ロシア軍は相当に追い込まれているのでしょうか。ロシアのウラジミル・プーチン大統領が現地時間5日、「正教会のクリスマス」を前に「特別軍事地域」における「停戦」を呼び掛けたことを巡って、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこれを即座に拒否し、あわせて「クリスマスを隠れ蓑にした罠だ」と批判したそうです。ある意味で当然の反応でもあります。
ウクライナに対する違法な侵略を続けているロシアのウラジミル・プーチン大統領は現地時間5日、「正教会のクリスマス」を前に、「特別軍事作戦地域」における「停戦」を指示したのだそうです。ここではロシアのメディア『タス通信』(英語版)の報道を眺めておきましょう。
Putin instructs to declare ceasefire in special operation zone on Orthodox Christmas
Proceeding from the fact that a large number of residents in the combat zone are Orthodox Christians, we are urging the Ukrainian side to declare a ceasefire to allow them attend services on Christmas Eve as well as on Christmas Day, the statement said<<…続きを読む>>
―――2023/01/06 03:31付 タス通信英語版より
タス通信は「クレムリンのプレス・サービス」を伝えるかたちで、プーチン大統領が停戦を命じた期間は1月6日12時から7日の24時までであり、また、プーチン大統領が次のような趣旨の内容を述べた、などと伝えています。
「戦闘が行われている地域のかなり多くの住民が正教会のキリスト教徒であるという事実を踏まえ、我々はウクライナに対して停戦を宣言することで、彼らがクリスマスイブとクリスマスの日に礼拝に出席できるようにするよう促す」。
そのうえでタス通信は、木曜日の時点でロシア正教会のキリル総主教がウクライナ側に向けた演説で、「軍事行動が行われているドンバス地域やその他のロシアの新たな地域」だけでなく、「ウクライナにおいても」クリスマス停戦に同調するように呼びかけた、などとしています。
正直、昨年の2月24日に軍事侵攻が始まって以来、プーチン大統領としても、よもやここまで時間がかかっているにも関わらず、戦争がまったく終わる気配を見せないとは、思ってもみなかったのではないでしょうか。
ちなみにロイターによると、ウクライナの側は、米独などから新たな武器供与を受けながら、ロシアの停戦命令を拒絶したとしています。
Ukraine clinches U.S., German armoured vehicles, rejects Russian truce order
―――2023/01/06 9:07 GMT+9付 ロイターより
ロイターによると、ウクライナ側はロシアの「36時間の停戦命令」を「トリック」と呼び拒絶し、同じタイミングで米独首脳がウクライナを支援するために装甲戦闘車を派遣すると発表した、などとしています。
ロイターはまた、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシア側の停戦発表を巡って、「クリスマスを隠れ蓑にして、短期間とはいえドンバス地方東部でのウクライナ軍の進行を止め、装備、弾薬、軍隊をわが陣地に近づけようとしているための策略だ」とも指摘した、と報じています。
これがある意味で当然の反応でしょう。
もっとも、戦況は予断を許しませんし、「ウクライナの勝利」、「ロシアの敗北」という単純な将来を楽観すべき局面ではありません。
いずれにせよ、ウクライナ戦争は日本にとって他人事ではありません。
こうしたなか、先日はウクライナ側から岸田文雄首相に対し、訪問要請がなされたそうですが、これに関して松野博一官房長官は本日午前の会見で、「適切な形で対応する」と述べるにとどめたのだそうです。
岸田首相にウクライナ訪問要請、ゼレンスキー氏意向…松野官房長官「適切な形で対応」
―――2023/01/06 11:48付 読売新聞オンラインより
しかし、日本としてもできる支援を強化していく必要があることは間違いなく、その意味で、ウクライナ戦を巡る「無法国家との闘い」は、これからが本番ではないかと思う次第です。
View Comments (21)
ウクライナだけでなく、
アメリカも単なる時間稼ぎと解析しています、
おそらく大半の国、組織、人々は
