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「ロシア分裂」なら東アジアは?複雑化する政策方程式

G7で「ロシア分割」議論を!

「ロシアが41の共和国に分裂する」。こんな地図が出てきました。これは、「ポストロシアの自由国家フォーラム」なる組織が発表したものです。これに関してジャーナリストの長谷川幸洋氏はウェブ評論サイト『現代ビジネス』で、「ロシアの内部分裂」の可能性とそれに伴う新たな問題点を挙げることで、「政策の方程式が、半世紀前よりもはるかに複雑になっているのは、間違いない」と指摘します。

ロシアが41の共和国に大分裂…!?

最近、一部では「ロシアの崩壊」が議論され始めているようです。

ジャーナリストの長谷川幸洋氏はウェブ評論サイト『現代ビジネス』に28日付で、こんな記事を寄稿しています。

プーチン体制が「崩壊」した後、ロシアは「41の共和国」に大分裂する…!

―――2023.04.28付 現代ビジネスより

記事タイトルで「ロシアが41の共和国に大分裂」、とあります。

この「41の共和国」の出所は、亡命したロシア人政治家やジャーナリストらで構成する “FREE NATIONS OF POSTRUSSIA FORUM” 、すなわち「ポストロシアの自由国家フォーラム」が公表した、こんな地図です。

【参考】北ユーラシア2023

(【出所】 Free Nations of Postrussia Forum, “Map of the Free States of Postrussia” )

なかなかに、仰天する地図です。

さりげなく北方領土、千島列島と南樺太が日本領に

この地図について、長谷川氏は、こう述べます。

それによれば、ロシアは41の共和国に分裂し、それぞれ自由で独立した国家になる姿を想定している。<中略>地図を見れば、すぐ分かるように、ど真ん中で米国旗そっくりの旗を掲げているのは『シベリア合衆国』である。バルチック共和国とかウラル共和国といった名前もあるが、ここに『ロシア』という言葉はどこにもない」。

なんだか無理やりに作り出したような地図ですが、それでもしげしげ眺めてみると、興味深い箇所は多々あります。

さりげなく北方領土に加え、千島列島の全域と樺太南部が日本領になっているほか、当然の話かもしれませんが、ウラジオストク南方の海域は “EAST SEA” ではなく、 “SEA OF JAPAN” と明記されています。また、極東地区には日の丸っぽい旗も確認できます。

この地図の構想の実現可能性はさておき、同フォーラムが日本を熱い目で見ていることは間違いないでしょう。

また、西に目を転じてみると、クリミア半島やドンバスはウクライナ領に戻っており、モスクワ周辺は多数の国に分裂しており、さらには北欧に近い部分にはノルディック諸国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド)とそっくりな旗も確認できます。

中国の焼け太り:地政学的には?

もっとも、こんなことになれば、地政学的に見てさまざまなバランスが崩れます。

そもそもウラジオストクやハバロフスクを含めた沿岸州については中国が領土的野心を示すでしょうし、中露両国のパワー・バランスが崩れたら、北朝鮮(と場合によっては韓国)も、国家そのものの消滅を含め、体制が大きな影響を受けるのではないか、という気がしてなりません。

実際、今回の長谷川氏の論考で取り上げられている論点は、この「41共和国」――、つまり「ロシアが分裂する可能性があるのかどうか」、だけではありません。現在、米欧諸国で議論されている「脱植民地化」とともに、悩ましいものが、「核兵器の扱い」です。

ただ、米欧にとっては、なんとも悩ましい問題がある。核兵器の扱いである。/ロシアが分裂して、複数の自治共和国が核をめぐって争い始めたら、米欧はどう対応するのか。それらの国々は『親・米欧』になるとは限らない。それどころか、距離が近い国は『親中国』になる可能性がある」。

そのうえで長谷川氏は、こう述べます。

そうなったら、米欧はいま以上に、事態をコントロールしにくくなってしまう。/プーチン氏の独裁体制が崩壊するのはいいとしても、その後のロシアが混沌としたミニ独裁国家の集合体になったら、欧州と世界の平和と安定にとって一層、危険な地域になりかねないのだ」。

この点については、まったくそのとおりでしょう。

ロシアが分裂したらそれでハッピー、という話ではありません。中国の勢力圏が「焼け太る」ことが、私たちの国・日本にとって、いかなる影響を与えるかについては慎重に見極める必要があります。

