X

日韓電話会談から見える日本外交上の韓国の地位の低下

韓国メディアからはここ数日、岸田文雄首相と文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領との「電話首脳会談」に関する話題を見かけることが増えて来ました。これに関連し、中央日報は今朝、日韓首脳が15日に電話会談を実施する予定だ、と報じています。ただ、こうした電話首脳会談をやる、やらないというやりとり自体、現在の日本外交にとって韓国の優先順位が著しく低下しているという事情を反映しているように思えてならないのです。

2021/10/14 12:12追記

本稿公表後に、日韓電話首脳会談を巡って追加で報道を発見したので、本稿末尾に「追記」の形で補足しております。

G7サミットと日韓関係

韓国ウォッチングをしていると、たいていのことにはあまり驚かなくなるのですが、ただ、そんな「韓国ウォッチャー」にとっても忘れられないエピソードのひとつが、今年6月の英国・コーンウォールでのG7首脳会談(サミット)でしょう。

韓国はG7の正式メンバーではありませんが、今年は議長国である英国の招きで、韓国は豪州、インド、南アフリカとともにゲスト国として参加しました。

ただ、当ウェブサイトなりの主観で恐縮ですが、このG7サミット、日本にとっては大変に良い成果が出たといえる(『英G7サミット、日本にとっての「成果と課題」とは?』等参照)一方、ゲスト国・韓国にとっては、正直、「行かない方がマシだった」という代物だったのではないかと思います。

中国牽制、北朝鮮非核化、FOIP、そして東京五輪への支持英国・コーンウォールで開かれていたG7サミットが閉幕し、菅義偉総理大臣のツイートによると、現在、日本に戻る機内にいるそうです。本稿では政府やG7事務局などの公式発表をベースに、今回のG7の共同声明や独仏豪加との2ヵ国間会談などについて、その概要を簡単に眺めておきたいと思います(なお、「G7拡大」論については別稿で取り上げます)。G7が閉幕首脳会談は4ヵ国と実施英・コーンウォールで開かれていたG7サミットが閉幕しました。外務省ウェブサイト...
英G7サミット、日本にとっての「成果と課題」とは? - 新宿会計士の政治経済評論

G7共同声明では菅義偉総理大臣がかねてより主張していた「普遍的価値」(民主主義、自由、法の支配、人権尊重など)が盛り込まれたほか、日本が外交の基軸に据えている「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)も、完全な形かどうかは別として、ほぼ織り込まれました。

あわせて菅総理は、日英首脳会談(11日)を皮切りに、日独首脳会談日仏首脳会談(12日)、日豪首脳会談日加首脳会談(13日)と、合計5つの首脳会談をこなしました。

個人的にちょっとした不満があるとすれば、今回G7に招かれていた4ヵ国のゲスト国のうち、インドとの対面首脳会談は実現しませんでした。ナレンドラ・モディ首相自身が参加を見送ったからです。G7ではイタリアと、ゲスト国では南アフリカとの首脳会談も実現していないのは少し気になるところではあります。

ただ、少しだけ脱線しておくと、日米豪印「クアッド」首脳会合自体は、9月下旬にジョー・バイデン米大統領の招きで、改めて米国で開催され、菅総理はバイデン大統領、モディ首相、スコット・モリソン豪首相との4者での会談に臨んでいます(『近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた』等参照)。

日本時間の土曜日早朝、菅義偉総理は訪問先の米国で史上初の対面での日米豪印首脳会談に臨みました(厳密には、今年3月のテレビ会議を含めれば、首脳会談としては2回目ですが…)。少しインドのトーンが弱いというのは気になるところではありますが、ただ、今後は「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)が日本外交における基軸となることは間違いありません。まさに菅政権の最後の仕上げ、というわけです。クアッドではなくFOIPが重要先日の『日本外交は「クアッド+台湾」>「中露朝韓」の時代へ』では、「最後の最後まで仕...
近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた - 新宿会計士の政治経済評論

その意味では、今月4日に辞職した菅総理は、たった384日の在任期間で日本の外交を「近隣国重視型」から「価値重視型」へと完全に作り変えてしまったという言い方をしても良く、まさに菅総理が日本外交を変えた、歴史に残る名宰相のひとりではないかと個人的には確信している次第です。

国際舞台と日韓

日本側が日韓首脳会談を謝絶した?

