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ツイッターの「背景情報」が「まとめサイト」にも表示

ツイッターの「ノート」、ついに「まとめサイト」などにもついたようです。なかなかに興味深い現象です。一部の「まとめサイト」は、「朝日新聞が記事を削除して逃亡した」とも読みとれる情報を記載しているのですが、「背景情報(ノート)」では「(記事が配信されたポータルサイトでは)一定期間が経過すると公開を終了する」という一般論を述べたうえで、「朝日新聞の元記事は現在も公開されている」などと指摘しているのです。

玉木雄一郎氏に「ノート」が付いた

先日の『ファクトチェック大幅強化するツイッター新機能の衝撃』では、ツイッターで最近、目立ち始めた「背景情報(ノート)」について、話題として取り上げました。この「背景情報」ないし「ノート」は、「コミュニティノート」参加者が特定のツイートに対して加える注釈で、いわば、「不正確なツイートの理解を正す」効果が期待されるものです。

ただ、この背景情報を「ファクトチェック機能だ」と位置付けるのは、これはこれで誤りだったようです。

ツイッター上の『役に立つコミュニティノート』(@HelpfulNotesJP)というアカウントに最近、アップデートされた「ノート」を見ると、興味深いものが目に付きます。国民民主党の玉木雄一郎代表が発信した次のツイートが、その事例のひとつでしょう。

玉木氏はこのノートを、「いわゆるフェイクニューズの拡散を防ぐためのファクトチェック機能」と位置付けたところ、このツイート自体にノートが付いたのです(※ただし、現時点でノートは再び確認できなくなっています)。

玉木氏自身はこれを受け、「コミュニティノートは書かれていることを補完することが目的」で、「事例によってはフェイクニューズにファクトチェックを行う役割になることがある」にせよ、それはあくまでも「副次的な効果である」とする認識を示しています。

個人的にこの新機能、事実上の「ファクトチェック機能」だとは思いますが、いちおう「ノート参加者」らの意見としては、「ファクトチェックは副次的な機能」であり、主な目的は「ツイートを補完すること」にある、ということです。

一部「まとめサイト」にも注意喚起が!

そして、このツイッターの機能については、一部のまとめサイトなどが誇張して紹介しているフシがあるのですが、これについてはなかなかに強烈な事例もありました。

ツイートを発信しているのは、正直、個人的には非常に警戒している「まとめサイト」のアカウントと思われますが、このツイートに対し、次のような趣旨の指摘が付いているのです。

コミュニティノートは記事の真偽を断ずるものではなく、内容に不足や誤解を招く可能性のあるツイートに他のユーザーが補足説明を加えるものです。

例えば、リンク先の朝日新聞の事例は「全体記事内には記載があるがツイートに要約した際に削られた」部分をコミュニティノートで補足したものであり、記事自体の真偽を述べたものではありません。

さらに言うと、リンク先は「(朝日新聞が記事を)削除して逃亡」と表現していますが、livedoorニュースは一定期間経過で公開を終了するため、「逃亡」したかは定かではありません。

朝日新聞の元記事は現在も公開されています。

非常に淡々と、冷静に事実関係を説明しています。

実際、この「まとめサイト」のリンク先記事を確認してみると、「ノート」が付いた朝日新聞の記事について、この「まとめサイト」はこう指摘しています。

配信元は朝日新聞、現在は『提供社の都合』により削除して逃亡」。

しかし、ノートの指摘通り、元記事は現時点においても朝日新聞ウェブサイトに掲載され続けており、これは「朝日新聞が逃亡」したのではなく、ノートの指摘通り、『livedoorニュース』における記事公開期間が終了したために削除されただけの可能性が高そうです。

「あのサイト」にも注意喚起が!

