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利権構造にヒビが入り、給付金議論がさっそく活性化へ

メディア利権の崩壊で国政が良い方向に動き出すわけ

10月末の衆院選は「官僚、メディア、野党議員」という「鉄の利権トライアングル」にヒビを入れたという意味で、大変に有意義なものでした。そのうえで、日本の政治が良い方向に変わる兆候が、さっそく出て来ました。『財務省の言いなり?給付金に年齢制限や所得制限を検討』でも紹介した「制限給付金」案報道に対し、2つの野党から批判が出てきたことと、高市早苗政調会長自身もこれを否定する発言を行ったことです。

利権トライアングル

官僚・メディア・野党議員という鉄のトライアングル

衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ』などでも触れたとおり、10月31日に行われた衆院選に大きな意義がひとつあったとしたら、それは「官僚機構−オールドメディア−特定野党」という、鉄の利権トライアイングルに、大きなヒビを入れたことです。

今回の総選挙、最大の勝者は、おそらくは議席を4倍近くに伸ばした日本維新の会であり、また、事前に惨敗を予想する意見も見られた自民党も、議席数は15議席減で済んだという意味では、「勝者」といえるかもしれません。一方の敗者はいったい誰なのか。「立憲共産党」と揶揄された野党共闘にも関わらず13議席減らした立憲民主党もさることながら、やはり最大の敗者は、新聞、テレビを中心とするオールドメディアではないかと思うのです。2021/11/01 10:15追記図表に注記を追加しています。オールドメディアさん、予測はどうでしたか?...
衆院選での敗者は「立憲共産党」とオールドメディアだ - 新宿会計士の政治経済評論

ここで「オールドメディア」とは新聞、テレビを中心とする、俗に「マスメディア」と呼ばれている媒体のことであり、「特定野党」とは立憲民主党に代表される、「とにかく勉強もしない、政府の足を引っ張るだけの野党」のことを意味しています。

そして、官僚機構もオールドメディアも特定野党も、「有権者が選挙で信任したわけではない」、「自由経済競争の結果、消費者に選ばれたわけではない」という共通点を持っています。

たとえば、官僚になるためには、たいていの場合は国家公務員を多く輩出する大学(たとえば東大)に入学し、国家総合職試験(むかしの国家Ⅰ種など)を成績上位で合格しなければなりませんが、こうした受験秀才は得てして国民の意見を無視し、手前勝手な役所の論理を国民に押し付けます。

経済・財政学的には完全に誤った議論である「財政再建原理主義」を推し進める財務省などはその典型例であり、とくに政治的中立を守らねばならない立場にあるにもかかわらず、月刊誌に「財政再建の必要性を訴える内容」を寄稿した財務省の矢野康治事務次官はその最大の「犯人」でしょう。

与野党論争「ばらまき合戦」と批判 矢野財務次官、異例の寄稿

―――2021年10月08日16時29分付 時事通信より

(※余談ですが、岸田首相がもし本気で長期政権を目指すのであれば、外務省と財務省の影響力をいかにコントロールできるかがポイントとなろうかと思いますし、この矢野康治次官なる人物は、官僚の分際で政治的主張を行ったという意味では、本来ならばただちに懲戒解雇されねばなりません。)

官僚がメディアを、メディアが野党を…

ただ、なぜ官僚機構がここまで強いのかといえば、さまざまな手段で自身の権力基盤を維持しているからでしょう。その手段のひとつが、記者クラブ制度などを通じ、オールドメディアをコントロールすることです。

官僚機構はやたらと複雑怪奇な政省令、告示、通達などを乱発し、その解釈を巡ってオールドメディアにブリーフィングを行うことで、ほぼオールドメディアを手懐けています(『新聞記者を鳩やヤギに例えた髙橋洋一氏に謝罪を求める』等参照)。

先ほどの『新聞衰退は自業自得 これからはウェブ言論繚乱の時代だ』の続きですが、現代ビジネスというウェブサイトに、嘉悦大学教授の髙橋洋一氏が、まことに興味深い論考を寄稿されています。新聞社に対してチクッと刺すような論考が小気味よいと感じるのは私だけではないと思います。髙橋洋一氏の要点を突いた良文「押し紙」の問題、偏向・捏造報道などの問題などを巡り、私がかねてより新聞の社会的意義については強い疑念を抱いているという点については、以前から当ウェブサイトでも主張しており、この話題は今朝方も『新聞衰退...
新聞記者を鳩やヤギに例えた高橋洋一氏に謝罪を求める - 新宿会計士の政治経済評論

