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    Categories: 金融

マクド再値上げか…物価上昇時代を生き抜くテクニック

マクド・ナルドが再び値上げをするとの報道が入ってきました。ただ、マクド社の報道発表を読むと、メニューごとの具体的な値上げ幅は明らかにされていません(というよりもそもそも「値上げ」という表現が使われていません)。これについてどう考えるべきか、まずは現時点で判明している事実関係を整理するとともに、値上げ幅を具体的に予想したうえで、値上げ時代を賢く豪遊するテクニックについても考察したいと思います。

じつは「値上げ」という表現を使っていないマクド

ついにあのマクド・ナルドが再び値上げでしょうか。

マクド社の公式ウェブサイトに19日付で掲載された『都心型価格の適用店舗再編のお知らせ』という告知によると、同社は2023年7月19日以降、「都心部に立地する184店舗」において、「適用価格を見直す」と発表しました。

ただし、マクド社は「値上げ」という表現を使っていません。あくまでも「適用価格の見直し」です。また、値上げ対象となる具体的なメニューと値上げ幅については、明らかにされていません。

ちなみにマクド社によると、これまでも、「空港や駅、遊園地、サービスエリアといった特殊な立地」(「特殊立地店」でしょうか?)や「都心部の一部」(「都心店」でしょうか?)の計約40店舗で、「賃料、人件費等の店舗運営コストを勘案して、その他の店舗と異なる価格設定」をしていた、などとしています。

ただ、「店舗運営コストの上昇」を背景に、「賃料、人件費等の負担が特に大きい東名阪エリアの一部の店舗」において、「都心型価格を新たに適用する」こととした、などとしており、対象となる店舗は全国約3,000店舗のうちの約6%にあたる184店舗、などとしています。

実際にカウントしてみると…184店舗ではなく228店舗

もっとも、『価格が異なる店舗一覧』なるPDFファイルがあるのですが、このファイルをもとに実際の店舗数を数えてみると、「184店舗」ではありません。空港やサービスエリアなどの「特殊立地店」が全部で13店舗、都心店が94店舗、準都心店が121店舗で、合計すると228店舗になってしまいます。

このうち「特殊立地店」は、千葉県に4店舗(すべて成田空港)あるほかは、東京都2(羽田空港)、静岡県1(足柄SA)、愛知県2(美合PA、刈谷SA)、滋賀県1(大津PA)、大阪府2(枚方パーク、関空)、広島県1(福山SA)の合計13店舗です。

一方、「都心店」は東京都が56店舗で最も多く、大阪府22、京都府7、愛知県6、神奈川県2、千葉県1などと続き、合計94店舗で、「準都心店」は東京都が84店舗で最も多く、神奈川県10、大阪府8、埼玉県6、京都府・兵庫県4ずつ、愛知県3、千葉県2で合計121店舗です。

ハンバーガー評論家は全国各地に所在するわけですから、マクド社も報道発表をするなら、もう少し正確にやってほしいものです。

デリバリーの実例で見ると、BMは50円程度の値上げか

また、具体的な値上げ幅についてはまだわからないものの、7月19日以降のデリバリー価格についてはすでに公表されており、これについても『【7月19日(水)~ 価格改定対象商品例(デリバリー価格)】』と題したPDFファイルで確認可能です。

これによるとハンバーガーは220円から240円に、チーズバーガーは250円から280円に、ダブルチーズバーガーは480円から520円に、ビッグマック®は540円から590円に、それぞれ値上げされるそうです。

  • 220円→240円(+20円)
  • 250円→280円(+30円)
  • 480円→520円(+40円)
  • 540円→590円(+50円)

こちらはデリバリー価格であるため、店舗購入時と比べ、末端価格は少々割高ですが、この値上げ幅から判断するに、ハンバーガーは170円から190円、チーズバーガーは200円から230円、ダブルチーズバーガーは400円から440円、ビッグマック®は450円から500円、といったところでしょうか。

