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大阪府羽曳野市で4回接種の事例、なぜ気付かないのか

当ウェブサイトでは長らく、新聞、テレビを中心とするオールドメディアの報道は、不正確であるだけでなく、ときとして有害であるとすら指摘してきたつもりです。こうしたなか、大阪府羽曳野市で、ワクチンを4回接種した事例が出て来たそうですが、これはもしかすると、「ワクチン接種記録システム(VRS)」への入力が大幅に遅延しているという具体的な実例なのかもしれません。これを、どう考えるべきでしょうか。

正確な事実に基づかずに菅総理を批判する人たち

この3ヵ月あまり、世の中で菅義偉政権による「ワクチン接種の遅れ」、「コロナ対策の迷走」に対する批判が強まっていたなかで、当ウェブサイトでは「ワクチン接種記録システム(VRS)」の生データをもとに、わが国におけるワクチンの接種状況を追い続けて来ました。

そして、当ウェブサイトではすでに6月の時点で、各自治体などによるVRSへの入力遅れがかなり発生している(らしい)ということに気付いていて、実際、見た目は「直近になればなるほど接種回数が減る」という現象が観測されていました。

ただ、そのわりに、日々公表されるVRSのデータを見ると、なぜか平日で1日当たり150万件前後ずつ増えているのです。

この「直近になればなるほど接種回数が減っている(かに見えてしまう)」というのは、端的にいえば、本来であればリアルタイムにVRSに入力して欲しいと国から要請されている接種実績を、各自治体などがリアルタイムに入力していない証拠、というわけです。

この点、世の中的にはもうあまり関心がないかもしれませんが、ただ、不正確な接種実績データなどに基づいて「ガースー(※)はコロナ対策で何もしなかった極悪人だ」、などと舌鋒鋭く批判している人たちには、「正確な客観的事実に基づいて物事を判断すること」の大切さを認識していただきたいと思います。

(※「ガースー」とは菅義偉総理大臣のネット上の愛称ないしあだ名のこと。)

ワクチンが急速に普及する日本

現時点で接種率は1回目68%、2回目56%

まずは、現時点におけるワクチン接種実績の「見た目」を確認しておきましょう。

ワクチンの前日までの接種実績自体は、首相官邸ウェブサイト上の『新型コロナワクチンについて』というページで、平日の午後から夕方にかけての時間帯に公表されることが多いのですが、その大元となるVRSのデータは、経験上、午前中には入手可能です。

※VRS生データのダウンロード方法
  • 次の文字列をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと、その時点の最新データが取得可能
  • https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson
  • 上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えると過去データの入手が可能(※なお、{dt}は「yyyy-mm-dd」形式で日付を入力。たとえば「2021年9月24日時点で公表されたデータ」なら、{dt}の部分を「2021-09-24」に変換)

実際には、これに医療従事者等への接種実績データ(※7月末時点で更新終了)や職域接種の実績データ、職域接種とVRSへの重複を除外するデータなどがないと、正確な接種実績はわからないのですが、ざっくりした回数や接種率ならば、現時点でも試算できます。

その結果が、次の図表1です。

図表1 総接種回数と接種率
区分 総接種回数 接種率
全体合計 156,826,799
うち1回目 85,984,237 67.64%
うち2回目 70,842,562 55.72%
65歳以上合計 64,023,079
うち1回目 32,267,486 90.93%
うち2回目 31,755,593 89.49%
高齢者以外合計 92,803,720
うち1回目 53,716,751 58.62%
うち2回目 39,086,969 42.65%

(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。9月24日時点で取得したVRSデータ、9月22日時点で取得した職域接種データ・重複計上データなどを使用。「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。高齢者接種率は累計接種回数を3548万6339人で、「高齢者以外」の接種率は、接種回数合計から65歳以上接種回数を引いた数値を、9164万2566人で割って求めたもの)

「未入力」実績が最大で1000万回を超えた!

この図表1に表示されている「現時点の総接種回数156,826,799回」には、職域接種の重複カウント(だいたい20~30万回分)が含まれてしまっているため、本日首相官邸のウェブサイト上に公表されるであろうデータと比べれば、多少大目に表示されています。

ただ、それと同時に、当ウェブサイトのこれまでのデータ分析に基づけば、現実に接種が完了しているにも関わらず、VRSに入力されていない接種実績が、最大で1000万回分以上存在すると考えています。

そのロジックは、こうです。

たとえば、8月11日時点で取得した「4月12日から8月10日までの121日分のVRSに入力された総接種回数」は、85,359,056回でした。

しかし、同じく「4月12日から8月10日までの121日分の総接種回数」を、本日時点で取得したVRSデータで集計すると、なんと96,135,844回(!)に増えるのです。