そのオールドメディアは、本当に一握りの新聞、テレビ、通信社などから構成されていますが、テレビは電波利権、新聞は再販売価格制度や宅配利権、消費税の軽減税率などで何重にも保護され、事実上の自由経済競争の外に置かれています。

さらに酷いのはNHKであり、視聴者にNHKと契約をすることを義務付けた放送法の規定があるため、NHKはどんなに低レベルな番組を作り続けていても、基本的には倒産しない、という仕組みが出来上がっているのです。

そして、オールドメディアがスクラムを組んで、立憲民主党などの特定野党の行状をかたくなに報道せず、守り続けているがため、特定野党としても政府・与党の足を引っ張り続けたり、スキャンダルを追及したりするという「オールドメディア受けするパフォーマンス」が大好きなのです。

しかも、最大野党には国会の慣例上、質問時間の一元的な配分など、きわめて強力な権限が与えられていますし、立憲民主党は日本維新の会にわざと質問時間を少ししか配分しないなどの嫌がらせを行っていました(次の産経ニュースの記事などがその証拠です)。

維新・足立氏、国民より短い質問時間配分を重ねて批判

―――2021/3/2 20:56付 産経ニュースより

そして、立憲民主党や日本共産党などの野党は、割り振られた貴重な質問時間をスキャンダル追及などに浪費し、それを新聞・民放・NHKなどのオールドメディアがドヤ顔で報じる、というわけです。まさに、立憲民主党が最大野党というのが、日本にとっての大きな不幸です。

衆院選でこの構図にヒビが入った

いずれにせよ、国民から選挙で選ばれたわけでもない官僚機構がオールドメディアを支配し、自由経済競争を勝ち残ったわけでもないオールドメディアが特定野党を支配し、特定野党は選挙で少ししか議席を獲得していないくせに、絶大な権力を握り、国政を停滞させる、という構図が成立してい「ました」。

「過去形」にした理由は、その構造に、大きなヒビが入ったからです。

いみじくも『紙媒体の新聞から10代が離れた』では、当ウェブサイトはこんな趣旨のことを申し上げました。

  • オールドメディアは記者クラブ制度などを通じて独占的に情報を手に入れ、それらの情報を『報道しない自由』によって恣意的にコントロールし、テレビ局は電波利権で非常に低廉な料金で電波を独占利用し、新聞は消費税利権で軽減税率を勝ち取ってきた
  • 今回の衆院選でも、大方の予測だと自民党が議席を減らすのではないかとされているようだが、もしもそうした予想が実現するならば、やはりオールドメディアの『反自民』という論調にそそのかされる有権者の数はまだまだ多い、ということなのかもしれない
  • ただ、利権というものは、それを持っている者の怠惰や強欲で自壊することがほとんどであり、オールドメディア利権もその例外ではないのだ、と著者自身は信じている
  • オールドメディア支配が当面続くのか、近い将来瓦解するのか、そのヒントは、意外と遠くない未来、たとえば3日後の衆院選当日には明らかになるのかもしれない
「テレビ利権」はいまだに根強いが、果たしてその将来は?以前の『新聞を「情報源」とする割合は10代以下でヒトケタ台』では、総務省の調査結果を速報的に紹介したものの、記事のなかに盛大な事実誤認が含まれており、その訂正に追われるあまり、続きについて紹介しそびれてしまいました。ただ、ネット上でちょっと興味深い記事を発見したという事情もあるため、あらためて「メディア利権」についての先行きについて、考えてみたいと思います。総務省の調査当ウェブサイトにおける盛大な事実誤認のお詫び以前の『新聞を「情報源」とす...
紙媒体の新聞から10代が離れた - 新宿会計士の政治経済評論

この議論の結論は、みなさま、ご存じのとおりです。

オールドメディアの予測だと惨敗するはずだった自民党は、公示前勢力より15議席減らしたにせよ、依然として261議席を獲得。連立相手の公明党とあわせれば293議席を占め、絶対安定多数(261議席)を大きく超過しています。

