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2021年・衆院総選挙:「気になる選挙区」あれこれ

さきほど、衆院選の選挙の投票が締め切られたはずです。「締め切られたはず」、と申し上げている理由は、本稿は一種の「予定投稿」だからです。気になる選挙区についてつらつらと記載していたのですが、これ自体が一種の選挙活動に該当してしまうと困るので、記事の「予定投稿」機能を使い、公表する時間をわざと遅らせた、という次第です(ついでに雑談もお楽しみください)。

菅義偉総理大臣

はじめは、菅義偉総理大臣です。

先日の『菅は菅でもカン違い、集客力は段違い=総選挙応援演説』では、菅(すが)義偉総理大臣と菅(かん)直人元首相の2人を引き合いにしつつ、衆院選の応援演説における聴衆の数について比較してみました。

ただ、自分自身でこれを読み返して思ったのですが、菅(すが)総理の集客力を指摘するうえで、わざわざ菅(かん)元首相のことを引き合いに出す必要もないのかもしれないと思うようになりました。

あまりにも、「格」が違い過ぎるからです。

ここで思い出しておきたいのが、先日紹介した、時事通信のこんな記事です。

実績強調、にじむ無念 菅前首相も行脚スタート【21衆院選】

―――2021年10月21日16時55付 時事通信より

タイトルでもわかりますが、菅総理(記事では「菅義偉前首相」または「菅前首相」)が「在任中に実績をあげた」にも関わらず、「国民への説明不足が指摘」されるなどしたためか、「引く手あまたというわけではない」、「菅氏への応援要請は少ない」、などと決めつけています。

しかし、先日も紹介したとおり、実際に菅総理がツイッターに投稿した動画、画像から判断するに、凄まじい数の聴衆が押し寄せていることが明らかであり、どうも「菅前首相」(※菅総理のこと)には「人気がない」というニュアンスで報じている時事通信の記事自体が、信頼に値しない気がしてなりません。

これについてファクトチェックをしようと思い、菅総理のツイッターを眺めていたのですが、非常に興味深いことに気付きました。連日のように、菅総理のスケジュールが、応援演説でビッシリだったのです。

もちろん、時事通信の「応援要請は少ない」というのは、「誰と比べて多いのか少ないのか」にもよるため、たとえば安倍晋三総理大臣らと比べれば、たしかに応援要請は少ないのかもしれません。

ただ、少なくとももうお一方の「菅元首相」と比べれば、どう見ても応援要請も聴衆も圧倒的に多いのではないかと思えてならないのです。

東京18区

では、菅(すが)総理つながり(?)で、菅直人元首相のおひざ元・東京18区についても確認してみましょう。

東京18区は菅(かん)元首相に対し、民主党時代の「元部下」(?)でもある長島昭久(現在は自民党に移籍)が挑んでおり、その意味では大変に興味深い選挙区でもあります。

個人的な見立てだと、やはり東京18区は菅元首相の「地元」でもありますが、それと同時に、菅元首相は過去に小選挙区で落選し、比例復活したこともあります(そのときに当時の民主党代表だった東京1区の海江田万里氏が比例でも復活できずに落選しています)。

今回、例のマスメディアの「偏向報道による応援」に加え、野党が選挙協力を進めたことなどの影響もあり、おそらく小選挙区では立憲民主党が前回よりも議席を伸ばすのではないかという気がしている反面、東京都府中市・小金井市・武蔵野市民の見識次第では、菅元首相に今度こそ引導を渡せるのかは気になります。

山口3区

山口3区といえば、「日韓議連」の幹事長でもあった河村建夫氏がながらく出馬し続けていましたが、今回は林芳正・前参議院議員が「鞍替え」で出馬し、河村氏が出馬を断念したという選挙区です。

ご高齢の河村氏が出馬しないことを決めたことに対し、朝日新聞あたりが「高齢だから世代交代、定年制というのは間違いだ」という有権者コメントを引用して自民党を批判していたのが印象的です(『河村氏引退を「韓日仲裁のパイプが減った」=朝鮮日報』等参照)。

「世代交代は間違っている」とする声を掲載した朝日新聞先日の『河村建夫氏引退報道と「古い政治と外交」終焉への期待』を含め、しばしば当ウェブサイトで言及している話題のひとつが、自民党二階派の幹部であるとともに日韓議連の幹事長を務める河村建夫氏の引退です。これに関連し、朝日新聞には「世代交代は間違い」とする「有権者の声」が掲載されているほか、朝鮮日報は「硬直した両国関係を仲裁できる重要なパイプがひとつなくなった」、などと評しているようです。河村建夫氏、地元で引退表明=時事通信先日の『河村建夫氏引退...
河村氏引退を「韓日仲裁のパイプが減った」=朝鮮日報 - 新宿会計士の政治経済評論