夜マクドで類似商品を賢く組成しよう

こうしたなかで、物価上昇に対抗するためのテクニックとしては、やはり「裁定取引」などの技法を駆使することが考えられます。

たとえばダブルチーズバーガーとビッグマック®の違いは、間にパンが挟まっているかどうか、レタスがあるかどうか、といったところですが、パンを1枚減らすだけで60円の節約効果があるのならば、ビッグマック®ではなくダブルチーズバーガーを注文するというのはひとつの手でしょう。

また、もっと節約するのであれば、17時以降限定ですが、「夜マック®」オプションを使い、通常のチーズバーガーを「肉2倍」(100円増し)にすれば、通常価格だと480円の「ダブルチーズガーバー」と似たような商品を、350円で組成することができます。チーズの量は少なくなりますが、130円も安くなるわけです。

値上げに対抗するという意味では、こうしたテクニックを開発することとしつつ、たまに「豪遊」するときは例の『金融工学等の立場からコスパで論じるハンバーガー概論』でも議論した、「金券ショップでの株主優待券」という「最終手段」に手を染めるのもひとつの方法ではないでしょうか。

かねてより申し上げているとおり、著者自身はハンバーガー評論家であるだけでなく、金融評論家でもあります。こうしたなか、金融工学等の立場から論じておかねばならないのが、コスト・パフォーマンス(略して「コスパ」)です。意外と看過されやすいのですが、某ハンバーガーチェーン店では、市価650円程度の株主優待を使用すれば、売価1,110円分の商品があなたのものになるかもしれない、という、大変に重大な論点です。650円の株主優待で1,110円分の商品があなたのものに!当ウェブサイトを運営する「新宿会計士」は、ハンバーガー...
金融工学等の立場からコスパで論じるハンバーガー概論 - 新宿会計士の政治経済評論

また、値上げ予定の店舗によっては、「都心店」と「準都心店」が近隣に所在するケースもあるようですので、行く店舗を変えれば値上げ幅が異なる可能性はあるかもしれません。

いずれにせよこの物価上昇時代、私たちは賢く生存したいものです。

新宿会計士:

View Comments (21)

  • ここで、ぜひ新宿会計士さんなどリフレ派?には、この物価上昇と賃金上昇は切っても切れない、とおっしゃっていただきたいです。
    ヤフコメやTwitterではいまだに悪い円安ガー!とあほがいってるんで。笑

  • ハンバーガーは食べないので、マクドに関してここまでの熱量は持てませんが、当面の物価高対策は、食べ過ぎを止める事にしようと思っています。
    これですと、金額ベースでの消費額は変わらなくて、食品の消費量は減るので、経済への影響は少なくて、環境負荷の低減に繋がるはずです。
    SDGsの促進にもなるはずです。
    又、食品以外でも、衣料品の買い替えサイクルを長くする、破れは繕って使い続ける、なども環境負荷の低減に繋がります。
    その他のものについてもそのような消費活動をして行くと、物価高は、環境負荷低減に繋がるように思います。
    ただ、物価高が需要と供給以外の理由で更に亢進し続けると、国民生活は成り立ちませんから、その先を政府はどうするのか、という事が大きな政治課題として立ちはだかります。
    岸田氏と官僚の方々は、そこまで見通しているのか?新資本主義って何?

