これまで品位を保とうとして、なんとか記述を誤魔化してきましたが、もう諦めます。「立憲民主党脱糞疑惑」を巡っては、さすがにその「行為そのもの」を記述しないわけにはいかないからです。本稿では昨日も議論した「例の問題」を巡って、改めて論点を整理するとともに、普段の立憲民主党の態度に照らすなら、本件を巡っても同党が説明責任を果たさねばならないとする点について確認してみたいと思います。

品位を保つのを許してくれない立憲民主党

当ウェブサイトでは「読んでくださった方々の知的好奇心を刺激すること」を目的にしている、などと標榜していますが、それでもひとつ大切にしたいと思っている点があるとしたら、それは「品位を保つこと」です。

性的な話題はもちろん、排泄物であるとか、わいせつな話題、その他品位を疑われるような記述ないし描写については、可能な限り避けてきたつもりです。

ただ、「政治経済評論」を標榜しているなかで、どうしても「とある政党」について議論するときには、こうした「タブー」に踏み込む必要が出てきてしまいます。どうしても最低限、性的な話題に触れざるを得ないからです。当ウェブサイトが品位を保つことすら許してくれないのが立憲民主党、というわけでしょう。

たとえば、先日の『立憲民主党「ＡＶ禁止法」の衝撃』では、立憲民主党の堤かなめ衆院議員が、立憲民主党として「性行為を伴うＡＶ禁止」の法律を目指すことを表明した、などとする話題を取り上げました。

この「法案」自体、日本を取り巻く安保環境などが厳しいなかで、いま優先して取り組むべき課題なのかという点もさることながら、立憲民主党にこの手の法案を提出する資格があるのかが疑問です。

そして、立憲民主党に所属している議員・政治家らのなかには、偉そうに性的な話題を口にする資格があるのか、何とも疑問に思えてならない人たちもいます。

たとえば、元立憲民主党の青山雅幸前衆議院議員、初鹿明博衆議院議員の両名は、どちらもセクシャル・ハラスメント疑惑の浮上を受け、立憲民主党を離党しています（青山氏は昨年の衆院選で日本維新の会から出馬して落選し、今年の参院選に出馬を表明しているそうです）。

また、高井崇志前衆議院議員も、立憲民主党所属時代、コロナ禍の最中に東京・歌舞伎町のいかがわしい店に出入りしていたと報じられていますし（たとえばプレジデントオンラインの記事等参照）、石川大我参議院議員もコロナ禍の最中、新宿二丁目の路上で警察官とトラブルを起こしたと報じられています。

まさに、「下半身系の不祥事は立憲民主党におまかせ」、といったところでしょうか。

越えたくなかった一線を越えた「汚物事件」

こうしたか、昨日の『立憲民主党県議ら「汚物放置疑惑」か＝文春オンライン』では、ついに当ウェブサイトとして「越えたくなかった一線」を踏み越えました。文春オンラインに掲載された記事によれば、立憲民主党の地方議員の関係者が高給焼き肉店に「物体」を残して行った疑惑が浮上しているというのです。

あまり書きたくなかったのですが、もう仕方がないので述べてしまいますが、「脱糞民主党」、というわけです。

いちおうこの「脱糞疑惑」を巡っては、立憲民主党愛知県総支部連合会が昨日付で関与を否定する声明を出しています（『立憲民主党「汚物疑惑」巡り「疑惑はさらに深まった」』参照）。

声明文は、次のとおりです。

2022年5月30日付の「文春オンライン」における立憲民主党愛知県連所属議員に関する記事について（コメント）

当県連として、当日会食に参加した関係者全員に聴取したところ、記事中の「事件」に関わった事実はありませんでした。もとより、あるはずもありません。お店からは被害届が出されており、当県連も真相究明に向けた徹底的な捜査を求めます。

2022年5月31日

立憲民主党愛知県総支部連合会

幹事長　塚本 久

―――2022/05/31付　立憲民主党愛知県総支部連合会ＨＰより

このあたり、文春オンラインの報道が事実ならば、大変に不自然な話です。

というのも、「被害」を受けた店は、その「物体」をすぐに片付け、プロの清掃業者を入れて清掃したうえで、Ａ県議やＢ市議にこの件を伝え、画像を送ったところ、両名が２人で菓子折りを持って事務所に謝罪に来た、などと報じられているからです。

もしも「自分たちではない」と言い張るのならば、その時点で否定しておくべきでしたし、菓子折りを持って謝罪に訪れたということは、身に覚えがある、という証拠でしょう。

関連報道

こうしたなかで、文春オンラインには同じ５月30日付で、Ａ県議に対する取材記事も掲載しています。

《名古屋高級焼肉店“人糞”放置事件》「飯も食べられない…」会食主催の県議を直撃“店への説明責任”は果たされたのか⁉

―――2022/05/30付　文春オンラインより

文春オンラインによると、Ａ県議は同店のオーナーと同じ中学の先輩、後輩の関係にあり、Ｂ市議も同店の店長と高校の同級生である、などとしたうえで、「そんな所に部屋であんな行為をするような人間は絶対連れて行きません」と主張。取材中、「何度もため息をつき、”身の潔白“を訴えた」そうです。

ただ、店に謝罪に出掛けたことについては、こう述べます。

「会食の翌日の９日の昼に、店長からＢに連絡があって『昨日の夜大変なことになってたよ』『僕らの部屋に人糞があった』『クリーニング呼んでも臭いがとれない』と言われたそうです。Ｂから話を伝え聞いた時は、最初まったく訳がわからなくて……。でも、画像が送られてきて、迷惑をかけているなら申し訳ないとすぐに謝罪にいきました」。

ここで、意味がわかりません。

もしも自分たちがやっていないというのならば、毅然と否定すべきでしょう。自分たちがやってもいないのに謝罪に出掛ければ、それは自分たちが「迷惑をかけた」という認識を持っているという意味であり、間接的にその「犯行」の事実を認めたのと同じだからです。

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いちおう、記事ではＡ氏は徹底して疑惑を否定しているわけですが、文春オンラインはこれに対し、次のように結論付けます。

「犯人特定は警察の仕事かもしれないが、オーナーがA県議らに抱く”不信感“は根深い。A県議ら当時会食に参加していた議員たちはオーナーへの『説明責任』をまずはしっかり果たすべきだろう」。

なかなかに強烈な皮肉ですね。

「もりかけ問題」、「桜を見る会問題」などを含め、普段から「説明責任をしっかり果たせ」と要求しているのは、ほかならぬ立憲民主党の側です。

文春オンラインの報道が事実だったとしても、「あの物体」を設置した犯人が誰であるかについてはわかりません。もちろん、立憲民主党関係者が無実である可能性だって残されています。

ただ、立憲民主党が普段から、「疑われた側が説明しなければならない」とする態度を取っている点を踏まえるならば、今回の「脱糞問題」を巡っても、説明責任が立憲民主党側にあることだけは間違いないと断言できるでしょう。