朝日新聞さんの普段の論調を知る身としては、朝日新聞が「世代交代」を「間違いだ」と批判している点には違和感しかないのですが(笑)、河村氏のご長男が比例で出馬している点を「世襲だ」と批判しない点も、大変に興味深い点です。

いずれにせよ、河村氏がご引退になられたことで、日韓関係も少しずつ変わっていくのかもしれません。

埼玉5区

さて、旧民主党時代の珍事といえば、2012年の政権再交代で、現職閣僚らが小選挙区で相次いで落選したことですが、個人的に思い出深いのは、先ほども述べた海江田万里氏の2014年の落選でしょう。

そして今回は、もしかして埼玉5区で同じような展開があるかもしれません。それは「最大野党の党首が小選挙区で落選」、です。

伝えられるところによると立憲民主党代表でもある枝野幸男氏は自民前職の牧原秀樹氏と接戦なのだとか。

党首はある意味「当選して当たり前」のはずなのに、接戦とはこれまた大変興味深いところです。

ちなみに立憲民主党といえば結党以来、「もりかけさくら」のスキャンダル追及専門政党と化したためか、支持率を落とし続けていることでもしられますが、枝野氏の責任論、あるいは「枝野おろし」などの動きを聞いたことは、あまりありません。

しかし枝野氏が小選挙区で落選ともなれば、有権者みずからが枝野氏に責任を取らせたという事例となるのかもしれませんね。

神奈川11区

神奈川11区(横須賀市と三浦市)は代々小泉家の地盤であり、小泉純一郎元首相、そして小泉元首相から世襲で地盤を引き継いだ小泉進次郎・前環境相が圧倒的な強さを発揮してきました。

2014年の衆院選では、進次郎氏が16.8万票、すなわち選挙区全体の80%を超える圧倒的な票を獲得して当選するなど、小泉家の地盤であるだけでなく、進次郎氏自身の強さが大きく出ていた選挙区ではないかと思います。

今回、この選挙区では小泉進次郎氏以外に、日本共産党の候補者が出馬していますが、おそらくは今回も小泉進次郎氏が勝利を収めるのでしょう。ただ、「セクシーレジ袋」でケチをつけた小泉進次郎氏が、得票を減らすのか(あるいは減らさないのか)については、少し見てみたい気もします。

小売業者は罰金50万円払ってレジ袋を無料化しては?』でも述べましたが、いかに地元で強いからといって、やはり大臣という責任ある立場を任されてみたらボロが出る、というパターンはときどきみかけます。小泉氏も環境相として盛大にボロを出した(※私見)以上、将来の首相という可能性は減ったと信じたいところです。

レジ袋有料化政策は科学的に効果を疑問視する意見も多いばかりか、物流や国民生活に甚大な悪影響を与えているという意味で、直ちに改めなければならない政策のひとつだ、というのが当ウェブサイトのこれまでの見解です。こうしたなか、レジ袋有料化を定めた法令を読み解いていくと、罰金を50万円払えば、レジ袋を無料で配りたい放題ではないかと読めてしまうのに気づきました。そして、小泉進次郎さんの現在はいったいどうなっているのでしょうか。憲法>法律>政令>省令普段から当ウェブサイトでときどき申し上げている論点のひと...
小売業者は罰金50万円払ってレジ袋を無料化しては? - 新宿会計士の政治経済評論

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さて、余談です。

2009年に「自民党にお灸をすえるというつもりで野党に投票した」という方が多くいましたが、お灸をすえられたのは自民党ではなく、その野党に投票した本人を含めた日本国民の側だった、というのが、当ウェブサイトなりの2009年の選挙に対する評です。

今回の選挙では、お灸をすえられるのが大好きな有権者がどの程度いたのか、この点についても興味深く見守ってみたいと思う次第です。

ついでに秋の夜長の雑談もどうぞ。

新宿会計士:

View Comments (42)

  • NHK速報では、自公で過半数。
    開かないと分からない、きわどい選挙区が多そうですな。
    小選挙区で、石原さんは負け、甘利さんは負けそうなようです。

