ウクライナ戦争を巡り、最近、早期停戦論のようなものが出始めています。ただ、停戦に持ち込んだとしても、ロシアに対し再軍備する時間的余裕を与えるだけであり、しかもプーチンは約束を守らない人間だ、とする指摘が、米メディア『CNN』に掲載されました。まったくその通りでしょう。そのうえで、ことの本質は国際法秩序に挑戦する無法国家を許すかどうか、というものであり、その意味では、「自由で開かれたインド太平洋」を掲げる私たちの国・日本にとっても、無関係ではないのです。
目次
英国防衛省ツイートは戦線膠着を示唆
ウクライナ戦争の状況を巡り、個人的に信頼している情報源のひとつである英国防衛省『インテリジェンス・アップデート』を眺めていると、最近は戦線の膠着を示唆するような内容が増えているように思えます。
たとえば日本時間の日曜日夕刻に出てきた次のツイートもその典型例でしょう。
箇条書きとその意訳を付しておくと、こんな具合です。
- The area around the towns of Pavlivka and Vuhledar in south-central Donetsk Oblast has been the scene of intense combat over the last two weeks, though little territory has changed hands.(ここ2週間、ドネツィク州中南部にあるパブリフカ、ブフレダルの街の周辺部が激しい戦闘の舞台となったが、勢力範囲の変更はほとんどみられなかった。)
- Both Russia and Ukraine have significant forces committed to this sector, with Russian Naval Infantry having suffered heavy casualties.(この地域にはロシア、ウクライナ双方が戦力を大々的に投じており、このうちとくにロシア側の海軍歩兵には多大な死傷者が生じている。)
- This area remains heavily contested, likely partially because Russia assesses the area has potential as a launch point for a future major advance north to capture the remainder of Ukrainian-held Donetsk Oblast.(この地域における激しい戦闘は依然として続いているが、その一因としては、ロシア側がこの地域について、ドネツィク州のうちウクライナ側が支配している地域を将来的に支配下に入れるため、北方に大きく進出するための起点と見ていることにあると思われる。)
- However, Russia is unlikely to be able to concentrate sufficient quality forces to achieve an operational breakthrough.(しかし、ロシアが軍事上の突破口を開くうえでの質の高い兵力を十分なに集中させることはできそうにない。)
すなわち、ドンバスのうちドネツィク州では、ロシアに多大な損害が生じているとはいえ、戦線は動いていない、ということでしょう。
ロシアの装備は枯渇:老朽化した核ミサイルのダミー使用も!
ただし、英国防衛省は、ロシア側の苦戦を伝える情報も流しています。たとえば土曜日に発信した『インテリジェンス・アップデート』では、ロシアが老朽化した核巡行ミサイルから核弾頭を取り外し、ダミーの弾薬を搭載してウクライナに発射している、などとも伝えています。
英国防衛省は、撃墜されたとみられる残骸の中に、1980年代に核兵器運搬システムとして設計された「AS-15KENT」と呼ばれる航空発射巡航ミサイルが含まれていたと指摘。これらには核弾頭の代わりにバラストが搭載されていた、などとしています。
英国防衛省によると、べつい核弾頭を搭載していなくても、ミサイル自体の運動エネルギーに加え、残存燃料によって、標的にある程度の損害を与えることができるのだそうであり、ロシア側がこれによりウクライナの防衛網を混乱させる効果を期待しているのだとか。
もっとも、『インテリジェンス・アップデート』は、こうも指摘します。
“Whatever Russia’s intent, this improvisation highlights the level of depletion in Russia’s stock of long-range missiles.”