また、改憲に前向きとされる勢力である日本維新の会は41議席、国民民主党は11議席を獲得したため、公明党を抜きにしても「改憲勢力」が313議席と定数(465議席)のうちの3分の2(310議席)を越えている状況です。

これに対して立憲民主党は公示前の109議席から96議席に後退し、よもやの100議席割れを起こしましたし、日本共産党も公示前の12議席から10議席に後退し、1議席の社民党とあわせた「3党」の議席数は107議席にとどまります。

3議席を獲得した「れいわ新選組」とあわせても110議席で、これに無所属の10議席をすべて足しても120議席であり、3分の1(155議席)には遠く及びません。

つまり、オールドメディアがあれだけ全力で擁護した立憲民主党などの特定野党勢力が議席を減らした状況は、オールドメディアが特定野党を道連れにして凋落し始めた証拠です。

ついに始まった、国政健全化の兆し

財務省の犬?失望を禁じ得ない公明党の給付金案

もちろん、まだまだオールドメディアの社会的影響力は軽視できないほど大きいので、注意は必要ですが、それにしてもその影響力の低下は時間の問題でしょう。

さて、そうなって来ると、真っ先に出て来るのは、国政の健全化です。

先日の『財務省の言いなり?給付金に年齢制限や所得制限を検討』では、一部メディアの報道をもとに、政府・与党がコロナ対策で35兆円規模の財政出動を検討しており、これには「18歳以下の子供・若者に対する給付金」、「所得制限を設けた給付金」などの案が含まれている、とする話題を取り上げました。

先日の選挙で自民党が危なげなく勝利を収めた直後ですが、さっそく、岸田首相のデフレ脱却に対する本気度が疑われるような話題が出て来ました。産経ニュースに昨晩掲載された記事によれば、政府・与党は35兆円規模の経済対策を検討していて、給付金には年齢制限を設けるほか、所得制限を設ける案なども検討されている、というのです。消費税の凍結等が盛り込まれていない時点で、失望せざるを得ない、というわけです。一国の金融資産・負債は必ずバランスする『2000兆円に達する日本の家計資産:国債増発が急務』などを含め、当ウェブ...
財務省の言いなり?給付金に年齢制限や所得制限を検討 - 新宿会計士の政治経済評論

これについては、もし「報道が事実ならば」、という前提はつきますが、やはり失望せざるを得ないものです。

おそらく「18歳以下への給付」を主張しているのは公明党あたりでしょう。実際、公明党の公式ウェブサイトに設けられた画像ファイルに、「未来応援給付」と称し、「0歳から高校3年生までのすべての子どもたちに1人10万円相当の支援を届ける」とする趣旨の記載が確認できるからです。

【参考】公明党の公約の画像ファイル(※クリックで拡大、大容量注意)

(【出所】公明党ウェブサイト)

(※どうでも良い話ですが、政権公約ひとつ、テキストファイルではなく、わざわざ無駄に大容量な画像ファイルにして公表すること自体、なかなか意味不明な政党です。コピー&ペーストを防止する意図でもあるのでしょうか?公党としては不誠実極まりない態度です。)

理論上おかしいし金額も少なすぎる

ただ、そもそも給付金を年齢や所得で制限するというのも、なんだか意味がよくわかりませんし、18歳以下の人たちへの給付といわれても、その人たちの多くがコロナで職を失い、生活が困窮している、というわけではないでしょう。

もしも年齢制限を設けた理由が、「給付金を支給した」という実例が欲しいだけだ、というものなのであれば、正直、この給付金政策は無意味であるだけでなく、有害ですらあります。

いや、百歩譲って、「18歳以下の子供がいる家庭の保護者に支給する」ということであれば、政策として、まだ理解できなくはありません。

ただ、もしそのような制限を設けるのであれば、「日本全国で多くの場合、18歳以下の子供がいる家庭において、とくに生活が困窮している」という事情がある、といった条件は必要でしょう。著者自身が知る限り、そんな状況が現在の日本で生じているという話は聞いたことがありません。

もっといえば、報じられた35兆円という規模も、少なすぎます。

資金循環統計などから明らかになる現在の日本の経済・金融状況からは、思い切った国債増発に加え、財政出動ないしは減税をする余力が十分にありますし、35兆円とは正直、日本経済のデフレギャップの規模に照らして少なすぎます。