4月12日~8月10日の121日分の総接種回数
  • ①8月11日時点で取得したデータ…85,359,056回
  • ②9月24日時点で取得したデータ…96,135,844回
  • ③上記②と①の差分…10,776,788回

(【出所】8月11日時点のVRSデータと9月24日時点のVRSデータをもとに著者作成)

本来、8月10日までの接種実績は、8月10日にはすべてVRSに入力されていなければならないわけですが、現実にはその「入力していなければならない期限」である8月10日を過ぎてから入力された回数が、トータルで10,776,788回(!)もあった、ということです。

信じられない入力の遅延ですね。

なぜ気付かない?大阪府羽曳野市の事例

さて、この「入力が著しく遅延している(かもしれない)」という証拠が、またしても出て来ました。

36歳女性、ワクチン4回接種/大阪「効果高めたかった」

―――2021/9/22 10:23付 共同通信より

共同通信によると、大阪府羽曳野市が21日、同市でワクチンを故意に4回接種した事例があったと発表したのだそうです。

具体的には、この女性が「初めて」と偽って3回目の接種を受けたのが8月29日、4回目の接種を受けたのが9月19日だったのだそうですが、この重複接種が判明した経緯について、「4回目を終えたあと、接種歴を登録する際に重複が判明した」と報じられています。

共同通信の記事はそこで終わってしまっていますが、「もしもVRSにリアルタイムで入力がなされているのであれば、8月29日の時点で判明していなければおかしいのではないか」、という点に、記事を執筆した人物は、はたして気が付いているのでしょうか?

いずれにせよ、大阪府羽曳野市は、本件についてもう少し説明して欲しいところです。

コロナ禍はどうなるのか

未入力が800万回なら、現時点の接種率はもっと上昇する

さて、未入力回数が1000万回を大きく超過していたという8月10日の事例は極端なケースだとしても、事後的に判明する「VRS未入力実績」データをカウントしてみると、事後的に判明する未入力回数は、1ヵ月間でだいたい800万回前後に達しています。

つまり、先ほどの図表1で示されたデータは、あくまでも「VRSに入力が完了しているデータ」をもとに集計したものに過ぎず、現時点における未入力件数が800万回(うち1回目、2回目ともに400万回)だと仮定すれば、総接種回数・接種率も、図表2のとおり、さらに跳ね上がります。

図表2 未入力件数が800万回だったと仮定したときの総接種回数と接種率
区分 総接種回数 接種率
全体合計 164,826,799
うち1回目 89,984,237 70.78%
うち2回目 74,842,562 58.87%
65歳以上合計 64,023,079
うち1回目 32,267,486 90.93%
うち2回目 31,755,593 89.49%
高齢者以外合計 100,803,720
うち1回目 57,716,751 62.98%
うち2回目 43,086,969 47.02%

(【出所】著者作成。高齢者以外に対する接種済み・未入力回数が1回目、2回目ともに400万回だったと仮定した場合)

著者個人としては、こちらの図表2の方が、実態に合致していると思います。

いずれにせよ、VRSのデータは現時点においても、平日は1日平均してだいたい150万回前後のペースで接種実績が増え続けています(※ただし、土・日・祝になると、接種実績の増え方が鈍化します)。

このため、9月中にあと1000万回弱は接種実績が積み上がると期待できます。

9月末時点で接種完了率は6割超に?

9月中に、1回目、2回目がそれぞれ500万回ずつ増えると仮定すれば、図表2については図表3のように書き換えることができます。

図表3 9月末における総接種回数と接種率の予想
区分 総接種回数 接種率
全体合計 174,826,799
うち1回目 94,984,237 74.71%
うち2回目 79,842,562 62.80%
65歳以上合計 64,023,079
うち1回目 32,267,486 90.93%
うち2回目 31,755,593 89.49%
高齢者以外合計 110,803,720
うち1回目 62,716,751 68.44%
うち2回目 48,086,969 52.47%

(【出所】著者作成。高齢者以外に対する接種済み・未入力回数が1回目、2回目ともに400万回で、9月中に1回目、2回目ともに接種回数があと500万回ずつ増えたと仮定した場合)

この点、VRS未入力問題があるため、おそらく10月1日時点で公表されるデータを見ると、「見た目の総接種回数」は1.7億回には到達していないと思いますが、それでも「入力が完了していないだけであって接種が完了している」という事実は動きません。

(※なお、接種率に関する外国との比較をしてみると、これはこれで大変に面白いことが判明するのですが、少し文章が長くなってしまうため、できれば一両日中に別稿にて紹介したいと思います。)

