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    Categories: RMB金融

「のろのろバス」AIIBの資産規模は最大手信金並み

「バスに乗り遅れるな!AIIBに参加しないと、日本は国際インフラ金融の世界で仲間外れにされてしまう!」。今から6年前にこんな議論を嬉々として展開していた皆さんは、いったい責任をどう取るつもりでしょうか。現実のAIIBの財務諸表などの資料を眺めていると、コロナ特需で少し融資が伸びたとはいえ、依然として「AIIBバス」はノロノロ運転ですし、むしろ「仲間外れ」にされているのはAIIBの側じゃないか、という気がしてならないのです。

自称識者「バスに乗り遅れるな!」

今から6年前のダイヤモンドオンラインの記事

中国が主導する国際開発銀行として、アジアインフラ投資銀行(AIIB)という組織があります。

AIIBが発足したのは2015年12月のことであり、当時は「中国ウォッチャー」を名乗る方を中心に、「日本がAIIBに参加を見送ったのは大きな間違い」、「これからアジアのインフラ金融はAIIBに牛耳られ、日本は仲間外れにされる」、などといわれていたことを、昨日のことのように思い出します。

これがいわゆる「バスに乗り遅れるな」論です。

とくに、大手ウェブ評論サイト『ダイヤモンドオンライン』に2015年、次のような記事が相次いで掲載されていました。

中国に破れた通貨マフィア AIIBは日本外交の試練の場に

―――2015.3.26 0:20付 ダイヤモンドオンラインより

日本は中国に対する冷静さを欠き、AIIB加入問題で流れを読み間違えた

―――2015.4.2 0:00付 ダイヤモンドオンラインより

前者の記事は「作家・ジャーナリスト」と名乗る方が、後者の記事は「ジャーナリスト」と名乗る方が、それぞれ執筆したものです。

正直、おカネを払う価値があるとも思えないが…

このうち『日本は中国に対する冷静さを欠き…』の方の記事では、著者の方は(2015年時点で)米国を除くすべての国連常任理事国が参加を表明していることなどをもって、「日本は流れを読み間違えた」などと主張。

後者の記事も、「アジア諸国とのきずなを強めるために、日本はAIIBに参加すべきだ」としています。

なお、これらの記事については、現時点で読もうとしたら「会員限定」という指定がついていて、ダイヤモンドオンラインに会員登録しなければ読めなくなっています(会員登録の方法や閲覧条件などの詳細については、同ウェブサイトにて直接ご確認ください)。

大変申し上げにくいのですが、個人的にはこのリンク先の2つの記事、カネを払って読む価値があるとも思えません。ただ、「怖いもの見たさ」という考えもあるので、もしカネとヒマが有り余っている方がいらっしゃるならば、是非ともリンク先記事をお読みください(※カネと時間を返せと言われても応じられませんが…)。

AIIBに国際金融を牛耳られる!

さて、AIIB発足からそろそろ約6年が経過しますが、結論的にいえば、アジアの国際インフラ金融はAIIBに牛耳られてもいなければ、日本がAIIBに参加しなかったことで、日本が国際的なインフラ金融の世界から「除け者」にされたという事実も見当たりません。

むしろ、実態は真逆で、AIIBはアジア開発銀行(ADB)の案件に協調融資として入れてもらったりしながら、やっとこさ、出資額の15%程度の融資残高を達成した、というのが実情に近いようです。

ちなみにこのAIIB、中国系の国際組織(?)にしては珍しく、欧州諸国などが参加しているからでしょうか、四半期に1回(つまり3ヵ月毎に)決算などの詳細な資料を公表しています(※なお、タイミングによっては未監査ベースのこともあります)。

当ウェブサイトではこのAIIBについて、ときどきその時点における最新の財務諸表などを入手し、概要を確認してきたのですが、今回も2021年9月末時点の財務諸表などを確認してみたところ、なかなか興味深いことが判明します。

それは、本業による融資と思しき金額がだいたい135億ドルにまで膨らんでいるものの、この融資額の伸びはどちらかといえば「コロナ特需」によるものではないかと考えられる、という点です。

