日10時00分付 時事通信より
記事を執筆したのは、現在はアルゼンチンに在住するジャーナリストの佐々木はる菜さんです。
時事通信によると佐々木氏は今年4月から夫の仕事の都合でブエノスアイレスで子供2人とともに暮らしていらっしゃるのだそうですが、記事の冒頭ではなかなかに生々しい(?)写真が掲載されています。スーパーと思しき場所で、店員さんが「500ペソ紙幣」を数百枚束ねて白い札帯を巻いているのです。
記事のサブタイトルによると、最高額面紙幣である2000ペソの価値は「500~600円ほどしかない」、などと記載されていますが、BISデータをもとに換算すれば、いちおう1000円近くの価値はありそうです(ドルに対する円安も進んでいるため)。
もっとも、闇レートなども考慮に入れるなら、「最高額面紙幣が500~600円の価値」、というのは、あながち誇張ではありません。
佐々木氏の文章には、「スーパーマーケットでのちょっとした買い物で札束を出す」、「1ヵ月単位で身の回りのモノやサービスの値段が目に見えて上がっていくことにも驚かなくなった」、といった表現がありますが、現在進行形でハイパー・インフレを経験している国に暮らしている人の実感は貴重です。
ただ、それ以上に興味深いのが、こんな記述です。
「銀行には現金がなく何軒回っても引き出せないなんて日常茶飯事でATMはガラガラ。価値が下がり続ける現地通貨のペソよりもドルを持つことが良しとされ、両替所でドルを換金しながら生活している人も多くいます」。
「銀行には現金がない」、「おカネを引き出すことができない」、「人々は米ドルで生活防衛をする」。
まさに典型的な貨幣制度の崩壊状態です。
想像するに、もしかして、アルゼンチンの「現金不足」の根本原因は、紙幣を刷ってもすぐに価値が減ってしまうことにあるのではないでしょうか。
また、正直、この記事は大変に面白いです。時事通信のこの記事は登録読者限定版であるため、記事の紹介はこの程度にとどめますが、(現在のところは)読者登録自体は無料でできるようですので、是非とも読者登録の上、全文を読むことをお勧めしたいと思います(※べつに時事通信の回し者ではありませんが…)。
おカネは経済の血液
以上のとおり、通貨論といっても、意外とカジュアルな側面があることは間違いありません。
そもそもおカネは経済の血液であり、私たち一般人にとっても、日常生活で頻繁に関わるものでもあります。こうした「おカネ」から垣間見える通貨論は、じつは案外、私たちにとって身近なものであり、とりわけ貨幣経済が崩壊しそうな国から眺めれば、通貨というものがよく見えてきたりするものなのかもしれません。
いずれにせよ、経済・金融は見かけほど難しいものではなく、案外、日常生活の延長で理解できるものであることは間違いないでしょう。
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おはようございます。
あるサイトで、「国債は国の運転資金である」という例えを見ました。
日本国の国債発行残高が1100兆円、日銀の買取国債が5~600兆円。おおよそ500兆円程度が市中を流通していると思いますが、岸田政権と財務省は増税と物価高で流通資金の回収をしている。だから、景気が良くならない。
という解釈で合っているのでしょうか?。
最近はスマホ決済を利用される方も当たり前になりましたけど、決済機能をスマホに集約するのは平気なのに、行政サービス利用証明をマイナンバーカードに集約するのに批判が殺到するのは不思議です。
>いずれにせよ、経済・金融は見かけほど難しいものではなく、案外、日常生活の延長で理解できるものであることは間違いないでしょう。
身近なネタで通貨のお話しがあると、肌感覚で感じれて良いですね!
高すぎる政策金利の支払い負担を新規の通貨発行で賄い続ければ、「必然的に物価上昇は已む無しなのかな?」と思いました。
対ドル価値が30年間でざっと1000分の1になったロシア・ルーブルは、年換算で26%。
対ドル価値が10年間でざっと50分の1になったアルゼンチン・ペソは、年換算で48%。
・・ってところでしょうか?
まあ、食糧事情がカツカツの中国と違って、自給率さえ維持できてれば、国民が食べるのには困らないとは思うのですが・・。
インフレと通貨流通に関して、よもやま話風に。
インフレ:
1.ハイパーインフレと聞いて先ず思い出すのは、第1次大戦後の「ヴァイマル共和政のハイパーインフレーション」。
教科書に、紙幣がパンパンに入っているリュックを担いでいる人の写真が載っていて、この札の量で卵が1個買えるとか何とかの説明が付いていたように思います。
2.日本は、第2次大戦後の超インフレを抑えるための、預金封鎖と新円発行で、相当強引な国民の財産没収と貨幣流通量の制限を行ったらしい。今、財務省は国債残高を減らす為にこの時に似たことを目論んでいるのではないか、と心配している人もいるようです。相続税の増税策は、言わば財産没収策ですから。その他の増税策も着々と・・・?