  • 高市早苗さんの当選確実が早々に出てますね。
    あまりにも予想通りですが。

  • まさかの辻元清美小選挙区落選の一報が朝日から。NHK見る限り大阪自民党は全滅。
    大阪は維新と公明以外何もない白銀の世界になってしまったのでしょう…

    でもまあ他はおおむね予想の範疇でしょうか。立憲民主が伸び無さそうで、比例代表が思ったより少数野党が健闘しているくらいですか。

    • まんなっか様

      関東者からみると、大阪・京都・兵庫とかはじめ西日本の状況って理解できかねます…毎回だけど。

      • 大阪では、都構想の反対のために、自民が共産党と露骨に結託したこと(自由共産党)が、衝撃的でした。私自身、大阪の自民党はその他の自民党とは別物だと思ってます。

        • 50歳 関西人様

          ん〜大変ですね…

          当方神奈川ですが、県知事はじめしばしば親特亜か共産か立民の三択しかない不幸な地でもあります。

          お互いなんていうか…トホホ

  • 首都圏ですが、甘利氏、松本氏、桜田氏、等々、マスコミで不「不祥事」と叩かれた人は苦戦してますね。(松本氏は落選)
    甘利氏などは意外でした。
    やはり、マスコミの力は強いと思います。

    選挙速報はまあ、テレビをつけっぱなしにしてますが、民法の出演者はお笑い芸人とか池上彰とか、ヒドイもんですね。(笑)

    • 支持率3%のはずなのに50議席も取れてしまうのはマスコミの力なのでしょうか?

      甘利議員がいたからTPPがまとまったと思ってます
      調印式の直前で不祥事で辞職をしたのは非常に残念でした
      幹事長交代はしょうが無いですがTPPの裏の裏まで知っていると思うので是非国の為に働いて貰いたいものです

      • 甘利氏が苦戦となったのは意外でしたが、まだ先はあると思います。
        TPP交渉ではフロマンをやり込めてましたね。
        外交安保は票にならないと敬遠される中、そこをやる議員は貴重だと思います。
        ゲルさんみたいな人もいますが。

        • 川崎の匿名様

          同時に行われた川崎市長選挙…大惨事でしたね。

          本当は日本人ヘイトの現職市長選びたくても、他立候補者にもポンコツしかいない…

          ハロウィンイベントかとお隣の市からみていました。

          • 選びたくなくても…の間違いでした。

            そういや神奈川県知事選挙も毎回同じような事が起こってたっけ…

            御同輩ですね。
            お互い不幸中の不幸として前に進んで…行くのは辛いや…

  • 国益を売り飛ばした
    某党の前政権
    悪夢を見たくないので
    心を込めて投票してきました
    たった一票しか持ってませんが

    • んん様

      凄かったですよ!
      読み方が悪しき方の菅氏のいいぐさ。

      「あの頃民主党は経験が足りなかった!次回は必ず上手くやってみせる!」

      その理屈だったら、第三次安部政権のほうに期待しても良いんだな!文句言わないな!
      …と、おでこの片隅に#マークができました。

  • 小選挙区で立候補すらしていない党首が、早々当選確実です(笑) 小選挙区では立憲民主と選挙協力とかの得意の甘い誘惑(実際は働き蜂の蜂の巣)で、立憲民主の闇組織(オモテ連合以外)とチャンチャンの手打ちをやっているのでしょうか。

    地方の共産党員さんは地域密着でボランティアなど、滅私で活動され尊敬されている人も多いようです。供託金300万を地方組織でようやく工面し、いざ立候補!(人生最後の花道)となっても上から「ヤメロ」と言われれば「シイッー!」と絶対服従なのです。 表だけ滅私のウラ闇組織は危険ですね。  先ずは不破ちゃんの広大な住処の理由を説明して欲しいですね。

    地方選挙で、そこそこ(こっそりと)浸食し、確実に中央進出を企てている「公安監査下」のカルト集団は危険過ぎ。

  • 大阪、やっと横山ノックさんの敵討ちが成就しそうですね。その点はよかったかと思います。
    やっぱエビデンスよりエピソードベースを重視した行政を強行する新たな弁護士利権の跋扈が望まれているんでしょう。

    負け犬の遠吠えです。おじゃましました。

  • TV朝日の番組をチラ見したら、自民党内でダメ出しされている「不気味な油ぎった大山椒魚」が、あいかわらずの他人事発言をしてました。 

    マスメディア界では、「この手(苦笑)」が必要なのでしょうね。

  • 辻本さんは落選したので社民党は消滅でしょうかね

    • 琉球新報と沖縄タイムスとが徹底的に洗脳している沖縄本島民を甘く見てはいけない.

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