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韓国国防長官「低空威嚇飛行で日本は謝罪していない」

2018年12月に発生した火器管制(FC)レーダー照射事件を巡り、韓国では「日本側による低空威嚇飛行事件だった」とウソを言い張ることを選んだようです。これに関連し、韓国の国防部長官が12日、韓国国会で「低空威嚇飛行事件を巡って、日本から謝罪を受けていない」と答弁した、などとする話題が出てきました。岸田「宏池会」政権がFCレーダー照射を不問に付してあげたにも関わらず、その直後に日本を挑発するかのような発言が出て来るというのも、なかなかに強烈です。

FCレーダー照射事件で変わった日本国民の意識

長年、「インターネット・コリア・ウォッチャー」をしていると、たいていのことには驚かなくなるものです。

あるいは「感覚がマヒしてしまう」、とでもいうべきでしょうか。

ただ、やはり正気を保つためには、韓国という国が日本に対して行ってきた行為がいかに理不尽で非常識かつ異常なものであるかを再認識しておく必要があるのかもしれません。

その典型例が、2018年12月20日に発生した火器管制(FC)レーダー照射事件でしょう。

これについては当ウェブサイトではこれまで何度も何度も振り返ってきたとおり(直近では『FCレーダー照射は不問?自民岩盤支持層失う岸田政権』あたりでも詳述したとおり)、何から何まで異例ずくめの事件だったといえます。

さすがに呆れます。韓国メディアの報道ベースですが、FCレーダー照射事件を巡って、日韓防衛相は「お互いの立場を維持したまま」で「韓日・韓米日の安保協力を一層進展させるとともに、韓日国防当局間の信頼を高めながらさまざまなレベルでの交流協力を拡大」することで合意したそうです。あり得ません。国家としての原理・原則から著しく逸脱するものだからです。岸田首相は安倍総理の時代に形成された自民党の「岩盤支持層」を、着実に敵に回しつつあるようです。聯合ニュース「実務協議からスタートし、解決策を図る」さすがに、...
FCレーダー照射は不問?自民岩盤支持層失う岸田政権 - 新宿会計士の政治経済評論

まず、韓国は米国の同盟国であり、同じく米国と同盟関係にある日本とは「間接的な同盟国」で「友邦」だといえなくはありません(というよりも、少なくともこの事件が生じるまで、自衛隊の現場ではそのような認識があったはずです)。

自国内の排他的経済水域(EEZ)を哨戒していた日本の海自機に対し、本来ならば「友邦」(?)であるはずの韓国の軍隊が、よりにもよってFCレーダーを照射したのです。人体に例えていえば、こめかみに銃口を突き付けるようなものです。

現場の自衛隊員は驚いたことでしょうし、これを知った私たち日本国民も、激怒し、強く憤りました。いわば、日本国民の対韓意識は、このFCレーダー照射事件やその直前に発生した自称元徴用工判決事件により、大きく変化したといえるでしょう。

平気でウソをつく国

ただ、韓国という国がやったことは、それだけではありません。

あろうことかFCレーダー照射の事実を認めず、当初は「悪天候のため艦に搭載していたあらゆるレーダーを稼働した」、その後は「むしろ海自哨戒機の方が低空威嚇飛行を仕掛けて来た」などとして、徹底的に日本に罪をなすりつけ、開き直る道を選んだのです。

こうした開き直る態度が、日本国民の怒りに油を注いだのです。

このあたり、FCレーダー照射事件を巡り、「文在寅(ぶん・ざいいん)政権という『異常な』時代に生じたことであって、本来の韓国は日本の友邦だから、もうここらで韓国のことを許してやるべきだ」、などと考える者もいますが(とくに岸田文雄政権関係者)、こうした認識は間違いであるだけでなく、日本国民を愚弄しています。

韓国が「友邦だ」というのならば、まずは「2018年12月20日、韓国海軍駆逐艦が日本の海自哨戒機にFCレーダーを照射しました。大変申し訳ありませんでした」と、尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領自身が日本国と日本国民に対し、真摯に謝罪することから始めなければなりません。

これに加えて韓国軍内部でFCレーダー照射を実行した者、それを命じた者、あるいは黙認した者ら全員を厳罰に処するとともに、再発防止策を策定し、日本と米国に対してその防止策を提出し、承認を受けるくらいのことはすべきでしょう。