ニセ札:
3.アメリカでは、偽札の流通率が30%程で、偽札を掴んだ人は、それを次の人に無事に受け取って貰うことに必死になるそうで、ある意味ババ抜き状態であるとか。そして、偽札を受け取った場合の損害を少しでも減らす為に、100ドル札などの高額のドル紙幣は、スーパーなどでは受け取って貰えないらしい。
4.戦争が起こると、敵国の経済を混乱させるために、敵国の偽札を作って敵国へ流通させることも戦争手段の一つだとかで、ドイツが作った偽ドル紙幣は相当に精巧だったとか。
キャッシュレス:
5.中国では、現在殆ど紙幣は使われておらず、殆どがスマホの電子マネー決済になっているとかで、若い人の中には、紙幣や硬貨を見たことが無い人もいるとか。
6.インドでは、電子決済に政府を挙げて取り組んでいる。紙幣の印刷と流通などの手間とコストを考えれば、インドでは電子決済を普及させた方が経済を発展させ易いようです。
他国通貨の流通:
7.昔、韓国へ行った時は、日本円の方が喜んで受け取ってくれるという話でした。紙幣のみならず、硬貨も受け取ったことには驚きました。
電子決済いろいろ:
8.今、スーパーなどでは、Suicaでの支払いが出来ない所が出て来ています。Paypayは、どこでも使えます。それは、手数料率と支払い期日の問題の様です。Paypayは、手数料率が小さく(2%?)支払いは翌日か翌々日に銀行に振り込まれるとかで、安売りスーパーでも大歓迎な支払い方法らしいです。
これは、小売店側には、本当に大きなメリットがあるようです。翌日又は翌々日支払いとは、殆ど現金で代金を受け取ったと同じ感じで資金繰りが出来る上に、現金をイチイチ数える手間が完全になくなる訳で、その現金扱いの手間コストが削減できます。しかも、銀行振り込みであれば、態々銀行に預け入れに行く手間コストも削減できます。これだけのメリットがあれば、手数料率2%は安いものなのでしょう?
Suicaは、手数料率も大きく、支払いも遅いので、小売店にとっては、ダブル(売上金額=利益が減る・資金繰りに苦労する)で、電子マネーを扱うメリットよりもデメリットの方が大きいようです。
9.楽天は、楽天ポイントを餌にして、楽天カード・楽天銀行内でお金を循環をさせようとしているそうで、その額、年間18兆円規模だとか。この戦略のお陰で、楽天は、モバイル事業以外は、毎年必ず利益を生み出す企業グループ体質になっているそうです。楽天帝国と言われる所以なのでしょう。
しかし、モバイル事業で今大赤字を出していて、カードも銀行も上場させなきゃならなくなってしまったようです。スマホでの電子決済も自前のグループで持って、楽天帝国内への顧客の囲い込みを盤石にしようとした、三木谷さんの目論見とは異なる方向へ動いているようです。
こう考えてきますと、通貨は、面白くてカジュアルなものかな?という気になってきます。
>6.インドでは、電子決済に政府を挙げて取り組んでいる。紙幣の印刷と流通などの手間とコストを考えれば、インドでは電子決済を普及させた方が経済を発展させ易いようです
google flights をいじっていたらゲロ安航空券が目に入ってしまい、4年ぶりに海外旅行して来ました。半月遊んでました。4年ぶりのインドでは電子決済が恐ろしい社会変化を引き起こしていました。詳しく書くととっても長くなりますのでいつか稿を改めて説明するとして、今はとりあえず UPI に注目せよとだけ指摘しておきます。 AADHAAR 恐るべし。
旅程途中シンガポールに朝8時から午後5時まで滞在しましたが、市中でがんがん活動するのに VISA デビットだけで切り抜けることができました。あれがなかったら万事休すでした。支払ったら即座に日本円換算引き落とし額がメール通知になります。現地通貨は手にしていませんし、日中活動していて目にもしませんでした。
はにわファクトリー様
>>詳しく書くととっても長くなりますのでいつか稿を改めて説明するとして
拝読できますこと、楽しみにしております。
香港といえば昔から国際金融都市だったはずだが、観光客の外貨両替に関しては悪名高かったようだ。かなり昔の経験だが、空港で円を香港ドルに両替してホテルに向かうタクシーの中で両替の明細を見てあまりのレートの悪さにびっくりしたことがある。レートの悪さに加えて両替1回ごとに手数料を取っていたのだ。旅先で泥棒にあったような嫌な思いをした。「なんで金融都市の香港が?」という感想。
