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韓国軍が日本機に対するレーダー照射方針指示=韓国紙

とんでもない話が出てきました。韓国軍が日本の哨戒機に対する火器管制レーダー照射を「指針として」示していた、というのです。領空侵犯を頻繁に繰り返すロシア、中国などに対しては何も抗議もしないのに、韓国にまったく脅威をもたらさない相手国である日本に対して戦闘を仕掛けるというのも理解に苦しむ点です。

FCレーダー照射事件のポイント

日韓諸懸案のなかに、「火器管制(FC)レーダー照射事件」というものがあります。

この事件の中核を占めるのは、2018年12月20日に石川県能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で監視活動を行っていた日本の海上自衛隊P1哨戒機に対し、韓国海軍に所属する駆逐艦「広開土大王」が火器管制(FC)レーダーを照射したとされる問題ですが、それだけではありません。

この事件が翌・21日に日本の防衛省から発表されるやいなや、韓国側からは、これでもかというほど多くのウソが出てきたという意味でも、異例というほかない事件だったのです。

そもそも韓国側の当初のウソは、「悪天候のなか、行方不明になった北朝鮮の漁船を捜索するために、艦に搭載していたすべてのレーダーを稼働したところ、そのうちのひとつが偶然、自衛隊機に当たったに過ぎない」とするものでした。

ところが、日本側は同28日、証拠として当日の映像を公開しました。なお、日本が公開した動画は現在も動画サイト『YouTube』で視聴可能です。

これで見ると、そもそも「悪天候だった」という韓国側の言い分がウソであることが、素人目にもはっきりと確認できます。

こうしたなか、「悪天候だった」という韓国側の言い分がウソだとばれたためでしょうか、韓国側は動画を公開するという日本の行動を舌鋒鋭く批判したうえで、今度は完全に言い分を「日本こそ低空威嚇飛行を仕掛けてきた」とするものに変更。

そのうえで、翌・1月4日付で、反論にもなっていない反論動画を公開しました。

「証拠動画」といいながら、そこに展開されているのは、日本側の動画を剽窃・流用しながら、一方的な主張を垂れ流しているだけのものです。しかも、韓国が主張する「低空威嚇飛行」とやらに関しては、まったく証拠がありません。

日韓双方が公表した動画、クオリティという意味では、客観的に見て韓国側の完敗でしょう。

事実上の戦闘行為だったことは明らか

ところで、改めて日本側の動画を視聴すると、興味深いことが判明します。

当日の天候が非常に良好だったという点もさることながら、「広開土大王」や韓国警備救難艦などの上空を飛行するなか、海自機がFCレーダー探知の直後にも、VHF緊急周波数を使い、「広開土大王」との交信を試みていることがわかります。

つまり、「広開土大王」側は海自機側の呼びかけを無視し、わざとFCレーダーを複数回にわたって照射したことは明らかであり、客観的にこの状況を見るならば、「広開土大王」は海自機を撃墜しようとしていた可能性すらあるという、極めて危険な状況だったことがわかります。

当然のことながら、こうした行為は、ケースによっては「戦闘行為そのもの」とみなされますし、時と場所を間違えたら、これがきっかけで戦争に突入してしまうことだってあるかもしれません。韓国側がやったことは、そこまで危険なことだったのです。

実際、日韓間の「ハイレベル防衛交流」自体、(コロナ禍の影響もあるのかもしれませんが)2021年、2022年と連続して「ゼロ回」だったという事実(『ロシア・韓国とのハイレベル防衛交流は2年連続ゼロ回』等参照)からも、日本側の韓国への不信感が相当なものであることが伺えます。

防衛省が公表した防衛白書を確認すると、日本の外交・安全保障の軸足が、明らかに「近隣国重視型」から決別し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を重視する方向に変化していることが確認できます。そして、日本の近隣にある2つの無法国家――ロシアと韓国――との間のハイレベル防衛交流実績が、2年連続でゼロ回だったというのは、偶然の産物とも思えません。防衛白書の公表令和4年版の防衛白書が先ほど、防衛省のウェブサイトにて公表されていました。令和4年版防衛白書―――2022/07/22付 防衛省HPより現時点で閲覧できる...
ロシア・韓国とのハイレベル防衛交流は2年連続ゼロ回 - 新宿会計士の政治経済評論