政策の方程式が半世紀前よりはるかに複雑に=長谷川氏

長谷川氏は論考の末尾で、このように指摘します。

今回の封じ込めもソ連と同じように、ロシアの内部分裂を誘うのだろうか。それは米欧協力、さらにはロシア支援に動いている中国封じ込め政策の有効性にもかかっている。グローバル・サウスと呼ばれる途上国、新興国への対処もある。/政策の方程式が、半世紀前よりもはるかに複雑になっているのは、間違いない」。

付け加えていうならば、「米欧」という基軸だけでなく、ここに「日米豪印」という基軸も重要です。というよりも、故・安倍晋三総理大臣の置き土産として、日本政府が現在、強力に推進している「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」が、これまで以上に重要になって来ることは間違いありません。

そして、もしもこの5月のG7広島サミットで「ロシア分割」などが議論されるのだとすれば、これ自体が歴史的な会合になる可能性は十分にあるといえるでしょう(ただし、このあたりは岸田文雄・現首相の力量次第ですが…)。

新宿会計士:

View Comments (30)

  • 興味深い架空地図でした。いろいろ感じ入るところはありますが、今は「樺太庁陸地測量部」さんに言及しておきたいです。架空樺太地図や架空JR樺太旅客鉄道の時刻表などを公開しています。貨物輸送はきっとJRFが担当するのでしょう。
    同じサイトに見えている日本式サハリン・シベリア時刻表は架空ではないようです。聞くところによれば中央アジア鉄道時刻表2023なるこれも架空でない実用図書が刊行されているとのよし。商品売れるといいですね。

  • どうせなら樺太島(サハリン島)全部を獲得すべく行動して欲しいですね(欲張りかな?)。2070年の人口が8700万人と予測された日本では領土維持が大変ですけどw

    大陸との境も「間宮海峡」という名称を国際的に確立させなければなりませんね。

    • 今回の妄想地図にあるような樺太の南半分を日本が領有するなんて,日本国民の一人としては願い下げですね.他国それもロシア極東部(というよりシベリア東部)という極めて拙しい連中と陸続きで接するなんてのは不法入国者予備軍を押し付けられるようなものですから.

      >どうせなら樺太島(サハリン島)全部を獲得すべく行動して欲しいですね(欲張りかな?)。

      そもそも樺太全島でも日本にとってはマイナスの方が大きい.確かに樺太北部にはサハリン1やサハリン2といった相当な埋蔵量のある天然ガス田があり,炭化水素系エネルギー資源がほぼ皆無な日本にとっては重要ですが,樺太島と大陸とを隔てる間宮海峡の最狭部は僅か7.3キロしかなく,海の防壁としては殆ど役に立ちません.(樺太島と北海道とを隔てる宗谷海峡も最も狭い箇所は42キロなので海の防壁としては不安ですが,バトルオブブリテンで海の防壁として英国の勝利を助けたドーバー海峡の最狭部の34キロよりは広いので,宗谷海峡が海の防壁としてある程度は機能すると期待して良いだろう)

      つまり樺太全島であろうと日本領になれば不法入国者がどんどん入って来る危機が現実的になるということです.そんな厄介な土地を天然ガス田のメリットで領有するのは経済だけでなく国防も含めれば大きなマイナスになると私は考えます.

      それにそもそも御自分でも書かれている通り,当面は人口減少が続き総人口が1億人を切るであろう将来の日本にとっては,ガス田以外には経済的に見るべき物が皆無で気候的には極めて厳しい土地を領有するのは大きな負担以外の何者でもありません.北海道でさえ,既に日本国民だけではちゃんと維持し続けられなくなりつつあり,北京共産党政府の手先共にどんどん買収されチャイニーズが次々に送り込まれ中華共産党による北海道植民地化計画を着々と進められてしまっていることは御存知の通りです.

      樺太などという天然ガス以外に何の役にも立たない辺境を抱え込むぐらいなら,日本政府として新たに領有する樺太に投資せねばならない国費を北海道植民地化阻止のため(つまり買収される危険性が高い土地の国有化のため)に使うほうが遥かに日本の安全保障にとって有益です.

      >大陸との境も「間宮海峡」という名称を国際的に確立させなければなりませんね。

      「『日本海』でなく『東海』あるいは『韓国(朝鮮)海』を国際的な名前としてIHOに認めさせねば」と騒ぎ続けている韓国人・朝鮮人と同レベルの主張をしたら,貴兄も韓国人・朝鮮人と同じレベルになりますよ.

      そもそも「間宮海峡」以前に「宗谷海峡」も日本だけで通用する名称であって,国際的には「ラ・ペルーズ海峡」という名前です.