つまり、ロシアの意図がどうであれ、こうした「即席ミサイル」に依存せざるを得ないという状況自体が、ロシアにおける長距離ミサイルの枯渇ぶりの証拠だ、というわけでしょう。
いずれにせよ、現時点で「ウクライナが勝利する」などと楽観的に決めつけるべきではありませんが、ロシアが確実に疲弊していることは間違いなさそうです。
某政治家は「ウクライナは早く停戦に応じよ」
ただ、程度の差はあれ、西側諸国の見方が「ロシア苦戦」で一致するなかで、たいていの場合は「ウクライナもここらで停戦に応じるべきだ」、といった主張がまことしやかに出てくることについては警戒すべきでしょう。
日本でも、ごく一部の政治家が「ロシアのエージェント」であるかのような振る舞いをしていることでも知られていますが、最近だと「早期和平」、「早期停戦」などと言い出しているケースもあるようです。
敢えて実名を挙げることはしませんが、第二次世界大戦時の日本を引き合いに出し、「日本が半年早く降伏していれば、東京大空襲も沖縄戦もなかったし、広島や長崎に原爆が落とされることはなかったはずだ」などと述べ、ウクライナの早期停戦に向け「お互い努力すべき」と述べた者もいました。
この手の「お互い悪いところがあるのだから」、などと言い出す詭弁のことを、当ウェブサイトでは「ゼロ対100理論」と呼んでいます。これは、自分たちに側に100%の過失があったとしても、屁理屈を駆使し、とにかく責任の一端を相手の側にも押し付ける詭弁のことです。
ゼロ対100理論とは?
自分たちの側に100%の過失がある場合でも、屁理屈を駆使し、過失割合を「50対50」、あるいは「ゼロ対100」だと言い募るなど、まるで相手側にも落ち度があるかのように持っていく態度のこと。
(【出所】著者作成)
そもそもウクライナ戦争自体、国際法に反し、いわれのない戦争を仕掛けたロシアの側に100%の責任があることは明白であり、ウクライナの過失割合はゼロです。「停戦に向けお互いに努力せよ」とは、本来ならば過失割合がゼロであるウクライナの側も、「停戦に向けて努力しなければならない」、という言い草です。
正直、こんな発言をする者が日本の国会議員を務めているという時点で、なんだかやりきれない思いがするのは気のせいでしょうか。
CNN「プーチンが停戦を望むであろう理由」
こうしたなか、停戦を強く望んでいるのがロシアの側であるという点をわかりやすく解き明かした記事を発見しました。米メディア『CNN』(日本語版)に土曜日に掲載された、こんな記事です。
プーチン氏が停戦を望むであろう理由
―――2022.11.26 19:00 JST付 CNN.co.jpより
執筆者はCNNへの寄稿者でもあるデービッド・A・アンデルマン氏で、ニューヨーク・タイムズとCBSニューズの特派員として欧州、アジアで活動した経歴を持つ人物だそうです。そのアンデルマン氏は開口一番、こう指摘します。
「ウクライナにおける戦争を直ちに停戦状態に持ち込むことは、事実上ロシアのプーチン大統領にとっての勝利を意味するだろう」。
というのも、開戦から9ヵ月が過ぎ、局地戦で短期決戦に持ち込むとの期待が裏切られ、ロシアのウラジミル・プーチン大統領にとっては人的・物的資源が先細りしつつあるからです。
ただ、こうしたなかで気がかりなのは、西側諸国のウクライナ支援の意思が衰えつつあることであり、これについてアンデルマン氏はこう述べます。
「プーチン氏がそれを当てにしているのは、まず間違いない」。
つまり、西側諸国での厭戦気分はプーチンに付け込まれる点かもしれない、という指摘です(これには先ほど挙げた日本の某政治家も含まれるのでしょうか?)。
また、アンデルマン氏はシンクタンクの新米国安全保障センター(CNA)でロシア研究責任者を務めるマイケル・コフマン氏の、「早すぎる停戦がもたらすのは双方の再軍備だけだ」とする発言を紹介したうえで、次のように結論付けるのです。
- ロシアは現状最も不利な立場にあるので、停戦から最大の恩恵を受けるのはロシア
- その後で戦争が再開される。つまりあらゆる停戦がもたらすのは、戦争の継続に他ならない
- そんなことをしても戦争の根本的な問題は何も解決しない
…。
まったくそのとおりでしょう。
つまり、現状だと武器の供給が需要に追い付いていないので、いったん停戦して時間を稼ぎ、ロシアとして十分な武器を手にした時点で再びウクライナに侵攻する算段です。そして、やっかいなことに、米国や西側当局者のなかにも、停戦に備えている人がいる、というのです。
