茂木氏「関西圏の体制立て直し必要」発言にネット反発
日曜日に投開票された統一地方選では、保守分裂選挙となった奈良県知事選で、平木省氏、荒井正吾氏が共倒れとなり、日本維新の会の山下誠氏が勝利を収めました。これを受けて茂木敏充・自民党幹事長は10日、「大阪をはじめ関西圏での体制立て直しという課題が改めて明らかとなった」と述べたそうですが、これにインターネット上ではおもに保守層と思しき人々から強い反発が生じているようです。
昨日の『奈良県知事選での「高市責任論」否定する読者コメント』でも取り上げたとおり、日曜日に投開票された奈良県知事選挙では保守分裂選挙となり、結果的に日本維新の会の山下真候補が勝利しました。これが、自民党奈良県連会長でもある高市早苗氏の責任問題とされるゆえんです。
ただ、それと同時にいくつかのニューズサイトの読者コメント欄を覗いてみると、多くのコメントの怒りが茂木敏充幹事長や二階俊博・国土強靭化推進本部長(元幹事長)、さらには森山裕・選挙対策委員長に向けられていることがわかります。
たとえば『スポニチアネックス』が『Yahoo!ニュース』に4月9日午後8時1分付で配信した『奈良県知事選 日本維新の会新人勝利 保守分裂の末 政界関係者「高市早苗氏に対して責任を問う声必至」』という記事だと、読者コメントが昨晩時点で500件以上寄せられています。
その高評価上位コメントを眺めてみると、こんな趣旨のコメントが目に付きます。
- 高市氏の責任というより、「高市潰し」のために高齢の荒井氏を担ぎ出させた二階氏の問題ではないか
- 奈良は自民党の権力闘争の犠牲になった。引退を決めていた荒井氏に出馬を焚き付けたのは、二階氏の手下の森山氏。中国の言いなりの二階氏が保守分断を演じ、親中の維新に漁夫の利を与えた。日本のことなどなにも考えていない証拠だ
- 責任を問われるべきは茂木氏であり森山氏であろう。分裂させた張本人の二階氏には誰かが引導を渡すべきでは?
- 平井氏が立候補表明したあと、引退を考えていた荒井氏をたきつけ出馬させたのは茂木幹事長と二階氏。その目的は県連会長である高市氏を追い落とすことと、維新に恩を作り自民党と協力させるため
…。
これらのコメントが事実関係を正確に示しているのかどうかについては、とりあえず脇に置きましょう。ここで重要なのは、一般読者のこうしたコメントが、ヤフコメの上位に散見される、という事実です。
また、昨晩はツイッターで「茂木幹事長の責任」などのトレンドが発生していたのですが、そのトレンドを調べてみると、産経ニュースのこんな記事にたどり着きます。
自民・茂木氏「関西圏で体制立て直し」 統一地方選、維新躍進に
―――2023/4/10 13:42付 産経ニュースより
記事タイトルでも内容がわかりますが、産経によると茂木氏は10日、艦艇で開いた政府与党連絡会議で「大阪をはじめ関西圏での体制立て直しという課題が改めて明らかとなった」と述べた、とされるものです。
正直、現在の自民党が「関西圏での体制立て直し」よりも先にやらなければならないのは、「幹事長の更迭」ではないか、といったツッコミが入りそうな記事です。
茂木氏は現在、河野太郎、林芳正の両氏とともに、「ポスト岸田」の最有力候補のひとりとされているようですが、ネット上の保守層のツイートなどを眺めていると、どうもあまり好評ではないらしい、という点についても、この両名とよく似ている気がします。
いずれにせよ、今回の奈良県知事選を巡って、ネット上では「高市責任論」があまり大きな意見として聞こえてこないのは、興味深い現象のひとつではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
茂木氏、河野氏、林氏、そして岸田氏。なんだか「安倍総理のもとで」は活かされていたなぁとしんみりしてしまいました。
2023統一地方選の前半の特筆すべき点は、やはり維新の躍進でしょう。①橋下、松井といった結党時の立役者の引退②大阪都構想といった明確な争点なし、の下での成功は、自民党にあきたりない人たちの支持が維新に集まったんでしょうね。その意味では、自民党よりも、立民の方が危機感が強いかもしれません(公明も大阪の衆院小選挙区での当選が危ういので大変)。
茂木幹事長が、「関西圏での体制立て直し」を唱えた意図は判りませんが、高市奈良県連会長の更迭は必至でしょうね(大阪府連の宗清さんも同様)。
