「高評価コメント」に立憲民主党擁護は皆無=小西文書

「小西文書問題」に別の側面があるとすれば、それはくだらない揚げ足取り型の質疑を是とする新聞、テレビなどオールドメディアの存在です。こうしたオールドメディアの問題は、しかし、社会のネット化が進むにつれて、急激に浮き彫りになってきているのです。その意味で「小西文書問題」は、まさに当ウェブサイトの用語でいう「腐敗のトライアングル」の断末魔のようなものかもしれません。

小西文書はすでに決着済み

例の「小西文書問題」を巡っては、先ほどの『小西文書は国家公務員法違反も?高市氏記述はほぼ捏造』で議論したとおり、高市早苗氏の「捏造」云々の発言については、この小西文書自体に事実関係を捏造した内容が含まれているという点に関しては、ほぼ決着がついたと考えて良いでしょう。

したがって、「もし文書が捏造でなければ大臣、議員を辞める」という高市氏の「コミットメント」に関しても同様に、終了してしまいました。高市氏は大臣を辞める必要も、ましてや議員を辞める必要もありません。

そして、それで終わらないのは、むしろ小西氏の側でしょう。

今回の文書、行政文書を何らかの不法な手段で入手し、それを政治利用したのだとすれば、ケースによっては「そそのかし」として国家公務員法第111条違反などの罪に問われるおそれもありますし、その文書自体に記録された「大臣レク」が虚偽だったならば、それこそ総務省解体レベルの大きな爆弾です。

メディアの問題?酷い切り取り報道

ただ、もしも日本のマスメディアがまともに機能しているならば、追及の矛先は小西氏と総務省、そして官僚機構に向かわなければならないはずなのですが、そうならないのが、日本のマスメディアが「マスゴミ」などと揶揄されているゆえんなのかもしれません。

メディアの切り取り報道は非常にひどく、たとえば野党による質疑に関しても、前後の文脈を無視し、高市氏の発言をことさらに問題視するかのようなものも目立ちます。

たとえば高市氏は15日、参議院で杉尾秀哉氏からの質問に対し、「私が信用できない、答弁が信用できないんだったら、もう質問をなさらないで下さい」と述べたのですが、これに関して報じたテレビ朝日の記事のタイトルは、こんな具合でした。

高市大臣「信用できないなら質問しないで」 総務省の行政文書めぐり野党追及

―――2023/03/15 18:49付 Yahoo!ニュースより【テレ朝news配信】

記事タイトルだけを見ると、まるで高市氏が杉尾氏の質問を拒絶したかのような印象を抱いてしまいます。

しかし、これも質疑の前後の文脈を読むと、非は杉尾氏の側にあることは明らかです。杉尾氏は具体的な論点を示さず、ただ「高市大臣の言っていることはまったく根拠がない」、「まったく信用ができません」と述べただけだからです。

日本語でこれを「言いがかり」といいます。

正直、立憲民主党などの野党議員が政府・与党に対する理不尽ともいえる言いがかりじみた質疑を続けている理由も、結局のところ、新聞、テレビなどのメディアが前後の文脈をほとんど報じず、「タイトル詐欺」などを通じて読者、視聴者のミスリードを誘い続けているからでしょう。

高市氏を罷免できない岸田氏の事情

さて、こうした文脈でもうひとつ取り上げておきたいのが、こんな記事です。

首相、放送法文書「正確性議論」 高市氏罷免を否定、参院予算委

―――2023/03/24 10:32付 Yahoo!ニュースより【共同通信配信】

共同通信によると、岸田文雄首相は放送法の「政治的公平」に関し、24日の参院予算委員会で立憲民主党の石垣のり子氏の質疑の中で、高市氏の経済安保担当相からの罷免を巡り、「議論が継続中」、「あまりに理論が飛躍している」として否定したそうです。

当たり前の話でしょう。

もしも岸田首相が保守層からの支持も厚い高市氏を罷免した場合、自民党の「岩盤支持層」の怒りが立憲民主党に対してではなく、岸田首相に対して向けられるからです。

それに、あくまでも著者自身の個人的見解ですが、岸田首相が高市氏を自民党政調会長、続いて経済安保担当相に任命した理由は、高市氏を無役とすると、高市氏が自由に動けることになり、ゆくゆくは高市氏が自身にとっての政治的ライバルとなる可能性を恐れているからではないでしょうか。