このように考えるなら、FCレーダー照射事件を巡っては、少なくとも韓国側による日本に対する謝罪と徹底した真相究明、そして関係者の処罰と再発防止策の策定が必要でしょう。

「なかったこと」にしようとする韓国

こうしたなかで思い出しておきたいのが、先週の『中国に逆らえない韓国との関係を「改善」しても無意味』の末尾で「オマケ」的に取り上げた、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に掲載されたこんな記事です。

韓日防衛当局 18年哨戒機事件巡る対立解消へ局長級協議

―――2022.08.11 14:27付 聯合ニュース日本語版より

記事タイトルにある「哨戒機事件」という単語を見て、訝しむ日本人は多いのではないでしょうか?

じつはこの記事、FCレーダー照射事件を取り上げたものですが、聯合ニュースとしては「自国が日本の海自機にFCレーダー照射を行った」という事実を認めたくないためか、わざと「哨戒機事件」なる特殊な用語を使っているのでしょう。

それはともかく、聯合ニュースは韓国政府関係者が11日、この「哨戒機事件」の「解決策を探るため」、日韓防衛当局が「局長級協議を行っている」と明らかにした、とするものです。しかも、「韓日の外交消息筋」は同事件について、次のように述べたのだそうです。

双方に認識の差があるため、是非を問うことは難しい。一段落させるための方法を講じなければならない」。

つまり、「約4年が過ぎた事件の真相を究明するよりは、対立を解消させ、交流を再開させる方向で議論が行われるとみられる」、というのです。要するに、4年前の事件についての真相究明はやりたくないけれども、防衛協力は復活させよう、という意味で、大変にふざけた話です。

火器管制レーダー照射事件そのものが韓国軍による準戦闘行為そのものであり、これを「真相究明が難しい」などと逃げることを、絶対に許してはなりません。この事件の落としどころは、韓国側の日本に対する謝罪と関係者の処罰、そして再発防止策の策定以外にあり得ないからです。

なにより、火器管制レーダー照射事件では、私たち日本国民にとって大切な海上自衛隊員の命が危険に晒された、という事実を、軽く見てはなりません。防衛省が本件について、毅然とした対応を取ることを期待したいところです。

ただ、言い換えれば、この火器管制レーダー照射事件を巡って、日韓間の認識が埋まらなければ、そのことは(日韓関係だけでなく)米韓関係をも間違いなく毀損することにつながります。いや、もともと崩れかけている米韓の信頼関係にとどめを刺す、と表現した方が正確でしょうか。

FCレーダー照射を指針にしていた!?

こうしたなか、本日はさらに強烈な話題も出てきました。

今から3年以上前の『瀬取り監視活動と韓国政府の「レーダー照射宣言」の危うさ』では、韓国側が日本の機体に対して積極的にFCレーダー照射を行うと宣言した、といった話題を取り上げたのですが、その「続報」のようなものが出てきたのです。

文政府「日本哨戒機に追跡レーダー照射しろ」…事実上の交戦指針(1)

―――2022.08.18 07:06付 中央日報日本語版より

文政府「日本哨戒機に追跡レーダー照射しろ」…事実上の交戦指針(2)

―――2022.08.18 07:08付 中央日報日本語版より

韓国メディア『中央日報』(日本語版)は、文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代の「2018年12月から2009年1月に日本の海上哨戒機による低空威嚇飛行が相次いだこと」を受け、軍当局が低高度で近接飛行する日本の哨戒機に「追跡レーダー照射などの積極対応」を指示する指針を作っていたと報じました。

この「追跡レーダー」について、中央日報は次のように述べています。

追跡レーダーは艦艇で艦砲やミサイルを狙うために標的の方向や距離、高度を測定するレーダーだ。射撃統制レーダーと称したり、日本では火気管制レーダーとしても使う」(※下線部は引用者による加工)。

「火気管制レーダー」という記述は原文のままですが、おそらくは「火器管制レーダー」のことでしょう。

これについて中央日報は、「追跡レーダーの照射は艦砲やミサイル攻撃の意志を伝えるもの」だとしつつ、この韓国軍の指針は「韓国防空識別圏(KADIZ)を絶えず無断進入する中国や領空を侵したロシアには適用されない」のだそうです。