脱線はこのくらいにして、英G7サミットに話を戻しましょう。

このサミットで、日本にとって、あるいは韓国にとって、もうひとつの特徴があったとすれば、菅総理と文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領との会談が実現しなかったことです。あるいは、韓国側が実現させようとしたものの、日本側が頑なに謝絶したフシもあります。

実際、文在寅氏がプルアサイド方式などの略式会談を持ちかけるべく、菅総理に何度か近付いたものの、菅総理は形式的な挨拶に応じたのみで、すぐその場を立ち去った、といった報道もありました(『文在寅韓国大統領、日韓首脳会談が開催できず「残念」』等参照)。

さきほどの『英G7サミット、日本にとっての「成果と課題」とは?』とは別件で、もうひとつ、G7ネタです。日経が「日本はアジア唯一のG7参加国として、G7拡大に反対している」などと報じましたが、これは分析としてトンチンカンと言わざるを得ません。これに加え、今回のG7では「日韓首脳会談」「日米韓3ヵ国首脳会合」が実現しなかったそうです。それにしても良かっ残念でした。菅総理、ぎこちなかったが…菅義偉総理大臣が参加した、英・コーンウォールでのG7首脳会合(サミット)が閉幕し、菅総理は帰国の途に就きました...
文在寅韓国大統領、日韓首脳会談が開催できず「残念」 - 新宿会計士の政治経済評論

日本が韓国との会談に応じない理由としては、いくつかのものが考えられますが、そのうち真っ先に思いつくものとしては、「会談をやっても意味がない(と日本側が考えていた)」、という可能性があります。

菅総理は安倍晋三総理大臣のもとで内閣官房長官を務めていたころから一貫して、日韓関係を「正常な姿に戻すための努力を韓国側がしなければならない」との姿勢を取っており、こうした姿勢を示さない限りは、韓国との会談をやっても意味がない、と認識していたのではないでしょうか。

韓国のウソの事例を2つ挙げてみる

ただ、日韓首脳会談が実現しなかった理由は、それだけではありません。「下手に会談に応じたら韓国側がウソの発表をする」という懸念もあるからです。発言してもいない内容を、韓国側が捏造し、対外的・大々的に勝手に発表してしまう、というリスクです。

もちろん、こんなこと、政府・閣僚が公式の場でおいそれと発言できるものではありませんが、それと同時に、韓国がウソツキ外交を仕掛けてきたという事例は数多くあります。

その具体的事例を、ここでは2つほど挙げておきましょう。

まずはG7直後、韓国で「サミットでは本来、韓日略式首脳会談が予定されていたが、日本側が一方的にキャンセルして来た」とする、おそらくは外交部あたりからのリーク情報に基づく報道が相次ぎ、日本側が即時否定した、という椿事がありました(『「日本が首脳会談キャンセル」報道を官房長官が即否定』等参照)。

ウソつきは韓国当局者か、加藤官房長官か…答えは明白昨日の『韓国メディア「韓国は事実上のG8メンバーになった」』の補足です。週末の英国のG7会合に関連し、日韓首脳会談が実施されなかったことを巡って、韓国側で「日本が勝手にキャンセルした」とする報道が相次いでいますが、加藤勝信官房長官がこれを正式に否定しました。また、韓国外交部の第2次官は昨日、文在寅(ぶん・ざいいん)氏が菅総理にあいさつしたとする日本のメディアの報道を「野暮だ」などと批判したのだそうです。ウソツキ国のウソツキメディア?昨日の『韓国...
「日本が首脳会談キャンセル」報道を官房長官が即否定 - 新宿会計士の政治経済評論

こうした韓国側の言い分など、ちょっと事実関係を調べてみれば、いくらでも矛盾が出て来ます。いちおう、韓国側の報道では、「韓国の竹島周辺での訓練に日本側が抗議の意味でドタキャンした」、などとされているようですが、こうした言い分も怪しいものです。

それだけではありません。日本との関係だと、ほかにも韓国の「ウソツキ外交」の事例はあります。2018年12月に発生した火器管制レーダー照射事件がそれです。

火器管制レーダー照射事件の発生を受け、日韓防衛当局は本件について非公開の協議を続けましたが、都度、韓国側が勝手に(しかも事実に反する内容を)公表したのです(『【速報】韓国は非公開の約束破り、しかもウソの情報を公表?』等参照)。

