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「桜ういろう」問題で開示命令:共同通信はどう出る?

「オールドメディア」は腐敗トライアングルの一角を占めている――。当ウェブサイトを通じて、これまでに何回となく、そんなことを指摘してきましたが、こうした見立ては正しいのかもしれません。そう判断する材料のひとつが、「桜ういろう」問題です。これに関してはナザレンコ・アンドリー氏が東京地裁から開示請求を認める仮処分を勝ち取ったとする話題が出てきました。すでに暇空茜氏も「桜ういろう」の本人を特定したうえで提訴済みだそうです。

NEWSポストセブンの2つの記事

先日の『「桜ういろう」処分は軽すぎ?被害者は意味深ツイート』では、ツイッター上でおもに保守系の論者らにまとわりつき、執拗に嫌がらせを行っていた「桜ういろう」というアカウント主を巡る、『NEWSポストセブン』の報道を取り上げました。

インターネット上で「桜ういろう」を名乗るツイート主がウクライナ人評論家のナザレンコ・アンドリー氏などにしつこく絡むなどの事件を巡って、続報がありました。NEWSポストセブンによると、「桜ういろう」が所属している共同通信で、始末書を書かせて厳重注意するという、「譴責処分」が下されたのだそうです。ちなみにNEWSポストセブンによると、譴責処分は一般に「最も軽い処分」です。ナザレンコ氏はツイッターで、「謝罪も訂正もない」としたうえで、「これで満足する被害者いなかろう」と指摘しています。少数メディア...
「桜ういろう」処分は軽すぎ?被害者は意味深ツイート - 新宿会計士の政治経済評論

該当するリンクのうちの2つを再掲しておきましょう。

【独占】ツイッターでヘイト発言を繰り返していた「桜ういろう」は、共同通信のデスクだった

―――2023.02.18 17:10付 NEWSポストセブンより

【共同通信デスクが匿名でヘイト発言】「桜ういろう」へのけん責処分に社内から「甘すぎるのでは」の声

―――2023.04.19 16:00付 NEWSポストセブンより

2月18日付の記事は、「桜ういろう」が共同通信のデスクだったとする報道であり、4月19日付の記事はその「続報」として、共同通信の社内で、「桜ういろう」に対する譴責(けんせき)という処分が下された、とする報道です。

ちなみに一般論として、「譴責」とは「社内的に始末書などを提出させたうえで厳重注意する」、といった処分のことを意味しますが、NEWSポストセブンの上記記事が事実だとしたら、なんとも処分が軽すぎかつ遅すぎて、なんとも呆れる限りです。

被害者のひとりであるウクライナ人評論家のナザレンコ・アンドリーさんの次のツイートに基づけば、この「桜ういろう」は勤務時間中に自分と政治的立場が違う相手に執拗に絡み、妨害活動を行ったうえで個人情報を拡散したとされているからです。

みずほ銀行のシステム障害を偉そうに追及するメディア各社

通常の組織だと、自社の従業員がなにか不祥事をしでかしたならば、まずは本人を謹慎処分にするのは鉄則ですが、それだけでは足りません。

社会に向け、そのような不祥事が発生したことをまずは報告したうえで、事態の重さに応じ、弁護士など社外専門家で構成される独立調査委員会を設けて調査を実施し、調査結果次第では本人をそのポジションから更迭したうえで改めて謝罪するのが筋でしょう。

実際、共同通信を含めたマスメディア各社は、一般企業に不祥事が発生した場合には、舌鋒鋭くその不祥事を追及します。

たとえば、共同通信は先月、システム障害が多発したみずほ銀行を巡って、「根深い企業風土がある」、などと偉そうに報じています。

「検証」みずほ銀行だけシステム障害が多発するのはなぜか 金融庁による行員千人規模アンケートで分かった根深い企業風土

―――2023年03月29日付 共同通信より

ここに挙げた事例は共同通信のものですが、「マスメディア業界以外の他社に対して、やたら偉そうである」という意味においては、他メディアの報道も似たり寄ったりです。

大変失礼ながら、みずほ銀行のことを「根深い企業風土」などと批判する資格が、マスメディア業界にあるようには思えません。「根深い企業風土」とは、まさに共同通信やNHK、大手新聞社、大手民放テレビ局などに当てはまる問題だからです。

とくに共同通信については、この「桜ういろう」問題を巡って沈黙を守っています。

もしもNEWSポストセブンの報道が事実ではないと言うのならば、「報道は事実ではありません」とヒトコト公表すれば済む話ですし、報道が事実なのだとすれば、報じられた2月の時点で、「当社の従業員が社会的に許されない行動を取り、申し訳ございませんでした」と謝罪しておくべきでした。

これに対し、みずほ銀行はシステム障害直後、社会に向けて深く謝罪をしていますし、担当役員も責任を取り、金融庁からは厳しい処分も受けています。もちろん、システム障害自体は「根深い問題」ではありますが、社会に与えた被害という意味では、メディアの誤報・偏向報道・捏造報道はその比ではありません。

