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政権再交代から10年:自民党は賞味期限迎えたのか?

今年は自民党が下野した1993年からちょうど30年目の節目だそうです。自民党は2009年にも2度目の下野をしていますが、また、第二次安倍政権の発足からほぼ10年が経過しています。こうしたなか、時事通信には年初、「3度目の下野はあるか」という趣旨の記事が出ていたのですが、これについてどう考えれば良いでしょうか。

時事通信「令和の空洞首相」

岸田文雄首相を眺めていて、どうにも危うさを感じずにはいられない――。

そんなことを、当ウェブサイトではかなり以前から申し上げてきました。

そのように申し上げる理由はいくつかあるのですが、そのうちのひとつが、最低限の政治的調整力のなさにあります。

時事通信には年初にこんな記事が出ていました。

令和の「空洞首相」は政権危機をどう乗り切るか? 2023年の政局を読む 塩田潮

昨年7月、参院選期間中に起きた安倍晋三元首相銃撃事件は永田町の景色を一変させた感がある。安倍氏の急死で生じた「権力の空白」は今も埋まらず、オウンゴールの連発で迷走を続ける岸田文雄政権を前に、野党側も明確な対立軸を打ち出せずにいる。不透明感を増す政局の行方を、岸田政権発足時から定点観測を続けてきたノンフィクション作家の塩田潮氏に占っていただいた。<<…続きを読む>>
―――2023年01月04日09時00分付 時事通信より

この記事は「会員限定記事」だそうですが、原文を読むための条件については時事通信のウェブサイトで直接ご確認ください。

なかなかの長文ですが、参考になる部分とそうでない部分が混在しています。

岸田首相の政権運営力や危機対応力は未熟

2012年12月26日に第二次安倍晋三政権が発足して以来、10年が経過したなかで、石破茂・自民党幹事長(当時)が「自民党政権の賞味期限は最低でも10年」と述べたことを受け、この記事の執筆者の方は当時、次のように考えたのだそうです。

復活した自民党政権の耐用年数も10年かも、と勝手に思った」。

じっさい、時事通信の調査で8月に44.3%だった岸田政権の支持率は、10月に27.4%に低下して以降、「ずっと30%以下が続いている」なかで岸田文雄政権は「青息吐息で、賞味期限切れ寸前という見方も多い」、などと述べています。

普段であれば、「勝手に思った」だの、「~という見方も多い」だのといった文章を読んでも、あまり賛同できないのですが、どうしてこの記事を引用しようと思ったのかとえいば、記事にこんな記述があったからです。

参院選後に初めて『政権の自前走行』に踏み出した途端、『裸の実力』が露呈した感がある。掲げた「新しい資本主義」は生煮えの看板倒れ、政権運営力も危機対応力も未熟で、首相としての条件と資質を疑問視する国民が急増した」。

…。

この点については、私たちの実感にも合致しているのではないでしょうか。

昨年の1兆円構想の稚拙さ

少し時事通信の記事から離れますが、昨年の事例でいえば、「1兆円増税構想」があります。岸田首相は12月に入り、安保3文書の制・改訂に関連し、防衛費増額の財源確保の一環として、唐突に増税を打ち出したのです。

この構想を巡っては、経済・金融の専門家らからは、「そのような増税は果たして必要なのか」といったツッコミが出ましたが、それだけではありません。自民党内だけでなく、なんと閣内からも、岸田増税に対し公然と反旗が翻ったのです(『税収3兆円増えているのに「1兆円の増税が必要」の怪』等参照)。

増税原理主義・財務省の手先としての正体を隠そうともしなくなったのか――。読売の報道によれば、岸田首相は2027年時点で年間1兆円程度の税収増を目指す方針だとしていますが、本末転倒した議論と言わざるを得ません。すでに今年だけで3兆円も税収が上振れているのです。むしろ現在の日本の場合、税金は「足りない」のではなく「取り過ぎている」のです。「年1兆円分を増税で」=読売報道まともに経済学を学べばわかるはずのことを、なぜか理解していない人物が、日本の首相を務めているというのは不幸です。読売新聞オンラインに掲...
税収3兆円増えているのに「1兆円の増税が必要」の怪 - 新宿会計士の政治経済評論