結局は西側諸国の覚悟の問題
ただ、仮に停戦で合意したとしても、プーチンがその停戦の約束を守るはずがありません。武器・弾薬のたぐいの生産が完了すれば、再びウクライナ侵攻を開始するでしょう。
ちなみにロシアが現在、執拗にウクライナ側の発電設備を攻撃しているのも、ウクライナが厳しい冬を迎えるなかでウクライナ側の戦意を挫き、有利な条件での停戦に持ち込むため、と考えれば、ロシアの行動にも非常にスッキリと説明がつきます。
(※アンデルマン氏はまた、ウクライナが西側から供与されたHIMARSと呼ばれる武器を使い、ロシア軍の指揮所や弾薬集積所への攻撃を加えていることを受け、ロシア側もこれらの拠点をロシア領に引き上げ始めている、などと述べていますが、これも参考になる情報のひとつといえるかもしれません。)
こうしたなか、アンデルマン氏は米国や西側諸国にとって、「必要なのは長期的な視野だ」としたうえで、プーチン大統領やその後継者と「同じくらい、遠い先の未来を見据えなければならない」と指摘。西側諸国が「はたしてどこまで戦闘に対する関与を貫けるのか」が重要だ、と述べるのです。
当ウェブサイトなりにわかりやすく言い換えれば、結局は「西側諸国の覚悟の問題」、ということです。
無法国家を許すべからず:日本人ももっと関心持つべき
こうした問題提起は、重要です。
歴史にIFはないといいますが、もしも現在も安倍晋三総理が存命であれば、ウクライナ戦争について、いったいどう考えたでしょうか。
安倍総理は「FOIP」、すなわち「自由で開かれたインド太平洋」を提唱した本人であり、このFOIPは「自由」「民主主義」「人権」などと並び、「法の支配」を何よりも大事にする概念です。
国際法を無視して違法な戦争を始めたロシアの無法行為を許せば、ほかの国が国際法を蹂躙し、無法行為を開始します。ロシアだけでなく、中国、北朝鮮、その他約1ヵ国などの無法国家(いわゆる「赤クアッド」)に囲まれた日本にとって、ウクライナは他人事ではないのです。
この点、現在の日本は残念ながら、ウクライナに対し直接の武器を供与することが難しいのですが、幸いなことに、「日本にできる貢献」というものがあります(『日本政府がウクライナに地雷除去車両提供を検討=産経』等参照)。
大変良い話題があります。産経ニュースによると、日本政府はウクライナに対し、発電機のほかに地雷除去車両などを提供する方向で検討に入ったのだそうです。日本にとっては、ロシアをやっつけるための武器を直接供与することは難しいものの、差し当たって復興支援を行うための機器を提供することは非常に良い行動です。そして、こうした行動の積み重ねが、ウクライナ戦争をウクライナの勝利、ロシアに敗北に導く原動力となることは間違いありません。なぜウクライナ戦争が許されないものなのかロシアが仕掛けたウクライナ戦争は、もち... 日本政府がウクライナに地雷除去車両提供を検討=産経 - 新宿会計士の政治経済評論 |
もしも「壊しても壊しても復活する発電機」や「地雷をすべて除去する車両」を日本が支援すれば、ウラジミル・プーチンを含めた無法な指導者らをこの地球上から除去することができるかもしれませんし、侵略者を打ち負かす戦争を継続するウクライナを側面支援することも大切です。
繰り返しになりますが、無法国家を許してはなりません。
日本国民は是非ともこの戦争にもっと関心を持つべきではないでしょうか。
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08年以来、プーチンはウクライナがレッドラインと繰り返してきた。
「ロシア、ベラルーシ、ウクライナのスラブ国家は精神的、歴史的に同一国家」
「ウクライナに米軍基地ができてモスクワにミサイルを向けることは絶対に容認できない」
是非はともかく、プーチンのこの姿勢は一貫している。
中国も一貫してロシアの安全保障上の懸念の理解を表明している。
それを誰よりも理解しているのがキューバ危機を経験した米国だ。
・親ロ派大統領を追放してEU参加を表明してクリミア侵攻
・ドローン攻撃とNATO加盟を表明してウクライナ侵攻
プーチンはレッドラインを踏んだ行為に対して警告通りに対処しているだけだ。
ウクライナが自発的にレッドラインを踏んだの?
違うでしょ?
欧米が甘い囁きをしてウクライナにレッドラインを踏ませたんでしょ?