      つまり津軽海峡以北の蝦夷地に関して日本人が調査する前に蝦夷地は非日本人によって調査され地名が与えられ日本以外の世界では共有されていたという歴史的事実が,現代において「間宮海峡」や「宗谷海峡」が国際名になっていないという現実を生み出しているのです.その歴史を日本人(それも恐らくは極く一部)のプライドを満足させるために今更覆そうとするのは全く非生産的(だし,国際的に「日本海」という名前を別のものにしようとする連中と日本が同レベルと見られる愚行)としか言いようがありません.

  • ロシア反体制派の希望(振り切った版)
    ワカラナイではナイが今のG7にソノ後押しを期待するのは無理ゲーかと…ソンナコトは百も承知のロシア反体制派による単なるレイズなんでしょーケド
    ポストプーチン、アフタープーチンも当然議卓に上ってんでしょーが「困るよね」「困ったね」止りの気もしまス

  • 架空ユーラシアアトラス国図、とても興味深いです。日本は北方四島だけでなく千島列島にクリル諸島、南樺太。日本が最大に国土にしていたところですね。満州、朝鮮半島、台湾、シンガポールらを除いて。日本海が拡大して、更にベーリング海だと。いや〜広過ぎてオモリが大変だ(爆笑)。

    日本の隣国が太平洋共和国とカムチャッカ共和国(笑)いやロシアはコレぐらい細切れにしないと、生き返るでしょう。ただし、弱小国ばかりになると中国が小さい国から脅して併呑する。日本も出血覚悟で臨まないとダメですね。ま、最悪米国に信託統治を一部依頼すれば、対中戦に無茶苦茶有利になり、ホイホイやって来るでしょう。楽しい夢。

    • 私も地図を興味深く拝見しました。
      おしりも2070年に人口8700万人まで減少するなどの報道を目にすると今の国土の維持だけでもできるのか、という後ろ向きな気持ちが芽生えないこともないのですが、かつての平和な時代に江戸幕府の版図としては北樺太を含めた樺太全島が他の主権国家主権が及ばない日本の影響圏にあり、国境は間宮海峡でした。
      コサックの東漸とそれに呼応したロシア水兵の上陸で幕府の番所が襲われ破壊されました。アラスカからメキシコ西岸まで広くモスクワが行ったように、ロシア人を樺太に入植させサラミを切り取るがごとく近代兵器を盾に樺太を日本から簒奪したのです。プーチンが歴史的にウクライナはロシアと一体と言うのであれば日本人としても樺太全島への潜在的なレコンキスタ的な回収への想いは否定できるものではないでしょう。
      イスラム勢力が栄華を極めた8世紀にイベリア半島を失ったキリスト勢力は800年近い年月をかけて国土を取り戻しました。レコンキスタ、いわゆる国土回復運動の精神は日本人が見習ってもよいのかもしれません。
      ただし、それぞれの時代に合った回収の仕方があるのではないかとも感じています。
      ロシアがウクライナ東部の親露派を焚き付けて分離独立を促し、紛争状態の解決を目指した2015年のミンスク合意の頃は、西側外交筋で本音では和平のためにはウクライナが割譲はやむなしという風潮が見られました。森本元防衛相ですらそれを匂わせる発言をプライムニュースでされていたと思います。
      何が言いたいかと言うと、太古のチンギスハンによる問答無用な無理筋の侵略レベルは別として、歴史的に深い関係がある地域については、交渉などで境界線の引き直しについて国際的な認知や合意が比較的に得られやすい。という事実があるのだろうな。ということです。

      プーチンは電撃戦でウクライナ全土を『回収』しようと試みたのでしょうが成算の見込みがある様には見えません。忠臣蔵は討ち入りの場面から見ると無抵抗な老人を屈強な連中が寄ってたかって弱いものイジメをしているように見えないでもありませんが、松の廊下以前から読み解けば全く違う風景が見えて来ます。日露戦争以降を見れば南樺太と千島列島が回収すべき領域。日露が出会う前まで遡れば北樺太を含めた樺太全島が回収すべき領域、と考えられないこともありません。
      時折、日本はポツダム宣言やサンフランシスコ条約を国として認めたのだから樺太や千島列島、新南群島などを返せというのはオカシイ、と国際法の権威筋らしき方からの発言を見ることがありますが、不平等条約に不満を表明し解消する術を考えるのを妨げるものではないと思うのです。先人が覆した日米和親条約を始めとする不平等条約についても改正や破棄などケシカランと言われるのでしょうか。