今回の「桜ういろう」事件もそうですし、それ以前の「それは一般に失敗と言いまぁす」事件(『打ち上げ失敗に「おめでとう」の雰囲気こそ米国の強み』等参照)もそうですが、とにかくマスメディア各社には不祥事が多すぎますし、それらの不祥事を反省しなさすぎです。

ナザレンコ氏の「開示請求」を巡るツイート

こうしたなかで、ナザレンコ氏が19日、こんな「意味深なツイート」を発した、とする話題については、先日も触れたとおりです。

これに、「続報」がありました。ナザレンコ氏が4月21日付で、こんなツイートを発信したのです。

ナザレンコ氏によると、4月20日付で東京地裁民事第9部から開示請求を認める仮処分決定を受領したのだそうです。これにより、おそらくはツイッター社とプロバイダに対し、「桜ういろう」の発信者情報などの開示を要求し、本人情報を特定することができるようになるようです。

暇空茜氏はすでに本人を提訴済み=ツイート

ちなみに「WBPC問題」(『東京都女性支援で少なくとも1億円以上の内規違反発覚』等参照)を巡ってネット上で有名になった「暇空茜」というハンドルネームを使用するツイッター・ユーザーの方も、どうやらこの「桜ういろう」とやりあったことがあるようです。

産経によると例の「東京都若年被害女性等支援事業」を巡り、令和4年度において、内規に沿わない契約が合計13件あったと報じました。うち11件では、契約額が1000万円を超えているにもかかわらず、個別的委任などの手続が取られていないかったということです。ということは、少なくとも1.1億円の公金不正使用があった、ということでしょうか。産経によると都側は「今後は規程にのっとって契約手続きを進める」と述べたそうですが、東京都が今すぐやらねばならないことは「今後の手続」ではありません。産経「内規に沿わない契約が13件あ...
東京都女性支援で少なくとも1億円以上の内規違反発覚 - 新宿会計士の政治経済評論

その暇空氏はナザレンコ氏より1日前に、「桜ういろうこと●●●さんを提訴しました」、とする趣旨のツイートを発信しています(※いちおう、実名が含まれているため、ツイート自体は埋め込みません。リンクのみ示しておきます)。

暇空茜氏の2023年4月20日15時16分付ツイートへのリンク

すでにネット上では、この「桜ういろう」の実名と所属などが晒されていますが、いちおう、現時点では「桜ういろう」を共同通信社が自社の従業員であることを公式に発表している様子はないため、暇空氏のツイートに含まれる実名を伏せるというのは、「念のため」の措置です。

いずれにせよ、もしこの暇空氏のツイートが事実だとすれば、暇空氏はナザレンコ氏に先立って開示請求を行い、それが認められているはずです。

ということは、今後の訴訟動向次第では、「桜ういろう」本人は少なくとも2人から訴えられているという状況に立たされる可能性が極めて高く、「桜ういろう」が本当に共同通信社の従業員であるのだとすれば、共同通信社も「桜ういろう」をちゃんと処分しなかったことの社会的制裁を喰らうことになるかもしれません。

そして、この「社内での処分が遅すぎ、軽すぎるうえに社会に向かってちゃんと説明していない」というのは、まるでどこかの特定野党や官庁とそっくりです。

その意味では、『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』などを含め、これまでに当ウェブサイトでも何度となく取り上げてきたとおり、この日本という国を悪くしている最大の元凶――官僚組織、オールドメディア、特定野党の「腐敗トライアングル」――は、ソックリなのです。

社会のネット化が進展して、一番困る人たちは新聞・テレビを中心とするオールドメディア産業関係者であることは間違いありませんが、それだけではありません。官僚・役人や野党議員なども、かなりの割を食うことが予想されます。いったいどういうロジックでしょうか。ここで考えておきたいのが「腐敗トライアングル」という重要な論点です。腐敗トライアングル昨日の『騙せなくなる日本:「自称徴用工」年内妥結は困難に?』では、自称元徴用工問題に見せかけて、当ウェブサイトなりのちょっとした「問題意識」を展開しました。それが...
【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」 - 新宿会計士の政治経済評論
新宿会計士:

View Comments (17)

  • 素朴な感想ですけど、共同通信は、「桜ういろう」氏を共同通信村から追放するのでしょうか。追放しないのでしょうか。(これは、共同通信村内部での空気の問題になるでしょう)

  • 小西議員も法の裁きを受けてもらいませんとね。
    立法府の人間です。
    野党議員だからといって、特別扱いするわけにはまいりません。

    • 立憲民主党にとっても
      THE小西議員(以下、略称:ザコ ニシ)にとっても
      せっかくここまでの注目を集め
      日本社会に党風掲げ総出陣で撃って出る
      ここ大一番のチャンスなのに、なんか
      イジイジ大人しくなってしまってて
      張り合いないです。

      令和のTHE小西川五右衛門 とまで
      その名を轟かせた ザコ ニシ さんなのですから
      最期まで派手な大立ち回りで
      観衆を魅了してほしいものです。

      さあてそろそろ、
      三条河原でお湯沸かさなくっちゃ♪
                 (^^)/

      #THE小西立憲民主党党首実現を応援します!