AIIBの現状

出資約束金額は1000億ドル、払込済はその20%

では、ここから先は、「AIIBの数字の実情」に踏み込んでいきましょう。

AIIB側は「現在、104ヵ国が参加している」と発表していますが、このうち17ヵ国は加盟手続が完了していないため、正式なメンバー国は87ヵ国(うちリージョナルが46ヵ国、ノンリージョナルが41ヵ国)です(図表1)。

図表1 AIIBの正式なメンバー国(出資額順上位10ヵ国)と出資約束額等
出資約束額 出資割合/議決権割合
1位:中国(R) 297.80億ドル 30.74%/26.57%
2位:インド(R) 83.67億ドル 8.64%/7.60%
3位:ロシア(R) 65.36億ドル 6.75%/5.98%
4位:ドイツ(N) 44.84億ドル 4.63%/4.16%
5位:韓国(R) 37.39億ドル 3.86%/3.50%
6位:豪州(R) 36.91億ドル 3.81%/3.46%
7位:フランス(N) 33.76億ドル 3.48%/3.18%
8位:インドネシア(R) 33.61億ドル 3.47%/3.17%
9位:英国(N) 30.55億ドル 3.15%/2.90%
10位:トルコ(R) 26.10億ドル 2.69%/2.50%
その他(77ヵ国) 278.87億ドル 28.78%/36.97%
合計(87ヵ国) 968.86億ドル 100.00%/100.00%

(【出所】AIIBの “Members and Prospective Members of the Bank” のページを著者が手集計。Rはリージョナル、Nはノンリージョナル)

出資約束額の合計は1000億ドル近くに達しています(※ただし払込済みの額はこのうち約20%です)。また、出資金とは別に、AIIBは200億ドル近くの資金を「借入金」として調達しています。これをまとめたものが、図表2です。

図表2 AIIBの出資金と借入金
項目 2021年9月 2020年9月との比較
借入金(A) 191.6億ドル +89.1億ドル(+86.89%)
払込済資本(B) 193.5億ドル +0.1億ドル(+0.03%)
資金調達合計(A+B) 385.1億ドル +89.1億ドル(+30.11%)

(【出所】AIIBの財務諸表より著者作成)

この1年で、AIIBは借金を89億ドルも増やしました。

信用格付が「AAA」と非常に良いという事情もあるためでしょうか、比較的低利でおカネを借りているようです。

AIIBの総資産は「最大手信金クラス」

次に、AIIBの資産の状況を確認しておきましょう(図表2)。

図表3 AIIBの資産の状況
項目 2021年9月 2020年9月との比較
本業の融資と思しき金額(①+②) 135.2億ドル +60.6億ドル(+81.34%)
うち償却原価法適用貸出(①) 109.6億ドル +39.9億ドル(+57.11%)
うち償却原価法適用債券(②) 25.2億ドル +20.5億ドル(+427.94%)
余資の運用と思しき金額(③+④+⑤) 257.2億ドル +31.8億ドル(+14.13%)
うち定期預金(③) 119.5億ドル ▲21.2億ドル(▲15.09%)
うち売買目的投資(④) 109.1億ドル +60.8億ドル(+125.96%)
その他の資産 9.4億ドル +1.6億ドル(+20.41%)
資産合計 401.9億ドル +94.1億ドル(+30.57%)

(【出所】AIIBの財務諸表より著者作成)

AIIBの総資産は401.9億ドルで、1ドル=115円で日本円に換算すると、だいたい4.6兆円程度ですが、これは日本でいえば「中堅地方銀行クラス」、あるいは「信用金庫業界の最大手クラス」、といったところでしょうか(※厳密にいえば、日本の信金の最大手と比べて資産規模はやや劣ります)。

本業が低迷し、投資資産をやたらと買っている

ただ、「日本の最大手信金並み」なのは総資産規模だけであって、融資内容にせよ、投資内容にせよ、経営内容に関しては正直、日本の金融機関の方が、はるかに優れています。

図表中「本業の融資と思しき金額」と記載した、償却原価法が適用される資産の金額を合算したもの(①+②)の額は109.6億ドルに過ぎず、定期預金(③)に119.5億ドル、売買目的投資(④)に109.1億ドルもの資金が流れています。

通常、国際開発銀行としての本業が順調であれば、余資運用額がここまで巨額に達していることはあり得ません(AIIBが欧米系の投資銀行の良いカモになっていなければ良いのですが…)。