もちろん欧米はプーチンが軍事力を行使してくることは想定していた。
去年12月に特殊部隊が入って大統領の脱出口を確保していたのだから。
ロウ戦争は欧米の火遊びが大火災となって手に負えなくなったものだ。
欧米もどう収めていいかわからないでいる。
ロシアもそうで戸惑っていてウクライナの被害が拡大する一方。
ウクライナがEU、NATOに加盟したいとする。
ならばプーチン存命中は雌伏しこらえる。
プーチン死後にサッと素早く加盟すればよい。
あえてこれをしなかった欧米は戦火の拡大を望んでいたとしか言えない。
ロシアのウクライナ侵攻は欧米によって引き起こされたのである。
米国は同じことを今度は台湾でしようとしている。
あえて火遊びをして中国を台湾に進行させようとしている。
サイト主のように「国際法が~」などとわめくのはバカの極みだw
なぜならロシア、中国、北朝鮮、イランなどは最初から国際法など眼中にないのだから。
国際法が守られる世界を前提としているサイト主は社民党と変わらぬお花畑思考でしかない。
もう少し現実を見て対応されてはいかがか?
>国際法が守られる世界を前提としているサイト主は社民党と変わらぬお花畑思考でしかない。
>もう少し現実を見て対応されてはいかがか?
こういうのをブーメランっていうんだよね。
「国際法を守る国際社会を実現させるべき」って言っているだけで、「国際法が守られる社会」って別にブログ主は一言も言っちゃいない。お花畑以前にコメント主さんの国語力の問題だね。頭悪すぎ。
取り敢えず、他者に不快を感じさせる様な品の無いコメントは控えた方が良いかと。
そういう観点からすれば、あなたの方が余程社民党に近しいですよ。
倫理を切り離しせば一理あるような気がしますが、半分がた情で動くのが世の不確実性だと思います。国際法云々は理に加え、身勝手なロシア的価値観より情に訴える点でも強力なカードで、それが読めればそもそも独裁者などやっていないというところでしょう。
独裁という情の果てに無残な現状があるなら、どうあれ回避はできないということです。
プーチン死後に、の件はそもそも政治家はお座りが苦手ですし、とりわけ革命家とか独裁者にその傾向は強く、開戦に踏み切ったプーチンもその例に漏れません。ブラックと称される企業や経営者など日本社会でも散見され、彼らが究極的に愚かなのは社会的合意に反した結果の負けにあります。
法が無法に勝つのは合理的ですし、現にロシアは情理ともに負けている訳です。
>「ロシア、ベラルーシ、ウクライナのスラブ国家は精神的、歴史的に同一国家」
>是非はともかく、プーチンのこの姿勢は一貫している。
ここで是非を問わない前提の時点で全てが論外で以降は読むに値しない
アメリカ&イギリスは、昔から同じ勝ちパターンを持っています。
「敵を挑発する」
「敵から先に手を出させる」
「口実をたてに敵をたたきのめす」
それをあたかもウクライナで今はじめて始まったかのように書いておられますが、なにを今更。
そんなの100年前からわかってるじゃん。
(笑)
少なくともゼレンスキーにもプーチンにもわかってた事だと思いますから、彼らを被害者みたいに書いてもミスリードだし無意味だと思います。
例えるならば、元本保証のないことを承知の上で投機に全財産を一点張りしたような国家元首2人ですわ。
普通は石橋を叩いて保険をかけて、もう少しゆっくりやるものですよね。
>サイト主のように「国際法が~」などとわめくのはバカの極みだw
バカの極みの下りで自己紹介かと思った
Julia Davis 女史の Russian Media Monitor は必読です。
顎が外れるほどに邪悪な発言が続いています。
ハルキウの大突破等々大きく戦況が動くときには、ウクライナ軍はロシア軍や外部の専門家の予想を超えた動きをします。裏をかいたり。
今は泥濘のための膠着と言われていますが、次もいつどこで何が起こるかはわかりません。露宇では戦場の把握能力に格段の差があるようで、次もウクライナ軍がロシア軍(や専門家)の裏をかくような一手を打ってくるのではないかと思います。
ウクライナも寒さには苦労しそうですが、ロシア軍の防寒装備の貧弱さはかなりヤバいらしいですね。
そういえば小泉悠氏が「調べたわけではないけど」と前置きした上で、あっちではホッカイロとかも知られてないし、持っていけば意外と需要が生まれるのでは、的なことを言ってましたね。