したがって、「公海で唯一日本との交戦は辞さないという趣旨となる」、というのが中央日報の報道内容です。

中央日報によるとこの「指針」の存在は与党「国民の力」の申源湜(しん・げんしょく)議員が17日に明らかにしたもので、『日哨戒機対応指針』と呼ばれ、韓国軍当局が2019年2月に海軍に通達したものだとしています。

たった3年で「低空威嚇飛行」というウソが定着した韓国社会

しかも、中央日報の記述がさらに強烈です。

当初、日本海上哨戒機低空威嚇飛行を巡る韓日間の葛藤も追跡レーダーから始まった」。

日本海上自衛隊の海上哨戒機『P-1』が2018年12月20日、独島(トクド、日本名・竹島)北東160キロメートルの海上で韓国海軍の3900トン級駆逐艦『広開土大王』に高度150メートル・500メートルの距離まで近づいて飛行した」。

これに関連して日本側は海軍広開土大王艦が先に追跡レーダーを照射したと主張した。しかし軍当局の調査結果、当時広開土大王の追跡レーダー『STIR 180』は稼働していなかった」。

よくここまで平気でウソがつけるものです。まるで日本が先に何らかの不法行為を行い、それをごまかすために「韓国側によるFCレーダー照射」をでっち上げたかのような書きぶりです。

このあたり、FCレーダー照射事件発生から3年が経過した昨年末時点で、韓国社会ではすでに「日本側の低空威嚇飛行事件」の方が事実になってしまっていた、という事件を思い出します(『「低空威嚇飛行」の捏造が3年で事実になってしまう?』等参照)。

今から3年前の「日本が低空威嚇飛行を仕掛けてきた」とする捏造が、いつのまにか完全に事実として定着しているのかもしれません。2018年12月に発生した火器管制レーダー照射事件、もちろん、事実関係は「韓国が加害者、日本が被害者」ですが、どうもこれが完全に逆転しているのではないかと思しき記事を発見してしまったのです。たった3年で捏造が事実になってしまうとは、おそろしい話です。火器管制レーダー照射事件何かと不自然な「火器管制レーダー照射」少し、古い話をします。今から3年前少々の2018年12月20日、石川県能登半...
「低空威嚇飛行」の捏造が3年で事実になってしまう? - 新宿会計士の政治経済評論

つまり、韓国の日本に対する行為行為は、「国際法などに違反した行いをすること」、「その国際法違反をごまかすために全力でウソをつくこと」という二段階で構成されているのですが、ウソにウソを重ねることで、何が真実で何がウソなのか、国単位でわけがわからなくなってしまっているのかもしれません。

ルトワック氏の慧眼

こうしたなか、思い出さざるを得ないのが、こんな記述です。

2011年12月14日には『従軍慰安婦』を表現する上品ぶった韓国人少女の像が日本大使館の向かい側で除幕された。<中略>これは韓国に全く脅威をもたらさない国を最も苛立たせるような行為であった。<中略>戦略面で現実逃避に走るのは<中略>、国際政治に携わる実務家たちの力や、同盟国としての影響力を損なうものだ。さらにいえば、これによって実際に脅威をもたらしている国に威嚇されやすくなってしまうのだ」。

記事冒頭に「2011年」とあるとおり、ずいぶんと古い文章ですが、これは米国の政治学者で米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザーでもあるエドワード・ルトワック氏が10年前に執筆した『自滅する中国』の一節です(※)。

※引用箇所は同著の日本語版(芙蓉書房出版、2013年7月24日第1刷発行、翻訳者は奥山真司氏)の234ページ目。

ルトワック氏がこれを指摘したのは10年以上前のことですが、韓国によるこうした無責任な行動がその後も繰り返されていることを踏まえるならば、ルトワック氏の慧眼ぶりは明らかです。

いずれにせよ、火器管制レーダー照射事件の真相究明に、韓国側が誠意をもって応じるかどうかは、日韓関係のみならず、今後、韓国が自由・民主主義諸国の一員でいられるかどうかを占う試金石であることは間違いないでしょう。

新宿会計士:

View Comments (22)

  • >ところでこの指針は韓国防空識別圏(KADIZ)を絶えず無断進入する中国や領空を侵したロシアには適用されない。
    >韓日間の葛藤も追跡レーダーから始まった。

    妙な記事ですね。
    「低空威嚇飛行」は、防空識別圏を越えてくることよりも脅威を与えないって言ってますよね。
    葛藤が始まった原因が「低空威嚇飛行」じゃなくレーダー照射だとすると、原因は韓国にあるって言ってますよね。