こうした観点を踏まえ、当ウェブサイトでは、ニューヨークタイムズから「チワワ」呼ばわりされた岸田文雄首相が、万が一にも「財務省のポチ」となってはならない、と申し上げた次第です。

国民民主党と日本維新の会が公明党の案を批判

ただ、それと同時に、本稿では少し良い話題も、3つほど紹介しておきたいと思います。

1つ目は、この「18歳以下の給付金」案に対し、2つの野党から批判が相次いでいる、という話題です。

たとえば、勢力は11議席とはいえ、公示前の8議席から勢力を伸ばした国民民主党は、玉木雄一郎代表が、「公明党の案だと子どもがいない貧困世帯を救うことができない」、「給付が来春だと遅すぎる」、という、2つの視点から、この案を批判しています。

玉木雄一郎(国民民主党代表)

公明党案では子どものいない困窮世帯を救うことができない。しかも、給付が来春とは遅すぎる。今まで何をやっていたのか。冬を越せない人を見捨てるような政策は見直すべきだ。
政府・与党の現金一律給付方針に国民・玉木代表「一律ではない。来春までに支給では遅い」と批判―――2021年11月5日 19:18付 ツイッターより

また、10月31日の衆院選で公示前の11議席から一挙に41議席に大躍進した日本維新の会では、副代表でもある大阪府の吉村洋文知事が、この「18歳以下一律給付」を「僕も30万円もらえる」「何の目的かわからない」などと批判したのだそうです。

吉村洋文(大阪府知事)

吉村知事 18歳以下一律10万を批判「僕も30万もらえる」「何の目的か分からない」
〉「コロナ禍で経済的に厳しい人がいるので、そういう人に支給するのは大賛成」と意見した上で、「所得関係なしに、18歳以下だから全員に配るのは、何を目的としているのか分からない。」
―――2021年11月7日 18:10付 ツイッターより

この点、正直、日本維新の会や国民民主党に対しては、何らかの「怪しさ」を感じているという人も多いでしょうが(※何を隠そう著者自身もその1人です)、それでもこの両名のツイートは、いずれも大変にまっとうなものであり、しかも前向きなものです。

野党という立場から、この手の建設的な批判をしてくれる政党が出現したというのは、日本にとっては大変に有益な話です。

高市政調会長がメディア報道に反論

一方、良い話題の2つ目は、岸田首相と自民党総裁の座を争った人物のひとりである高市早苗・自民党政調会長の動きです。高市氏は7日、自身のツイッターに、こんなツイートを投稿しました。

高市早苗

一昨日の読売新聞の誤報で、自民党議員の事務所に抗議が殺到しているようですが、コロナ禍で生活にお困りの方への給付金など支援対象については、週明けから自民党と公明党で協議をして決めていきます。
―――2021年11月7日 15:01付 ツイッターより

とりあえず、「火消し」としてはこれで十分でしょう。

もちろん、このツイートだけだと、具体的に誰を対象にどんな財政出動がなされるのかについては、よくわかりませんが、高市氏のツイートどおりなら、内容はこれから自公両党で協議して決めていく、という意味です。

自民党の政調会長という立場は、党としての政策を取りまとめていくという意味では、働き方によってはかなりの要職であり、仕事のやりようがあります。

近い将来、「高市総理」が実現するのかどうかを巡っては、高市氏が政調会長としてどういう仕事をし、どういう成果を上げていくのか(あるいは成果を上げないのか)にも大きくかかっている話でしょうし、その意味では、高市氏にとっては、党内外の声を聞きながら政策を取りまとめる、最初の良い機会であることは間違いありません。

官僚機構が変わる!?