似たような事例をもうひとつ取り上げておきましょう。

こちらのツイートの発信者も、「まとめサイト」の一種のようなものでしょうか(ちなみに同アカウントの自己紹介文を読むと、「政治・経済情報を中心に、話題のニュースとネットの反応をまとめてお届けするウェブメディア」、とあります)。

先ほどの「まとめサイト」と並び、個人的にはこのサイトに対しても強く警戒しているのはここだけの話ですが、やはり同様に同サイトも「一部の大手新聞社や政治家ら、Twitterの『コミュニティノート』機能により嘘ばかり書いていることがバレ始める」などと記載。

これに対し、ノートではこんな補足が付されています。

コミュニティノートは記事の真偽を判断して書かれるものではなく、内容に不足や誤解を招く可能性のあるツイートに他のユーザーが補足説明を加えるに留まるものであることに留意してください。

例えば、リンク先の朝日新聞の事例は「全体記事内(特に有料部分)には記載があるがツイートに要約した際に削られた」部分をコミュニティノートで補足したものであり、記事自体を嘘と断じたものではありません。

このあたり、「『マスゴミ』の報道はすべてウソだ」、などと断じるような人もいるのですが、もちろんこうした認識は大きな間違いです(※ちなみに「マスゴミ」とは、「マスコミ」と「ゴミ」を掛け合わせた一種のネットスラングです)。

一部のノートにも疑問はあるが…

いずれにせよ、この「ノート機能」、おもに左派的なメディア・政治家、「反ワクチン」「親ロシア」「反原発」などのツイートに対し、現在のところ猛威を振るっているようなのですが、一見すると「保守的」(?)な政治家、サイトなどに対しても同様に注意喚起がなされているというのは、興味深い点です。

もちろん、このコミュニティノートを巡っては、「悪意のあるノート参加者によって乗っ取られたらどうなるのか」、「ノート参加者はツイッター社が恣意的に選別しないか」など、不安材料がないわけではありません。

また、ノート自体に問題があるという事例もあり、たとえば「このサイトは陰謀論で有名なアカウントで、過去にも誤った言説を発信してきました」など、やや決めつけではないかと懸念される記述もないわけではありません。

なにより、このノート自体は誰が参加しているかがわからないこと、ノートは匿名で公開されるなどの特徴を踏まえると、このノート機能が適正に運営されるかどうかについては、しばらく様子を見る必要はあるかもしれません。

ただ、ツイッター上ではそのノートが役に立ったかどうかを評価する機能があるようですので、結局のところ、ノートが適正に運営されるかどうかは個々のユーザーに委ねられているのだ、という言い方もできるのかもしれません。

いずれにせよ、興味深い機能だと思わざるを得ません。

新宿会計士:

View Comments (11)

  • 役に立つコミュニティノート
    https://twitter.com/HelpfulNotesJP
    フォローリストに入れて、目に止まった記事に対して評価をしておりますが、確かに少し疑問に思う背景情報貼付も目につくようになってきたと思います。評価も☆5の「はい」から☆3-2=1の「少し」くらいのものが出てきました。私は

    個人評価で言えば、ネタにマジレス?とか、主観で不要な背景じゃね?とか、不粋じゃね?とか思うあたりですかね。
    もちろん個人評価なので、同様に思う人が充分に多ければ背景情報は非表示になり・背景投稿ユーザーの評価点マイナスになりますが、少ない場合は私の評価は影響を与えず・私の評価点マイナスになる場合もあるかも知れません。過去の投稿傾向・評価傾向も継続して加味して、かつ左右バランスを俯瞰してシステム評価されているのなら、なかなかにバランス良い評価方法だと思います。

    役に立つコミュニサイトで背景情報を付けられるユーザーを眺めていると、ツイッター自身のトレンドを追うより面白いかも知れませんw
    例えば、「今の遺体は防腐剤を大量に食べてるから腐らない」などという伝聞情報を出すユーザー(似非健康・食事療法家?)のフォロワーが7万人以上居ることに驚愕したりです。
    https://twitter.com/Daisuke_F369/status/1678354027002871810

    普段能動的にネットで情報収集しているのでは多分気づかない情報でした(気づきたくもない闇だったかも知れませんがw)

    • 「今の遺体は防腐剤を大量に食べてるから腐らない」
      むしろ遺族はそんな奇跡が起きたら助かる。
      昨今は多死社会で焼き場は何日も順番待ち。大切な家族のご遺体を傷ませないように少なくない遺体保管料(低温保存)を払わねばならない。うちの親戚も1週間待ちだった。
      腐らないなら自宅でゆっくりお別れも出来るかもしれない。

  • 最も注目すべきなのは、玉木氏が自らの不明を認めて訂正しているところかもしれません。
    いわゆる”あっち系”の人たちにこのような事態が起こった場合、すかさず削除してなかった事のように振舞うか、それとも論点をずらしながら狂ったように噛みついてくるか、が多いように感じますので。