結果的にこの増税構想については、宮沢洋一税調会長に一任されたものの、肝心の実施時期については未定とされています。「増税派」にとっては、事実上の敗北と考えて良いでしょう。

ただ、「増税派」の政策が仮に政策的に正しかったとしても、岸田増税はやり方が稚拙すぎました。もしも増税をやり遂げるつもりがあるのなら、少なくとも閣内で意思統一を図る必要があったからです。

それなのに、岸田首相の増税方針直後から、閣内からは異論が相次ぎました。『高市氏ら党内・閣内関係者からも岸田首相に相次ぐ批判』などでも触れたとおり、高市早苗・経済安全保障担当相や西村康稔経産相らは、閣僚という立場にありながら、「岸田増税」に対しては批判的な姿勢を示したのです。

岸田首相、「コンセンサスを取りながら進める」という最低限のことすらできていない可能性も「1兆円増税」が岸田首相にとってケチのつき始めとなるのでしょうか?閣僚職にありながらもなかば公然と岸田首相批判を展開している高市早苗氏は12日、インタビューに応じ、こうした批判については「一定の覚悟を持ってやっている」と述べたそうです。この「一定の覚悟」が何を意味するかは定かではありませんが、少なくとも自民党の党内で、あるいは閣内で、岸田首相の仕事のやり方に対する不満が溜まっている可能性は、それなりにありそう...
高市氏ら党内・閣内関係者からも岸田首相に相次ぐ批判 - 新宿会計士の政治経済評論

こうした批判が相次いだという事実自体、岸田増税のやり方がいかに稚拙だったかという証拠でもあります。

正直、仮に岸田首相に代替し得る「素晴らしい政治家」が山ほどいるのならば、今すぐにでも岸田首相には辞めていただき、岸田首相に代わってその「素晴らしい政治家」が総理に就任してほしい、というのが著者自身の偽らざる心境ではあるのです。

「岸田首相が辞めればOK」、というものではない

もっとも、かりに岸田首相に気に入らない点があるとしても、「岸田(氏)は今すぐ辞めるべきだ」、は、少々極論が過ぎます。

「岸田首相に代替し得る素晴らしい政治家がいれば、その素晴らしい政治家が岸田首相の後任者となるべきだ」、というのは、正直、誰だって考えつく話です。しかし、こうした考え方自体、「現実を見ていない」という意味では、あまり支持できません。

「岸田首相が辞めればバラ色の未来」論の大きな間違い』でも議論しましたが、そもそも論として「理想の政治家が山ほどいる」という前提自体が大きな間違いであり、少しでもマシな政治家を国会に送り込み、酷い政治家を国会から追放するのは、私たち国民の義務でもあるのです。

「岸田文雄首相は、今すぐ辞めるべきである!」。SNSなどでは、おもに一般のユーザーによるものと思しき、そんな主張を見かけることが増えてきました。ただ、岸田首相自身が何かと「脇の甘い政治家」であることは否定しませんが、「気に入らない」という理由で全否定するのも行き過ぎです。私たち有権者には、ネット社会ならではの、政治家とのかかわり方があるのではないでしょうか?岸田首相への不満「岸田首相は直ちに辞任せよ!」「正直、こんな首相など、1日も早く辞めていただき、もっと優れた人物が内閣総理大臣に就任すべ...
「岸田首相が辞めればバラ色の未来」論の大きな間違い - 新宿会計士の政治経済評論

また、岸田政権自体、例の「1兆円増税」などでケチをつけているという側面はあるにせよ、政権発足以降、経済安保法制を筆頭に、いくつかの重要な法制を通していますし、防衛3文書の策定や原発再稼働・新増設方針の明示など、現在の日本にとって「やらねばならないこと」をきちんとこなしているのです。

このように考えていくならば、私たち国民がある政権の妥当性を議論するに際しては、その政権が在任したことによって、国民生活が少しでも良くなったかどうかで判断せざるを得ないのではないでしょうか。

