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韓国の「第2の尿素水不足」を日本も他山の石にすべき

韓国と違って日本は「キーデバイス」を握っている

当ウェブサイトで週末の『韓国で尿素不足が深刻化した理由』でも報告したとおり、現在、中国における電力不足などを理由に、韓国「だけ」で尿素水不足が深刻化しているようです。ただ、中国における供給不足問題が韓国を直撃するという状況が広まれば、日本にとっても他人事ではなくなるかもしれません。やはり、「脱中国」は大きな課題であるとともに、現在の日本にはコストの問題さえクリアすれば脱中国が可能、という品目が多いのもまた事実でしょう。

キーデバイス握る日本

日本の輸出品目は「モノを作るためのモノ」が中心

以前から当ウェブサイトでは何度となく申し上げてきたことですが、「日本は貿易立国だ」、「全世界にメイド・イン・ジャパンを輸出して稼いでいる」と認識しているドナルド・J・トランプ前米大統領のような人は、経済統計をちゃんと読んだことがない人だと思います。

現在の日本の貿易高を見ると、最終製品・最終消費財の輸出は、輸出高全体に対し、決して多いとはいえません。

たとえば、財務省が公表する毎月の『普通貿易統計』から、2021年1~9月の数値を合計すると、興味深いことが判明します(※ただし、著者自身が各月の速報値を合計して計算したものであるため、現時点の財務省の公表値とは厳密には一致していないかもしれません)。

『普通貿易統計』では、統計の分野を「食料品及び動物」、「飲料及びたばこ」、といった具合に、大きく10の分野に分け、さらに各分野について細かく品目を設定してデータを集計しているのですが、次のとおり、日本の輸出高は大きく3つの分野に固まっていることがわかります(図表1)。

図表1 日本の輸出高(上位3分野、2021年1~9月)
分野 金額 輸出高に占める比率
機械類及び輸送用機器 35兆0212億円 57.73%
うち輸送用機器 12兆0452億円 19.86%
うち一般機械 11兆9456億円 19.69%
うち電気機器 11兆0304億円 18.18%
化学製品 7兆7379億円 12.76%
原料別製品 7兆1749億円 11.83%
上記3分野以外 10兆7264億円 17.68%
合計 60兆6604億円 100.00%

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)

生産装置や素材が中心

このうち「機械類及び輸送用機器」のジャンルには、「最終製品」(耐久消費財)である「輸送用機器」(自動車や船舶、鉄道車両など)が12兆円分ほど(つまり輸出高全体の20%前後)含まれていますが、「一般機械」と「電気機器」の多くは、消費財ではありません。

「モノを作るためのモノ」、つまり生産設備や、中間素材が中心なのです。

ためしに、もっと細かい項目で再集計してみると、自動車などを除けば、上位10位前後に入る品目の多くが、素材であったり、生産装置で合ったりすることがわかります(図表2)。

図表2 日本の輸出高のうち主要品目(2021年1月~9月)
品目 金額 輸出高に占める比率
自動車 7兆9136億円 13.05%
半導体等電子部品 3兆4256億円 5.65%
自動車の部分品 2兆6872億円 4.43%
半導体等製造装置 2兆4052億円 3.97%
原動機 1兆8154億円 2.99%
鉄鋼のフラットロール製品 1兆7895億円 2.95%
科学光学機器 1兆6750億円 2.76%
電気回路等の機器 1兆5346億円 2.53%
有機化合物 1兆4184億円 2.34%
電気計測機器 1兆3454億円 2.22%
ポンプ及び遠心分離機 1兆0287億円 1.70%
事務用機器 1兆0266億円 1.69%

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)

「事務用機器」とはおそらく、コピー機などのオフィス用品やコンピューターの部品などが含まれているのだと思いますが、それら以外の品目は、自動車を除けば、やはり「モノを作るためのモノ」が中心であることがよくわかります。

中台韓などを「生産拠点」にする日本企業

そして、日本の輸出相手国は中国が最大で、これに米国、台湾などが続いていますが(図表3)、自動車の輸出で稼いでいる米国を除けば、少なくとも中国、台湾、韓国の3ヵ国については、日本からの輸出品目はやはり「モノを作るためのモノ」が中心なのです。