自民党総裁選は2024年9月、つまり約1年半後に迫っており、前回の総裁選で2位になった高市氏がさらに差を詰めれば、場合によっては得票数の逆転もあり得ることを、岸田氏は強く認識しているのかもしれません。

(※余談ですが、岸田氏が現在も出身派閥「宏池会」の会長を辞めず、「宏池会」ナンバー2の林芳正氏を【よりにもよって】外相という地位に就けているのも、一説によると、林氏が自身の地位を脅かすことを恐れているからだ、という説明をする人もいますが、この説明も非常に合理的で説得力が高いものです。)

辛辣なヤフコメ:上位コメントに立憲民主党擁護は皆無

ただ、それ以上に興味深いのは、いつもどおり、『Yahoo!ニュース』の読者コメントでしょう。

一般読者からのコメントは現時点で2351件(!)もあるのですが、このうち最も評価が高いのは、こんな趣旨のコメントです(文章については少し整えています)。

  • 予算委員会だけど、予算の話はしなくていいの?立憲民主党にとっては『小西問題』の方が重要なの?総務省も『放送に関する圧力や解釈変更はなかった』と発表している。共同通信が本件をいつまでも最重要案件のように取り扱う姿は、『桜ういろう』そのものだね。」(👍16992)

このコメントにある「桜ういろう」についてはツイッター上で過激な言動を繰り返す者が共同通信の記者だったと報じられた問題のことですが、『元大手新聞記者「マスゴミ論」と一般読者の辛辣な反応』でも取り上げたばかりなので、記憶にあるという方も多いでしょう。

また、読者コメントのうち高評価のものを拾っていくと、だいたいどのコメントも、立憲民主党に対して批判的です(※引用に当たっては意味を変えない範囲で文体を変更しています)。

  • 高市氏に辞任を求めるのは論理の飛躍という岸田首相の発言に加え、総務省が発表した内容からも、これ以上高市氏に辞任を求めるのは困難。<中略>放送法の解釈変更もなかったのだし<中略>、そもそもこの文書の入手経路こそ問題」(👍10826)
  • いまの段階で高市氏が罷免される理由はまったくない。<中略>今でも偏った放送をしている番組もある。なにが問題で高市氏が罷免されなければならないのか、石垣議員には逆に聞いてみたい」(👍10459)
  • だから野党の支持率は低迷している。日本に希望を持たせてくれるならば自然と支持率は上がるのに、足を引っ張ることしかできない」(👍7065)
  • 立憲民主党が支持されない原因はこういうところにある。政府の追及も大事だけど、いま国民が政治に求めているのは、国民の生活を豊かにするための議論。生活に余裕があって自民党嫌いな人は支持してくれるかもしれないが、金持ちは少ない」(👍7079)

…。

やはり、国民は冷静です。

腐敗トライアングルの断末魔

『Yahoo!ニュース』のコメントこそが国民世論の代表だとは申し上げませんが、2000件を超えるコメントのうち、評価上位10コメントを見たところ、立憲民主党の追及型質疑を評価するものが皆無であるという事実は、選挙結果で立憲民主党が衆参両院の多数派を形成できていない理由を説明しているように思えます。

もちろん、こうした立憲民主党の「追及型質疑」を絶賛してきた特定新聞、特定テレビなどの特定オールドメディア(某大手新聞社出身の方に言わせれば「マスゴミ」)の罪も非常に大きいのですが、それ以上に、ネット化が進んだ社会でオールドメディアと特定野党の「毒」が抜けてきているのは非常に良い兆候です。

やはり、『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』などを含め、これまでに当ウェブサイトでも何度となく取り上げてきたとおり、この日本という国を悪くしている最大の元凶は、官僚組織とオールドメディア、特定野党という「腐敗のトライアングル」です。

虚偽の行政文書を作成した総務省、(おそらくは違法な手段で入手したであろう)その行政文書を手に政府・与党の足を引っ張る小西洋之議員を含めた立憲民主党関係者、そして切り張り報道を通じてそれを側面支援する特定メディア――。

その意味では、今回の「小西文書」問題も、まさに腐敗トライアングルの断末魔のようなものなのかもしれません。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    予算委員会で何しとんねん!と言いたい。
    こんなんだから、国民は立憲民主党を支持しないんだ。何も自由民主党が良いとか日本維新の会が政治を変えるとか誰も思ってないが、共産党と立憲民主党と泡沫左傾会派には腹立たしさと消滅して欲しいと願う。あ、公明党もイラナイ。

    1. より:

      同意、同意。

    2. 匿名 より:

      予算委員会を何でもやる場という悪習は捨てるべきですね
      ところが、そういうのに突っ込みを入れるべき、肝心の人文系の学者どもがクズばかりだから・・・

    3. 匿名 より:

      予算委員会だけではありません!