国民の政治意識が高まっているなかで…

こうしたなか、今朝方の『自称元徴用工問題で確立すべき「新たな圧力のルート」』でも報告したとおり、私たち国民の側の政治意識が高まっているというのは、非常に良い兆候でしょう。

国民→政治家→外務省、という「圧力の新ルート」早ければ韓国政府が考える自称元徴用工問題の「解決策」とやらも今週出て来るかもしれません。当ウェブサイトの見立てだと、その最も可能性が高いものは、「日本企業が財団と債務引受契約を締結するかたちでの併存的債務引受」、つまりいわゆる「パターン④」なのですが、もしそれが出てきたならば、私たち一般の有権者は、政治家に対し、SNSなどを通じて「それは解決策とは言わないのだよ」と教えてあげるべきです。徴用工と外務省、岸田首相自称元徴用工問題巡る「公開討論会」自称元...
自称元徴用工問題で確立すべき「新たな圧力のルート」 - 新宿会計士の政治経済評論

オールドメディアの偏向報道がもたらした民主党政権禍や東日本大震災、さらには社会のインターネット化の進展などを通じ、過去と比べて国民が騙されなくなってきていることは間違いありません。

こうしたなか、先ほどの時事通信の記事には、こんな趣旨の記述もあります。

『政治の節目の年』という意味で、23年はもう一つ、自民党の野党初転落の1993年から数えて30年目に当たる。その間、自民党は野党を2度、経験した。『2度あることは3度ある』という言葉があるが、23年以降、3度目の下野が起こるかどうか」。

1993年以来、自民党が2回下野したことは間違いありません。

ただ、当時と現在の大きな違いがあるとしたら、国民が飛躍的に賢くなっていることにあります。

たしかに岸田文雄首相に対してはさまざまな不安感を抱く人が多いことは間違いないのですが、現実に政党支持率で見ると「自民党一強」という状況が続くなか、「3度目の下野」の兆候が発生するものでしょうか。

著者自身は、そこまで単純なものだとは思いません。1993年や2009年の頃と比べれば、少なくとも国民の意識は大きく変化しています。

政権支持率が低迷していても自民党の政党支持率が高いという事実は、「岸田政権が終わってもその次にまた自民党政権が続いてほしい」と多くの有権者が思っている証拠ではないでしょうか。

いずれにせよ、今年の政治シーンについては引き続き注視する価値がありそうです。

新宿会計士:

View Comments (24)

  • 素朴な疑問ですけど、時事通信は、自民党政権から、どの政党への政権交代を想定しているのでしょうか。時事通信が、その政党名をあげることが出来て、政権交代の具体的なイメージが出来るのではないでしょうか。

  • 賞味期限が過ぎても自民を選ぶと思うのです。
    消費期限の切れてる野党と比べればですけど。

  • 岸田の後ろに控えている総理候補の面々(茂木、河野、石破)を見るに、まだ岸田の方が「マシ」と言わざるを得ないと思います。(個人の感想です)
    国民の政治意識を確たるものにするためにも、まずメディアを日本に取り戻す必要性を切に感じます。

  • 言動から判断すると、岸田さんは誰かの言ったことをそのまま言っている。
    ブレーンがいるのは当たり前だが、よく消化せずにそのまま言っているように見える。

    「新しい資本主義」 こんなこと恥ずかしくてふつう言えないよね。中身は何もないのに。
    一兆円増税。たぶん財務省の入れ知恵。

    • 総裁選で「私のやりたいのは新しい資本主義です」って言ってました。
      総理就任後にも「一丁目一番地の政策です」、そう言ってました。
      記者会見で「新しい資本主義って?」と訊かれた時に、「それはこれから早急に詰めます」ってのを聞いてぶっ飛びましたわww
      で、未だにどう新しいのか、皆目分かりません。

  • 岸田政権がぶっ壊れても、下野するほど落ちぶれはしないでしょう。むしろ「あと何年もつのか?」と問われるべきは、立憲民主党、日本共産党らです。党の合従連衡をして組み替えても、鮮度なんてとっくに過ぎて腐敗、悪臭放ってます。