茂木幹事長の、安保政策はよく判りませんが、2021年7月に「中国政府による人権侵害を非難する決議の国会採択」を、「北京冬季五輪・パラリンピックに政府関係者を派遣するかどうかの政府判断に影響を与えかねない」と自民党として見送った経緯を踏まえると、少なくとも保守派ではなさそうです。
世耕参院幹事長、西村経産相、加藤前厚労相といった保守派の中堅が、総理総裁候補となるには、もう一回り必要なのかな(その意味では高市さんが失速したのは残念。政治は結果責任ですからね、県知事選に敗れて、理由は諸々あれど、県連会長が無傷ですむわけがない)。
2Fは後半の補選で世耕潰しを画策している模様も…
引っ掛かったオタク様
返信ありがとうございます。
二階前幹事長は、主義主張の薄いいわば典型的な”政治屋”ではありますが、時々の要所では、絶妙な立居振舞を見せます。今回の和歌山衆院補選でも、勝てば「二階さんの強力な支援のおかげ」、負ければ「世耕さんの無理な擁立のせい」という絶妙なポジションを構築しています。
ただ情勢はどうですかね。門博文さんは、中川郁子元農水政務官との路チューで評判は悪いですよ。岸本知事は、二階さんに全面的な協力を約束したようですが、岸本陣営のなかには反発も少なくないようです。維新の勢いが勝るかもしれません。
二階さんのような政治家ばかりでも困りますが、こういう独特な政治家も一人ぐらいはいてもいいのかな、とも思います(安倍元総理は「型を持っている」と評した)。
都構想も含めて「身を切る改革」が維新の1枚看板です。
これに真っ向から反対するのが大阪自民。親玉のタケモト某が利権死守派です。
府民からは「身を切る覚悟がない」と見られていて、この構図を覆すのは至難の業。
安倍時代、中央では維新と自民は割と良好な関係でしたから、大阪でも関係修復の機会はあった筈なんですが、やって来なかった。
あくまで意地を張る。
今回の知事選では、もはや自民の名前も出せず、立憲と相乗り(!)でコブトリ婆さんを担ぐなんて、反維新なら何でもありかって、自民支持者も逃げ出しますわね。
この頽勢を立て直せたら、茂木にも総理の目があるかも知れません。ま、無理でしょうけど。
「関西圏での体制立て直し」一般論としてはそうなんだろうけど、
今回の奈良知事選は、現職の78歳の荒井氏をわざわざ引っ張ってきたのが、明確な敗因ですね。
ここらへんの責任は明確にするべきでしょう。
あと、維新に対応するには、若返りは必要ですが、さて。
分かってないのは党中央のほうだ。
岸田施政には戦後日本政治体制の様相であった「大昭和構造」への回帰のようなものを当方は感じます。昔から知っており分かりやすく与しやすい。それが理由で、利権守旧派同士が手を組む。21世紀がそうであっていいはずがないのですが。
落選運動でもあってのことなら関心もあるのですが、そうではなさそうですね。
負けに不思議の負けなし、つまりそういうことでしょう。
それより共産党の退調がきになります。トップをめぐるゴタゴタで岩盤支持層にも愛想をつかされたのかしらん。お灸を据えたのだとしたらまさかの致命症とか笑える案件でしょう。
創価の寝返りだけでは足りないので、対立保守候補を立ててワザと負けた、沖縄と同じ親中選挙工作と思います。 県警と県立医大の口封じの目的もありそうです。
どう考えても高市さんに責任などあるわけないでしょう。やる事をきちんとやっている。自民党内での責任は、幹事長を筆頭とする不作為の執行部にある。奈良県連からの公認申請棚ざらし、調整作業もせず、荒井前知事のなすがまま。執行部は裏で荒井の立候補を画策したとの噂すらあり。何もしない執行部に現場の責任など問えるはずもないのは常識ある人ならば容易に理解出来る。それをわざわざ高市さんの責任云々とはそこに何がしかの邪悪な「思惑」がある故でもありましょう。何もしなかったのは、自民党総裁の
岸田も結局は同罪であるし、相変わらずの不作為。一刻も早く退場して欲しい。
尚、維新を操って公明を連立から追い出すか、或いは連立から追い出さなくとも限りなく公明の影響力を削ぐとの事を画策しようとしているとの可能性もありとの指摘もある。国益から考えれば、勿論公明などには政権から早く立ち退いて欲しいが、そのような意図があったとしても、今回の選挙結果で高市さんの責任を問うなどという寝言はいいかげんにして欲しい(理屈が通らない)。
ならば、県連会長というポストは何のために存在するのですか?
