NHK会長「受信料は共感・納得して払っていただく」
NHKの受信契約の減少を巡り、NHKの前田晃伸会長は10日、定例会長記者会見で「共感していただいて、納得していただいて払っていただく」ことが大事だとしつつ、「罰則があるから払ってよといったスタイルに行くと私はダメになると思います」と述べたそうです。ただ、前田会長自身がNHK問題を正確に理解しているとは思えません。前時代的な受信料制度自体、制度的に腐敗し始めているからです。
NHKの契約数が20万件近く減少
NHKの受信契約が今年4月から9月までの半年間で一気に20万件近く減少したとする話題については、先日の『NHK受信契約の解約数が「想定の4倍に」=朝日新聞』でも取り上げたとおりです。
改めて考えてみると、これは凄い話です。このペースでいけば、年間の解約数は40万件近くに達する計算だからです。
ちなみに総務省『情報通信統計データベース』のページに掲載されている『契約数』によると、契約数は2019年度をピークに減少に転じていることがわかります(図表)。
図表 NHK契約数
(【出所】総務省『情報通信統計データベース』より著者作成)
これによると、契約数全体は2019年度末まで伸び続け、4500万件の大台に達したのですが、コロナ禍のためでしょうか、20年度には前年度比45万件減少して4477万件に、21年度にはさらに16万件減少して4461万件となっています。
- 2018年度末…4471万件(うち地上・契約2250万件、衛星契約2221万件)
- 2019年度末…4523万件(うち地上・契約2233万件、衛星契約2289万件)
- 2020年度末…4477万件(うち地上・契約2203万件、衛星契約2274万件)
- 2021年度末…4461万件(うち地上・契約2190万件、衛星契約2272万件)
22年度上期に契約が20万件近く減少したというのは、減少ペースが再び加速したという意味でもありますし、契約減少は一過性の要因ではない可能性も出てくるからです。
前田会長の会見
こうしたなか、『AV Watch』というウェブサイトに昨日、こんな記事が掲載されているのを発見しました。
NHK受信契約が19.8万件減。「“罰則があるから払って”はダメになる」
―――2022年11月17日 17:51付 AV Watchより
『AV Watch』によると、NHKの前田晃伸会長は10日、定例会長記者会見で受信契約数の減少に触れ、その要因については「営業のやり方を大幅にチェンジしている最中」だとしつつ、「少し時間はかかりますけども、皆さんももう少し見ていただきたい」、と述べたのだそうです。
ちなみに記事に出てくる「9月末時点での2022年契約総数」は4135万件で、昨年から19.8万件の減少だった、などと記載されていますが、これは先ほど挙げた総務省データに基づく契約数とは一致していません。その原因についてはよくわかりませんが、おそらく統計のベースが異なるためなのでしょう。
ただ、NHKの受信契約の解約が増えていることについては間違いなく、これについて『AV Watch』の記事では前田会長が契約数減少への受け止めについて、次のようにも述べたのだそうです。
「今年の4月から営業のやり方を抜本的に変えていますが、まだ半年ちょっとです。そこでいろんなことを今やろうとしていまして、これが本当に上手く軌道に乗るのは、やはり1、2年かかると思います。ですから、それを見てからだと思います」。
この「営業のやり方を変えた」とは、いったい何でしょうか。前田会長は従来の営業について、次のように述べたのだそうです。
「視聴者の方からのクレームを含めて、問題はあったと思いますので、そちらを是正するほうをまず優先しました。その次にしっかりと公平負担をお願いするというスタイルに移行したいと思っています」。
ここでいう「営業」とは、おそらく、ベランダにチューナーが設置しているかどうかを確認したうえで、その物件の呼び鈴を鳴らし、強引に契約を迫る、といった手法のことでしょうか?
そもそもNHK受信料制度自体が限界に
ただ、前田会長は続けて、こんなことも述べたのだそうです。
「営業の基本スタンスをこの下期から『共感・納得の営業活動』と変えました。共感していただいて、納得していただいて払っていただくと。受信料制度があるから払ってくださいという単純な話ではなくて、良い番組を作っているから払ってもいいよ、という形にしなければいけないと思います」。
「罰則があるから払ってよといったスタイルに行くと私はダメになると思います」
…。
はて?