浜田宏一氏の反論文

さて、良い話題の3つ目は、官僚機構の情報支配力の低下です。

先ほどは「官僚機構−オールドメディア−野党議員」という「鉄のトライアングル」の存在を指摘しましたが、もっと踏み込んでいえば、真ん中にいるオールドメディアという勢力がコケたら、官僚機構もコケざるをえないのではないでしょうか。

こうしたなか、『ニューズウィーク日本版』には選挙前、こんな記事が出ていました。

【浜田宏一・元内閣参与】国民の福祉を忘れた矢野論文と財務省

―――2021年10月22日(金)06時28分付 ニューズウィーク日本版より

記事タイトルに「浜田宏一・元内閣参与」とありますが、浜田氏といえば、米エール大名誉教授でリフレ派の論客として知られる人物でもあります。そして、この記事が11月に入り、次の『プレジデントオンライン』に転載され、再び注目を集めています。

【浜田宏一・元内閣参与】国民の福祉を忘れた矢野論文と財務省

―――2021/11/03 11:00付 プレジデントオンラインより

面白いもので、浜田氏は当ウェブサイトとはまた少し違ったアプローチではありますが、やはり財政再建原理主義を舌鋒鋭くしているのです。

浜田氏の論考はウェブで4ページ分に及ぶ長文ですが、矢野次官の論考がバランスシートの議論を完全に無視しているという論理的欠陥、さらには仁徳天皇の「民のかまど」のエピソードを中心に、私たち一般人にもたいへんわかりやすく執筆された良文です。

内容についてみると、矢野氏の論文の暗黙の前提条件と経済メカニズムの理解に関しては多く問題があり、同論文の主張に従って財政政策を変えれば、かえって国民のためにならないと憂慮せざるを得ない」。

このあたり、当ウェブサイトだと資金循環統計を議論のスタートに置いているのですが、浜田氏はもっと大上段に、「矢野氏の論拠とする政府の貸借勘定も家計と同様にバランスせよという考え方はマクロ経済学上も誤っている」というそもそも論から、どこに問題があるのかを懇切丁寧に議論しているのです。

このあたり、浜田氏の論考を読ませていただくと、会計士としての当然の知識であるバランスシートの議論をおざなりにしてしまう「新宿会計士」の悪い癖が見えてくるという意味でも、大変に有益です(※自戒します)。

なにより、こんな記述は、物書きとして大変に参考になると思う次第です。

要するに、矢野氏の論文が警告する『タイタニックの近づく氷山』そのものが虚構なのである」。

次々と露呈するウソ

思うに、官僚、メディア、野党議員という「鉄のトライアングル」は、相互作用を通じてお互いがお互いを強化してきたという側面があります。ただ、それと同時に、あまりにも古く、あまりにも腐敗し過ぎたため、利権がいまや随所でひび割れているのかもしれません。

衆院選で、人々がオールドメディアの推す政党ではなく、オールドメディアが批判してきた自民党、オールドメディアが無視してきた日本維新の会や国民民主党を勝たせたことは、人々がオールドメディアの報道を盲信しなくなったという意味です。

ということは、官僚機構が垂れ流す、「レジ袋有料化は環境のために良い」、「NHKは公共放送として社会的役割を担っている」、「消費税の増税は社会保障財源として必要だった」といった大嘘についても、同様に、人々が信頼しなくなってきた、という意味です。

その意味で、官僚機構のウソが次々と露呈してくるというのは大変に良い話であり、当ウェブサイトも弱小サイトながらその一角をこれから担っていくのだとしたら、大変に楽しい仕事でもあります。

岸田首相には不安もあるが…

もちろん、個人的に、現在の岸田文雄政権を眺めていて、あまりにも岸田首相本人の脇が甘く、また、あまりにも財務省出身者が多すぎることに、不安にならないといえばウソになります。

しかし、茂木敏充幹事長、高市早苗政調会長など、「党」の側に(クセはあるけれども)有力な人材が配置されていること、自民党という組織がもともと「総裁独裁」ではなく「集団指導体制」のような政党であることを踏まえるならば、過度に悲観すべきでもないとは考えている次第です。

新宿会計士:

View Comments (25)

  • 自民、公明の両幹事長会談で 茂木幹事長は公明党案を尊重すると発言。まあ尊重した結果が見ものですが。

    •  赤ずきん様

      茂木幹事長が公明党案を尊重するって、外務大臣の立場でありながら、中国王毅外交部長の尖閣は中国領土発言後に謝謝のエールで返したのを、未だに私の脳裏から離れない。

  • >週明けから自民党と公明党で協議をして決めていきます。

    連立組んでる以上協議は大切なのはわかるけど、給付金って生活が困ってる人を一時的に助けるのが目的なんだと思うから、協議はするにしても、細かいとこにこだわらず早めに妥協して、さっさと実施して欲しいのです♪