>あっちではホッカイロとかも知られてないし、・・
これ見てました。
これは両刃の剣(良い例えが思いつかない)で、ロシアに渡れば、貧弱な防寒装備の補強になる。
経産省はホッカイロ等とその原料の輸出管理強化を至急進めるべき。
敬称を書き損じました。 どうかご放念ください。
農家の三男坊
>経産省はホッカイロ等とその原料の輸出管理強化を至急進めるべき
今週の「そのとおりだ~賞」は、ホッカイロ輸出管理ですね(キリっ)
>日本が半年早く降伏していれば
ウクライナの問題はさておいて
やまいぬは「フィリピン戦の敗北をもって降伏すべきだった」と考えている人間のひとりです。
東京は前年末から空襲をうけていたため大規模なものが3月以降だったというのは結果論ですが、トリニティ実験が行われたのが7月ということを考えると原爆が落とされることがなかったのは確実であり、ドイツが4月までねばっていたためソヴィエトの侵略を受けることもなかったということになります。
侵略者が白旗揚げて武装解除すれば即座に終戦ですよ
難しく考える必要も無い
レッドラインも糞も、侵略と言う行動が全て
結果が亡国というのが納得のいく結末なのは、
やらかした経験者だからこその経験知ですが何か?
トシさん、、、
凄いコメントですね。まさに嵐を呼ぶ男、です。
国際法云々と語ってますが、この戦争、私はもっとシンプルに考えます。ウクライナが日本だったら?です。この場合、敵を仮に「なか国」とします。なか国が日本の内外の政策に干渉してきて、勝手にデッドラインを設定したとします。例えば憲法9条を変えるな、とか日米豪印と軍事演習するなとか、です。当然日本人は拒否しますよね。その結果、なか国は日本がデッドラインを破ったからだ、と言って日本に攻めて来たら、貴方は日本が悪いんだ、と言うのですか?米国が日本がデッドラインを破ったせいだ、と言って日米安保条約を発動させなくても納得するのですか?
この戦争を他人事のように捉えている貴方こそ、お花畑思考と言わざるを得ないです。
それよりもこの状況下で重箱の隅を突っつくような国会の安保議論にイライラします。増税がどうとか、敵基地攻撃の基準はどうとか、です。強力で圧倒的な姿勢を示す事か、なか国への強烈なアピールになるのに、これじゃなか国も安心ですね。ハニトラ効いてるのかな?(ハニトラの安倍首相のエピソードはウケますね。)
国際法があるから大丈夫!ではただのバカですが、例えば今回のウクライナはうまく国際法や多国間の関係性を利用し、大きな同盟を持たない中堅国が軍事大国相手にかなり粘れる、または軍事大国といえども困窮するというのを証明したと思います。西側と西側的価値観で運営される国には「国際法という建前を守りたいのなら助けなければならない」という枷をつけ、「国際法など眼中に無い」国を敵側にまとめました。法とはこうやって利用しなければなりませんね。
そしてロシア側はといえば、アルメニアとの亀裂が取り沙汰されています。自国都合で囲ったり見捨てたりを奔放にしていれば、そうもなります。古今、盟主が一番してはならないことは「見捨てる」ことです。これは道徳的な意味なんぞではなく、盟主の存在意義
を捨てる行為=離散を招くという現実的な意味のためです。
とすれば、日本も台湾も、「国際法に自国を守らせる」ことができるように立ち回らなければなりません。ただし国際法に頼れという意味ではなく、利用せよという方向ですね。自衛をしっかりして見せなければ国際法を盾にしようが見捨てられる、という面も明らかなので。
安倍政権の外交はこれを感じ取れましたが……さて。
ねこ大好きさん
現実議論をしましょう。
大変に残念で気の毒ですがウクライナは自業自得です。
軽い火遊びのつもりが大火災となって周りの手に負えなくなった。
その末路は深く暗い傷を負いながらロシアへの捨て石となることでしょう。
中国は1つの中国問題は「核心」であるとし台湾をレッドラインとしました。
「火遊びをするな」と警告しており他国の介入は絶対に認めないでしょう。
なお中国は「沖縄の帰属先は未定」というのが公式の立場です。
国恥地図では沖縄は中国の領土なっていて、近い将来奪いに来るのは明らか。
ロシア、中国を見てわかるようにもう国際法などあってないようなもの。
日本は「国際法など存在しない」くらいの気概で物事を想定しないと自国を守れない。
この状況で日本の安全を担保するものは何か?