そもそも論ですが、現在のNHKの受信料制度自体に問題があるという可能性には、思い当たらないのでしょうか?
NHKの問題については当ウェブサイトでも何度も触れてきたとおり、NHK自身が「公共性」を騙りながら、事実上、その存在が「公共性」からかなり逸脱していることにあります。
そもそも『現代の貴族・NHK職員の平均人件費は1500万円超』などでも指摘したとおり、NHKは潤沢な受信料収入を原資として、巨額の資産を抱え込むと同時に、職員1人あたり少なく見積もって1500万円を超える人件費を計上しています。
NHKが保有している資産の内訳は金融資産だけでも連結ベースで1.2兆円を超えますし(※年金資産を含む)、帳簿価額ベースで計上されている土地などの有形固定資産を路線価などで再評価すれば、それらの価値は下手をすると数兆円を超えるかもしれません。
どう見てもハイクオリティとはいえないNHKの番組を作るのに、こうした数兆円の資産は不要ですし、1人あたり1500万円を大きく超える人件費を負担してまで、1万人を超える職員を採用する必要性があるのかは疑問でしょう。
そういえば、現在、防衛費の増大のための財源をどうすればよいか、といった議論も出ているやに聞きますが、NHKが溜め込んだ巨額の不要資産を国庫返納させれば、少なくとも財務省が大好きな「国の借金の圧縮」という命題に答えることはできるのではないでしょうか。
終わりの始まり?
いずれにせよ、このインターネット時代に、昭和期の発想で「放送に半強制的に課金する」という仕組みがいつまでも持続できるわけはありません。
そして、NHKの契約数の減少も、古くて腐敗した社会体制の「終わりの始まり」なのだとしたら、これは歓迎すべき変化であるという言い方もできるのではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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前田会長の「進んで受信料を払っていただける放送内容にしたい。」という思いが既に既得権者の発想ですね。見たい人がお金を払えば良いのでは?スクランブル放送に切り替えれば良いだけ。民放がやっていることがどうしてNHKにできないのでしょうか。総務省が仕事をしていない、大臣が無能、ということでは?
どこの国がサッカーが国技だから、相撲が国技だから、国民になったら強化費用を義務で支払えなどと法律で決めていますかね・・。
今回の会長発言、NHK の存在・活動に対する反感・反発を「バックファイヤー=加速炎上」する効果があると分からないのでしょう。
追放された TwitterJP の一部発言にみられた
「勝ち組のつもりで勝利感を味わっていたのに、いきなり負け組にされて悔しくてしょうがない」
感はネット史に永遠に残るエンタテイメントでしたが、当方には NHK 職員のメンタリティーに何故か通じるものがあるように思えます。
>「罰則があるから払ってよといったスタイルに行くと私はダメになると思います」
素晴らしい見識だと思うのです♪
その理念を実現するために、是非ともNHKから、放送法第64条の規定削除の法改正を求めて欲しいのです♪
共感して納得する人は、こんな条文がなくても受信契約を結んでくれると思うのです♪
そもそも「支払わなければ罰則」なんていうこと自体バカじゃないかと思う。
電気、水道、ガス、電話等の公共サービスでも使用料の支払いがなければ供給が止まるだけ。
それなのに、そういうこと(スクランブル)ができるにも関わらずそれを故意に怠り、罰則として追徴金などと誰が納得すると言うんですかね?