    感覚でしかないけど、所得制限とか年齢要件をつけようがつけまいが、経済対策って意味ではあまり関係ないと思うのです♪
    金額的にも最大10万円×1.2億人の12兆円だったら、なんとでもなりそうだし・・・・・・・

    困ってる人を助けるのは緊急でやんなきゃいけないとしても、その後に待ってるコロナ後(ウィズコロナ?)の医療体制の確立とか、経済をどう立て直すのかといったことに注力して欲しいと思うのです♪

  • 公明党が必死に「選挙公約だから実施する!」とか言ってるようですが、公明党は連立与党のほんの一部であって多くの国民・投票者は公明党の公約に対して票を入れたわけではありません。

    幸い私に選挙区には公明党の立候補者がいませんでしたので、統一公約でもない公明党公約を持つ候補に投票せず済みました。
    私は公明党公約を守っていただかなくても構いません。

    公明党と共産党はほぼ確実に一定したけど議席はとりますが、自党だけで単独与党になる可能性がゼロに近いのは自覚しているはずです。

    連立与党だからと政権党を気取っていただくのは国民有権者として甚だ困りますし不遜な態度だと不快に思います。

    議席数から言っても政策の根本から言っても、もはや自民党に寄生しているだけではないですか?
    むしろ自民党の足引っ張ってる感さえあります。

    そろそろ自公連立解消する事を考える時期になっていると思います。

    公明党の役得が自民党の得られるメリットと釣り合わない状態は正しくないのでは?
    約260議席に与えた国民の信任を約30議席に掻き回され引きずられては困ります。

    連立解消してもいい時期かと!

    • がみ 様
      私は「せんべい」ではありません。
      自公連立破棄は、自民党側でも困難かとおもいます。
      公明党側は、宗教法人認可や不祥事揉み消し、生活保護利権などに政権側でいるメリットがありました。
      一方自民党側は、この連立期間の間に「せんべい」票が確実なため固定票として計算しやすいメリットがありました。
      自民党の基礎票は、コアな党員と非「せんべい」宗教票、農民票などと聞いていますが多数ではありません。
      計算できない浮動票が絶対的に必要になります。
      「せんべい」は根本に、仏教(日蓮宗)の国教化や平和、日中友好の概念が強く基本的に反自民の傾向にあります。また宗教勧誘の洗脳戦術に長けています。
      連立解消することは、「せんべい」票を失う事だけでなく反自民側に浮動票を呼び込むことになります。
      米中100年戦争の帰趨が付くまでは、日本にとって宗教法人の許認可をぶら下げて彼らを囲い込み連立していくのが必要な戦術ではないかと思います。

      • ポプラン様

        こういう言い換えは、特定地方自治体にお住まいの皆様には、失礼に当たるのでは?
        (笑)。

  • 何の為に「18歳以下に一律10万円(総額2兆円)」を配布するのか、「未来応援給付」とのキャッチフレーズだそうですが、全く分かりません。まだしも総選挙で公明党に票を入れた人にだけ、10万円配布するとした方が、狙いがはっきりします。昨年度実施した「特別定額給付金」の多くは貯金に回り、景気浮揚効果は限定的だったと判っているのに、同じことを繰り返すのか、と思います。コロナで困っているのは、子供のいる家庭だけではありません。ワイドショーも批判一色ですから、自民党の皆さん、最低①所得制限②できれば現金ではなくクーポン③願わくば廃案に、持って行ってください。創価学会の票欲しさに、国益を害してはいけません。

    • 台湾は振興五倍券(バリエーション多数)を通じて傷んだ経済に息を吹き込む策を進行させています。
      五倍というのは5倍の購買力を1支払って買うという意味だったのですが、政治決着により無料化されてしまいました。
      我が国においては同じようなことはそうそう実行できそうにないなと当方は暗雲たる気持ちでいますが(国がでかいと大変)ご興味を感じる向きは中央通訊社などの現地報道を手軽に使えるグーグル機械翻訳の助けを借りて調査されてみてはいかがでしょうか。

    • 普通、子供のいる家庭は親の平均年齢が低く、収入が少なめで、子供がいる分出費が多いのは明らかと思います。ゆえに、貯金に回る死に金になりにくいといえます。また、児童手当を払っている対象であるため、これを拡充すればよいだけなので無駄な事務手続きを必要としないことも大きな理由です。

