時代の流れ?哲学的にも難しい回転ずしの「非回転化」
もはや回らなくなっても、それは「回転ずし」と言えるのか――。こうした哲学的な問題を含め、疑問は尽きないところですが、やはり時代の流れといえるのかもしれません。人手不足対策、食品ロス対策に加え、「10年ごとに出現するバカッター」への対応という観点から、「回らない回転ずし」というものが出現しつつあるのです。
「一般に『回転ずし』とは、『回転する寿司屋』を意味する」――。
何を当たり前のことを、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
席に座ると目の前のベルトコンベアにさまざまな皿が流れて来て、客は好きな皿を好きなだけ取って食べ、食べた分だけ精算する、という方式です。
そのお手軽さに加えて目の前をさまざまな寿司ネタが流れて来る楽しさ、「回らない寿司」と比べてお手軽な値段設定、さらには一部のチェーン店ではすし皿を投入するとおもちゃが出て来る(かもしれない)という仕組みなど、エンターテインメント性も抜群です。
小さいお子様がいらっしゃるならば、たまには回転ずしを食べに行くのも良いかもしれません(実際、回転ずしはファミリー・レストランなどと比べると、ひとつひとつの小皿の値段が安いため、「注文したけれど子供が食べてくれない」というリスクを軽減することもできます)。
このあたり、以前の『令和の最重要論点:なぜハンバーガーは回転しないのか』でも議論したとおり、「金融・エクセル・ハンバーガー評論家」である著者自身としては、「回転する店」はほかの業態にも広まってほしいという希望を持っています。
ただ、冷静に考えると、やはり「回転に適するもの」とそうではないものというのものありそうです。
ハンバーガーやポテト、ラーメンなどの場合は作り立て・揚げたてで提供した方が良いという観点から、「あらかじめ製造されたハンバーガーやポテトをレーンに流す」というのは、「冷めるリスク」「伸びるリスク」が極めて高いという意味において、あまり回転には適していないのかもしれません。
(※もっとも、大手回転ずしチェーン店では、ラーメンやうどん、唐揚げやポテトを注文すれば、自席まで専用レーンなどで届けてくれるという仕組みもあります。)
いずれにせよ、この回転ずしという文化は大切にすべきである、というのが著者自身の持論ではあるのですが、大変困ったことに、この「家族連れの味方」でもある回転ずし業界が現在、大きく揺らいでいます。『バカッターは10年周期?外食迷惑行為に毅然と対応を』でも取り上げた、「10年周期で発生するバカッター」のせいです。
これを受けて何やら気になるプレス・リリースを発見しました。回転ずしチェーン店の「すし銚子丸」が3日、全店でタッチパネルを使用した「フルオーダーシステム」に変更
全店舗へのフルオーダーシステム導入のお知らせ
平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます。この度、回転レールを使用することにより発生するフードロス対策や、昨今の飲食業界に大きなダメージを与えている迷惑行為への対策として、2023年4月26日(水)までに、回転レールを使用した商品のご提供を順次終了し、全店で全品タッチパネルを使用したご注文方法「フルオーダーシステム」に変更させていただくことといたしました。<<…続きを読む>>
―――2023/03/03付 『すし 銚子丸』報道発表より
これは、なかなかに衝撃的な発表ですが、やはりこれも時代の趨勢なのでしょうか。
すし銚子丸によると、今回のフルオーダー化に伴い、これまでの価格別の色皿を使用した商品の提供も順次廃止することとなる、などとしていますが、いずれにせよタッチパネルを使って注文しなければならなくなるようです。
ただ、この「タッチパネルでいちいち注文しなければならない」という仕組みは、すでにいくつかの回転ずしチェーン店でも採用されつつあり、実際、著者自身も頻繁に利用する某チェーン店の場合、この「バカッター問題」が生じる以前から、すでに寿司レーンに寿司はあまり流れて来ていませんでした。