そもそもそういう所が国民から共感されないし、理解も得られないところだと思うんだが。
おまけにNHKが普及に貢献したわけでもないインフラ(ネット)で、国民が要望したわけでもない番組を垂れ流すだけでTVを所有してない国民からも料金をせしめようとか、これをヤクザと呼ばずになんと呼べと?w
前田会長の言う「公平負担」という単語が妙に引っかかるんですよね…
本気でスマホ所有者から金取ろうって思ってるんだろうなぁと
自分が子供の頃、NHKというとおカタい番組ばかりで老人しか見なかったというような記憶があります。しばらくして、急に民放のよう(でいてそこまでふりきれない絶妙な寒さ)なバラエティ風番組を始めたり、くだけた表現が増えたように感じました。今や低俗さはすっかり民放と違いがありません。視聴率低迷にあたり視聴者に合わせたのだろうなと推測します。
しかしこれをやらない方がまだ良かったのかもしれません。いまだに俗世的には面白くなくとも格式を重んじた放送を続けていれば、低視聴率を批判はされても「公共放送です」と言い張れたかもしれない。高給にしても「ふざけてる割には」という反感は少なく、「公務員は良い暮らし」などというよくあるやっかみに紛れていたかも。
納得共感は結構なのですが、もうすっかり嫌われた上にNetflixやPrimeVideoといった対抗サービスが隆盛を見せてしまった今となってはもう…ねぇ。
解体が一番、納得と共感を得られちゃいます。
> 罰則があるから払ってよといったスタイルに行くと私はダメになると思います
勘違いか、ウソです。
受信料不払いの罰則はありません。
もとより納得して払って貰う以外には道はありません。
罰則をつけるなら、公権力で組織を維持することに他ならないですから、公共放送ではなく、税金化して国営放送に移行でしょうな。
人件費は随分安くできるでしょうね。
この辺りの公共性維持のために公権力を利用しないことは、NHKのホームページにも書いてますけどね。
いつからはったりででも罰則を口にできるようになったんですかね。
新宿会計士様が幾度となく言われていますが利権(特権)について自律は難しく腐敗する。
その言われるとおり時期NHK会長に前川氏が乗り出してきているとか。
これについて私は賛成です。
利権腐敗の法則によると更に腐敗するのは確定だからです。
自身を省みることが出来なくなった組織など完全に破壊して頂きましょう。
ここでいう「営業」とは、おそらく、ベランダにチューナーが設置しているかどうかを確認したうえで、
→ こういう風景大好きです。思わず吹き出しました。
NHKは分割すべきですね.
報道部門と教育放送部門とを国営放送として切り出し,職員は国家公務員として日本国籍保有の規制対象とすることで近隣諸国籍の永住者の従事を許した結果としての従来の偏向報道の問題を解決せねばなりません.また,今まで国民から税金同然に受信料を強制徴収し続けて来たことで得た資産(渋谷の放送センター等の不動産)は国営放送の保有にすれば良いのです.
それ以外のドラマや歌番組など芸能番組やスポーツ番組の制作部門は民営化し,民営化部門が引き継ぐ資産に関しては,民営化対象となる部門が保有していた放送機材とNHKが保有している年金資産の一部(民営化部門と国営放送に移行される部門…但し国籍条項で報道部門に残れない外国籍職員は民営化部門に移動扱い…との職員数比で年金資産を分割し,既に退職した職員に対する年金上乗せ部分の支給も以上の年金資産分割比率に従って民営化法人と国とで負担.退職金に関しても積み立て資産で対応しているなら同様に民営化法人と国営化部門とで人数比に従って分割し継承)のみとし,放送センター等を始めとするNHKが保有する不動産を始めとする様々な資産は民営化法人は継承しない.
但し,民営化して速やかに同法人がスムーズに業務を開始できるよう,経過措置として一定期間(例えば5年間)は放送センター等の施設を安価に利用できることとし,その経過措置期間の終了後は自前で手配するか放送センター等の利用を続ける場合には現実の地価に基づく市場価格を国に対して支払うこととする.
NHKの報道部門を職員を国家公務員として国有化すべきと私が考える理由は,大災害や有事など非常事態にも放送を維持し国民に必要な報道を提供し続ける責務を負う組織を国として維持することが,民主国家として国民が非常時でも適切な判断を行える為に不可欠な機能(一種の社会インフラ)だと考えるからです.
この手の議論では古典になりますが、
本多勝一『NHK受信料拒否の論理』
がロジックとしては完璧かと。
日本の左翼のカリスマヒーローみたいな元朝日新聞記者の手による切れ味鋭い考察です。
たしか論旨はこんな感じ。
「NHKがやってることは、わら半紙のガリ版刷りを近所に勝手にバラ撒いて、料金を請求して回るような迷惑行為。」
自分でロジックを組み立てるよりも、本多勝一がこう言ってるんですけど?と、とぼけて質問してみる方が機転が利いてるような気がしますね。