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韓国野党議員らの相次ぐ訪日がもたらす「副次的効果」

福島と新潟で日本国民の顰蹙を買った韓国野党議員

日本にやってきていた韓国野党議員団は、「アポなし福島訪問団」だけではありません。佐渡金山の世界遺産登録に反対する野党議員らも同様に、複数名で日本にやってきていたようです。ただ、これに関する報道を読んでいると、日韓議連側が対応したとの報道は見当たりませんし、それ以上に『Yahoo!ニュース』に掲載されているあまたの読者コメントで、彼らの行動が日本国民の顰蹙を買ったことがわかります。

例の「アポなし訪問」議員、「汚染水の懸念、日本に伝わった」

東電福島第一原発のALPS処理水の海洋放出に関連し、韓国から野党議員4人が来日していた件で、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日、こんな記事が配信されていました。

汚染水問題で訪日した韓国野党議員「韓国の懸念、日本に伝わった」

―――2023.04.09 13:51付 聯合ニュース日本語版より

聯合ニュースによると議員のうちのひとりは9日、フェイスブックを更新し、「汚染水の海洋放出を懸念しているわれわれの立場が日本社会に明確に伝わった」と主張。その証拠として『ヤフージャパン』で「韓国、野党、福島」と入力して検索すると検索結果が260万件以上だった、などとしているのだそうです。

このあたり、「韓国の議員が訪日しているという事実」を伝えるという意味では、たしかに大成功だったことは間違いありません。実際、この議員らに対しては、「注目」は集まったからです(といっても、まったく違う意味ではありますが)。

「ガースー」日韓議連、韓国アポなし訪日団に恥かかす』でも取り上げましたが、この議員らが面会できたのは一般市民1人、市議1人、診療所の所長1人に留まり、肝心の福島第一原発への訪問もかなわず、それどころか日韓議連関係者とも会えず、8日に帰国しました。

日韓諸懸案はあくまでも国際社会の法や常識、ルールなどに従い、透明性の高いプロセスで協議され、解決されるべきです。自称元徴用工問題を巡る「岸田ディール」は、この原則を無視した、大変に愚劣な決定ですが、こうした岸田首相の失策を部分的に挽回する動きがありました。菅義偉総理が会長に就任したばかりの日韓議連が、韓国野党議員を冷遇したことです。結局、この野党議員らは東電本社にも入れず、原発視察も拒否され、日本で地方議員1人、住人1人、診療所所長1人と会うにとどまるなど、大恥をかいたようです。例の韓国野党...
「ガースー」日韓議連、韓国アポなし訪日団に恥かかす - 新宿会計士の政治経済評論

聯合ニュースはこれについて、議員のひとりが聯合ニュースの取材にこう答えたそうです。

  • 日本社会でも日本政府と東京電力に対する不信が大きいのに、韓国政府が日本政府に同調する姿勢に失望したとの声もあった
  • 今回私たちが訪日し明確に「違う」と言ったことは意味が大きい
  • (実質的な成果が足りないとの指摘については)多くの人に会えなかったが、象徴性のある人に会ってきた

…。

普通の国と国との関係になる日韓:今度は佐渡金山の件でも来日

正直、今回の訪日に「成果があった」と思いたいのであれば、自由にすればよいのではないかと思います。

ただ、今回の日本側の対応から浮き彫りになるのは、日韓関係がますます「普通の国と国との関係」に変わってきた、という事情です。これに関連し、「韓国の議員の来日」という観点からは、こんな話題も紹介しておきましょう。

韓国野党議員、日本で記者会見「佐渡金山のユネスコ登録を阻止する」

―――2023.04.10 06:53付 Yahoo!ニュースより【中央日報日本語版配信】

韓国メディア『中央日報』(日本語版)によると、日本を訪れている野党議員3人(※いずれも「汚染水」で来日した議員とは別人)は9日、東京の産業遺産情報センター前で記者会見を開き、「朝鮮人強制労働現場である佐渡金山のユネスコ世界文化遺産への登録を阻止する」と述べたのだそうです。

