IMF最新統計:世界の外貨準備は3700億ドル減少
本稿は、資料編です。国際通貨基金(IMF)が四半期に一度公表する「COFER」と呼ばれる統計の最新版が出てきました。世界の外貨準備に占める米ドルの割合は引き続きトップです。ただし、ロシアの外貨準備凍結の影響でしょうか、世界全体の外貨準備の金額については約3700億ドル減少していることが確認できます。
国際通貨基金(IMF)は四半期に一度、世界各国の外貨準備高について、その通貨別構成に関する統計を公表しています。これについて、2022年3月末時点の通貨別構成が判明していたので、概要を取り上げておきましょう。
世界の外貨準備については、図表1のとおり、通貨別構成の内訳が判明する外貨準備については米ドルがトップを守り、ユーロ、日本円が小幅減少する一方、英ポンド、加ドル、豪ドル、スイスフラン、人民元がシェアを伸ばしました。
図表1 2022年3月末時点における世界の外貨準備の通貨別構成(前四半期からの変化)
通貨 | 金額 | 割合 |
---|---|---|
内訳判明分 | 12兆0504億ドル→11兆6797億ドル | 93.26%→93.06% |
うち米ドル | 7兆0930億ドル→6兆8776億ドル | 58.86%→58.88% |
うちユーロ | 2兆4806億ドル→2兆3429億ドル | 20.58%→20.06% |
うち日本円 | 6646億ドル→6257億ドル | 5.52%→5.36% |
うち英ポンド | 5788億ドル→5806億ドル | 4.80%→4.97% |
うち加ドル | 2869億ドル→2873億ドル | 2.38%→2.46% |
うち豪ドル | 2213億ドル→2255億ドル | 1.84%→1.93% |
うちスイスフラン | 212億ドル→263億ドル | 0.18%→0.23% |
うち人民元 | 3372億ドル→3364億ドル | 2.80%→2.88% |
うちその他通貨 | 3669億ドル→3774億ドル | 3.04%→3.23% |
内訳不明分 | 8705億ドル→8705億ドル | 6.74%→6.94% |
合計 | 12兆9210億ドル→12兆5501億ドル | 100.00% |
(【出所】International Monetary Fund, ”Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserve” より著者作成)
ただし、集計されている外貨準備の金額自体は前四半期と比べてだいたい3700億ドルほど減少しているのですが、その理由は恐らく、ロシアの外貨準備のうち、西側諸国通貨建てのものが軒並み凍結されたからなのでしょう。
たとえば、米ドルについても7兆0930億ドルから6兆8776億ドルへと金額自体は減少していますが、シェアは58.86%から58.88%へと微増していますし、人民元も割合こそ2.8%から2.88%に増えていますが、金額は3372億ドルから3364億ドルに減少していることが確認できます。
ちなみに外貨準備合計額の減少幅約3700億ドルというのは、以前の『ロシアの外貨準備資産等没収にスイス大統領が「異論」』などでも示した「凍結されたロシアの外貨準備はだいたい3777億ドル」とする当ウェブサイトの試算とも、だいたい一致しています。
このように考えていくと、やはり2022年1月末時点で6000億ドルを超えていたロシアの外貨準備高が凍結というのは、世界の外貨準備に与えた影響が非常に大きかったという証拠でしょう。
主要通貨の外貨準備の金額とシェアについてもグラフを示しておきましょう。
図表2 米ドル
図表3 ユーロ
図表4 日本円
図表5 英ポンド
図表6 加ドル
図表7 豪ドル
図表8 人民元
図表9 その他通貨
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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世界全体の外貨準備高が前四半期に比べて3,700億ドル減少。
そのほとんどは、西側諸国の中央銀行にデポジットされていたロシアの外貨準備が凍結された結果として説明可能との解説。
とすると、今朝の記事『韓国外貨準備データと米財務省データの「大きな差額」』で触れられていた、韓国の外貨準備が、この2四半期で300億ドル減少したという事実。これって、その大きさから言っても、結構大変なことなのかも。
ロシアの次に経済破綻するのは、Kのつく国?
> Kのつく国
SliLankaとかNorth KoreaとかTurkeyのほうが九州北部の国よりずっと先でしょう。