  • まとめサイトは参考になる所もありますが、ほとんどの所が大げさかつ思わせぶりなタイトルで
    ”ひっかけ”を狙ったり、確定ではない情報を流して後のフォローはほったらかし、な
    パターンが多いですからね。右側も、左側も。

    そういうサイトは「ネット掲示板の悪乗り」を”ジャンクフード”の様に楽しむつもりで
    見ています。真面目には受け取らず「こんな騒ぎが起きている」程度に認識すれば良い。

  • ほんとにどうでもいいんですが、前回のツイッター関連記事で取り上げられていた「背景情報を付けられたファクトチェッカーさん」、あの人はネタアカウントだと思います。(笑)

    本物の活動家なのかネタなのか、区別が付かないギリギリを攻めるスタイルだと睨んでます。
    複数のツイートを読んでみないとわかりにくいですが、活動家を遠回しに揶揄してます。
    先日も仁○藤夢乃からブロックされてました。(笑)

    • 元雑用係様
      私もアレは釣り用のネタ垢に一票ですw
      まぁネタ垢だからこそ背景情報付けられてバズった上に、背景情報の方で拡散したい(であろう)保険証の違法利用やマイナの有効性が周知されるので、本人は万々歳じゃないですかね
      まぁ外国籍の男性(性自認は女性)あたりの不要な情報入れてるあたりで怪しいですしw
      使ってる用語がパワーワードだらけで数え役満みたいなものと思ってます

      追記。↑垢の確認のために、役に立ったコミュニティノートの古い履歴を掘り返してみたらツイート制限やツイート削除して逃亡してるのが結構ありますね。まぁ誰かが魚拓取ってるとは思いますが

  •  今のところは「完全に正しい情報を否定してしまう」ようなノートは付けられていない、のかな?事実部分を補足し、意見感想部分には警告を出すという機能である分には、十分期待できそうです。
     その正しいかどうかも時間等によって変化するでしょうが。例えば「1192年に成立した鎌倉幕府では~」というツイートがあったとして、それに対し以前であれば特に指摘はされず、今であればおそらく1185年だと指摘がされるはずです。また、今後の研究で実はまた違う年でしたなどという事になれば、以降ではまた新しい情報に変わるでしょうが、以前に指摘した「当時は正しかったが今となっては間違いとなった事実」のノートに対して再訂正などされるのか。
    (征夷大将軍就任=1192を以ってか、支配体制の設置=1185を以ってかという議論であり、当時に鎌倉幕府と呼んでいないのだからそもそも議論全体がおかしいという背景もあるのでそう指摘するか……かといって「諸説あるので注意」では身も蓋もない。)

  • このタイミングでこういう記事が出ています。

    「バランス崩れたツイッター 津田大介さんに聞くこれからの付き合い方」
    https://www.asahi.com/sp/articles/ASR7F3JCXR7BULLI009.html?iref=reron_lplist

    「マスク氏の買収後、(略)、不適切な投稿を管理・監督するモデレーションが機能しなくなり、公共の言論空間として荒れ始めている」

    同じ事象でも、見る人によって全く見え方が違う好事例ですね。また、彼らが考える適切な言論空間とはどういうものか、伺い知れる気がします。

    • コミュニティノートで都合が悪くなったのかどうかわかりませんが、津田氏のコメントを朝日が取り上げてるってのが象徴的です。

      「モデレーション」が基準も体制も不透明な伏魔殿で行われていたのに対して、コミュニティノートは基準も運用方針も、ノートの発行状況や参加者の活動状況も全てオープンで(基準が何を意味するか検証可能)、誰でもダウンロードして参照可能なんですよね。

      どちらが「より公正」かは、論を待たないと思います。

      ※コードに引っかかってしまったようでした。修正再投稿をお許しください。

    • 自分にとって気に入らない空間=荒れ始めているということなんでしょうね。

  • 反トランプ派はツイッターを酷評します。
    日本の新聞も NHK も同じように振舞っていることを考えると得られる結論はひとつ、トランプ復活が怖くてしょうがない、なぜなら知られてまずいことを彼が暴露するからです。