  • 類似の事案が中央官庁あたりにあって、正体が特定されるとすごいことなるケースもありそうな。

  • 「桜ういろう」が共同通信内での共有アカウント(組織ぐるみ)だった可能性は?
    だったら、○○氏にだけ強い処分もできないですね。共同はあかんうんとです。

    • 訴訟案件でプロバイダによる開示がどの程度詳細に行われるかを理解してないので、私の想像になりますが・・

      各書き込みの1件毎全てに、どの時間にどのIPアドレスでどの機器から書き込みが行われたかが開示されるならば、
      就業時間中の書き込みや、会社の個人貸与PC、もしくは共用PCからの書き込みも発見できるかもですね。

      その場合は桜ういろう氏個人の問題よりも管理者としての共同通信社の責任問題が更に大きくなりそうな気もしますね

  • マスコミも野党も「身内」の不祥事に対する処分が甘すぎる。
    与党議員なら「辞職」するまで執拗に攻め立てるくせにな。
    立憲の小西文書の問題でもそうだ「幹事長厳重注意」などでお茶を濁してる。
    同僚議員から「辞職」を促す発言のないことが立憲の終わりを感じる。
    国民が欲してるのは「攻める」内容であって「揚げ足取り」じゃない。
    自民党に対抗しうる信頼できる野党が存在しないことが日本の不幸だ。
    国民民主はともかく、立憲・共産・社民とかいう日本のためにならない政党は消えて貰いたいと心より思う。

    • れいわ新選組も仲間外れにしないで、立憲・共産・社民の仲間に入れてあげてくださいね。

  • 共同通信はあえて処分を軽くし、桜ういろう自らが自己都合で退職、退職金を支払ってそれを名誉毀損の賠償金に充てさせるということを考えているのかなと。
    共同通信社として訴えられているわけではないので、直接お金を払ったりすることは中々出来ないので、桜ういろうから各被害者への賠償が滞りなく支払われるようにしてせめてもの罪滅ぼしに、と。

    なーんてこてはあるわけないですけどね。
    共同通信社は歪んだ正義を振りかざし、捏造偏向お手の物、のイカレたオールドメディアの代表格なので、この桜ういろうに関しても、自らは正義だと思っているからこその処分でしょう。
    「俺らは正しいけど、被害者ビジネスのウヨ野郎どもがうるせーから、まあかるーく処分はしてやるよバーカw」
    どうせこんな程度ですよ。

  • マスメディアは、無責任かつ社内の不祥事が多すぎ、倫理観も低俗です。とてもまともな社会人の集まりとは思えません。また自社のスキャンダルを矮小化、密閉することしか考えてないです。

    どうやら「桜ういろう」の正体が二人の提訴により、あばかれますね〜。発信者情報の開示を要求し、本人情報を特定することができます。コレは本人は勿論、早く幕引きを急いだと見られるマスメディア本社、経営トップにも及ぶでしょう。是非、そうなるべきだ。

  • 警察官、自衛官、教員の不祥事、特に自衛官の不祥事にはヒステリックな程に紙面と時間をかけるくせ、この言論人にあるまじき言葉による暴力事件には、共同はじめどのメディアもだんまり。日本に何万何千といるオールドメディア人に、まともな人は一人もいない。まさに逝って良し、の業界です。

  • 共同通信はしんぶん赤旗以上に閉鎖的なイメージがあります。
    例えこの「桜ういろう」とやらが裁判で負け、本人の素性がネット中に知れ渡っても、
    それでも何もせずあらゆるコメントを拒否するのではないでしょうか。

    これが今までずーっと変わらなかった、自分とお味方に甘すぎるマスコミのやり方。
    「今までは庇ってくれたじゃないか!なんで俺にだけ厳しくするんだよ!」
    と言う反発を生んでしまうから、「桜ういろう」とやらにも厳しくできないのでしょうなあ。

  • 桜ういろう事件の主犯は
    公式には正体解明中ですが、
    ネットではすでに先行して究明が進んでいます。

    ワル騒ぎする人の垢バレは
    過去にいくつかの例がありますが
    今回の 桜ういろう とかの場合は
    ある有名な 垢バレ顛末が自然と思い浮かびます。
    発言の方向性などなどとその卑劣性が
    いわゆる「シュナムルさん事件」問題と
    なんかとても似たものを感じます。

    攻勢を期すために
    両者の些細な違いはといえば、
    「シュナムルさん」のお仕事は
    架空の企業の理系技術者騙りでしたが、
    「桜ういろう」の場合は、
    実在する報道機関であありながら
    報道の使命を忘れ偏向報道に勤しむ
    挙動不審社と異名を取る 
    実在の会社さんだった
    という違いだけはある模様です。

    • あ 
      ✗ 攻勢を期すために
      ○ 公正を期すために
      です ごめんんさない

    • 世相マンボウ_ さま

      読心術を操る変換は正しかったのではないかと思います。爺爺不審者や傾財新聞社もお忘れなく。

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