ちなみにこちらの議員団は、当初4人で日本にやってきていたのですが、そのうちの尹美香(いん・びこう)議員(無所属)は「健康問題で早期帰国した」のだそうです(※余談ですが、尹美香氏といえば自称元慰安婦との「内紛」や詐欺容疑で起訴されたことなどでも知られる人物です)。

ただ、ここでも注目したいのは、記者会見の「場所」です。記事に「東京の産業遺産情報センター前で」、と記載されていることから推察するに、この議員らは産業遺産情報センターの内部には入れなかった可能性があります(もしかしてやはりノーアポだったのでしょうか?)。

また、関連する報道を検索しても、やはり日本の日韓議連関係者らが訪日中の野党議員と面会したという記事は見当たりません。このあたりも、日本社会全体の韓国に対する冷めた視線の象徴なのかもしれません。

単なる反日パフォーマンスではない「ボディブロー」

ちなみに「福島ノーアポ議員団」と「世界遺産議員団」という2つの議員団の相次ぐ訪問については、韓国国内でも「反日パフォーマンスに過ぎない」、といった批判が出ている、との報道もあります。

韓国野党議員が福島視察 「反日パフォーマンス」で尹政権批判

―――2023/4/7 18:25付 産経ニュースより

産経ニュースは先週金曜日、福島視察団の目的について「対日関係改善を優先する尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が処理水放出問題に十分に対応していないと印象付け、尹政権批判につなげるのが狙いだ」、としつつも「韓国でも訪日の成果を疑問視する声が多い」と指摘。

さらには「7日には、別の共に民主党議員や元慰安婦支援団体の前トップで無所属の尹美香(ミヒャン)議員らが新潟県佐渡市を訪れ、『佐渡島の金山』の世界文化遺産登録の申請中止を要求した」件も含め、「『反日パフォーマンス』で尹政権の対日外交をおとしめようとする姿勢」、などとしています。

このあたり、尹美香(いん・びこう)議員らを含めた韓国野党議員の動きに、「韓日関係改善」を成果としてアピールしようとしている尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領の「足を引っ張る」目的があることは間違いありませんが、現実にはそれ以上の「副次的効果」をもたらしているのではないでしょうか。

それが、「日本国民の顰蹙(ひんしゅく)」です。

ヤフコメに見る「日本国民からの顰蹙」

社会がインターネット化して「良かった」と思えることのひとつは、ある記事を読んで、それに対するほかの読者の反応をリアルタイムに知ることができる点にあります。

実際、さきほどの中央日報記事に寄せられたヤフコメなどの反応を見る限り、彼ら韓国野党議員の行動は、「一般の日本人」から相当の顰蹙を買っていることがうかがえます。

たとえば、コメント欄ではこんな趣旨の指摘が目に付きます。

日本の国会議員が韓国に行って、『竹島は日本の領土だ』と記者会見したら、韓国国民はどう思うのか考えたことはないのだろうか?

つまり、「政策や意見が正しいか間違っているか」という次元ではなく、「ヒトとして他者を尊重できるかできないか」という視点で、「こういう行為を平然と行う議員がいる国と、どうやって友好関係を築けば良いのか」について戸惑っている人が多い、ということでしょう。

また、1910年から45年まで、日本が朝鮮を支配していたことは事実ですし、「国民徴用令」に基づき朝鮮人も徴用されていたことは事実ですが、そこに「強制労働」というウソを織り込んでくることに対し違和感を示すコメントもあります。

そもそも鉱山労働なんて過酷で当たり前。強制労働だと訴えるなら具体的証拠が必要ですし、それが出せないならただの内政干渉です」。

ちなみにこのコメントに対しては、こんな趣旨の返信もあります。

国家が個人の私権を制限し労働力を供出させるという点では、韓国が今行っている『徴兵』と何ら変わらない。韓国の徴兵が『強制労働』でないなら日本の徴用も『強制労働』ではない」。