本日の速報です。日本の防衛省は14日にシンガポールで行われた日韓協議の内容を韓国側が勝手に公表し、しかもでたらめな内容まで含まれていたとして、韓国側に抗議し、撤回を求めたのだそうです。昨年12月20日に発生したとされる韓国海軍駆逐艦による海自P1哨戒機に対する「レーダー照射事件」を巡り、14日、シンガポールで日韓両国の協議が行われたことは、当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』でも既報のとおりです。ただ、昨日、『レーダー照射巡り、そろそろ日韓二国間協議を打ち切る局面か』で申し上げたとおり、本件を...
【速報】韓国は非公開の約束破り、しかもウソの情報を公表? - 新宿会計士の政治経済評論

こうした韓国のウソツキ外交、ほかにも事例があるのですが、いちいち挙げていくとキリがないので、この辺にしておきましょう。

いずれにせよ、日韓両国は隣国同士でもあり、また、「日米韓3ヵ国連携」などの協力関係を(表面的には)進めなければならないという関係もあるため、日本は韓国との間での、ありとあらゆる対話を拒絶する、というわけにはいきません。

しかし、実際にこれまでに韓国は、外国との首脳会談、高官級協議などにおいて、虚偽の内容を勝手に発表・リークする、ということを繰り返してきました。だからこそ、そんな相手との会談に応じるならば、日本側もそれなりに気を使わねばならないのです。

日韓外相会談の発表「後回し」事件

日本が実際に「かなり神経を尖らせた」という事例は、コーンウォールサミットに先立つ今年5月のロンドンG7外相会合で、茂木敏充外相が韓国の鄭義溶(てい・ぎよう)外交部長官との日韓外相会談に応じた件(『日韓外相会談、唐突ながらも内容に「サプライズ」なし』等参照)などが参考になります。

一説によると、これはアントニー・ブリンケン米国務長官の顔を立てたものだ、との報道もありますが、いずれにせよ、内容としては「サプライズ」はまったくなく、日本としては原則的立場を繰り返し、韓国も煮え切らない態度を取るというものでした。個人的には、「わざわざ開催する必要があったかのか」、という疑問は残ります。

ただ、ここで注目すべきは、『日韓外相会談の発表自体「後回し」にされたことの意味』などでも指摘しましたが、会談自体ではなく、その報道発表のタイミングです。

おそらく真相は「米国の顔を立てて形だけ実施した」というものか昨晩の『日韓外相会談、唐突ながらも内容に「サプライズ」なし』で「速報」した日韓外相会談について、先ほどやっと日本の外務省に会談内容がアップロードされていました。ただ、内容自体のそっけなさもさることながら、今回の会談には不自然な点もいくつかあります。その最たるものは、順序的には5月5日の最初に行われたはずなのに、概要の発表が最後になったという点ではないかと思うのです。日本側からの答え合わせ昨晩の『日韓外相会談、唐突ながらも内容に「サプ...
日韓外相会談の発表自体「後回し」にされたことの意味 - 新宿会計士の政治経済評論

茂木外相の5月5日の行動は、次のとおりでした。

茂木外相の5月5日の行動(開始時間)

(【出所】外務省報道発表)

ところが、日米韓3ヵ国外相会合の直後に行われたはずの日韓外相会談に関する報道発表が、5月5日のいちばん最後になされているのです。このこと自体、外務省(あるいは茂木外相)が日韓外相会談の内容発表について、かなり神経を尖らせたという証拠ではないでしょうか。

つまり、日本にとっての韓国は、会談をやったらやったで、報道発表の内容やタイミングについて、かなり気を使わなければならない相手、というわけです。

こうした事実関係を踏まえたら、韓国観察者の鈴置高史氏が7月16日付『デイリー新潮』の『文在寅が菅首相をストーカーするのはなぜか 「北京五輪説」「米国圧力説」……やはり「監獄回避説」が有力』で述べた、こんな内容が、ストンと腑に落ちます。

平気で約束を破り、堂々と他人を裏切る韓国と首脳会談を開こうとする国はまず出てこない。何を取りきめようが、すぐに反故にされるからです。日本と韓国がうまくいかない原因は『日韓関係の特殊性』ではなく『韓国の特殊性』にあるのです」。

まさに、あることないこと勝手に話をし、既成事実を積み上げていくというインチキ外交の数々が、国際社会においては受け入れがたい行動であるということは、私たち日本国民としても認識しておいて良い内容ではないでしょうか。

岸田政権下の日韓関係

日韓電話首脳会談巡る韓国側の一方的発表

さて、日本では今月4日に政権が代わり、おそらくは本日、衆議院が解散され、日本では4年ぶりの総選挙モードに突入します。

岸田文雄首相としては、4日の首班指名選挙で首相に指名され、組閣、所信表明演説、代表質問などの日程をあわただしくこなす一方、就任直後から主要国の首脳と相次いで電話会談を行うなど、それなりに忙しく過ごしているようです。