つまり、AIIBの貸借対照表は非常に単純で、87ヵ国からの出資(約束額は約1000億ドル、実際の払込額はその約20%の193.5億ドル)、市場などからの借入額(191.6億ドル)などで400億ドル前後を調達しているものの、本業の融資については135億ドルに過ぎません。

このため、定期預金に119.5億ドル、「売買目的投資」(おそらくは有価証券など)に109.1億ドルを投資しているというかたちであり、正直、本業が順調とはいえません。

少し意地悪ではありますが、図表1で確認したAIIBの出資約束額と、図表3で確認した「本業の融資と思しき金額」を対比したグラフを作っておきましょう(図表4)。

図表4 AIIBの出資約束額と融資実行額

(【出所】AIIBの財務諸表等より著者作成)

なんとも心細い限り、というわけです。

プロジェクトはこの2年で180億ドルも承認したが…

もっとも、本業の融資部分だけに注目していると、たしかに全体に占める金額としては少ないものの、それと同時に、1年前と比べて60億ドル以上増えていることもまた事実です。

これについて、AIIBのプロジェクト一覧のページで、現時点で承認されているプロジェクトを確認しておくと、合計150件、事業規模の総額は約300億ドルに達しています(図表5)。

図表5 承認されたプロジェクトの件数と総額
承認件数 承認総額
2016 8件 16.9億ドル
2017 15件 25.0億ドル
2018 12件 33.0億ドル
2019 28件 46.5億ドル
2020 45件 99.8億ドル
2021 42件 74.5億ドル
合計 150件 295.8億ドル

(【出所】AIIBの “Our Projects” のページより著者が手集計。なお、2021年の金額にはユーロ建てのものが1件含まれているため、1ユーロ=1.128ドルと仮定してドル換算している)

先ほどの図表3でもわかるとおり、2021年9月末時点において、融資が実行済みのものは135億ドルでしたが、承認されたプロジェクトの総額は300億ドル近くに達しており、これらがすべて実行されれば、本業の融資額は現在の約2.2倍に増える、という計算です。

しかも、この300億ドルのうち、2020年と2021年の2年間だけで承認されたものは90件近く、金額にして180億ドル近くにも達しているのです。このたった2年で、いったい何が発生したのでしょうか。

正体はたんなるコロナ特需

結論からいえば、これは「コロナ特需」と考えられます。

先ほど図表5で示したプロジェクトのうち、AIIBのウェブサイト上、「セクター」が「公衆衛生(Public Health)」と記載されている、あるいはプロジェクト名に “Covid 19” が含まれているものだけを抜き出して集計してみたものが、図表6です。

図表6 コロナ関連融資
承認件数 承認総額
2020 23件 66.6億ドル
2021 12件 22.7億ドル
合計 35件 89.3億ドル

(【出所】AIIBの “Our Projects” のページより著者が手集計)

これで見ると、コロナ関連と思しき案件は35件、総額約90億ドルに達しています。

図表5で、「2年間で一気に180億ドル近くも承認された」と申し上げましたが、図表6で見るとおり、その半額の90億ドル弱はコロナ関連の緊急融資であり、いわば、「コロナ特需」がAIIBの融資を押し上げた格好だ、という言い方もできます。

逆に、コロナ関連のものを除き、図表5を「純粋なインフラ金融の範疇に属すると思しき案件」だけで集計し直した者が、図表7です。

図表7 承認されたプロジェクトの件数と総額(※コロナ関連を除く)
承認件数 承認総額
2016 8件 16.9億ドル
2017 15件 25.0億ドル
2018 12件 33.0億ドル
2019 28件 46.5億ドル
2020 22件 33.2億ドル
2021 30件 51.9億ドル
合計 115件 206.5億ドル

(【出所】AIIBの “Our Projects” のページより著者が手集計。なお、2021年の金額にはユーロ建てのものが1件含まれているため、1ユーロ=1.128ドルと仮定してドル換算している)

すなわち、コロナ関連を除くと、毎年のプロジェクト承認件数はだいたい30件前後、金額も40~50億ドル程度に過ぎません(2020年の件数、金額が少なかったのは、コロナの影響かもしれません)。