    • バーガーキングは、炙り焼きだから美味いですし、脂肪も少ないのでは?そこまで気にして食べる人が少ないのか、なかなか店舗数が増えないですね。

      • 確かに旨いですよね、バーガーキング、マックよりも。
        安くて美味いのですが、子どもたちがハッピーセット教の信者で近くのバーガーキングに行くのが容易でない。マック信者の妻も度重なるマクドナルドの値上げに流石にしんどくなってきた兆候あり、乗り換え工作の囁きを実行中です。

        • 流石です。
          ここで、マックの販売戦略についての具体的な成果のお話が聞けるとは思いませんでした。
          マックは、子供向けと子育て世代向け販売戦略で成功しているのですね。
          具体的には、子供向けメニューと子供の遊びスペースの設置です。
          子供を掴んだのですね。
          対して、バーガーキングは、マックに対抗する為に、炙り焼きにしたので、マーケットでの位置を確保出来ているのですね。
          これは、アメリカのマーケティングの本に取り上げられている有名な事例です。
          昔よく言われた、販売のトヨタ、技術の日産のような感じですが、マーケティングでは、販売戦略に重きを置いた方がシェアを取れるようですね。
          私は、バーガーキング派です。あの味は口が覚えています。

    • なるほど、バガーキングですか。だけど私の地方にはほとんどないのです。以前はビッグマックが好きでよく食べたのですけど、ご飯おかわり自由の定食屋さんの方が。お腹いっぱいになるし、安上がりなので、もっぱら定食屋さんです。

  • 重箱の隅をつつくような投稿で失礼します。

    新宿会計士様は「マクド・ナルド」と書かれましたが英文表記は「McDonalds」で典型的なスコットランド系の名と思います。カタカナで書けば「マック・ドナルド」です。

    • マックをマクドと書くのは会計士さんの持ちネタですよ。マクド・ナルドもこの人が昔から使ってる用語で既に何年も前から何人もの人が「英語的におかしい」と指摘していますが治らない。まー、パックネを「ぼくきんけい」ユンソギョルを「いんせきえつ」シージーピンを「しゅうきんぺい」安倍元首相を「安倍総理」とか書く人だから仕方ないか。

      • >英語的におかしい

        とは?
        英語のカタカナ表記そのものが英語では無いので、「英語的におかしい」というのもおかしい。

        こんな「ふりがな」に決まりがある訳でも無い事に捉われているよりも、記事・文章の本意を読み解く事に集中したらいいと思いますね。
        人名の読み方にしても、外国人の読み方に決まりがある訳でも無い。
        漢字でそのまま目で覚える、目で読むのが良い、その方が間違えが無い、という事です。
        肝要な事は、筆者の文意を読み解く事です。

    • よく言われるのは、英語では、
      「マクダー(ナル)」とでも言わなきゃ伝わらない、と。
      古いスコットランドの話を持って来ても、現代では伝わらないのでは?大学の古典学の授業なら、教授から少しは褒められるかもしれませんが。現実では、過去に足を取られない事が大事では?

    • 「マクドナルド」と表記した藤田氏が、母音+子音の日本語を良く理解していました。

      • そういうことですね。
        日本で商売するのだから、日本人が発音しやすくて、しっくり来るものじゃなきゃ売れませんよね。

  • マクドナルドは、新規メニューで利益を確保する戦略ではないかと思います。
    また、インバウンド観光の復活で外国人の来店がかなり増加しているようです。
    欧米に比べると日本のマクドはまだ割安のようですので、多少の値上げは吸収できると思います。
    円安は減益要因ですが、価格転嫁に成功すれば株価は上がるのではないかと思います。

  • マクドは関西語ですよ。ま↗︎く↘︎どというふうに、クのところで調子が上に上がります。

  • クアアイナでセットドリンクをビール(ラージ)にすると飲みながら待ててヨシ

  • マクドは、あのパッサパッサのパテが何とかならないのかしら。
    品質管理は楽だし、大量調理には向いているんでしょうけど。
    手ごねでハンバーグを作っていると、
    もう一仕事するともっとおいしくなるのになと思ってしまいます。

    • 西海岸勤務時代に昼食が毎日バーガーキングだったことがあります。クルマを使わず歩いていける周囲で一番近いところがそこだったという単純な理由ですが、しまいに店員に顔を憶えられてしまい、注文前に言い当てられてしまってました。Whopper の発音が下手な日本人と。胸やけがしないパテと上手いチーズが気に入ってました。