図表3 日本の輸出相手国(2021年1月~9月)
相手国 金額 構成比
中国 13兆0851億円 21.57%
米国 10兆7492億円 17.72%
台湾 4兆3453億円 7.16%
韓国 4兆1755億円 6.88%
香港 2兆8707億円 4.73%
タイ 2兆6879億円 4.43%
ドイツ 1兆6793億円 2.77%
シンガポール 1兆6130億円 2.66%
ベトナム 1兆5084億円 2.49%
マレーシア 1兆2458億円 2.05%
その他 16兆7004億円 27.53%
合計 60兆6604億円 100.00%

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)

つまり、現在の日本はかつてと比べて「モノづくり大国」としての地位が衰えた、などと嘆く人もいるのですが、現実には、「モノを作るためのモノ」という分野において、依然として競争力を持っている品目もたくさんあります。

というよりも、現在の日本は中国、台湾、韓国などを事実上の「生産拠点」とし、これらの国から「隠れメイドインジャパン」を輸出している、という状況だと見ても良いかもしれません。

いずれにせよ、産業政策としては、これらの産業の高度なノウハウが国外に流出しない仕組み、すなわち「経済安全保障」の構築が急務である、という点については、『新政権の経済安全保障はJG創設と外為法改正で実現を』などにおいても議論しましたので、本稿ではとりあえず省略したいと思う次第です。

JGは「ジャパングループ」のこと、そして「グループS」の創設をわが国の輸出貿易管理に関しては、個人的にはどうにも物足りなさを多々感じます。具体的には、日本が外国に対して輸出制限をかける手段が非常に限られているのです。こうしたなか、岸田政権の発足に伴い、岸田首相が「経済安全保障」に言及したことを機に、ふと思い出したのが、「ジャパングループ(JG)創設」という論点です。これについては昨年9月以来、続報がありませんが、これからどうなるのでしょうか。そして外為法改正は実現するのでしょうか。貿易管理外...
新政権の経済安全保障はJG創設と外為法改正で実現を - 新宿会計士の政治経済評論

(もっとも、このテーマは本稿末尾で再び出て来ます。)

中国の供給不足が韓国経済を揺るがす

韓国の尿素水不足

さて、週末の『韓国で尿素不足が深刻化した理由』では、「尿素水」と呼ばれる、一般にはあまりなじみがない製品の品不足が、韓国において深刻化している、とする話題を取り上げました。

日本の産業も対中依存度の引き下げを!最近、隣国のメディアを眺めていると、よく見かける話題が、「尿素不足」です。韓国メディアの報道によると、日本の場合はそもそもディーゼルエンジンの比率が低く、欧州の場合は尿素水の供給を中国に依存していないのですが、韓国の場合は尿素水を中国に深く依存しているがため、中国の尿素輸出制限の影響を大きく受けてしまったのだとか。しかも、日本に対して「輸出『規制』を解除しろ」と高圧的に要求した韓国が、中国に対しては下手に出ているというのも興味深いところです。尿素はディーゼ...
韓国で尿素不足が深刻化した理由 - 新宿会計士の政治経済評論

調べていくと、韓国における尿素水不足の深刻化の背景には、ディーゼルエンジンなどの排気浄化に使用される触媒である尿素水を中国からの輸入品にかなり依存していたこと、ディーゼルエンジンの比率が非常に高いこと、といった事情が浮かんできます。

あくまでも可能性の議論ですが、日本だとAdBlue®(アドブルー)という商品の純正品が一般に利用されており、中国産の尿素水の供給不足という影響をあまり受けない一方、韓国では純正品ではなく中国製品が使われているがために生じた混乱、という印象を受けます。

このあたりについては、関連する報道などをもう少し探ってみる価値があると思っている次第です。

「第2の尿素水品薄騒動」=朝鮮日報

ただ、こうした事情について調べていくなかで、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に土曜日、こんな記事が掲載されていたのに気づきました。

マグネシウム・リチウム…韓国で第2の「尿素水品薄騒動」が起こる恐れも/輸入1万2500品目のうち3900品目…特定国への依存度80%超

―――2021/11/06 10:01付 朝鮮日報日本語版より

(※朝鮮日報の場合、記事は公表から数日が経過すると読めなくなってしまうようですので、原文を読む場合は早めにご確認ください。)