ただ、『たかが電話会談、しかも調整段階で発表した韓国の苦境』でも触れたとおり、岸田首相が最初に電話会談を行った相手国は、米豪印という「クアッド」諸国、近隣の大国である中露両国などですが、韓国は「後回し」にされていました。

本稿は、ショートメモです。岸田文雄首相が就任後、韓国との電話首脳会談が実現していないことを巡って、韓国メディアがしきりに気にしているようですが、こうしたなか、昨晩は「韓国大統領府高官」が、日韓電話首脳会談の「日程を調整中」、「決定すれば発表する」と述べた、と韓国メディアが報じました。たかが電話会談を、しかもまだ調整中の段階でわざわざ発表すること自体、韓国政府の置かれた苦境の証拠でしょう。日韓電話会談がまだ行われていないことの意味『岸田首相の電話首脳会談「韓国飛ばし」と李在明リスク』や『韓国メ...
たかが電話会談、しかも調整段階で発表した韓国の苦境 - 新宿会計士の政治経済評論

これについて、当ウェブサイトでは、岸田首相が韓国との会談を「後回しにする」狙いが「選挙対策」、つまり「韓国に対して厳しい姿勢を示すことを有権者にアピールするためにある」とする一部メディアの報道を紹介しつつ、次のような趣旨のことを申し上げました。

常識的に考えて、現在の日本は、外交・安全保障面では、日々高まる中国リスクのマネージと『自由で開かれたインド太平洋』(FOIP)の実現に向けて忙しく、FOIPにコミットしているわけでもない韓国は、正直、優先順位が低い国と化しつつあるのではないか」。

このように申し上げる理由は、いくつかあるのですが、その最たるものは、そもそも有権者は、日韓関係「だけ」を見ているほど暇ではない、というものです。

岸田首相が財務省のくびきを逃れ、正しい経済政策を打つことができるかどうか、電波オークションなどを実行に移すだけの政治的決断力を持っているか、菅総理の置き土産である新型コロナ対策をどこまで仕上げられるか、など、国民生活に直結する喫緊の課題は、いくらでもあります。

国民は、岸田首相が日韓電話会談を「後回しにした」くらいで、自民党に投票すると決断するほど甘くはないのです。

単純に韓国の優先順位が落ちただけ

もちろん、先ほど申し上げたとおり、韓国とは下手に会談をしたら、あることないこと捏造される、というリスクもあるでしょうが、それにしても「たかが電話会談」です。

それに、わざわざ時間を割いたとしても、韓国に「国際法を守れ」、「条約を守れ」、「約束を守れ」以外に言うべきことはありませんし、それらを文在寅氏に伝えたとして、文在寅氏が「はいわかりました、国際法、条約、約束を誠実に守ります」と言うとも思えませんし、そんな実行力も文在寅氏にはありません。

やはり、常識的に考えて、単純に「日本外交上、韓国の優先順位が著しく低下している」、というのが、「後回し」の正体ではないでしょうか。したがって、日韓電話首脳会談くらいであれば、岸田首相にとっての時間が「余ったらやる」、というスタンスなのだと思います。

そのうえで、首脳会談をやったらやったで、それをどう発表するかについても気になるところですが、菅総理や茂木外相などのパターンから判断して、だいたい次の2つの発表方法が考えられます。

  • 日韓電話首脳会談の直後、(韓国側の発表を待たずに)岸田首相自身がただちに記者会見をする
  • 日韓電話首脳会談後、韓国側の報道発表を見極めてから、改めて日本側としての立場を発表する

どちらのパターンにせよ、相手国のことを信頼していないからこその対応でしょう。

中央日報「関係筋」の報道

以上までを考察していたところで、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、こんな記事が出ていました。

文大統領と岸田首相が15日に電話会談へ…日程めぐる神経戦、韓国は「後回し」

―――2021.10.14 06:45付 中央日報日本語版より

中央日報によると、「両国の消息筋」が13日、日韓首脳が15日に岸田首相の就任あいさつを兼ねた電話会談を実施すると伝えたのだそうです。

この「両国の消息筋」という表現が韓国メディアから出てくるときは、注意が必要です。韓国メディアは駐日韓国大使館関係者の話を、「日本の消息筋」「日本の外交筋」として伝えて来ることがあるからです。