そもそも炭鉱労働が過酷であるということと、募集に違法性があったかどうかは、まったく別の論点」。

こうした議論を眺めていて思うのは、じつは韓国の野党議員が来日して理不尽な主張を残していくこと自体が、間違いなく、日本社会に対して「それなりの影響」を与えていくのです。そして、これらがじわじわと日本社会に浸透していけば、ボディブローのようにダメージが蓄積していきます。

しかも、現在はオールドメディアが一生懸命に「日韓関係には改善の兆しが生じている」などと喧伝している最中ですが、そのようなタイミングでこんな話題が出てくれば、それが日本の国民感情に対してどんな影響を与えるかは、議論の余地はないでしょう。

いずれにせよ、「ウソツキ外務省」やオールドメディアなどが「日韓関係改善」を印象付けようとするなかで、韓国野党議員からのこのような「パフォーマンス」が行われたこと自体は、結果的に日韓関係の「改善」(?)を遅延させるだけではありません。

皮肉な話かもしれませんが、韓国が望む「密室で日本が韓国に譲歩する」という行動をますます難しくさせ、日韓関係を国際常識ベースで運営せざるを得なくさせることにつながるのです。

新宿会計士:

View Comments (18)

  • 韓国野党にとって、「反日」は党利党略であくまで内政対応でしかない。日本国民の顰蹙を買おうが、日韓関係がどうなろうが彼らには関係ないのである。

  • コラボ応援団みたいに、議員会館で記者会見すれば面白かったのにねえ。(笑)

  • そのうち怒った強制労働者による反乱でダイナマイトとシャベルにより山が真っ二つに割れたなどと言い出すと思います。

  • これはこれは韓国は痛いところ突をかれたな。
    >>>国家が個人の私権を制限し労働力を供出させるという点では、韓国が今行っている『徴兵』と何ら変わらない。韓国の徴兵が『強制労働』でないなら日本の徴用も『強制労働』ではない」。

    韓国にとっては痛恨の一撃でしょ。

  • 韓国の議員視察団は、中国ではスパイ容疑で逮捕されても、何も言えない(^ ^)

  • 「汚染水の懸念、日本に伝わった」、確実に伝わっていると思いますね。
    汚染水=韓国反日与野党議員
    この汚染水、ダメですよね。一刻も早い駆除・浄化が必要だと思いますね。

  • いつぞやのノーアベデモとかもそうだが、彼らは日本人をこと政治面に関して自分たちの望むとおりに変えることができると考えている……なぜそう思えるのか不思議でならない

    • 本当に変えることができると考えているかどうか分かりませんが、潜在意識下で日本は韓国より下位の国だから自分達をヨイショしなければならないと思っているのではないでしょうか。

      • すべては、河野談話で謝った→韓国は道徳的優位になった→あらゆる事に従わなくてはならない→そうならないのは何故だ?
        あちらの国から逆に不思議に思われているのです。
        相手とのコミュニケーションはお互いがわかる手段で行わなければならないという事が判る好例だと認識しています。
        ※政治的妥協とやらで自己満足していた皆様。この有様です。

  • オープンな日韓関係を望む。密室で2国だけで会うのでは無く、韓国とは必ず米台豪英加印仏EU星らと同席する事、コレ常識。言った言わないになるから。後で反故にするから。第三国の参列が必要です。

    新手の韓国議員らもやはりノーアポか?(笑)記者会見の場所が「東京の産業遺産情報センター前で」・・・デモしに来たんか(^^)v?無駄な行為にカネ使っているわ(爆笑)。

  • 産業遺産情報センターは完全予約制です。
    彼ら元々見学に行くつもりは無かったかと。

    ここは是非伺うべき場所です。
    開館した頃、予約に2か月待ちでしたが、日本人が如何に偉大なのか「感動した」の一言です。
    仮に彼らが行っていたとして、解説者に論破されて大恥をかいたでしょう。
    近現代史は日本人の「誇り」であり、日本人で良かったと痛感した場所です。

  • 現在進行形で非常に悲惨な目にあっている北朝鮮領域内にいる「韓国国民」を放っておいて何をしているのでしょうね。

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