日本国民を愚弄した岸田宏池会政権

それなのに、岸田「宏池会」政権はFCレーダー照射を不問にするという、信じられない行動に出ました。

これを受けて、海自トップの酒井良・海上幕僚長も6日、「事実関係の追及よりも(日韓の)今後の連携体制を早期に確立することがより重要だ」と述べたそうですが、想像するに、酒井氏の内心は「岸田文雄『一味』」に対する怒りで煮えくり返っているのではないでしょうか。

海自トップ「事実追求より連携重要」日韓レーダー照射問題

―――2023/06/06 16:19付 産経ニュースより

(※余談ですが、本件で酒井氏を批判するのは筋違いです。日本にはシビリアン・コントロールの原則があるため、酒井氏が職務上、宏池会政権の意図に反した発言をすることは許されないからです。)

いずれにせよ、韓国はウソをつき続けることを選び、宏池会政権はこうした韓国の姿勢を是としました。こうした宏池会政権の姿勢が、自民党政権の安定を脅かすことにつながらなければ良いのですが、いかがでしょうか。

連日当ウェブサイトにて説明しているとおり、現在の選挙情勢に照らし、もしも今すぐ岸田首相が衆院の解散総選挙を決断した場合、自民党はそこそこの議席を得るでしょうし、しかも、短期的には「維新躍進タナボタ効果」で、自民党はむしろ議席を増やす可能性すらあります。

自民党が勝利すれば、岸田首相は短期的には「韓国融和策」(たとえば日韓通貨スワップ再開など)を、自信をもって推進していくことになりそうですが、しかし、その一方で、「岩盤保守層」は間違いなく、自民党から離反します。

岸田政権が続いた場合には着実に、自民党は弱体化していくでしょう。現在の岸田首相がやっていることは、同じ宏池会政権で自民党を下野させた宮澤喜一以来、再び自民党を弱体化させているようなものです。

韓国国防部長官「日本から謝罪を受けていない」

ただ、そもそも論としてこういうウソツキ国家を安全保障上の準同盟国として信頼しろといわれても、少し無理があります。というのも、ウソツキはいったんウソをつき始めると、ウソをつき続けなければならなくなるからです。ウソにウソを重ねれば、やがてはそのような国は崩壊してしまうのではないでしょうか。

こうしたなかで、なかなかに強烈な記事が出てきました。

「韓日哨戒機葛藤、謝罪を受けたか」質問…韓国国防部長官「文政権、4年間努力したが受けられなかった」

―――2023.06.13 07:02付 中央日報日本語版より

韓国メディア『中央日報』(日本語版)の報道によると、韓国の李鐘燮(り・しょうしょう)国防部長官は12日、「日本側から哨戒機葛藤関連で謝罪を受けたのか」という野党議員の質問に対し、次のように答えたのだそうです。

受けていないと聞いている。前政権で4年以上(謝罪を受けようと)努力したが、受けることができなかった」。

これはなかなかに強烈です。

韓国政府は現在でも、FCレーダー照射事件の事実を認めていないばかりか、本件を「海自機の低空威嚇飛行事件」と認識しています。だからこそ、李鐘燮国防部長官としても、これを「FCレーダー照射事件」とはいわずに、「低空威嚇飛行事件」と呼んでいるのでしょう。

また、これに関しては、中央日報を含めた韓国メディアも、「低空威嚇飛行事件」などの呼称を平気で用いています。つまり、韓国メディアが「低空威嚇飛行」などと平気でウソを報じること自体、いわば、日本国民に対しては韓国がどういう国なのかを再認識させるきっかけとなり得ます。

いずれにせよ、安保協力の基本は「信頼できる相手国との連携」であり、韓国がその「信頼できる国」に値しないことはあきらかでしょう。

なお、個人的感想ですが、それ以上に不思議なのは、日本語版のウェブサイトにこんな記事を載せる韓国紙のセンスではないか、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (30)

  • 今の岸田ならば、この件で低空飛行を謝罪し、お詫びに1000億ドル規模の通貨スワップを提供する可能性が無いとは言い切れませんね。

  • 私はこのレーダー照射の件で、おかしな譲歩をするなと何度も官邸や自民党にメールをしています。一番直近は、レーダー照射を不問にするというニュースが出た直後の抗議メールでした。
    その内容の中で、「有耶無耶にしたら、『韓国が主張する大嘘=自衛隊による低空威嚇飛行』を必ず韓国は既成事実化してきます。歴史問題と同じことになりますよ」と訴えたのですが、案の定ですね。
    米国は真実を知っていると思われますが、ジーソミア破棄の時のようなことが起こらない限り、韓国が大嘘を撒き散らしても知らんぷりをすると思います。
    レーダー照射不問はいろんな意味で悪手です。もちろん自衛隊員の命をなんだと思っているのか?という思いもあり、岸田政権の数々のやらかしの中でもこれに関しては一番腹が立っています。