ただ、先ほども申しあげたとおり、日本政府側にも、「時間が余れば」電話首脳会談くらいには応じるというフシが見受けられます。このあたり、中央日報は「別の消息筋」の話として、こんな趣旨の証言についても掲載しています(※日本語表現は整えています)。

当初、14日午後6時に電話首脳会談の開催で合意していたが、日本政府が突然、同日午後8時に時間変更を要請した。これに対し韓国政府が『それならば翌日にしよう』と提案し、その結果、15日で日程が確定した」。

これについて中央日報は、岸田首相側が文在寅氏との電話会談を「意図的に遅らせるような姿勢を見せ」、「日程変更まで要請したこと」で、韓国大統領府や韓国外交当局も「相当な不満を表出したという」、と、伝聞形で報じています。

まるで日本が韓国に対し「嫌がらせ」を仕掛けているかの記述です(自分たちがこの手の嫌がらせを相手に頻繁に仕掛けていることの裏返しでしょうか?)。

もし日本政府の対応が中央日報の報道どおりだったとしても、それは単純に、岸田首相自身が総選挙に突入するタイミングで大変に多忙であり、スケジュールもコロコロ変わり、外交の優先順位が低い韓国についても「後回し」にされているだけのことではないかと思います。

もっとも、この「日程変更」騒動、報じたのが中央日報だけだと、ここのあたりの信憑性もいまひとつですので、他メディアでも同じような話が出て来るかどうかには注目したいと思います。

電話会談で何も変わらない

なお、著者自身の私見に基づけば、岸田首相は財政運営に関してはさまざまな不安を呼び起こす人物ですが、外交・安全保障の分野においては、今のところは危惧していた「外交事なかれ主義」は出て来ておらず、韓国に対しても「国と国との約束を守れ」というスタンスで一貫しています。

その理由が、岸田首相が2015年12月の日韓慰安婦合意で「煮え湯」を飲まされて成長したからなのか、それとも前任者である安倍総理、菅総理が優秀過ぎて、彼らの敷いた路線が万全だからなのかは存じ上げません。

くどいようですが、電話首脳会談ごときで日韓関係がガラガラっと変わる可能性は非常に低いと見て良いと思う次第です。

追記:「まだ決まっていない」

ここから先は、追記です(2021/10/14 12:12)。

日韓電話首脳会談について、韓国大統領府関係者が14日、「まだ決まったことはない」と述べたのだとか。

韓国大統領府「韓日首脳の電話会談を調整中…まだ決まったことはない」

―――2021.10.14 11:55付 中央日報日本語版より

なんだか、よくわかりませんね。さきほどの「15日に電話首脳会談」とかの話題は飛ばし記事だったのでしょうか。

いずれにせよ、もし「15日の電話首脳会談」が虚報だったとしても、本稿の趣旨が損なわれるわけではありませんので、この追記部分を除き、本文については特段修正するつもりはありません。

新宿会計士:

View Comments (22)

  • ここはひとつ、日本のAI技術を駆使して、自動応答電話会談装置を設置すべきでは。

    ムン「ヘイ!キシ!徴用工の賠償金を払ってよ」
    キシ「またまたご冗談を」
    キシ「またまたご冗談を」
    キシ「またまたご冗談を」
    キシ「その答えはご存じのはずですよね」

    ムン「ヘイ!キシ!復縁してよ」
    キシ「隣国でいましょう」
    ムン「ヘイ!キシ!重大な隣国にしてよ」
    キシ「そのことはあとで話しましょう」

    ムン「ヘイ!キシ!会談してよ」
    キシ「我が国はそういう種類の国ではありませんよ」
    ムン「ヘイ!キシ!どうしても会談してよ」
    キシ「嬉しいお誘いですが、あー予定があります。そ、そう総選挙が!」

  • 昔々に勤めていた外資系の会社で、嘘を吐いてそれを自分で信じてしまう人格障害者が頭分の支持を得て馬鹿のやり放題だったという経験からすると、個人的にはK国が嘘つき外交を仕掛けているという見方は当を得ないのではないかと思います。本人ないし当事国に嘘をついているという自覚がない限り、嘘吐きは立派に正直者なのですから。障害をいっそ利用してかかるというのが私自身の対策でしたが、これはこれで後味はあまり良くありません。思い出し笑いを肴に飲む酒は不味くはありませんけれど、もう少しマシな人間であってもいいのではないかという傷みが若干あるようです。

