「ホワイツデイ」はすでに40年超の歴史を有していた

日本発祥の奇祭「ホワイツデイ」を巡っては、ネット上の著名サイト「ウィキペディア」によると、すでに40年を超える歴史を有していることが判明しました。ちなみに「義理チョコ」は、その外国語版ウィキペディアにもそのまま掲載されているのだそうです。2月3日にマメを、14日にチョコを、3月3日に菱餅やあられを、14日にはマシュマロを喰らう日本人。食文化が豊かであることは間違いなさそうです。

以前からしばしば当ウェブサイトで取り上げている論点のひとつが、「バレンタイン問題」と「ホワイツデイ問題」です。

「バレンタインの日」、すなわち英語でいう “Japanese ‘Barentains’ Day” は、女性が男性に対し甘味料入りのカカオ製品などを贈答するという日本発祥の奇祭であり、「ホワイツデー」、あるいは “Japanese White’s Day” は、この「バレンタイン贈答物」を受け、男性が女性に3倍返しをする日のことだそうです。

もちろん、この「バレンタインの奇祭」は、欧米の「聖ヴァレンティノの日」(英語でいう “St. Valentine’s Day” 、フランス語でいう “le jour de la Saint-Valentin” などとは似て非なるものです。ましてや「ホワイツデイ」なる記念日は、少なくとも現時点において欧米圏ではその存在は確認できません。

ちなみにインターネット上の権威である「ウィキペディア」の “Saint-Valentin” によると、チョコレートの奇祭については次のように記述されています。

Au Japon, la Saint-Valentin a été introduite par des fabricants de chocolat à la fin des années 1950. Elle est une fête commerciale où les femmes offrent des chocolats aux hommes, le 14 février de chaque année. Elles en offrent à l’être aimé, on parle alors de honmei choco (本命チョコ), mais les femmes en offrent aussi par courtoisie à leurs collègues de travail masculins, leur patron, ou encore leur famille, on parle alors de giri choco (義理チョコ). Dans un deuxième temps, les hommes qui ont reçu des honmei choco ont l’opportunité d’offrir aux femmes un cadeau en retour lors du white day (ホワイトデー, howaito dē), célébré le 14 mars. En guise de présent, les femmes reçoivent du chocolat blanc, des bijoux ou de la lingerie (de couleur blanche). L’absence de cadeau en retour doit être considérée comme le signe d’un amour unilatéral. Ce concept lancé au Japon s’est étendu à la Corée du Sud, à Taïwan et à Hong Kong.

この英文、べつに邦訳しなくても、何となく何を意味しているかはわかるでしょう。「本命チョコ」や「義理チョコ」がそのまま外国語ウィキペディアに登場するというのも面黒い話ですが、この「バレンタインの奇祭」と「ホワイツデイ」なる独特の概念とともに、どうも日本が発祥の地となり、韓国、台湾、香港に広まった、ということです。

なお、ホワイツデイに関しては、同じくウィキペディア “White Day” に、こんな記述があります。

Le White Day (ホワイトデー, Howaito dē) est un événement apparu au Japon en 1978. Il est aussi présent en Chine, en Corée du Sud et à Taïwan.

こちらではこの「ホワイツデイ」が1978年に登場したものである、と明記されていますので、これが事実だとすれば、じつはすでに40年を超える歴史がある、ということであり、ここまでくれば一種の伝統的フェスティバル、といえなくはありません。

このあたり、2月3日に豆をまき、14日には野生のチョコを狩り、3月3日には菱餅を狩り、そして14日にはマシュマロなどを喰らう、といった習慣を作り上げてきた日本人の「食」に対するこだわりはなかなかに強いのではないでしょうか。

ちなみに全国の職場で男性諸氏がバレンタインの日にいただいた義理チョコへの返礼として、奥様が調達したマシュマロが配布される、といった事象も全国的に観測されるようですが、ここまでくるといったい何の祭りなのかよくわかりません。

個人的には既婚者であれば夫婦間で贈答物をやり取りすれば済むのではないか、などと思う今日この頃です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. つくし より:

    1973年頃には、ありましたねこのホワイトデーとやらは。
    中学2年の時好いていた女の子からチョコ貰い、マシュマロ返すんだと聞き返礼したことが記憶にあります。俺昔はモテたかも。(笑)

  2. カズ より:

    百人百様の ”why today” でいいのではないでしょうか?

  3. 匿名 より:

    コロナのせいで、風物詩が消えました
    バレンタイン・ホワイトデー粉砕デモにハロウィン・クリスマス粉砕デモが都内で大人しく行われていたのに、コロナ禍で実施できなくなりました
    「そこのカップル、自己批判しろ!」「三倍返しは利息制限法違反だ!」などと定型句を叫び、きちんと先導を受け「中二」ヘルメットを被っていたのを思い出します
    海外メディアの取材を受けニコニコ生放送にも出演したのに
    サンゴ記念日の街宣も消えて、残念でなりません

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