両替にまつわる悪評は香港を旅行する外国人の間では有名だった時期だ。
今の香港は(といっても最後に香港に行ったのは7年前だが)そこまで悪くないようだが、それでも両替は最小限にとどめてなるべくクレジットカードを使うというのが一番得ではないかというのが教訓。
外貨両替で一番思い出に残っているのは1980年代終わりのミャンマーだ。
当時、世界で唯一コカ・コーラの飲めない国と言われていた。
入国時に100ドルの強制両替があり、もちろん公定レート。
例えば1ドル5チャットで100ドルだから500チャットに両替してくれる。
ところがバンコク空港の免税店で買った10ドルのタバコ1カートンが空港出口にたむろする子供が500チャットで買ってくれるのだ。モノはタバコでもウィスキーでもいい。好まれる銘柄は「地球の歩き方」に書いてある。公定レートとの差は10倍という事になる。
闇両替は違法だがモノを介していればOKということなのだろう。この方法は日本人ばかりでなくほぼすべての観光客がやっていた。
sqsq様
わたしがミャンマーに数回行ったのは2000年代に入ってからのことですが、当時の公定レートは、おおよそのところ10チャット1円、1000チャット1ドルくらいが目安でした。
免税店で買った品物を買い取るためにたむろす子供というのは、多分もういなかったと思いますが、バガンの史跡などに行くと、絵はがきだの、砂絵だの、仏像のミニチュアだの、現地風の意匠の織物だのを持った子供が近づいてきて、買ってくれと言う。言い値は100円かその倍数。観光客相手に必要な日本語くらいは使いこなすし、こちらが帰国した直後に要りような小銭をしっかり持っているのを、ちゃんと知っている。
それにしても、一度たりとも最初に日本人かと尋ねられたことがないのは、今にして思えば不思議。どうやって、中国人でも韓国人でもなく、日本人だと分かるのか。別に大声で会話していた覚えはないけれど、連れとの会話に耳をそばだててたんでしょうかね。
安いものだし、多分そこでしか手に入らないものだろうからと、値切らずに買うことになるのですが、チャットで払いたいが良いかというと、それはダメだと言う。その日の稼ぎを親方のところに持っていって、手数料をもらうんでしょうが、親方はさらにそれをわれわれ外国人訪問客では利用できない所で、「真の」交換レートでチャットに替えることで、存分に儲けているのでしょうね。
それにしても、子供の時期から、通貨経済の深淵にまで触れる知識をもつ環境だからといって、それが国の経済発展に繋がるわけではないというのは、なんとも皮肉なはなしと言わねばならないでしょう。
>どうやって、中国人でも韓国人でもなく、日本人だと分かるのか
何か日本人の特徴(日本人が気づいていない)を把握しているのかもしれないですね。
昔みたブルースリーの映画でスパイが日本人だとバレるシーン。
「なな、なんとお前ら日本人だったのか」「むむむ、見られてしまったか」
その見られてしまったものが「毛糸の腹巻」
中国人から見て奇異なものなのでしょう。
最近銭湯に行かないからわからないが、いまでもラクダ色の毛糸の腹巻する人っているのかな?
>どうやって、中国人でも韓国人でもなく、日本人だと分かるのか
ほぼ分かります。日本人は、基本的に他人に対する信頼感と世の中安全だと思っているので、のんびりとしていて顔に張り詰めたものがないですね。
中韓人は、顔に張り詰めた緊張感があります。その緊張感の中でも、他人に優越したような余裕感があるのがC、ほぼ余裕感のないのがK。
これは、番組名を知らずに途中からドラマを見た時でも、登場人物を見た瞬間に、華流ドラマか韓流ドラマかが分かります。
Youtubeで、タイで、タイ人に日本人かどうか分かるか?と訊く動画をやっていましたが、皆、直ぐにこの3者が分かると答えていました。
日本国内でも、分かります。
さより様
>日本人は、基本的に他人に対する信頼感と世の中安全だと思っているので、のんびりとしていて顔に張り詰めたものがないですね。
ウウム! 最初からカモと見切られてたのか!!