  • かの国は国として相手をする必要はない。ということで格下げ名称案
    ↓極めて重要な隣国
    ↓重要な隣国(今ここ)
    ↓隣国
    ↓隣国だった隣地
    ↓往来のない隣地
    ↓かつての隣人
    ↓……

  • 興味深い論考。G7について
    〉ゲスト国・韓国にとっては、正直、「行かない方がマシだった」という代物だったのではないかと思います。

    世界的にはそうですが、大成功と喧伝している韓国政権。自国内でホルホル出来ればいい国民性がでている気がします。

  • >外交・安全保障の分野においては、今のところは危惧していた「外交事なかれ主義」は出て来ておらず、

    今どきは、韓国への塩対応をすることが「事なかれ」なのかもしれません。
    対応が厳しくなることもなく、緩くなることもなく。
    安心してはならないでしょうが。

    消息筋といえば、射撃レーダーの時に、「波が1.5mもあって捜索が困難だった」と言ってたのは「消息筋」だけだったと思います。
    その後、非公式協議があって、さらに映像が公開されてベタ凪だったのがバレてからは言わなくなりました。
    消息筋には観測気球の役割もあるのでしょうかね。

  • 重要性が落ちたってこととおんなじかもだけど、下手に会談しない方が良いって判断もあったりして♪

    もし電話会談をしたとしても、中身は、互いに言いたいことを言って平行線ってので、ほぼ決まりだと思うのです♪
    なのに、何故か韓国では総理が変われば両国の関係も変わるってよくわからない期待をしてるみたいなのです♪
    そうすると、韓国がないことないこと言うリスクだげじゃなくて、正直に「平行線でした」って言ったら、また「後頭部を殴られた」とかファビョり出すこともあると思うのです♪

    そんなことになるくらいなら、会談なんかしない方がマシだと思うのです♪

  • > 韓国の竹島周辺での訓練に日本側が抗議の意味でドタキャンした

    韓国のおかしいところは、そもそも会談したいのに、
    それに合わせてこういうことをすることです。
    オリンピックも同じで来日して会談したいと言いながら日本の食材にケチをつける嫌がらせをすることです。
    会談したいなら最低限日程をずらすなどするでしょう。
    うっかり応じると日本が譲歩したという可能性があるので注意が必要です。

  •  日本も国益重視で、外交をしてくれるようになったのでしょうか?
    日本にとって、国益とならない、むしろ害となる国との外交に時間や体力を
    消費することは無駄なので、後回しにする。
     当然のことだと思います。

    自民党の河村建夫元官房長官(78)=山口3区=が次期衆院選に立候補せず、政界を引退する意向を固めたことが14日、分かった。参院議員を辞職し、同区にくら替え出馬する林芳正元文部科学相(60)との公認争いが続いていたが、保守分裂は避けるべきだと判断した。関係者が明らかにした。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/b630d4fb7f4dadc3bc4f2f1dcf50685636da2ddb?source=rss

     日本国内でも、日本にとって害にしかならない韓国との外交を優先させようとする、
    韓国に服従させようとする勢力「日韓議連」の重鎮が、政界から排除されるようですね。

     全体的に、日本にとって、良い方向に向かっていると思います。できたら2Fも
    引退してくれればよいのですが・・・・・

  • 色々な報道によれば、
    ① 最初は14日の18時から電話会談の予定だった
    ② 日本側から14日の20時に変更してくれ、との連絡があった
    ③ 韓国側がそれを不満とし、15日の開催となった
    ④ 現時点で、韓国政府は、決まったことは何もないと言っている
    とのことで、まずは、今日の18時から岸田首相が何をするのか、明日の首相動静が楽しみですね。台湾との電話会談だったりして・・・
    それに加えて、15日の電話会談の有無と首相動静も楽しみです。

    • 14日に衆議院解散なので
      15日の岸田元総理は選挙に当選するまで、ただの一般人です
      仮に電話がホントだったとしても
      一般人からの電話だから、
      大統領のメンツを潰されたと考えて、韓国は拒否すると思います

      • それは違う
        選挙後に国会が開かれ次の首相が選ばれるまでは
        岸田首相は首相のまま

  • 韓国との電話会談が選挙前に有るならば、14日が本命とみてました。
    1日の延期は、両国の都合で有りうると思います。
    これを過ぎると、来月までずれ込むと思います。

    あっ、韓国の優先順位から考えると、早いと思います。 
    総選挙前ですので、中身は無いでしょう。
    今回は先に日本が、会談内容を発表すると思います。
    以上

1 2