      所得制限のための事務手続きに何百億も無駄にするよりよほど効率的でしょう。

    • namunyさま

      所得制限は実行コストの観点からオーバーヘッドが大きいというご指摘はその通りかと思います。
      ところで所得が少なめで子育てあるいは結婚を断念した人たちは未来を応援されることはないのでしょうか。

      • 所得が少なめの人に対する応援は、本来、累進課税の役割と思います。
        既にすべての人への応援は1度されました。

        また、個人的にはですが
        >子育てあるいは結婚を断念
        せずに頑張っている人を、より応援したいです。

        政府の仕事の重要な要素が、より効率的に税金を使うことなのは明らかです。
        また、100年単位の未来を見据えることであることも明らかです。
        そして、止まっている物を動かすより、少しでも動いている物を手助けする方がより効率的なのは、物理法則からも明らかです。(静止摩擦係数と動摩擦係数)

    • Taku様。

      『公明党』に投票した人、、、、、ジュウマンエン。
      ジョークでオッシャッタと、思いますが、、、、、、。

      ワタシは空気がヨメマセン。
      出来うれば、公明党が小選挙区で当選した選挙区にノミ、ジュウマンエンの給付金を支給するに変更して下さい。ワタシの選挙区は『国重』さんが当選しました。

      蛇足です。
      ワタシは『籠池』さんに投票しました。

  • ワイドショーがこればかり報道しすぎ

  • 山口代表「大人の都合で子どもたちを分断すべきでない」

    SNS(国民)「子供の有無で貧困の大人を分断すべきでない」

    わろた

    この愚策は信者である主婦層などの顔色を伺っただけで、もっと言えば10万円を党に寄付させる意図もあるんじゃないの?

    • 公明学会の都合で分断しようとしてる張本人が言うから凄いですよね。

  • 公明党の給付金は経済対策ではなく、「誰でも十分に教育を受けられる社会づくり」の文脈のようです。社会づくりであれば、それが一回コッキリの給付金10万円というのは、意味がわかりません。
    それがコロナ経済対策であれば(公約にはそうは書いていない)、18歳以下制限はなおさら意味がわからないですね。いくら公約は守ると言っても、話が雑すぎます。

    18歳以下も所得制限も、財務省にとっては支出もケチれて裁量権も増えていい話でしょうから、自公が財務省の掌の上にいるように見えなくもないですが、まあ、スジの悪い金は出してほしくないですね。

  • ようやくコロナ禍も下火となり、(低賃金、長時間、重労働の)飲食業界辺りから、雇用回復のはなしが聞こえてくるようになりましたが、一旦減速した経済の歯車が再び回転速度を上げ、経済回復が軌道に乗るまでには、まだ相当の時間がかかると思います。

    いま経済対策として政府が給付金を支給することが必要だという点についてなら、おそらく誰しも異論のないところだと思うのですが、一律給付案にせよ、18歳未満限定なんて珍案にせよ、多くの反対が出る理由は、先の全国民に対する10万円給付のほとんどが、貯蓄に回ったという不条理が周知のことであるからだと思います。同じことをやっても、また同じ結果しか出ない。当然のことでしょう。

    一方で、バイト先の減少で学業の継続が困難になっている大学生が多数にのぼるとか、女性とくに若い年齢層の自殺が増えているとか、新宿歌舞伎町の立ちん坊が目立つようになってきた、その他もろもろ、経済状況の悪化が弱い層へのしわ寄せとして顕著になっている現状は、一刻の猶予もできないところまで来ていると思います。

    仕事先を失った、あるいは収入が大幅に減少して生活が維持できない等の事由に対して、必要書類を整えた上で申請などと言っていたら、当座の要には対処できないし、それが不可能という人も多いでしょう。給付事由のチェックシートを準備しておいて、該当する申請人にはただちに、例えば1回当たり10万円、必要と認めれば回数制限は設けない、くらいのことをやってもいいのではないかと思います。

    勿論不正受給に対しては厳しく目を光らせ、課徴金付で返却を命じたり、悪質なケースには刑事罰で臨むといった対策も一方で必要でしょうが、基本のところは国民生活を維持する上での、ミニマムインカム政策の導入くらいに割り切ってもいいじゃないでしょうか。それくらいの財政的余裕は、今の日本には十分あるし、また経済復興の観点からも、効果があるように思えるのですが。