    わかってんじゃん。(笑)

  • この問題は、当時の岩屋毅(売国・クズ)防衛大臣が、うやむやにしようとして拗れた問題ですね。やはり、その時その時に、ちゃんと毅然と対応しないとダメだという一例だと思います。

    4年経ったから棚上げだ?ふざけるなよ(怒)、ですよ。
    命のかかった軍事でそんなことが許されるわけがない。そんな相手と軍事協力なんてできるわけない。ここでまた、毅然と対応できないと、禍根を残すことになります。しっかり対応してほしいです。

    岸さんはしっかりという事を言っていたけれども、浜田さんはどうかな。。。

    • 岩屋毅と統一教会との関連は。どうなのでしょうか?

  • さて、この件を岸田文雄総理大臣は知っていたのだろうか。
    退任した、岸信夫前防衛大臣の認識は?韓国カルトと関係があった一件で、不信感を覚える。岸田文雄総理の対応が注目される。有耶無耶に応じるようなら、やはり、岸田はダメだ。厳格に対応してこそ国益となる。それにしても尹君の意図はなんなんだろう。本気で日本との関係改善をもとめてなのか、単に文在寅の追い込みに利用しているのか。なんにせよ韓国に100%の非があるのは明らかだ。文の言い訳が楽しみだな!

  • 無条件愛国者の反日暴走だったら良かったのにね。
    実際はカルト反日宗教国家の法王からの指示だったとw
    こんなキ○ガイ反日教国のポジキャンを朝から晩までしつこくしつつ、トウイツガーっとその一部だけを安倍叩き自民叩きテロ肯定のために同じく朝から晩までし続ける日本の放送メディア。
    この夏でますますテレビ離れが起こるのは確実でしょう。

  • 関係者(文さん含む)の処罰はもちろんのこと、日本との話をする前に、まずは韓国海軍自ら「広開土大王」公開爆破沈没式で誠意を見せるべきでしょう。

  • 万が一発生する事案に対し、日・米・南国が統一的に
    軍事行動ができるよう、米国から要請がきている筈です。
    (露・中・北国が対象)
    さて、この軍事行動において南国が相手国に対する行動を
    取らず、日・米に対し敵対行動(今回のようなレーダー照射)をする
    可能性があるというか、日本なら攻撃する事が容易に想定されます。
    米国なら大統領案件
    いい加減、米国は南国を含める事は、自軍を脆弱化する行為だと
    認識して欲しいものです。
    米国の仮想戦記では、南国が西側国と思い込んでおり(実質は中共の属国)
    南国が相手国に攻撃する事になっております。

  • (2)の記事に
    ・指針は青瓦台安保室が主導し作った
    ・現場では事実上有名無実だった
    ・国防部は指針の破棄を検討している
    とあるので、事実なら軍の現場には最低限の良心(悔恨)はあるのでは。火器管制レーダーの使用を日本から公表された文在寅とその側近の意趣返しでは。

  • もし、このまま日本政府が手打ちにしたら、どうなるか?
    命の危険を伴った行為を上がなぁなあにするイコール自衛隊員の命<韓国との関係となります。

    誰がそんな上の為に頑張れるか?

    もし会社であなたが死にそうな目にあわされたとして、上司が結果死んでないからそのまま手打ちなと言われたら、「この会社は自分たち従業員を守ってはくれない」となりますよね。

    さすがに今の日本政府はそれぐらいわかってると思いますが。

  • 危ないなぁ。
    で、流石に、現場は無視してたようで。
    日本海に哨戒機を飛ばしているのは、日本だけじゃないですし、
    哨戒機自身は丸腰でも、友軍の対艦ミサイルの射程内で任務にあたっているので、
    下手にちょっかいを出そうものなら、返り討ちに遭うくらいは分かっているはず。
    問題は、それを分かってなかった前政権かな。

  • これは、米が対北、または対中に日米韓3か国連携で対抗しようとした場合、日韓の軍事衝突を防止することから始めなければならなくなった、ということでしょうか。

    • すみません。追加です。
      韓国は 低空威嚇飛行(?)をしてきたとして、米軍機にFCレーザー照射する可能性もあるのではないでしょうか。米軍機の星マークが日の丸に見えたとして。

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