    •  こういう時こそ野党が岸田政権を追及すべきですが、無いモノねだりですね(ため息)。

  • キソンヨンの旭日旗にしても今回の低空威嚇飛行にしても韓国人の目には日本人の目に見えない幻覚とも言える現象が見えるみたいです。

  • 人間、簡単に自分を変える事が出来ない事を前提にすれば100:0の様な議論は最初からかみ合わないでしょう、岸田さんはこの件では0:100でも全体でみれば51:49と勝手に思い込んでOKなのでしょう。

  • 中々面白いことを言ってくれるもんです。

    893の口上で云えば、
    「大人しく下手(したて)に出てやっていれば、
    調子に乗りやがって、
    もう我慢できねー」
    と言う処でしょう。

    岸田さん;ホワイト国やスワップ遊びを断る理由が出来て、よかったね!

  • 日米韓連携体制の構築にあたって、日本側が肝に銘じ続けておかなければならないことは、韓国軍の中身がどのようなものであるのか、ということだと思います。
    韓国は前政権とは異なり、確かに大統領や国防部長官、各省庁の長は一新されています。
    ですが、韓国軍の中身は前政権と何ら変わってはいません。しかも、韓国海軍や韓国空軍の中身は保守派ではなく、左派が大勢を占めている状況であることは文在寅政権の行動からよくわかりました。(韓国国民もこのことはよく認識して、小さな声でボソボソと不安を吐露してはいます。)
    この火器管制レーダー照射事件、もしまかり間違って無かったことにしたならば、今度からは遊び半分で韓国軍が自衛隊にレーダー照射を浴びせて来る可能性が高くなるでしょう。その危険性は韓国が保守政権であっても変わりません。
    韓国軍に危険運転を誘発させれば、日米韓の連携体制は事実上崩壊します。岸田政権が日米韓の連携体制を本当に大切にしていきたいのならば、決して安直な解決を目指してはならず、その事をアメリカにも韓国にも訴え続ける必要があると思います。

    まあ、腹黒く考えるならば、アメリカ政府も日本政府も本音のところは日米韓連携などどうでも良く、むしろ韓国軍にそうした危険運転を誘発させておきたい、というところがあるのかも知れません。
    そのために、自衛隊の一部を犠牲に捧げ、日本国民の生命を危険にさらしても構わない、というのならば、それは我慢のならないところです。

    • >まあ、腹黒く考えるならば、アメリカ政府も日本政府も本音のところは日米韓連携などどうでも
      >良く、むしろ韓国軍にそうした危険運転を誘発させておきたい

      わざと そうやっている点は合意します。
      アメリカや日本は 少なくとも
      韓国みたいに国民感情や国内政局で外交を台無しにするようなバカな事はしません。
      なんらかの戦略上、必要な事をした結果が今の状況だと判断します

      ただし日米が思った通りに韓国の駒を動いてくれれば良いのですが
      不安しかないですね

  •  >FCレーダー照射を不問に付してあげたにも関わらず、その直後に日本を挑発する
    当然だよね。「下手に出たらつけあがる」国なんだから。
     あの国とは言葉ではなく拳で語り合うべきだ。

  • 世の中には、自分が悪くても、事実を見ることもせず、自分は悪くないと言い張る輩が少なからずいます。
    しかも、事実を示す人間を攻撃して、悪者にする努力だけはするから質が悪い。
    こういう輩は、力ずくで謝らせたいところですが、出来ないなら、相手にしないのが一番です。
    餌をやってはいけないと思います。

  • 韓国では「嘘も100回言えば本当」になるらしいです。
    もう100回以上言ってるでしょうから、韓国では真実ではなく確信に変わってるのでしょう。
    自分達が都合が悪くなると擦り寄ってくるこの体質が民度の低さを如実に示しています。
    これを許す岸田のアンポン、度量の大きさではなくバカそのもの。
    こんな奴が日本の総理でいる限り日本の明るい未来は程遠い。

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