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日本主催の観艦式の参加を韓国政府が「暫定的に決定」

参加する、参加しないを巡る話題の暫定的な結論が出たようです。韓国メディアの報道によると、韓国国防部と海軍は27日、わが国が来月6日に相模湾で主催する国際観艦式に海軍艦艇を派遣することを「暫定的に決定した」と発表したようです。ただ、そうなると、旭日旗アレルギーという自家中毒に韓国自身が向き合わなければならなくなります。

苦渋の選択?結局国際観艦式に艦艇派遣へ=韓国海軍

先日の『韓国が観艦式への招待状に返答せず:追い込まれる韓国』でも取り上げた話題が、来月6日に相模湾で開かれる予定の国際観艦式に、中国と韓国の2ヵ国が招待状を受け取っていながら、期日までに返答をしていないとする問題です。

大変興味深い話題が入ってきました。中国と韓国の2ヵ国が、今年11月に相模湾で開かれる国際観艦式に参加するかどうかの返事をしていないのだそうです。これで追い込まれるのは韓国です。日本はこの観艦式について、西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)参加国のうち、ロシア以外のすべての国に招待状を送ったのですが、もしロシア、中国、韓国の3ヵ国が参加しなかった場合には、韓国の西側諸国における立場は、悪くなることはあっても良くなることはないでしょう。国際観艦式とフリートウィークのお知らせ海上自衛隊は今年、創設か...
韓国が観艦式への招待状に返答せず:追い込まれる韓国 - 新宿会計士の政治経済評論

これに、続報が出てきたようです。韓国海軍は結局、来月の観艦式に艦艇を派遣すると決めたようです。韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の報道によると、韓国国防部と韓国海軍は27日、韓国海軍艦艇を派遣すると発表したそうです。

韓国 自衛隊国際観艦式に艦艇派遣へ=旭日旗問題で波紋も

―――2022.10.27 21:24付 聯合ニュース日本語版より

韓国にとって「参加しない」というのはありえない選択

想像するに、これは韓国政府にとって、おそらくは苦渋の選択だったのでしょう。

先日からの繰り返しになりますが、そもそも韓国にとって、今回の観艦式をボイコットするという選択肢はありませんでした。というのも、今回の「国際観艦式」、日本は西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)参加国(合計21ヵ国)のうち、ロシアを除くすべての国に招待状を発送したからです。

「ロシアを除くすべての国」、というのが重要なポイントです。

ロシアといえば違法でいわれのないウクライナ戦争を仕掛けた無法国家であり、現在、西側諸国を筆頭とする国際法を重んじる国々が、何とかしてロシアによる違法なウクライナ侵略をやめさせようと努力している最中でもあります。

日本がWPNS参加国のうち、敢えてロシア「だけ」を外して招待状を発送したこと自体、観艦式主催国であり、米国、英国、欧州諸国などとともに西側諸国の重要な一員を構成している日本が、ロシアによる侵略を絶対に許さないというメッセージでもあります。

したがって、正当な理由もないのに、もしもこの観艦式に参加しなかったならば、その国はロシアによるウクライナ侵略に毅然と対処する意思がないとみなされても仕方がないのです(実際、中国あたりは回答期日までに参加連絡をしていないようです)。

しかも、今回の観艦式では、捜索や救難を目的とした多国間共同訓練なども予定されており、北朝鮮がミサイルをあいつで発射するなかで韓国が観艦式に参加しなければ、そのこと自体が韓国軍にとって、大きな機会損失ともなりかねません。

その意味では、韓国にとって「参加しない」というのはあり得ない選択肢だったのです。

旭日旗アレルギー問題という自家中毒

ただ、参加するなら参加するで、もうひとつ、大変困った問題が生じます。それが「旭日旗アレルギー(?)」問題(?)です。

この問題、もともとは2011年1月25日のAFCアジアカップの日韓戦において、韓国の奇誠庸(き・せいよう)選手が日本を侮辱する猿真似パフォーマンスを行った際、苦し紛れの言い訳として「スタジアムの旭日旗を見てカッとなった」と述べたことで、突如として浮上したものです。