記事タイトルでもなんとなくわかりますが、現在、韓国で生じている尿素水不足と同じような素材不足が、今後、マグネシウムやリチウムなどでも生じる可能性がある、などとする話題です。

たとえば、自動車用鋼板、建築資材、電子製品などに使用される中国産のマグネシウムの価格が9月以降、今年初めごろと比べて約4倍に高騰しているなか、業界関係者は「中国政府がマグネシウムまで輸出規制するのではないかと気をもんでいる」、などとしています。

また、朝鮮日報は、韓国貿易協会の資料をもとに、輸入品12586品目のうち、特定国が占める比率が80%以上の品目が3941品目(31.3%)に達しており、これらについては「もし輸入が滞ってしまったら、代わりの輸入先の確保は容易ではない」、などとしています。

ちなみに朝鮮日報によると、2021年1月~9月において、韓国はマグネシウムインゴットについては100%を中国からの輸入に依存しているほか、▼車両用・産業用尿素(97.7%)、▼永久磁石(86.2%)、▼水酸化リチウム(83.5%)――なども対中依存度が高いのだそうです。

余談ですが、対日依存度が高い品目もあるらしく、たとえばフッ化ポリイミドの93.1%、フォトレジストの81.2%を日本に依存していると記載されています(※日本の輸出「規制」を受けて国産化が進んだ、などと韓国政府がのたまうわりには、日本製品への依存度はずいぶんと高いですね)。

また、韓国政府の対応を眺めていて驚くのは、日本が2019年7月に対韓輸出管理適正化措置を講じた際には、やたらと舌鋒鋭く日本のことを批判したくせに、中国が尿素水などの輸出制限措置を課した際には、中国に対しては驚くほど下手に出ている、という点でもあります。

本当に、なぞと言わざるを得ません。

脱中国は他人事ではない

もっとも、韓国の対中依存度の高さを、わが国もあまり笑っていられない事情もあります。当ウェブサイトでは過去から何度となく述べてきたとおり、とくに産業用素材の対中依存度を引き下げることは、日本にとっての課題でもあるからです。

中国は日本と基本的価値を共有していない国であるばかりでなく、2010年には政治的な理由でレアアースの輸出を制限するなどした「前科」がある国ですので、経済安全保障という観点からは、いかにして「脱中国」を進めるかが大きなポイントでしょう。

といっても、企業もボランティアで生産活動をしているわけではありませんので、安価な中国製品を完全に排除したところで生産活動をするわけにはいかない、という事情もあります。

だからこそ、国を挙げて企業に対する調達先多様化を振興する(具体的には、対中依存度が高い品目に対する代替調達のための補助金を導入する、といった安倍晋三政権などでの取り組みを継続・強化していく)必要があるのでしょう。

日韓の大きな違い

ただし、日本の場合は韓国と違って、冒頭で述べたとおり、「キーデバイス」を多く握っている、という事情があります。

とくに、日中貿易の世界においては、中国が握っているのは、環境破壊を気にせず低コストで生産されるレアアースにしろ、人海戦術で生産される雑貨・衣類・スマホ・PCなどにしろ、単純に「価格競争力に長けた製品」が多いという事情があります。

このあたりは日本が「脱中国」を進めるうえでのヒントでしょう。

政府補助などの仕組みを使い、コスト競争力の点が解決されるならば、日本の「脱・中国」はさほど困難な仕事ではありません。

すなわち、日本企業が優位を握るさまざまなキーデバイスの強みをしっかりと守ったうえで、単純に価格競争力に秀でただけの中国製品から国を挙げて距離を置く、という取り組みこそ、これから日本が進めていかねばならないものなのです。

このあたり、岸田文雄政権が「目玉」として掲げる「経済安全保障」の具体的な姿がどう見えて来るのか(あるいは見えてこないのか)については、高い関心を払う必要がありそうだと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (30)

  • アドブルーが買い占めで品薄になるかと思ったが、尿素水でまがい物?を作ってるくらいだから割高な純正品には手は出さないか。
    いよいよとなったら小便でも使うのかなw