なお、2021年に関しては、まだ1ヵ月少々残っているため、これからもう少し増える可能性はあります。

ただ、「バスに乗り遅れるな」などといわれていたわりには、客観的な数字を読む限り、その「AIIBバス」はノロノロ運転で、むしろ国際インフラ金融の世界の潮流に乗れていないのはAIIBの側ではないか、と思わざるを得ないのです。

人民元の将来

人民元建て融資がゼロ件

さて、これらのプロジェクトについて確認していくと、さらに興味深いことに気付きます。

それは、中国の通貨である「人民元」による融資がゼロ件である、という事実です。

この点、AIIBは中国が米国の「ドル覇権」に挑戦するための国際開発銀行だ、などといわれることがあるのですが、現実にはそうなっていません。現時点でAIIBのウェブサイト上確認できる承認済みのプロジェクト150件のうち、149件が米ドル建てであり、ユーロ建てのものは1件しかありません。

著者個人の記憶では、「中国が主導するAIIBで人民元融資を活発化させる」などとする報道もあるにはあったのですが、国際インフラ開発金融の世界で、人民元建てで融資など出来っこない、という現実にぶつかった格好だともいえます。

「デジタル人民元構想で人民元が基軸通貨に」

さて、当ウェブサイトでは人民元の国際化の実情について、いくつかの議論を展開して来ました。

たとえば、『数字で読む「人民元の国際化は2015年で止まった」』などでも触れたとおり、人民元の「国際通貨化」については、さまざまなデータで読む限り、2015年でピタリと止まってしまったのです。

本稿は、昨日の『中国当局には人民元の国際化を容認する覚悟はあるのか』では取り上げ切れなかった統計データをまとめて収録しようというものです。昨日の議論に関連し、これまで当ウェブサイトで解説してきた内容を一気に紹介しています。まだの方は是非、昨日の議論を確認したうえでご一読くださると幸いです。結論的には「人民元国際化の動きは2015年前後でいったん止まったが、油断はできない」、というものです。人民元決済・データ編本稿の位置づけは「統計データのまとめ」昨日の『中国当局には人民元の国際化を容認する覚悟は...
数字で読む「人民元の国際化は2015年で止まった」 - 新宿会計士の政治経済評論

あるいは『いったいなぜ、IMFは人民元をSDRに加えたのか』などでも触れましたが、人民元が2016年、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)に組み入れられたこと自体、IMFの戦略の失敗だった、といった議論も取り上げたことがあります。

本稿は、当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』を開設する動機のひとつでもある、「中国の通貨・人民元の本質」について、改めて振り返っておこうという企画です。今から3年少々前に、当ウェブサイトでは『人民元のハード・カレンシー化という誤解』という記事を皮切りに、人民元をテーマにした記事をいくつか執筆しました。その際に提示した疑問点が、「なぜ人民元のように自由利用可能とはいえない通貨をIMFはSDRの構成通貨に指定したのか」という点なのですが、これについて現時点で最も納得がいく論考を発見しました...
いったいなぜ、IMFは人民元をSDRに加えたのか - 新宿会計士の政治経済評論

こうしたなか、現在、著者自身はとある事情があって、「デジタル人民元、一帯一路構想、CIPSが人民元を基軸通貨に押し上げ、ドルは基軸通貨から転落する」といった議論(というよりも与太話)を読まなければならなくなっています。

あえて実名を挙げるのは控えますが、正直、金融のことをまったく知らない素人の方が執筆したと思しき書籍であり、読む前から「何だか気が重いなぁ…」とおもっているのはここだけの話です。

なぜそんな書籍を読まなければならないのか、という点については、現時点では明らかにすることはできません。

ただ、こうした書籍を読んだ結果については、ごく近い将来、とある成果をもたらすと思いますので、どうかお楽しみにお待ちください。

新宿会計士:

View Comments (19)

  • お早うございます.いつも興味深い話題を紹介下さり,有難うございます.
    ところで,

    >前者の記事は「作家・ジャーナリスト」と名乗る方が、後者の記事は「ジャーナリスト」と名乗る方が、それぞれ執筆したものです。

    とありますが,これは逆ですね.