それは核の保有しかありません。
それも原潜4隻に数十発の核ミサイルという英国式がベスト。
日本に核と米軍基地があればさすがにロシア、中国、北朝鮮も手が出せません。
これが日本が生き残れる唯一確実な方法で、一刻も早くの核保有が望まれます。
高市内閣が吹っ飛んでの核保有実現は去年からここに繰り返しコメントしました。
また安倍死去によりそれが不可能になったこともコメントしました。
岸田は核共有も否定しているし自民党が望んでも公明党が全力で阻止します。
一般国民も「平和ボケ」していて核保有の必要性も目前の危機も理解できてません。
これでは中国にすりつぶされるのがオチでしょう。
いずれにせよ世界は大乱の時代に突入しました。
そこでは国際法など何の意味も持たず核や集団的自衛権の方がはるかに重要となります。
我らが岸田はこの状況で自分の長男を後継にすることに全力なのですから日本の将来は限りなく心配だ、というのがとりあえずの結論ですw
まず核武装ありきという結論には必ずしも賛同できません。我が国独自の核武装というオプションを放棄する必要はありませんが、以前こちらで思考実験として示した「我が国が核武装する場合にどのような方向性が考えられるか」で議論したように、ある程度見通せる将来においては、費用対効果があまりにも宜しくないという点があります。少なくとも、戦略級原潜を4隻建造などというのは、建造期間や費用を考えると、およそ現実的な議論ではありません。遠い将来の目標というのであればまだしも、そこに至るまでに考えるべきこと、為すべきことがたくさんあります。
さしあたり、南北に細長い国土を有する我が国としては、独力ですべてを賄うのは困難であるため、集団的自衛権を重視し、その枠内で独自の防衛力を整備するというのが現実的解なのではないでしょうか。
なお、ロシアに特別軍事作戦発動を決断させた理由(の一つ)が、それまでに示してきたレッドラインをウクライナが踏み越えたとロシアが判断したことにあるというのは、おそらく事実でしょう。そして、それをロシアが自衛権の発動だと捉えていた場合、国連憲章は自衛権を否定しておらず、かつ予防的攻撃も一概には否定していません。どこまでが自衛権の行使と呼べるのかについては、学会でも議論が分かれるところのようなので、そのように考えれば、ロシアが特別軍事作戦を発動した事自体を国際法違反と決めつけるのはちょっと気が引けますね。ただし、作戦開始後にロシア軍は多々やらかしてますし、4州の併合を宣言したことなどは明らかに国際法違反と呼べるでしょう。
また、ロシアが設定したレッドラインについても、設定そのものが正当性と妥当性を欠いたものだという見方も可能だとは思いますが、今からそれを言い出すのは後出しジャンケンです。ウクライナも、設定されたレッドラインを承知の上で、踏み越えたとロシアに「誤解」させるような動きをしたのですから、今回の事態を招いた責任が完全にゼロであるとは思いません。ただ、今ここでそんなことを議論しても意味はないでしょう。現実に戦闘は継続中であり、消耗戦と言える段階にまで至っているのですから。責任論などは、事態が一段落してから考えれば良いことです。多くの責がロシアに帰するという点に疑問はありませんが、東京裁判という茶番を知っている我々としては、一段落後にどのような展開が待っているのか、注視したいと思います。
ウクライナが核を放棄していなければロシアは侵攻できなかった。NATOはロシアに核があるから全面戦争に踏み切れない。北朝鮮は核を保有して米国への抑止力としている。
いずれも事実とされますし、やはり現代において核保有は抑止力としてはもっとも適していると考えます。大変難しいのは承知ですが核保有か最低でも核共有を実現したいところです。
集団的自衛権についてはクアッドでそれを確立しNATOと連動させるのがベストと言われています。ただ中立的なインドを含めて集団的自衛権を確立するのは容易ではなく、安倍元総理の死去がつくづく悔やまれます。
ロシアは今回の特別軍事作戦にロジックを立てて望んでいます。