    高市早苗、茂木、河野、世耕、この辺のメンバーが出馬するんじゃないですか。私が党員、党友なら高市氏に1票です。

    • 自民がやばくなったら高市で選挙やれば初の女性宰相ということで1回は勝てる。

      女性ということで甘く見てはいけない。北朝鮮の不審船に銃撃を許可したのも(扇)オウム死刑囚全員の死刑を執行したのも(上川)女性大臣だ。
      男の大臣だったらどうなってたか。

  • 私も岸田首相には、
    以前の総理と比べて
    不安をいだいてます。

    ただがからといって、
    特定野党や偏向メディアが
    しきりと画策誘導洗脳たくらむ
    政権交代Wなどまったくもって
    論外です。(笑)

    岸田総理の悪口で自分たちと
    同じ悪評まで引きずり下ろせば
    どさくさで政権奪取との
    あきれた了見なのでしょう。

    民主党政権は国民の審判で
    あっという間に叩き出されましたが
    その逆恨みで未だにアベガーしている
    少数だけど声が大きい
    そんなこんなの人たちは
    民主党政権続けばもっともっと
    半島とウッシッシできたのにとの
    韓流恨みからのお方さんたちが
    多く含まれていることを
    すでに国民に見透かされています。

  • 世界的なインフレと円安による電気・ガス代だけでなく、諸物価が上昇しています。10月からは雇用保険料も値上げされました。
    また、国民年金保険料の納付期間を5年間延長する議論がなされています。
    他にも、車の走行・重量・環境に応じて課税する道路利用税、株式の譲渡益や配当から得られた所得に対する金融所得課税に加えてさらなる消費税の増税も検討するようです。

    一方税収のほうは、3年連続最高額を更新するそうです。
    税収が順調に伸びているのに、何故岸田内閣の方々は増税が頭から離れないのでしょうか?
    増税論議が先行するようでは、賃金や消費に悪い影響があると思うのですが。

    岸田首相は、新しい資本主義や異次元の少子化対策を進めると仰っています。
    多分、泰山鳴動・・・だと思いますが。
    今のところ岸田首相には決定的な失策はありませんが、土俵際ではないかと思います。

  • 以前、岸田総理は言葉にメリハリがないというコメントをしましたけど、最近、要するに「聞く力」はお持ちであるのかもしれないけれど、「伝える力」には大変乏しいのではないかと思うようになりました。これは民主主義国家のリーダーとしてはかなり「痛い」と言わざるを得ません。
    少なくとも、実績だけを見れば、安倍元総理や菅前総理が敷いた安全保障に関する路線を着実に推し進めていますし、一部から強く懸念された中韓への無駄な譲歩も行っていません。内政についても、画期的な成果はないものの、酷いチョンボもありません。過去のほとんどの首相と較べても、それほど酷いとは思えないのですが、サヨクはどうせ誰が首相を務めてもケチを付けるだけなので放っておくとして、保守系の人たちからもこれほどボロカスに言われる理由がよくわかりません。でも、実際、私自身を含めて、多くの人が漠然とした不安を拭いきれずにいます。
    それもこれも、結局のところ、岸田総理に「伝える力」がとても乏しく、何をやろうとしているのか、何を重要だと思っているのか、今一つか二つか三つ、国民に伝わってないためであるように思えます。これは岸田総理にとっても、国民にとっても、決して良いことではありません。内閣支持率の低迷もおそらくはそのためでしょう。

    思い起こせば。菅前総理もあまり「伝える努力」をしませんでした。そのためか、多くの実績を残したにもかかわらず、1年で退陣を余儀なくされました。一方で、小泉元総理は、ワン・フレーズ・ポリティクスと揶揄されながらも、そのワン・フレーズを上手に駆使して長期政権を保ちました。でも、正直に言えば、小泉氏が総理としてどのような実績を残したのか、ほとんど記憶にありません。
    おそらく、今さら岸田総理に「伝える力」こそ磨けと言っても難しいことでしょう。彼に代わり得る、彼よりマシだと思える後継候補が見当たらない以上、暫くは不安を抱えつつ、注視し続けるよりないのかもしれません。まあ、あまり心配し過ぎても、精神衛生には宜しくないのですが。