  • 韓国の対日貿易は常に赤字。この原因は製造機械と素材の輸入。
    半導体を作るには半導体製造装置が必要、素材が必要。これらの大部分は日本からの輸入。
    彼らは、いまいましく思っているのだろうが、こればかりはどうにもならない。輸入をやめたら半導体が作れない、輸出ができない。この構図は液晶パネル、有機ELパネルにも当てはまる。

  • >とくに産業用素材の対中依存度を引き下げることは、日本にとっての課題でもあるからです。

    同意なのです♪

    通商白書を読んでみても、少しずつ進んでるみたいなのです♪
    ただ、進んでるのが部材であって素材じゃないみたいなのと、中国を外すというよりも中国以外にも進出するって動きみたいなのがちょっと気になるのです♪

    経産省>>通商白書2021
    https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2021/index.html

  • アドブルーは何種類も製法があるそうで、中には製造委託を障碍者施設(必然的に簡易で小規模)に任せる企業もあるようです https://opty.co.jp/?page_id=8 まぁそのまた原料を調達せねば製造出来ないのであり、もっか韓国は肝心な原料の輸入がストップしてどうしようも無くなって居るわけですが。

  • サウジアラビアなど太陽資源に恵まれた環境で水素を太陽光で製造し、
    日本に持ち込む方式としてアンモニアに転換することも検討されています。
    水素は低温すぎること、金属脆性など問題があるるためです。
    このようになれば尿素水不足は発生しえません。

    • 尿素の原料であるアンモニアの状況が出ています。
      https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_01.html
      https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_02.html

      化石燃料を持ちないアンモニア合成用の新触媒が、日本で次々に開発されています。
      https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1905/14/news045.html
      https://www.titech.ac.jp/news/2020/047460
      https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20200403_3

      エネルギーと農業分野で日本が世界を支配する日がくるかもしれませんね。
      COPとグレタ女史にイヤミの一つでも言ってやりましょう。
      かたや韓国は、アンモニア、尿素、尿素水のいずれも満足に工業生産できないという情けない状況です。

      • 東大の手法は干鯛先生や溝部先生たちが50年前に始めた手法を発展させたものですが、触媒反応であるものの高価なサマリウムが量論で必要なので実用性はありません。
        東工大の細野先生の触媒はハーバーボッシュ法の延長です。
        大阪大学の反応は触媒寿命が問題です。希薄水溶液からの回収費用が必要です。

        現実的なアンモニア製造プロセスは、太陽光発電による電力で水を電気分解して生成した水素をアンモニア合成に用いるか、太陽による光触媒反応で直接水を水素に分解するかのいずれかです。茨城県石岡市に東大の実証プラントがあります。

        • 化学や様
          ありがとうございます。
          光触媒は日本が得意そうな分野ですが、今後どの程度スケールを上げていけるでしょうかね。

          • 2050年ごろには、石油や天然ガスとあまり変わらない値段の水素を大量に作れるようになるだろう。サハラ砂漠やオーストラリアに大面積のプラントをつくる。面積25平方キロメートルのプラントの場合、1基で1日あたり5000トン程度の水が必要になるが、水に乏しい砂漠でも、周囲の海から海水を運んできて淡水に変えればよい。
            「水素、人工光合成で50年に大量生産」堂免一成氏

  • 日本は、良いタイミングで経済安全保障大臣を作るなど、政府はサプライチェーンと安全保障を同一視していると思います。後は、機能すれば大きな問題にならないでしょう。

    韓国の尿素水問題は、今日も一面記事になるレベルで、リスクを考えない韓国の弱みを露呈していると思います。
    中国以外からの輸入を模索しているようですが、日本メーカーには断られているようです。
    現実的なのは、ロシア、インドネシア、ベトナム辺りらしいですが、中国から輸入出来ないだけで無く、中国との取り合いになる可能性までは、頭が回っていないでしょう。
    原油、天然ガスのエネルギー価格が上昇し、尿素水も値上がりして、物流コストの増加に拍車がかかり、物価が上昇してインフレ圧力が高まる事になるでしょう。
    「助けない、教えない、関わらない。」非韓三原則が、重要ですね。