コロナ禍の影響もあったのかもしれませんが、「回転ずし評論家」としては、「回転しない回転ずし屋」が増加することに関しては、少々気分は複雑です。
なお、タッチパネル注文にも良い点はあります。それは、寿司が長らくレーンを回り続け、カピカピになる、という問題を回避することができるようになることです。これにより食品ロスの可能性が減ることは、決して悪い話ではないでしょう。
ただ、「回転ずし」と名乗っていながら「回転しない」寿司屋の存在は、哲学的にはどう考えれば良いかという問題は残りそうです。
さらには、回転ずし業態の考え方を敷衍していくならば、たとえば牛丼屋やハンバーガー屋などで、「タッチパネル注文」、「自動配膳」、「キャッシュレス決済」などを組み合わせ、極端な話、客としては入店から食事、退店まで店員さんに一切会わないという仕組みもできるのかもしれません。
いずれにせよ、「回転問題」については引き続き、注目の価値がある論点のひとつであることは間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
私の地元の寿司屋ですと、注文した寿司はベルトコンベアで流れてきます。
通常、レーンには仕切りがないのですが、地元の寿司屋では仕切りがあり寿司が到着すると仕切りが開いて取り出せる仕組みになっています。
しかも、最近開業した新幹線かもめがお皿を載せて走っています。
回転寿司は、店員が寿司を持って行く手間を省くためのものとなりそうです。
すこしピンと外れかも知れませんが、
「田舎の無人販売所」
が、マナーの悪化でなくなるようなものでしょうかね。
売り手と買い手でウィンウィンのよい関係が成立しているのに、バカがぶち壊した結果、
「流通コスト」
が余計に発生してしまう訳です。
バカにはバカ!とその場で指摘してペナルティを課する仕組みが必要ですね。
どうすればよいのかノーアイデアですが。
寿司が回らないのなら職人が回りながら握ればいいのだ。
あぁ、なるほど〜そりゃそうだ…ってなるか〜wwwww
返信失礼します。
美味しんぼで床を回転させて、料理する様を見せつける料理人が居たっけ。
やまいぬ様
平衡感覚のブレに弱い人は、寿司職人になれない時代が来そう?
米田まゆさん、諏訪理さんなど、宇宙飛行士が体力的にキツくなったら、
サードキャリアーとして、寿司職人もアリかも知れないですね(笑)。
レスがいっぱいついてるので(サイトマスター氏が楽しそうでなにより)
調子に乗ってもう少し書こうかな。
皆さん性善説を前提にした商売が成立しなくなってるのを嘆いておられますが
「性善説を前提にする」のって「9条があれば日本は守れる」と同じだと思うんですよ。
外出する際に施錠するのは当然。駅に改札があるのも当然。
町にお巡りさんがいるのも当然。国家が防衛軍を持つのも当然。
勿論バカッターとか迷惑チューバーとかの頭がアレなひとたちに対する「抑止力」も必要。
そういうことですよね。
ストレートレーンと言われるタイプで各テーブルの前までに個別に提供する寿司店が増えてるようですね。
あとは、回転するベルトコンベアに乗せられてはいるけれど、周回せずに各テーブルへとバーで押し出されて提供されるとか。
珍しいのでは、寿司レーンの方で各テーブルに分別・配送するタイプなんかも。
寿司に限らず焼肉などでもレーンで提供するお店があり、その内ファミレスなんかでも導入されるかもですね。
>さらには、回転ずし業態の考え方を敷衍していくならば、たとえば牛丼屋やハンバーガー屋などで、「タッチパネル注文」、「自動配膳」、「キャッシュレス決済」などを組み合わせ、極端な話、客としては入店から食事、退店まで店員さんに一切会わないという仕組みもできるのかもしれません。
新宿会計士さんは参入されないのでしょうか?
最近は回転寿司業界に参入する別業界の企業がちらほら居るとの事です。
p.s.