今回の一件で、高市氏に全く責任なしと言い張るのは、むしろ贔屓の引き倒しになりかねないのではないかと思いますが。
高市早苗大臣の責任というよりも、4期勤めた候補が、未練がましく二階俊博議員に面会したりして、巻き返ししてましたね。結局、県連と党本部が一本化出来てない。ダメですね。大阪市長選も自民党大阪府連、市連がごちゃごちゃしてて中央と上手くいってない。この辺が関西の自民党が駄目な点です。
自民党支持だが大阪自民には入れたくない。
特に市長選で負けて辞めたはずの衆議院議員には入れたくない。
https://www.sankei.com/article/20220118-L7PPWCXOXNO55DZ7GEMK5A65UE/?outputType=amp#aoh=16811850771020&_ct=1681185119958&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&_tf=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%3A%20%251%24s
自民・茂木氏 「対中決議、今国会で成立できる」
昨年1月において、内容は骨抜きでありながらも「対中非難決議」を北京五輪前に通すことができるとの見通しを述べていた茂木幹事長の喜びようは、鮮烈に覚えております。2021年度中は何度も対中非難決議を見送っただけに喜びも大きかったと思います。
ネット内においては「シェイシェイ・茂木」とレッテルを貼られ、親中であるとの評価で全面砲火を受ける中、岸田政権の反転攻勢が始まった瞬間でもありました。
非常に厳しい国際環境に日本が乗り出していく矢先、最後の滑り込みを果たした瞬間でもありました。
そんな茂木氏も安倍総理亡き今、権力闘争で自党の足を引っ張る始末に陥ってしまうのですね…
茂木敏充Twitterより
えりアルフィヤさんは、日本銀行や国連で働き、国際舞台を中心に若い力と強い責任感で活躍してきました。
自民党が目指す女性や若者はじめ多様な人材が活躍する社会、そして、日本で最も先進的な地域の1つである市川市と浦安市の代表にふさわしい候補者です。 https://t.co/aItiayqNit
茂木氏は親中派とは言われているが、けして普通の親中派ではありませんよ、とフォローを入れた矢先にこのツイートですか…(痛い…)
自らを河野太郎氏と同じ立ち位置に置いてしまった以上、これからは「公式的」には「親中派」として扱わざるを得ないのでしょう…
ネット内でもそう扱われてしまうことは覚悟なさっているのでしょう…
実際のところ、彼が「親中派」ではないことはわかってはいるのですが…
英利アルフィヤさんは、立派な方かもしれませんが、今回の補選擁立は、麻生さんが子飼いの薗浦前議員の将来の復権を考え、地元に縁のない彼女を担ぎ出したと言われています(英利さんは、千葉5区を譲った後は、猪口参院議員・千葉選挙区の後任に収まるそうです)。
そういう話に乗る、というのも何ですよね?本当に市川市と浦安市の代表にふさわしい候補者でしょうか?
市川・浦安市民の良識が問われていると、思いますが。
今回の統一地方選挙の結果は、保守と革新がそれぞれ利権を分け合って来た戦後政治がようやく終わりつつあることを強く感じさせる結果になりました。
維新には課題もありますが、保守層の選択肢が出来つつあるという点については素直に歓迎したいと思います。
また、維新が保守層の選択肢に加わることによって、野党の不甲斐なさに慣れきって現状に安住してきた自民党の改革、日本政治の改革が進むのではないかと思います。
特に、問題の多い省庁のあり方を見直す行政改革には維新の躍進が不可欠ではないかと思っています。
維新はまず大阪ローカル政党から脱却する必要があります。そのためには、大阪維新の会を解散するべきでしょう。現状でも、党内で大阪派と非大阪派とでの暗闘が漏れ伝わってますから、維新が本当に全国政党を目指すのであれば、まずそういった地域主義から脱却する必要があります。今のままでは、関西圏以外ではちらほらと議員が生まれるかもしれないけれど、それ以上の発展は望めないと思います。
まあ、維新があくまでも大阪の政党であることに固執するのであれば、好きにすればとしか言いようがありませんが。