    • とりあえず、国に対しての10万円の融資申請(マイナンバーカードのみ要件)
      その後、返済の減免申請を一定期間以内に出してもらい
      認められたら返済免除

      が手っ取り早くて確実で不正しにくいと思います。

      • もちろん、認められなければ確定申告で追徴。
        デジタルで管理できるので事務手続きも最小。
        個人情報ガーな人はもらう資格なしで。

  • 浜田宏一教授の矢野康治財務事務次官批判の記事は短いものでありながらも、非常に読み応えもあり、且つまた格調高いものでした。

    浜田教授といえば、あの白川方明前日銀総裁の指導教授であったと記憶しています。学生時代の白川氏を「経済学者には、数理的な能力と、そこで得た洞察を政策問題に適用して考える能力が必要だ。白川氏には、その二つが兼ね備わっていた」としており、ですから白川氏が日銀総裁に就任した際には「これで、真っ当な経済論理に即した金融政策が発動されるだろう」と考えた、といいます。

    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/34584

    しかしながら、日銀総裁時代の白川氏の金融政策には大変失望し、「教え子だった白川方明日銀総裁はどこで道を誤ったのか」とまで嘆られ、「世界でも異端というべき「日銀流理論」にすっかり染まってしまっていったのだろう」と論じておられます。

    この「日銀流理論」とは浜田教授は若田部昌澄早稲田大学教授の説を引用し説明されています。

    曰く「私のみるところ、それは「一連の限定句」、平たくいうと「できない集」である。つまり、原則として日銀は民間の資金需要に対して資金を供給しているので物価の決定についても限定的であり、とりうる政策手段も限定的であり、政府との協調関係も限定的であるべきというものである。たとえば長期国債の購入によって貨幣供給量を増やすということは、それが財政政策の領分に入るので禁じ手であるとされる」と。

    そして日銀という組織で生きていく以上その「組織の論理」に従わねば、日銀総裁という頂点の地位にまで駆け上がることができなかったのであろうと結論づけています。

    矢野事務次官も同様に、財務省という組織に属し、その組織の論理に従うことで事務次官という事務方としてはトップの座にまで上り詰めたのでしょう。財務省という組織の論理が国民の生活と幸福よりも優先されるという、官僚制という制度の旧弊が垣間見える構造的な問題のようです。

    ところで、財務省のHPにはとある意見書が、未だに削除されていないまま残されています。

    2002年当時、日本の国債格付けを一斉に下げたムーディーズやS&P並びにフィッチ各社に宛てたものです。

    【外国格付け会社宛意見書要旨】

    1.記者の格付け判定は客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題ろし、以下の点をどのように考えるか具体的・定量的に明らかにするべきだと述べています。

     1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして
       如何なる事態を想定しているのか。

     2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを
      考慮し、総合的に判断されるべきである。
    ・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
       ・その結果、(日本の)国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
       ・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

      3)各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
    ・一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが
       高い国がある。
       ・1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や
        双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。
    ・日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズで
    はるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。

    https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm

    等々、日頃新宿会計士様がこのサイトで陳べられていることと同様の事を論じて、格付け会社各社に対して説明責任を迫っています。このような真っ当な意見書がなぜ財務省のHPから削除もされずに今日まで残されているのか、全くワケが分かりません。これは矢野事務次官が文藝春秋に寄稿した文書と真逆の論説ではないでしょうか?

    因みにこの真っ当な意見書を書いたのは、何を隠そう現在の日銀総裁である黒田東彦氏(当時は財務省財務官)であります。先の日銀総裁が白川氏で現総裁が黒田氏であることに、何やら因縁めいた繋がりを感じてしまいます。

    • 日銀のHPなぞ見たこともありませんでしたが 勉強になりました。

      • 赤ずきん 様

        コメント有り難うございます。

        え~っと、日銀ではなくMOF、つまり財務省のHPです、一応。

  • 10万円給付はうち5万がクーポンになるそうで。それも教育関連に使用を限定。もう聞いただけでめちゃくちゃ変な労力(何をもって教育関連と定義するのか、どう縛るのかなど)がかかりそうだけど、本当にやるのかな。

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