そう解釈しているのでは
人の家に強盗に入り
、腹が減って勝手に冷蔵庫を開けて飲み食い
そこに警官が突入して来て
ちょっと待ってくれ?、
盗人猛々しいとはまさにこのこと。
戦争は一面から見てもわかりません。
おそらく大戦時の日本も、盗っ人猛々しいとか言われていたでしょう。
しかも入ってくる情報は、ウクライナ破竹の快進撃!ロシア軍次々に敗れる!ばかりです。
気をつけたいものですね。
このロシアの停戦協定に応じない戦争狂いのウクライナと騙される馬鹿な日本人が湧いて出てくるのでしょうね。
停戦の簡単な方法があります。
まずウクライナ国内にいるロシア軍の降伏です。
ウクライナ国内からの撤退は更なる反攻の時間稼ぎになります。
そしてロシアがウクライナ国内の原状回復に全責任をおうこと。
そして、その担保のための油田ガス田の引き渡しですね。
もうロシアの口だけ約束を誰も信じないし信じられないでしょう。
だからこそ嘘は自らを不幸にするのです。
英ジョンソン首相がキーウを電撃訪問したのが昨年4月。
EUフォンデアライエン委員長は4月と6月。
岸田氏は、その後6月のG7でドイツに行ってます。
キーウの電撃訪問をするのかどうか注視していましたが、ありませんでしたね。
まあ、なんというか。行けばいいと思いますよ。
遅くても意味はあるでしょう。
ネットに流れる情報は別にウクライナ有利のものばかりではありません。そう見える人がいたとすると情報の取り方が悪いんでしょう。
「私は何でも知っている」と思考停止にだけはなりたくないものです。
今年もよろしくお願いします。
ロシア正教会のクリスマスって松の内の終わりくらいにあるんですね。
岸田さん…う~ん
人柱とか生け贄とかというものがあっても良いかと…
イタタタタ…耳を引っ張るのはだれだ!
こちらこそ、よろしくお願いします。
>人柱とか生け贄とか
そりゃイエローカードですね。(笑)
嘘をつき過ぎたオオカミ少年の言葉を、ついに誰も信じなくなってしまいました。
仕方がないね。
少年って表現するとcolabo界隈の犯罪がわかりにくくなりますよ?
ウソをついているのはcolaboやその背後の巨大組織ですから。
よほどロシアにとって、状況が悪いのでしょうねw
機会主義者の権化が休戦云々騙るって事は
リボルバーの全弾を打ち尽くしたムスカが
「3分だけ待ってやる」
とパズーに叫んで、しこしこと再装填を始めたシーンを連想しました。
ムスカもプーチンも、待ってやるもなにも自分がなにもできないターンのくせになにを偉そうに。(笑)
新宿さんの過去の分析にありましたが、共産圏の人たちって、
「黙っておけばよいのに自爆系の発言を止められない」
という病気なのかもしれませんね。
今年はジェドマロースも命懸けでプレゼント配りか‥
36時間であれひと時の平穏は、ウクライナ人の張りつめた心の糸を切ることをも目的にしているような気がします。
ロシアの敗北以外に平穏は無い
この一時停戦の提案を、プーチン氏の平和への希求の顕れと受け取とって、ウクライナおよび欧米側が、それに応じて停戦したり、あるいは少なくとも歓迎の意を表したりするとは、幾ら厚顔無恥のプーチン氏とて、考えはしないでしょう。
とすれば、これは国内向け。何かそうせざる事情があるのでは、勘ぐりたくなります。
考えつくこと、その1.
東部ないし南部戦線で、最早前線が維持できない状況にまで至っている箇所が、いくつも現われてきている。ただ負け戦の結果、としては、ハルキウ、ヘルソンからの撤退など、これまでに蒙った汚名に、更なる上塗りを重ねることになって、いよいよ自らの指導力への懐疑が強まってくることになるから、「正しいキリスト教徒」として、クリスマスの祈りを捧げようとしていた我が軍兵士に対して、敵は卑劣にも不意打ちで攻撃を加え、云々、と宣伝することによって、後退はやむを得なかったという言い訳づくりにしようと意図している。
考えつくこと、その2.
幾ら情報統制をやり、政府御用達のメディアを総動員して大本営発表を繰り返したところで、外部からの情報の浸透は避けられない。ロシア兵がウクライナで大々的にやらかした、虐殺、拷問、レイプ、略奪などの戦争犯罪は、かなりの程度国内で知られるようになってきている。結果、プーチン氏の人間性に関する懐疑ないし嫌悪の念は、無視できないところまで高まって来つつある。となれば、ここは自分が「非人間的殺人愛好者」なんかじゃなくて、「敬虔なキリスト教徒」であると、アピールしておく必要があるんじゃないかと・・・。
まあ、どちらも、プーチン氏が「藁をも掴みたい」ほどの心境に陥っていると、仮定すればのはなしですがね。だけど、それでなきゃ、こんなの提案、謀略にもなにも、なりそうに無いように思えるのですが。