    • 私はボロカスに言った積りはないのですがねw。
      不安に思う気持ちはある中で付ける点数が80点か40点かの違いだけかと。

      ただ過日の貴兄への返信にも書いたのですが、実務遂行能力がどう贔屓目に見ても拙劣に過ぎます。

      会社でもそうですが、審議すべき本題から外れた個所にフォーカスが当たり、議論があらぬ方向に発散してしまえば、決裁を通そうにも通せなくなるのは必定かと。

      その点から見ても、増税と言う本論から外れた所にフォーカスを当ててしまい、議論を発散させてしまった岸田首相の実務遂行能力(政権運営能力)は拙劣としか言いようがありません。
      まあ、増税こそ本丸と真面目に思っていて、発散させた積りも無いのかもしれませんが。

      それでも岸田首相に日本の進むべき道筋について確固とした信念があれば、まだ発散した議論をどう収束させる積りなのかが分かりますが、残念ながらそこが伝わってきません。

      これが貴兄の言われるように「伝える力が足りない」だけなら良いのですが、伝えるべき確固としたモノが果たして存在するのかどうか。
      存在するなら少しくらい言葉の端々に現れてくるよなあ、と思う今日この頃です。

      まあ、私も現状不満はあるものの、それにすぐ取って代われる人材がいるかと言われれば難しいだろうとも思いますので、評価差こそあれ当面岸田政権なのかな、とは渋々ながら思いますが。

      • 80点と言えば合格点ではありませんか。私だってそんな点数を付けるつもりはありませんよ(笑) 先にも述べたように、民主主義国家のリーダーにとって、「伝える力」は非常に重要ですが、その点で問題ありとなれば、当然その分は減点になります。ただ、赤点とは言えないなと思ってはいるので、その割には酷い言われようをしているなと思うだけで。

        F6F様の言われるように、岸田政権のやることがいろいろと段取り悪く見えてしまうというのは、確かにその通りだと思います。その点について、岸田総理に責がないという心算はありませんが、それと同時に、幹事長と官房長官は何をやってるんだとも思います。政権の裏方として、水面下での調整を行うのは幹事長と官房長官の仕事のはずですが、そういった部分でボロが出ていることを100%岸田総理のせいにするのも、さすがにちょっと可哀そうだろうと思います。もちろん、そんな幹事長や官房長官を任命したのは岸田総理なので、岸田総理に責を帰すことを間違っているとまでは言いませんが。
        ただ、それも含めて、やはり岸田総理の「伝える力」には大きな疑問を持たざるを得ませんね。国民はもっと「生きた声」を聞くことを望んでいると思います。

        • ご返信、ありがとうございます。なるほど、お考え良く分かりました。

          幹事長と官房長官のくだりは全くその通りだと思います。安倍首相も菅官房長官が居られたからこそと言う側面もあるでしょうし。

          「生きた声」についても同感です。多弁を弄する必要はありませんが、岸田首相が何をしたいのか、何を目指すのかが誰でも分かるよう語りかけて欲しいものです。
          出来れば皆の心に響く言葉を選んで頂ければ尚良いですね。

    •  私も実績はもっとやりようがあるだろうと思いつつもまぁ及第というか、大失点は無いように感じています。ただ、やはり信頼ができないでいる。
       お説を読んでも、保守派からボロカスになるのはこの信頼感の部分だなと思いました。閣僚人事からもですが、どこかで「無駄に韓国に折れる"かもしれない"」「中国に甘い対応をする"かもしれない"」「経済政策を逆進させる"かもしれない"」が払拭できない。
       仰るよう菅総理も伝え下手で(安倍 菅 両総理時はマスコミフィルターで更に伝達力が妨害されていたし。つーか伝える力を補助するのがマスコミの仕事ちゃうんかいと。)、一般国民にもっとアピールすれば良いのに、反対勢力にもっと毅然と対応すれば良いのに、と思ったものの、このかもしれないの心配が全くありませんでしたし。比べた時の反動が特に保守派には大きそうです。
       まぁ泉代表や蓮舫氏なども、もはや誰も「がんばってくれる"かもしれない"」などと思わなくなったのですが。