      日本として国際法を盾に比較的平和に回収を望むシナリオとしては、日ソ中立条約を一方的に破り侵略により簒奪された南樺太と千島列島を日本領として回復させる。個人的にはロシアとの陸続きの国境線は脅威そのもので精神衛生上よろしくないことや、元来歴史的には日露が出会う以前は樺太全島は幕府の統治が及び間宮海峡が国境線であった深いつながりから、日本の確信的利益として回収を図りたい。ロシアがウクライナから拉致して極東地域に配置した子どもたちの捜索としてウクライナ警察を自衛隊が警護して樺太に進駐したり(ポーツマス条約でロシアが日本へ南樺太の返還を認めたのは日本が占領したことの追認だった)、ウクライナ戦争の戦後賠償としてロシアが日本に北樺太を売却し、その対価をウクライナの復興支援に充てるというスキームで欧米やグローバルサウス諸国の反発を抑えれば、あながち無理筋とも思えないのです。

  •  ソビエト連邦→ロシア連邦では、崩壊と言いつつも各共和国はロシア所属となり、看板というか地図上での"国の形"に変化が無く、子供心には実感が湧きませんでした。こう分裂するとしたらかなりの変化ですが、各共和国はそれぞれ自立運営していく国力は確保されるのでしょうか。
     当のロシア人は置いてけぼりの議論であろうかとは思いますが、長いこと「ロシア人」として続けてきた彼らのアイデンティティはどう変化するのでしょうね。ヨーロッパでは国境の変更が数多繰り返されたでしょうが、日本人には想像しにくいものです。

     しかし2023としながら、アラル海が1990年頃の水量なのが気になってしまいました。ロシアが崩壊すればアラル海も復活する…ってコト!?

  • Igor Sushko 氏というウクライナ生まれ米国籍人がいます。侵略開戦以降しばしば当方は彼の Twitter を巡回して現況分析に役立てて来ました。
    その彼が Chicken Kiev speech を取り上げています。ブッシュ(ニシア)大統領が 1991 年に議会演説した史実をもってそれをチキンスピーチと言っています。全文が読めますし Wiki にも出てます。ソ連が崩壊すると予測していたらこんな演説はしてないだろう。何が起きるか分かったものでないという実例と思います。ちらりと known unknown / unknown unknown なるテツガク的なジャーゴンを連想しました。

  • ロシアの弱点は、広大な領土と多民族国家であるという事です。
    第二次大戦後、西欧の植民地が独立を果たし多くの民族国家が生まれましたが、ソビエト連邦は民族国家への移行という歴史の流れから取り残されていたのではないかと思います。
    ソビエト連邦崩壊で幾つかの民族国家が誕生しましたが、プーチンの時代錯誤な野望で、歴史の流れに逆行する侵略行為が行われている状態になっています。
    現状、ロシア領内を攻撃することが出来ませんので、ウクライナ戦争を終わらせるためにはロシアの体制崩壊しかないのではと思います。
    ロシアの体制が崩壊した場合、41の国に分裂するかどうかわかりませんが、ロシアにはトルコ、カフカス、モンゴル系の国に分かれるのではないでしょうか?
    日本としては、日本海とオホーツク海沿いに親中国の国が出来て、中国のミサイル基地や軍港が出来ると大変困った事態になりますので、今からどうやってロシ東部の国を取り込むのかを対策を考えておいたほうが良いと思います。
    まあ、中国にはつかないと思いますが。
    ただ沿海州は中国人が増加傾向のようですので要注意です。
    ウラジオストックや樺太の開発支援計画くらいは作っておかないといけないのではないでしょうか?
    日本にとってはチャンスかもしれませんね。

    •  お騒がせ議員が宴席で「北方領土を取り返すには戦争しかないのでは?」という発言で大顰蹙を買った事がありますが、実は私はあの発言には賛成でして。ただし「よし戦争だ」などという短絡的な話では当然なく、日本が戦争を起こすのはまず不可能という環境を前提に、「それほどまでに難しい事だ」という認識だという意味でです。氏もそういった趣旨で話したのだろうとは思いますが……

       戦争とまではいかずとも、ロシアが困窮した際には北方領土を条件に支援をするというような隙は無いものかと考えていました。安倍総理がプーチンとの関係を維持したのも、アベガー界隈は「プーチンと独裁仲間」とかわけのわからんことを言っていましたが、「交渉の余地のある敵」と認識していたからこそだったのだと思っています。思わぬ形、しかもかなり極端な形で機が訪れたかもしれないなと感じています。
       安倍総理が健在であれば……などと未だに考えてしまいますが。岸田総理にここでなぁなぁな外交をせず、機があればモノにして頂きたい。北方領土返還実現など、それこそ安倍総理を超える戦後最大級といえるほどのレガシーになるでしょうから。