伊江太様
カモというか、行儀良くて、礼儀正しくて、親切で、優しい、という感じらしいです。CKは、傲慢・偉そう、とか。何となく雰囲気が違うんですかね。子供は、特にそういう所に敏感だから分かるんじゃないでしょうか?
sqsq様
昔々大昔、日本人が海外旅行に出かけると言うと、周りの人から、スリ被害に遭わぬように、パスポートと財布は腹巻きの中に仕舞うとけと、アドバイスされたんじゃそうな。
行った先の国のデパートの店員さんなんぞは、はじめ客が会計をするとき、上着どころかシャツのボタンまで外し始めるのを見て、魂消たそうじゃが、そのうちカネを持ってる日本人の習俗と理解すると、客にうまく「腹切り」させてこそ優秀な売り子と、言われるようになったんじゃそうな。
どっと払い
今でもホントの高中には中には、こんな人まだいるかも知れませんね(笑)。
「高中」→「高齢者の中」です。失礼しました。
腹切り(笑)
もう30年近く前ですが、空港ロビーで「今のうちに両替してね」と言われ慌てて腹巻を外しヘソまで出して周囲のおっさんに笑われたのを思い出しました。中正国際空港、いまの桃園国際空港での話です。
10年超前のバックパッカー時代を思い出しますね
身近な東南アジアでは、カンボジアのATMに国際キャッシュカードを入れると、当たり前のように米ドルを引き出せました。現地通貨のリエルは銀行店頭のみの取り扱いなのか?
ベトナムのATMでは400万ドンという見慣れないケタの額(2万円相当)を引き出しました
ゼロの多さに釣り銭等を騙されるツーリストも多いと聞きます
ほか、インドと中国はボロボロの紙幣を受け取ってもらえず、さながら「ババの押し付け合い」のよう。そしてミャンマーではボロボロの紙幣もテープで張ったり、袋に入れて流通する。
キャッシュは身近なだけに、苦労や国民性が垣間見られて面白いですね
外貨といってもコインは、日常的に必要な国が多い。特にトイレの利用料が必要な国では一定のコインを所持していない場合には、トイレに入れないか札を出さなければならない。たばこなとで代用したこともあるが、今は吸わないので代用品がない。で、帰日する前に再両替しようとしてもできない(額的に)ので「旅の思い出」として持ち帰る。壁崩壊前の東欧4か国で、そんなこんなでたくさんのコインを持ち帰ったことがあるが、友人に上げたら「ゴルフのマーカーにする」と大変喜ばれた。数年前、キューバに行ったとき、ゲバラが彫られた1人民ペソが欲しくて買い物してはお釣りをもらい、ずうずうしくもゲバラ硬貨を求めたが人気らしくほとんどなかった。で、宿舎の近くのホテルの売店で、ゲバラ硬貨がなかなか入手できない、と店員にいったら、別の指導者の硬貨を持ってきてくれた(「サン マルティ」とか言ったと思う)。で、お礼にとチップ込み(のつもりで)ユーロ紙幣を上げようとしたが受け取ってくれなかった。なんかキューバが大好きになって、その店でたくさんの買い物をした。通貨と言えばコインの思い出だ。
インドネシアのレストランで請求書をみたら125,900ルピア。
130,000ルピア払ったら釣銭を4,000ルピアしかよこさない。
なんと横着な!と思ったが計算してみたら差は1円。
しばらく飛行機に乗っていなかったらその間に世界はずいぶん変わってしまいっていました。ネットで目にする旅行記体験記は現状を反映できておらず、いざ現地に到着したら事前に仕入れていた知識が役に立たなくなっている可能性は大です。気をつけましょう。
企業活動や国際会計の専門家であるサイト主どのも薄々気が付かれているように、現状日本の金融活動そのものが時代錯誤=アナクロイズムの思考硬直に陥ったままであり、同時に日本型キャッシュレス決済「改革?」が不必要に複雑であって、当方の鈍い直感によればそうばん行き詰まる、その理由は政府や銀行業界がものごとの本質に立ち入らずに勉強不足で間抜けだからと考えます。
先日おっしゃっていた高雄に行かれていたのかと思ってました。
高雄には過去にそこに住んでいた父親(日本統治時代)の案内で一度行ったことがありますが、85から見下ろす木津半島内側の天然の良港の景色が圧巻でした。おびただしい数のコンテナ船。
台北と違って日本語が通じなくて難儀しましたが、いい街でした。
台湾行きはタイミングを見計らっているところです。じき行きます。まともなビジネストリップを狙っていますで事前調査が重要。いい話を聞かせてくれそうなひとが集まっていそうなところ、未来を切り拓く僥倖が落ちていそうなところを探しています。やっぱ新聞ではまるで駄目で JETRO 情報ですかね。インターネットがあってよかった。