    肩書が「作家・ジャーナリスト」という執筆者(莫氏)によるのは後の記事『日本は中国に対する冷静さを欠き、・・・』のほうで,前の記事『中国に破れた通貨マフィア・・・』の執筆者(山田氏)の肩書が「ジャーナリスト」のみですね.

    • それと,もう一点.ダイヤモンドオンライン(DOL)を擁護する意図は全くありませんが,次の記述が正確性を欠いており誤解を招くと思いましたので指摘させて頂きます.

      >なお、これらの記事については、現時点で読もうとしたら「会員限定」という指定がついていて、ダイヤモンドオンラインに会員登録しなければ読めなくなっています・・・。
      >大変申し上げにくいのですが、個人的にはこのリンク先の2つの記事、カネを払って読む価値があるとも思えません。

      とありますが,DOLで会員限定記事を読める会員としては,有料会員だけでなく会員限定記事を月5本まで読める無料会員もあります.(但し,有料会員限定の記事もあり,それらは文字通り有料会員しか読めず無料会員や非会員では読めません)

      それにしても,それまで上質の記事を書いてこられて評判の良かった鈴置氏や福島氏の連載を切った日経BPといい,DOLといい,これらのサービスで提供される記事の質が何故か有料会員制度を導入してから下がって来ているように感じるのが不思議です.(そう感じているので,私はどちらも有料会員登録はせず無料会員で止めていますが.なお,日経BPは無料会員ではほとんど無意味なのでしばらく前に退会しました)

  • お疲れさまです。

    日本在住の中国人が、おっしゃっいました。
    「いつ拘束されるかわからない恐怖は、日本人にはわからないでしょう。」

    行方不明のテニス選手は大丈夫だと国家が発表する自体、独裁国家であると証明していると私はおもいました。

    安い冷蔵庫、洗濯機、50万の電気自動車など、私は日本製を使っておりますが、価格面でも日本は負けないレベルで頑張って欲しいと思います。

  • 「バスに乗り遅れるな」はナチスドイツと同盟する時の合言葉では?

  • AIIBは,最初に中国が意図していたほど,中国の思う通りに動いていないと思います。投資額はともかく,欧州諸国も多数参加していて,国際ルールからの逸脱を監視しているためだと思います。投資先としては,中国とインドが多額のようですが,その融資による事業を落札している企業も,中国企業の割合はあまり高くないように感じます。日本企業も,少し落札していたと思います。
    デジタル人民元は,発行元の中国人民銀行の政府からの独立性の問題と,他国通貨との自由な交換性が課題になると思います。個人での利用レベルだと,AlipayやWeChat Payより便利になるかどうか,どうなのでしょう。

  • 人民元建てが0件というのは中国のメンツ的にもイマイチ信じがたいですね。パキスタンあたりで形だけでも人民元融資やってるものかと思ってた。

  • > 日本でいえば「中堅地方銀行クラス」、あるいは「信用金庫業界の最大手クラス」

     調べてみました。

    信用金庫総資産ランキング2020

    1位 京都中央信用金庫 6.3兆円
    2位 城南信用金庫 4.5兆円
    3位 岡崎信用金庫 4.1兆円

    銀行総資産ランキング2020
    1位 三菱UFJFG 336.6兆円
    2位 三井住友FG 219.9兆円
    3位 みずほFG 214.7兆円
    4位 ゆうちょ銀行 210.9兆円
    5位 りそなHD 60.5兆円
    6位 三井住友トラストHD 56.5兆円
    7位 ふくおかFG 25兆円 ←地方銀行最大手、母体は福岡銀行
    8位 コンコルディアFG 20兆円 ←母体は東日本銀行、横浜銀行
    20位 北洋銀行 10兆円 ←第二地方銀行最大手、旧北海道拓殖銀行の引受先
    (中略)
    40位 紀陽銀行 4.7兆円
    41位 武蔵野銀行 4.7兆円
    42位 トモニHD 4兆円 ←母体は香川銀行、徳島大正銀行

    参考
    ADB(2019年) 22.2兆円
    AIIB 4.6兆円

    ……AIIBしょぼ過ぎ。

  • ほぼ定期的に上梓されているAIBBに関するレポート。いつも興味深く読ませていただいております。で、今回はというと、データそのものは入手できる最新のものに更新されているとはいうものの、AIIBの評価という点に関しては、従前からの内容と変わらずですね。まあ、却って安心と言えば安心ですが(笑)。