  • >政府補助などの仕組みを使い、コスト競争力の点が
    >解決されるならば、日本の「脱・中国」はさほど困難な
    >仕事ではありません。

    これは尤もな考え方ですが、それがRCEPとかCPTPPのルールの枠内に収まるかどうかは疑問の余地がありそうです。

  • 「経済安全保障」「産業強靭性」キーワードはきっとこれでしょう。

    それらを高め達成できるようにするにはどんなことができるでしょうか。考え続け手を動かし続けることが重要です。経済戦争は物量で勝ち抜くものではありません。知恵と工夫です。

    火山国である日本にはかつてはさまざまな鉱山が全国に多数ありました。21世紀の新しいテクノロジーで廃坑を順次復活させてみてはどうでしょうか。もう3K産業とは呼ばせない。最新技術をふんだんにつぎ込めばいいのです。海底に転がっているといわれる鉱物を自動機械で拾いに行くのも有意義なチャレンジでしょう。なにより面白そうではありませんか。

  • 中国は日本と基本的価値を共有していない国であるばかりでなく、2010年には政治的な理由でレアアースの輸出を制限するなどした「前科」がある国 >

    ありましたね。

    ただこれには別途オチがあって、2010年11月には日本政府機構であるJOGMECと共同で2億5000万ドルを豪州のレアアースメーカー・ライナスに出資したり、2012年には日立がレアメタルに依存しない産業用モーターを開発したりして、結果的には中国に対してレアメタル価格暴落という大打撃を与えてしまいました。

    但し、今後もこう上手くいくという保障はどこにもありません。このときも事件を遡ること2007年に始まった文部省主導に依る「元素戦略プロジェクト」が功を奏したのだという説もあります(詳細は不明ですが)。これには20以上の大学や企業が主要素材の代替物開発に着手し、その結果が反映されたのだといいます。それが事実かどうかを判断できるような眼力は私にはありませんが、大いに参考にすべきモノではあると考えます。

    備えあれば憂い無し、日本が今後も強靱な国で在り続けるためには、こうした不断の努力を続けていくしかないのだと、今は定年退職したお気楽な立場の私でもそのように考える次第です。

     

    • そもそも、カントリー・リスクは把握していたので
      レアアースを年単位で国内備蓄してたり
      レアアースの代替や消費削減技術を事前に研究していたのも大きいです。

  • ある意味単純な話で、「中国からモノを買うのは構わないが、中国からしか買えないモノを極力作ってはいけない」というだけのことであるような気もします。これは対中国に限った話ではなく、リスク分散という観点からも当然の対応です。そして、政治があらゆるものに優先する中国のような国は、いつ状況がひっくり返されるか判らない、つまりリスクが高いと見做さざるを得ませんので、リカバリーまで含めた調達体制を構築するのは、経営者の責務です。

    よく多くの日本企業はリスクマネージメントがなってないという話を聞きますし、確かにそうなんだろうなと思われる事例も散見されます。特に、政治的リスクに対する備えはまだまだ甘い企業が少なくないかもしれません。しかし、国際社会における政治的リスクは、今後しばらくは増大する方向に向かっていると感じています。どうか企業経営者の皆さんが、ただ漫然と状況を見送るだけなんてことになりませんよう望みます。政治的リスクへの対処は、現場だけではどうにもなりませんので。

    • 英知と努力の結晶であるテクノロジーを国外へ引き渡し、社員の給料を製品製造コストとしかか考えることができない愚かな経営者がもしも日本にいるなら、そんな彼らを成敗する手段は、役員退職慰労金のゼロ回答でないと考えます。取締役会一任事項をちゃらにして株主総会に退任取締役の成績評価を諮る。企業価値を棄損した役員はどうなるか、見ものです。

    • 「中国からしか買えない」というより「中国からしか買わない」のを避けるべきかと。
      今回の騒動も、尿素を中国に依存していたのが原因で
      買おうと思えば別の国から買えるんですよね。
      ただ、普段からお付き合いしてないと急には売ってくれないだけで。

      •  嘗て大韓民国で尿素を作っていた。2011年頃やめてしまった。
         民主主義国でディーゼル車用の尿素水=アドブルーを作るには特許代を払わねばならない。

        ここからは妄想です
         支那の尿素水はアドブルーでないのでしょうね、パクり品だから安い!製造コストで支那に負けたというが
         支那のはアドブルーでない尿素水、研究開発しないから元手がかからない特許料も払わない。
         それを取締りせず流通させた大韓民国!

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