      外交防衛委員会においても、放送関連質問を行っています。

      ヲイヲイ、日本の国会大丈夫か?

      【国会中継録画】小西洋之 外交防衛委員会 質疑(2023/03/17)
      https://www.youtube.com/watch?v=rj3vK6zMi7Y

  2. ててん より:

    https://www.sankei.com/article/20230324-RXASSJM6CZOQDITYIATNWW2XEY/
    石垣議員のこの発言で得られる支持者の喝采はさぞかし気持ちいいのでしょうが、結果より嫌悪され選挙で忌避され浮動票を失い、自分たちの政党の未来を閉ざしている事にいい加減気付くべきですよね。
    そして、この発言を肯定的な形で報じるメディアも人心が更に遠ざかる事を思い知るでしょう。

  3. 世相マンボウ* より:

    THEコ ニシ 議員 一味さんたちの
    名誉のために申し上げると
    彼らもとても頑張ってます。(^^);
    たとえば、
    「自民党のネット工作員の方々が頑張って
     いらっしゃるところ失礼します・・??」
    とかいう苦笑を誘う多数派正統派画策コメントと
    ポチ押しに精一杯頑張ってはみえますが
    いかんせん、
    専従でおまんまや韓流さんなどの
    そんなこんなの人達は
    まともなここ日本では少数なので
    一般国民多数派国民良識層の意見に抗えず
    あとの方のページに追いやられ
    いじいじホルホルされてます(笑)

    まあ、迷惑とは言え
    ザコニシさんのような主張でさえも自由なのは
    日本の高度な民主主義の
    寛容すぎる証なのですけど(笑)
    もし、江戸時代の人たちが
    ザコニシさんの有りようをみたら
    「どうして 火付け盗賊改め方」のお役人は
    放置してお仕事しないんだ?と
    とても不思議に思うことだろうと想像します(笑)

    1. 匿名 より:

      投票率が増えていけば、こういった人を支持する人達の得票率が下がり、自然と排除されていくだろうから、大事なのはやはり国民一人一人の行動でしょうか。

      1. 世相マンボウ* より:

        匿名さま レスありがとうございます
        おっしゃっていただいたとおりだと思います。

        日本の低い投票率は、
        専従でおまんまさんや、
        韓流さんや、
        もっとクレクレ主張の赤いお旗の人達は
        雨が降っても槍が降っても投票に行く一方で
        ふつうにまじめに多数派国民は忙しいので
        つい投票にいかないことからの結果です。

        どぶサヨ方面の人達は
        「自民に投票するアベ信者があ~(?笑)」
        とか滑稽な書き込みしてますが
        そもそも自民党員や支持者は少数です。
        かくいう私も、
        自民党員でもなくネトサポとかでもない
        無党派で、毎回投票には行きますが、
        それは、自民党を支持するからではなく
        単に問題外で阻止する必要がある
        「韓流政党立憲民主党と、
         オウム真理教と同じ公安指定の、
         共産党や、過激派などは  NO!」
        というあったりまえの理由からのものです。

  4. CRUSH より:

    ツイッターはやってないから知らないのですが、運営側に酷く捻じ曲げられていたが、イーロンマスクがドブさらいしてくれたからずいぶんと風通し良くなったのだそうな。

    今のところ(トップが孫正義なのに)ヤフーのニュースフィードやコメント欄は、酷く捻じ曲げられているようには感じられないし、コメント欄の内容もフムフム納得な書き込みが多いようです。

    つか、ROMるのと書き込みするのには高い敷居がありますから、あれだけ真っ当なコメントが殺到しているのは、氷山とかハインリッヒで言うならば
    「世論が沸騰」
    してる現れなのだと思いますねぇ。

    どこぞの国がビルボードチャートを操作するみたいなことは、数ではなくて質での勝負になるコメント欄では、今のところ実行不可能ぽいですな。

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