       内容や相手などは失念しましたが、岸田氏が外相時代にTV討論に出演していたのを覚えています。相手が民主系のボンクラというのもありますが、例によっての言いがかりを軽くいなして理路整然かつにこやかに反論していて、「あぁこの人は頭が良さそうだ」と当時は感じたほどです。説明の上手さ、演説の上手さ、リーダーシップとはまた違う能力なのでしょうが……現在は事前設定通りの会見内容でも危うかったりと、別人のようです。

      • 岸田政権発足当初、岸田総理の発言がいかにも歯切れが悪いのは、揚げ足を取れれぬよう「安全運転」に徹しており、それがちょっと行き過ぎているためではないかと思っていました。
        個人的には、小泉流ワン・フレーズ・ポリティクスをあまり評価していませんが、それでもワン・フレーズ・ポリティクスにはいくつかのメリットがあります。まず、なにしろワン・フレーズなので、都合のいい所だけを切り出して難癖を付けるという、野党やマスメディアが得意とする手法が適用困難なことです。そして、なにしろワン・フレーズなので、良くも悪くも、聞いているものに首相が何を考えているかわかりやすい、あるいはわかったと錯覚させることができるという点です。
        岸田総理にはそんな芸当などできないのは明らかですが、安全運転を期したという側面があったにせよ、それが行き過ぎると信頼感を得ることはできません。何を訴えようとしているのかよくわからない、つまりは「伝える力」の欠如であるかのように受け取られかねないからです。
        それが元々の岸田総理の資質の限界なのか、それともスピーチライターを含む周囲の力量不足なのかはわかりませんが、突然の覚醒なんてことでもない限り、おそらく今後もあまり変わらないでしょうね。どうでもいい話ですが、胃薬はサクロンが結構いい感じです。それでも効かなければガスター10の出番ですね。ちなみに、拙宅には両方とも常備しています。

        ところで、話ついでに言えば、岸田総理以上にボロカスに言われている林外相ですが、いくつかの「軽い」発言はあったものの、就任以来の実績を見る限り、上級メッセンジャーに留まらず、そこそこまともに仕事しているように見えます。彼も発信力に問題がありそうですが、能無し呼ばわりするのはどうかとは思います。
        「レッテル貼り」と「決めつけ」はサヨクの常套手段ですが、私がそれらを嫌うのは、「レッテル貼り」も「決めつけ」も思考停止や判断停止に他ならないと考えているからです。そして、サヨクの「レッテル貼り」や「決めつけ」を否定しているのに、保守のそれを容認するというのでは明らかなダブルスタンダードですので、「○○の犬だ」とか「コーチカイだからだめだ」などの煽りに同調することはないと申し上げておきます。

        なお、上の方で小泉政権の実績を記憶してないと言いましたが、そういえば郵政民営化は彼の政権で実現したんでしたっけね。お詫びして訂正します。郵政民営化が本当に良いことだったのかという話は、とりあえず措いておくとして。

        •  そういえば林外相は就任当初から親中派という懸念の傍ら、能力は高いという評もありました。河野大臣も「あの国賊の息子」という評が先に立ちましたがやはり親父とは違うぞという声も。こちらはその後の仕事ぶりを評価している方も多そうですが、(恫喝の件などはじめ)トップにしたらダメだとか、正誤はさておいて割と具体的に認知されていると感じます。
           伝える力、が差なのでしょうかねやはり。

           私は小泉政権期間中に選挙権を得ました。当時は「選挙には行くものだ」と認識しつつもそれほど政治に関心があったわけではありませんでしたが、郵政民営化などはさすがにかなり印象にあります。有意義かはさておき派手な実績というのは、こういう層にでもはっきりと伝わるものですね。
           小泉氏のことも「変人」とは報じられていましたが、安倍氏のように「悪人」などとは聞いた覚えはありません。マスコミは当時とは変質しているのでしょうかね……あるいは国民が?

  • 櫻井よしこさんが総理になれないかなぁ?と個人的な妄想を抱いています。

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