       と煽ればやってくれそう。

  • (先に投稿しましたが反映されたいため、再投稿します)
    私も地図を興味深く拝見しました。
    おしりも2070年に人口8700万人まで減少するなどの報道を目にすると今の国土の維持だけでもできるのか、という後ろ向きな気持ちが芽生えないこともないのですが、かつての平和な時代に江戸幕府の版図としては北樺太を含めた樺太全島が他の国家主権が及ばない日本の影響圏にあり、国境は間宮海峡でした。
    コサックの東漸とそれに呼応したロシア水兵の上陸で幕府の番所が襲われ破壊されました。アラスカからメキシコ西岸まで広くモスクワが行ったように、ロシア人を樺太に入植させサラミを切り取るがごとく近代兵器を盾に樺太を日本から簒奪したのです。プーチンが歴史的にウクライナはロシアと一体と言うのであれば日本人としても樺太全島への潜在的なレコンキスタ的な回収への想いは否定できるものではないでしょう。
    イスラム勢力が栄華を極めた8世紀にイベリア半島を失ったキリスト勢力は800年近い年月をかけて国土を取り戻しました。レコンキスタ、いわゆる国土回復運動の精神は日本人が見習ってもよいのかもしれません。
    ただし、それぞれの時代に合った回収の仕方があるのではないかとも感じています。
    ロシアがウクライナ東部の親露派を焚き付けて分離独立を促し、紛争状態の解決を目指した2015年のミンスク合意の頃は、西側外交筋の本音では和平のためにはウクライナが割譲はやむなしという風潮が見られました。森本元防衛相ですらそれを匂わせる発言をプライムニュースでされていたと思います。
    何が言いたいかと言うと、太古のチンギスハンによる問答無用な無理筋の侵略レベルは別として、歴史的に深い関係がある地域については、交渉などで境界線の引き直しについて国際的な認知や合意が比較的に得られやすい。という事実があるのだろうな。ということです。

    プーチンは電撃戦でウクライナ全土を『回収』しようと試みたのでしょうが成算の見込みがある様には見えません。忠臣蔵は討ち入りの場面から見ると無抵抗な老人を屈強な連中が寄ってたかって弱いものイジメをしているように見えないでもありませんが、松の廊下以前から読み解けば全く違う風景が見えて来ます。日露戦争以降を見れば南樺太と千島列島が回収すべき領域。日露が出会う前まで遡れば北樺太を含めた樺太全島が回収すべき領域、と考えられないこともありません。
    時折、日本はポツダム宣言やサンフランシスコ条約を国として認めたのだから樺太や千島列島、新南群島などを返せというのはオカシイ、と国際法の権威筋らしき方からの発言を見ることがありますが、不平等条約に不満を表明し解消する術を考えるのを妨げるものではないと思うのです。先人が覆した日米和親条約を始めとする不平等条約についても改正や破棄などケシカランと言われるのでしょうか。

    日本として国際法を盾に比較的平和に回収を望むシナリオとしては、日ソ中立条約を一方的に破り侵略により簒奪された南樺太と千島列島を日本領として回復させる。個人的にはロシアとの陸続きの国境線は脅威そのもので精神衛生上よろしくないことや、元来歴史的には日露が出会う以前は樺太全島は幕府の統治が及び間宮海峡が国境線であった深いつながりから、日本の確信的利益として回収を図りたい。
    ロシアがウクライナから拉致し極東地域に連れてきた子どもたちの捜索としてウクライナ警察を自衛隊が警護して樺太に進駐したり(ポーツマス条約でロシアが日本へ南樺太の返還を認めたのは日本が占領したことの追認だった)、ウクライナ戦争の戦後賠償としてロシアが日本に北樺太を売却し、その対価をウクライナの復興支援に充てるというスキームで欧米やグローバルサウス諸国の反発を抑えれば、あながち無理筋とも思えないのです。

  • 何かと周辺国に侵略しようとする中華人民共和国もサッサと分裂しちゃって欲しいものですね。

    >ただし、このあたりは岸田文雄・現首相の力量次第ですが…

    岸田文雄の力量に期待するのは、韓国が約束を守る事を期待するようなものでしょう。

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