そして、この「猿真似パフォーマンス事件」以降、韓国社会ではこの旭日旗を巡り、「日帝の軍国主義の象徴」、「ナチスのカギ十字と同様の戦犯旗」、などとする珍説が、すっかり定着してしまった感があります。

もちろん、当たり前の話ですが、「旭日旗=戦犯旗」という韓国国内の認識は誤りです。ここでは菅義偉総理のもとで官房長官を務めていた加藤勝信氏が2021年5月18日の会見で述べた、次の見解を改めて確認しておきましょう。

旭日旗の意匠は日章旗同様、太陽をかたどっており、大漁旗や出産・節句の祝い旗等、日本国内で現在までも広く使用されているものであり、特定の政治的・差別的主張である等の指摘は当たらない。政府として、韓国を含め国際社会に向けて、旭日旗の掲示が政治的宣伝にならないという考えを累次の機会に説明しており、今後ともそうした説明を継続していきたいと考えている」(外務省ウェブサイト『旭日旗』より)。

問題は、それだけではありません。

韓国系の市民団体が明らかに旭日旗と無関係な意匠に対しても、「これは旭日旗のようなものだ」などと言いがかりをつけて修正を強要する、といった、一種の「旭日旗ヘイト」のような事件も、世界で多発しているのです(たとえば『LAの学校の壁画が修正へ 被害者でなく加害者としての韓国』等参照)。

昨年、『旭日旗騒動再び 多くの人々を傷つけた韓国人の罪深い行動』で報告した、米ロサンゼルスの学校の壁画塗り潰し問題に「続報」がありました。米LAタイムズによると、焦点の壁画を巡り、作者のボー・スタントンさんが自身の監修下での修正に合意したとのことです。旭日旗と無関係の壁画に…当ウェブサイトでは昨年、『旭日旗騒動再び 多くの人々を傷つけた韓国人の罪深い行動』のなかで、米ロサンゼルスの学校の壁画を巡る騒動について取り上げました。https://shinjukuacc.com/20181218-04/「事件」のあらましは、壁画家のボー...
LAの学校の壁画が修正へ 被害者でなく加害者としての韓国 - 新宿会計士の政治経済評論

つまり、この旭日旗アレルギーは、いまや日韓関係の枠を越えて、韓国が全世界に対して「加害者」となっている格好です。

しかも、この「猿真似事件」が発生する以前に、韓国が旭日旗を「戦犯旗」などと称して苦情を申し立てていたという事実は存在しませんし、この旭日旗を「戦犯旗」などと問題視している奇特な国といえば、世界広しといえども韓国か、せいぜい「北の同胞」くらいなものでしょう。

ちなみにあの中国でさえ、「旭日旗を戦犯旗などと呼んで問題視する」、といった行動を取っていません。実際、2019年には中国・青島で行われた国際観艦式でも、日本の自衛艦が旭日旗を掲揚して堂々と入港しているほどです。

いわば、旭日旗アレルギー問題は、韓国国内で一種の自家中毒のようになってしまっている、という言い方をしても良いでしょう。

旭日旗で全世界に恥をさらした2018年の国際観艦式

ちなみに「観艦式と旭日旗」といえば、2018年10月に韓国海軍主催した国際観艦式のことを思い出しておく必要がありますよっぽど旭日旗が嫌いだったのか、韓国政府は日本政府に対し、自衛艦旗を掲揚しないように要求してきました。

しかも、日本に対してのみそれを要求すると矛盾すると考えたのか、観艦式への参加国すべてに対し、艦旗を掲揚しないように求めるという非常識ぶりでした。これに対し、日本は最終的に、自衛艦旗を降ろすことは拒否するとの考えから、この国際観艦式への参加を拒絶しました。

こうした一件があったためでしょうか、世界の海軍では、「韓国が日本の旭日旗を問題視しているらしい」という事実は有名になってしまったようです。(※なお、これはもちろん、「世界各国が韓国の立場に理解を示している」、という意味ではありません)。

もっとダイレクトな言い方をすれば、韓国はこの旭日旗ヘイトのあまり、全世界に恥をさらしてしまった格好です。そして、この一件以降、旭日旗問題、すでに日韓問題の枠を越えてしまっています。旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶことの滑稽さに気付いていないのは、世界でも韓国人くらいなものでしょう。