    AIBB発足時の中国のイメージと言えば、膨れ上がってポケットからはみ出すまでの札束を、これ見よがしにひけらかしつつ、気持ちの悪い作り笑顔で近寄ってくる成金といったものだったのが、今やその成長神話は崩れ、借財は積み上がり、その上行儀の悪さが仇となって世界経済から徐々に閉め出されようとしている。そして、反省して自らの素行を改めることで、状況の不利を挽回しようとするどころか、居直り、恫喝で強行突破を図ろうと、マル暴まがいの乱暴狼藉を繰り返している。それが現時点での姿に見えます。

    AIIBがテイクオフできない理由は、中国の過大な自己評価と、夢を現実とするための緻密な戦略の欠如、そして身勝手な振る舞いが引き起こしたあまりにも急速な情勢の悪化によるものだと思います。今更中国がAIIBを何とかしようなんて余裕は、もはや失われているのではないでしょうか。

  • ちょっとズレますが、先月くらいから「中国駐大阪総領事」のツイッターアカウントをフォローしたのですが、なかなか面白いです。

    薛剑XueJian
    https://twitter.com/xuejianosaka

    日中友好や中国マンセーツイートはまあわかりますが、中国の軍事や人権問題等々で中国をdisる情報については、過激な言葉(日本語)で攻撃します。「害虫は駆除すべき」とか。
    過激な言葉で一方的に攻撃するのは逆効果としか思えないんですけどね。読むのは日本人ですし。

    おそらく、任務に忠実で、仕事やってますアピールなんだろうと思いますが。
    戦狼外交ってそういうことなんだなぁ、と思います。

    彼がリツイートしたりイイネするのは、「〇〇発見器」にも使えそうです。
    この間は、元外務省の田中均さんがイイネされてましたね。
    最近の激しいツイートのちょうどいい紹介記事がありました。

    人権団体を「害虫」扱い、中国総領事の度を越した過激ツイの狙い
    https://news.yahoo.co.jp/articles/50da852da4136b84fb8d081135a5573643ec1eb8

  • AIIBでの中国の狙いは、国内での
    金融機関のプロパー融資と制度融資に
    なぞらえると構図が見えてきます。

    中国への途上国への過剰な融資はいずれ
    焦げ付くことは当然中国自身がわかっていて
    もちろん軍事施設に利用する港湾などの
    担保は取ってあるのですがそれが次々顕在化すると
    早々に国際社会から非難を浴びてしまいます。
    そこで中国は、時刻の不良貸し出しを
    担保を取らないAIIBといういわば制度融資に
    押し付け肩代わりを狙ったものと映ります。
    (もちろんまともな金融の世界では
     そうした不正な制度融資の利用を阻む
     たががハマっています)
    そのために、
    鳩ポッポを理事に招いて子分の枝野さんや
    田原の爺さんや朝日さんたちに
    「バスに乗り遅れるな」と囃しててさせて
    世界最大の債権国日本の金を拠出させる
    という目論見だったのでしょう。
    ただ、
    朝日などドブサヨ勢力の奮闘虚しく
    日本をはめるのに失敗ししてしまって
    中国自身が最大の拠出国の現状では、
    不良債権擦り付け効果は得られないため
    塩漬けにしているものと考えると
    構図がはっきりと見えてくるものです。

    • こうしてみると、
      鳩ポッポや枝野さんや朝日さんたちの
      日本の道を左に西に踏み外した
      ドブサヨ立ち位置の界隈のお方さんたちは、
      数年前に、
      「北の将軍と文ちゃんの打ち立てる
       韓民族の偉大な『カヤ』に頭下げて
       金払ってカモネギ参加するべきだ!」
      的な主張をなさっていたのとおんなじで
      日本の悪口言って金巻き上げ画策の
      姿勢とおんなじだなあとつくづく感じます。

      『カヤ』というものは
      中は平和で外に毒虫飛び交うものなのです。
      国際社会の支援金を欺いてホルホルと
      核とミサイル作って立て籠もり凶悪犯状態の
      将軍様では、『カヤ』の中と外とがあべこべです
         (笑)

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