外食テロに関しては、テレビがそれを報じる事による風評被害の拡大化を述べる意見もあります。
芸能人が自殺した時に、追っ掛け自殺をする人が出ないように配慮するようなものですね。
外食店で注文を取るためには日本語を聞き取れなくてはならない。タッチパネル式なら注文品を指定されたテーブルに運ぶだけ。日本語を解しない外国人でもできる。
実際これをやっている居酒屋に遭遇したことがある。
一部KFCでもタッチパネル式で、勝手がわからず最初は難儀しました。
>日本語を解しない外国人でもできる。
日本の接客文化も、チェーン店などはタッチパネル化
高級店は日本人が注文応対に分かれるかもですね。
庶民的なお店に、過剰サービスを求める時代は廃れていくのでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9e99c213dc639d6e1d4d82fb29d474b1dba86dd
>過剰サービスを求める時代は廃れていくのでしょうか
ある百貨店でエスカレーターの前でニコニコしながら頭を下げている案内嬢がいた。
たまたま友人に百貨店勤務の人がいて「あれは何のためにやってるのか」と質問したところ「ああいうことに価値を感じている客も多い」という返事。
ああいうことやってるから百貨店はつぶれるんだろうね。
sqsqさん
懐かしいですね。
昭和の時代、静岡にいましたが
百貨店のエレベータの中に案内嬢?いましたね。
世の中、常に変化しているんですね。
消費者は増えていく、労働者は減少していくなかで
今ある、価値観・文化は変わらざるをえないことは寂しくもありますが。
時代に合わせて変わっていくのでしょうね・・・。
フードロスに関しては各企業の状況も様々で判断、対処にズレや違いがあるのは当然と思いますが、悪質な悪戯、犯罪行為はの対処に関しては企業でなく業界として対処方針を明確にした方が良いと常々思っています
フードサービス協会やら外食産業協会ありますが、被害に遭った企業の声ばかりで業界としてどうするかという声が一切聞こえてこないのはなんだかなと
マスコミもその辺り話しを聞きに行けば良いのに
レーンを回る公転が駄目なら、お皿だけが回る自転で良いかも知れません。w
角速度一定の法則は守らない方が無難だと思います。
ときには法則より大事なものがあります。
皿だけ廻っても意味あらへん。
新宿会計士様、コメントありとうございます。
ちゃいます、えらい嬉しいわぁw
皿だけが回りはるんとちゃいますねん。
寿司ごとやさかいに。
そやから、あんまり早う回るんは、寿司が飛んで行くかもせえへんと思いますねん。w
回転軸について考えてみるとまだまだ可能性はないでもない…
これまでの回転寿司は単に平行移動でした。
ほぼ長方形の寿司の長辺・短辺または対角線を軸に回転させてみてはいかがでしょうか?
お皿AIの判断でイタズラする客にはシャリつぶてやサビ噴霧等の自衛手段の搭載もありえます。
悲しいかな、もはや寿司屋は戦場です。
命懸けで食ってこそ寿司。
常日頃から皿とりの素振りは必須です。
地球には重力というものがあってだな…
「迷惑行為」今、人として生きる価値基準の相当低い人間が世界中で増え続けているのでは無いでしょうか。
一つ前の記事、せっかく安倍菅路線が順調に回転しているのに回転を止め更に逆回転させようとする輩、迷惑行為そのものです。
主さんの仰る最後の砦「国民の精神力」今が分かれ目かもしれませんね。
コメント失礼します。
回転する、しない寿司屋、両方共行った事が有りませんが、工場の社会科見学気分を味わいながら食事する感じなのでしょうか?