したがって、今回、韓国政府が(いちおうは)観艦式への参加を決めたことで、次に生じてくるのが旭日旗問題であることはいうまでもありません。

2018年の観艦式は韓国が主催したものであるため、主催国の意思に基づき、旭日旗を排除するという行動を取ることはできましたが、さすがに今回は不可能です。主催国は韓国ではなく日本だからです。

もしかすると水面下で韓国政府は日本政府に対し、「今回の観艦式では旭日旗を掲揚しないでほしい」、などと要求しているのかもしれませんが、かつての「外交事なかれ主義」だった時代ならともかくとして、現在の日本政府(とくに防衛省)がそれに応じる可能性はゼロです。

したがって、韓国海軍艦艇は、旭日旗がはためくなかを航行しなければならないわけです。これに韓国の世論が耐えられるでしょうか。

韓国の世論を納得させるのは韓国政府の仕事

実際、先ほど紹介した聯合ニュースの記事にも、こんな記述があります。

自衛艦旗には太平洋戦争当時の旧日本軍の軍旗だった旭日旗が使われるため、韓国内では観艦式への参加を巡り論争が起きており、波紋が広がりそうだ」。

観艦式への参加を決定した政府の判断に反発が起きる可能性と関連して軍の関係者は、『海上自衛隊旗は1953年から使われ、中国を含む国際社会がこれを正式に受け入れている点など国際慣例を考慮した』と説明した」。

「論争が起きている」のも「波紋が広がりそう」なのも、すべて韓国国内の話であり、私たちの国・日本にとっては無関係です。勝手に「論争」すれば良いと思いますし、勝手に「波紋」が広がれば良いのではないでしょうか。

当たり前ですが、韓国で勝手に「論争」が生じ、「波紋が広がる」のは自由ですが、韓国の世論を納得させるのは韓国政府の仕事であり、日本政府の仕事ではありません。

また、「中国を含む国際社会が正式に受け入れている」云々のくだりも意味不明です。だったらなぜ、2018年の観艦式で旭日旗の掲揚を拒絶したというのでしょうか?

まだ「暫定決定」らしい

ちなみに聯合ニュースによると、NSC常任委員会でも「参加を巡り賛否が入り乱れた」が、最終的に韓国政府は「これまでの世論の動きを見極めつつ、各界の専門家などの意見を取りまとめたうえで決定した」、などと伝えています。ただし、聯合ニュースによると、こんな記述もあります。

公式発表に先立ち政府高官は同日、聯合ニュースの取材に対し、午前に開かれた国家安全保障会議(NSC)常任委員会で観艦式への参加を暫定決定したと明らかにした」(※下線は引用者による加工)。

そもそも招待状への返答期限が今月12日だったのに、その期限から15日も遅れて27日になって参加を決定したというのにも驚きますが、現時点においても「暫定決定」、というわけです。要するに、韓国国内の反発次第では、参加取りやめもあり得る、ということでしょうか。

最後の最後まで「参加する」、「参加しない」などの論争が韓国国内で勝手に発生するのかもしれません(※勝手にやれば良いと思いますが…)。

韓国が参加した場合には国内世論の批判、参加しなかった場合には国際世論の批判。それぞれ韓国にデメリットが生じる格好ですが、それは尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が好きな方を選べば良いだけの話であり、わが国にはまったく無関係です。

その意味では、日本として「韓国に選択肢だけ与え、それを韓国に選ばせる」という対応は、決して悪くないのです。

新宿会計士:

View Comments (44)