・まずドネツク、ルガンスクの両人民共和国の独立を承認。国連憲章第7章51条に則りこの2国の要請にこたえてウクライナの非軍事化、非ナチ化を目指して特別軍事作戦を発動
ロシアからすればこの軍事作戦は正当なものとなります。
また
・クリミアに倣い住民投票の結果4州をロシアに帰属、虐殺拷問はすべてフェイク、ミサイル攻撃は民間施設ではなく軍事施設に着弾している
となり、これもロシアから見れば国際法を遵守しているとなります。
要は西欧とロシアでは話にならないということ。これは現代だけの話ではなく1000年以上続いてきたもので、それ故に彼らはスラブ人(slave=奴隷)
と蔑称されるのでしょう。
なお日本もロシアを含め話にならない3国(4国?)に囲まれています。もちろん国際法の遵守を求めることも大切ですが、圧倒的な抑止力を持つこともまた重要なことでしょう。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(というより、自分でも独断や偏見だと、思いたいので)
(もちろん、ウクライナ情勢もありますが)トルコ軍のシリア北部への空爆が始まり、アメリカだけでなくロシアも、トルコ陸軍の地上侵攻に反対しています。また、イランも(国内の反政権運動だけでなく)核開発を加速しています。(となれば、サウジアラビアやイスラエルが刺激されるでしょう)
このように、世界は敵味方関係が分からなくなるカオスに、なりつつあるのではないでしょうか。
蛇足ですが、(与野党問わず)日本の政治家も日本企業経営者も、世界がカオスになるかもしれない、という覚悟を決めてもらいたいものです。
駄文にて失礼いたしました。
心配なことがあります。
専制国家は武力で国民を抑えますからロシアも北朝鮮同様になるのかと思います。
ロシアは国土の広大さ故そんなには困窮しないと思われ、長期に渡り世界の不安定が続くでしょう。それがロシアの望みではあるのですが。
この侵略戦争は長期にならざるを得ず西側諸国は耐えられるのでしょうか。
早期解決はロシア国民に訴えるための武力攻撃を早い時点で実施するのが良いと思います。
国連決議が取れそうな攻撃目標などは無いのでしょうか
毎度、ばかばかしいお話しを。
日本の某政治家:「戦争中に腹を減らすより、降伏後に餓死する方がましだ」(自分を支持してくれる憲法9条信者の精神的安定のためには、「ウクライナが旧ソ連時代にスターリンに食料を奪われ、多数の餓死者を出した」という事実は、消えるようです)
これって、笑い話ですよね。誰か、笑い話と言ってくれ。
ロシアによるウクライナ侵攻以前の露宇関係について詳しくは知りませんが、侵攻を回避する手立てはなかったのかと思う気持ちはあります。
ただ、侵攻が始まってしまった以上、ウクライナにとってロシアを撃退するしか選択肢はないと思います。
ロシアは、現在占領しているウクライナ東部からクリミア半島までの地域を放棄することは無いでしょう。
現状、ウクライナが侵攻以前の状態までロシア軍を押し戻すことは今のところ難しいようです。
ロシアの劣勢挽回を目的とした核兵器の使用リスクがあります。
西側諸国の国民は、エネルギーや食糧の問題など国民生活も苦しくなっています。
際限のないウクライナ支援には二の足を踏むでしょう。
ウクライナがここで停戦交渉のテーブルに着いたとしても、多分ロシアへの領土割譲が前提となると思います。
プーチン大統領も戦利品のない停戦などあり得ないと思っているでしょう。
なので合意は不可能と思われます。
私としては、戦争の膠着状態を維持し、ロシア側の変化を待つのが得策と思われます。
ロシア軍内では強硬派による突き上げが激しくなるでしょうし、国民にも厭戦気分が出て来ると思います。
また、ロシアの縄張りであった中央アジア諸国が、ロシアの体たらくを見て、ロシアから距離を置きつつあります。
今のところ事態は、プーチン大統領が描いていたロシア帝国の復活とは逆の方向へ動き出しています。
西側諸国としては、膠着状態の長期化に因るロシアの疲弊と厭戦気分を高めて行き、プーチン政権の崩壊を待つという作戦が一番良さそうに思えます。
崩壊の後どうなるかは知りませんが。