最近の衛生テロはバイトではなく客がやってる事例が多い様子。消毒液ぶっかけをかました輩も居た様で、もっと強力な毒物混入される日も近そうで不安です。昔もグリコとかでやられたそうで。
私も外食はよく利用するから、衛生テロ減らして欲しいです。監視カメラ設置の補助金や、厳罰化を求めます。
外食店の多くがタッチパネル注文になってきましたね。テイクアウト店だと,スマホ注文・オンライン決済で,窓口では商品を受け取るだけ,というスタイルも増えてきました。確かに待ち時間節約になっています。
迷惑な点としては,スマホアプリをインストールすると割引やサービスがある店が多くて,スマホ画面がアプリで溢れて,なかなかアプリが見つけられなくなること。まあ,昔はポイントカードで財布が溢れていたから仕方ないかな。
余談ですが,電子決済サービスの淘汰が進んできたように感じます。具体名は書かなくても皆さん分かると思います。
回転寿司か〜。もう10年ぐらい行ってないわ。
いろんな回転寿司屋がありましたが、3〜4系列ぐらいに大手のチェーンは絞られたように思います。ス◯ローとか、は◯寿司とか、く◯寿司が周りには多いですね。元◯寿司とか◯っぱ寿司、マ◯ンポ◯◯は見かけなくなりました。かなり寡占化、或いは有名低単価店への集中があり、地方で店舗数をある程度展開していたチェーンは、吸収、廃業に追い込まれてます。吸収、廃業されたチェーンは、舐め若者やレーンに戻すヤンチャが出る前から不振でした。
今は私は大手回転寿司チェーンより、目の前で握ってくれる寿司屋さんに行きます。高級店では無いです。お昼のランチなら吸物付き(赤だしではありません!)でビールか酒を飲んでも3,000円ぐらい。レーンが回る寿司屋で30皿食べても3,000円ですから、満足感は目の前で握ってくれる方が満足度は高いですね。決して回転寿司が衛生管理が行き届いてないとは思いませんよ。
寿司屋に行くのはひとりの時だけ。子、孫が一緒なら持ち帰りで家で食べます。まだ食べれないけどネ〜(笑)。
街中に出たとき。しばしば利用する、餃子が売りの全国的中華料理チェーン。
先日席に着くと、何かいつもと様子が違う。
よくよく見ると、いつもの箸箱がテーブルにない。
酢や餃子のたれ、ラー油の容器を置いたトレイもない。
オーダーすると、まず箸を一客持ってきて、
続いて料理、最後に調味料一式。
フロアで接客の店員さん、計三往復。
道理で、普段に比べて、やたらパタパタと小走りの足音が耳に付く。
料理を運んできた店員さんに
「エラく、忙しそうヤネ」と言ったら、
「うるさくして、申し訳ありません」ですと。
アンタが誤ることやない。
けど、飲食店はこれくらいの用心をせんと、商売にならんのでっしゃろ。
ホンマ。いやな時世になりましたなあ。
回転寿司の良い所は自分の意志で選び自ら皿をとって食べられる所です。故に回転は重要です。
新幹線のようなレーンからあちらのお客様からですと頼んでもいないお皿が届いた日には恐怖で店から逃げ出すことでしょう。
ちょっと前にラーメンチェーンの幸楽苑に入ったら、配膳ロボットが料理を運んできたのでビックリしたことがあります。今は焼肉屋でも導入しているところがあるらしいので、そのうち寿司屋でも導入するところが出てくるかも?
【ラーメン業界日本初】幸楽苑が非接触型の配膳ロボット 「K-1号」 の実証実験を開始 コロナ対策や人手不足解消で自動化を加速 – ロボスタ
https://robotstart.info/2020/08/22/korakuen-k1go.html
焼肉きんぐ、幸楽苑、ワタミに 「配膳ロボット」 が続々登場 変わる従業員の働き方:感染リスク低減 – ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2103/17/news037.html
「ねぇ、とーちゃん。どーして、注文したらスッ飛んでくる寿司を回転寿司っていうの?」
「それはだな、坊主。むかーし…」
そのうち、こんな会話が聞こえてくることでしょう。形態が少々変わっても、家族で楽しめるお寿司屋さんであり続けて欲しいです。
レーンをやめて水を流すのです♪流し寿司なのです♪
お皿改め小舟に乗ったお寿司が、どんぶらこ♪
お池にはまってさぁ大変!