  • 最初から、韓国国内だけで収めて、
    あとは慣習だからで推しておけば、
    ここまで面倒な話にはならなかったのにね。

  • 来るなら来るで、「どの面下げて」とも思いますね。
    参加云々の前に謝罪すべきことがあるでしょう。

    • アホ面下げて、でしょうか。

      謝罪も無く来港するなら、「えっ?もう参加回答が無かったので錨(怒り)を降ろす場所も、もやい(もやもや)を結ぶビットも無いですけど?」と突き放してやればよいのに。

  • >韓国が参加した場合には国内世論の批判、参加しなかった場合には国際世論の批判。

    前者は起きてますが、後者はほとんど起きないと思います。

    なぜなら、国際世論は韓国を批判せずに静かに見捨てる、見切りをつけるだろうからです。

    「言われるうちが華」って事で、一定レベル以下の人は相手にしない「大人の対応」が韓国に当て嵌められるでしょうから。

    まぁ韓国は「自分の考えが周囲に受け入れられた!認められた!」とホルホルするだけでしょうね。

    • 「もう知らん。勝手にしろ!」→『ワーイ勝手にやっていいってお墨付きをもらったぜぃヽ(^0^)ノ』と幸せ解釈するタイプですね。
      独りでやりたい放題しつつ、こっちをチラッチラッと見てくるのも。

      • 裏縦貫線さん

        ですです〜。
        韓国側が「後頭部を殴られた!」とか言い出すのを楽しみに待ってますw

  • 観艦式、とても楽しみですね。台風の進路が気がかり。前回は台風で残念だっただけになおさら。

  • > そもそも招待状への返答期限が今月12日だったのに、その期限から15日も遅れて27日になって参加を決定したというのにも驚きますが、•••

    他の国は返答期限のルールを守っているのに韓国だけ特別扱いするのはいかがなものかと思う。
    「返答期限が過ぎたので貴国は参加できません」
    とした方が良かったのに。

    • 私も最初はそう思いました。
      しかし、そうすると日本が杓子定規に拒否したという口実を与えし、絶対そう言うと思いました。最後まで注視(楽しみ)ましょう。

  • 毎度、ばかばかしいお話しを。
    朝日新聞&社民党:「韓国が譲歩したのだから、今度は日本が譲歩する番だ。日本国民の声を代表して、そう訴える」
    これって、笑い話ですよね。
    蛇足ですが、韓国国内で、観艦式参加をめぐって政争になるのではないでしょうか。

  • 快く盛大に旭日旗で歓迎
    してあげましょう。

    主力艦でなく作業船というのが
    笑えますが、
    「火器管制レーダーを参加艦船に
    照射してはいけません」という
    悪ガキ躾けるような参加注意事項
    がいらなくて手間が省けます。

    • >快く盛大に旭日旗で歓迎

      いいですね、歓迎。
      日本へ侵入するK国人には、旭日旗を横断幕に使って結界を張るのが効果大と常々考えて来ました。空港入国管理区画の壁面に旭日旗、交通機関従業員の胸に旭日旗バッジ、ショップ店員にも旭日旗、極めつけは闘魂(日の丸あり)鉢巻りりしく自警団を編成して繁華街に駐屯。これだけやればK人材を送り込むあのおかしな芸能プロダクションも息の根をひそめるに違いありません。

    • 連投すみません。K国芸能プロダクションの息の根を止める方策を夢想していたので、おかしな日本語になってしまいました。脳内誤字修正お願いします。

  • WPNS参加国のうち、ロシアを除くすべての国に招待状を発送した

    13ヵ国参加

    前回参加のフランスがいてないようだから対露の意味合いは薄い。
    韓国も無理に参加しなくてもよかったが、
    安保において日本に恩を売った形だ。
    今度は日本が譲歩せねばならない。

    • なるほど、こうやって自己正当化するんですね。
      参考になります。

      さすが、アチラ側の思考過程をシミュレーションされるのがお得意ですね。

  •  韓国としたら、対中国では期限を破るほど渋ってみせたことで忠義を示し、対アメリカ他へは結局は参加したのだぞと義理を示したつもり、というところでしょうか。
     実際には中国には結局参加かよと罵られ、アメリカには協力関係にケチをつけやがってと呆れられ、日本には「じゃスワップも漁業権もいらんね」と足元を見られるのですが。期限までの回答をしていればいずれかは取れたかもしれないのに、二兎を追った形ですね。それも幻影の。さらにはまだ暫定とか言って、ここまで悪手を凝縮できるのかという徹底ぶり。次は参加表明の効力を停止するのでしょうか。
     そもそも自国主催で好き勝手やる時点で、近いうち日本主催がまわった時に身動きできなくなる事など自明だったはずです。言動が場当たりすぎて矛盾する、ブーメランの元祖本家宗主国はさすがです。

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