東京都では32日連続「前週比で新規陽性者数が減少」

こうしたなか、ワクチン接種が進んだ効果なのかどうかは現時点ではよくわかりませんが、東京都では新規陽性者数が減少の一途を辿っています。

9月23日(木)時点の東京都の状況
  • 新規陽性者数…531人(前日比▲6人、前週比▲300人)
  • 7日間平均値…547人(前日比▲43人、前週比▲464人)
  • 重症者数…143人(前日比▲3人、前週比▲39人)
  • 新規死亡者数…18人(前日比+2人、前週比▲6人)

(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』、『新型コロナウイルス感染症重症患者数』より著者作成)

前週比で新規陽性者数がマイナスとなるのは32日連続のことで、重症者数も150人を割り込みました。

東京都に限定していえば、少なくとも見た目は、新規陽性者の拡大が急速に収束しているのです。

このあたり、ワクチン接種実績などの客観的データを無視し、「感染者数」とわざと誤った用語を使って、目先の新規陽性者数の増加を「感染爆発」だ、「菅政権のコロナ対策の失敗」だ、などと国民の恐怖を煽ってきたオールドメディアは、この収束局面にダンマリを決め込んでいるようです。

XXXさん、菅総理の何が悪いのか、早くご説明を!

もちろん、インフルエンザなどと同様、おそらくはこのコロナについても、新規陽性者の増大と減少をこれからも繰り返すのだと思いますし、防疫の観点から人流を抑制しようとすれば経済が落ち込み、経済の観点から人流を活性化しようとしたら防疫の目的に反するという、二律背反した政策を続けざるを得ないのでしょう。

菅政権が緊急事態宣言を発出したりひっこめたりしたことを「迷走」と述べる人もいるのですが、そのような人は、「経済と防疫という相反する目的を両立させるためには、うまくアクセルとブレーキを使ってバランスを取るしかない」、という基本的なことも理解していないのでしょう。

なお、敢えて実名を挙げることは避けますが、某分野における自称専門家の方は、ご自身のブログで、「ガースーはGoTo事業や東京オリパラでコロナを拡大させたし、コロナ禍でなんにもしなかった極悪人だ」、などと、政府の対応を舌鋒鋭く批判なさっているようです。

ただ、「GoTo事業や東京オリパラで感染拡大した」、などと舌鋒鋭く述べるわりには、そのブログでは、それらを証明ないし説明するデータも分析も、いっさい提示されていません。

おそらくはテレビの見すぎでしょう。

XXXさん、せっかくブログをやってらっしゃるのなら、新聞やテレビの情報を受け売りにするのはやめて、もう少し目の前の箱でちゃんと事実関係を調べてから批判されてはいかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (23)

  • マイナンバーカードで一元管理すれば良いものを。
    誰だ反対する奴は!
    夫婦別姓で戸籍制度破壊をたくらむ奴と同類か?やましいことがあるのか?

    • マイナンバーカードではなくマイナンバーの絡みなのですが、先日改正住基法施行の関係で「戸籍の附票」の新レイアウトを目にしました。
      主眼は生年月日をデータとして持つ、表記もするというところですが、表題部の「本籍及び筆頭者」を原則省略にする兼ね合いなのか、これまで個人事項欄には「名」が表記されていたものが、「氏名」が表記されるように改まっていました。
      もし、戸籍簿そのもので同じように「氏名」でデータを持つように改めれば、夫婦別姓でも表記できなくはないんですよね。少し不気味に感じました。

    • 左過ぎて地下に潜っている人達が困るので立憲共産党はいつも強硬に反対するのだ、と思っています。立憲共産党の枝葉が「国民の自由を脅かす」と言う時は「地下に潜っている思想リーダの逃避行を脅かす」と言っているのだと理解しております。

  • こういうことを防止するために接種券があったのでは?
    現在接種券なしでも受けられるのは職域接種だけだったのでは。

    4回受けた36歳の女性はどうやって3回目、4回目が打てたんだろう?

    • もしかして医療関係者だったりしてw
      私は自分の接種券なるものは目にしていません。

    • 職域でも接種券はいりますが
      届いてない場合や紛失の場合は事後送付で打てました
      職域で券なしで二回、自治体で二回なら出来そうですね
      券なしでも名前など書かされますが

      二回目打つ時に無くして打って席に戻って来たら落とし物で届いてたという残念な経験値を持ってます

      捨てた人、無くした人は自治体に券を再申請してくださいとの事

      なお、送らないと接種証明の発行が出来なくなるそうですのでまだの方は捨てないように

  • >おそらくはテレビの見すぎでしょう。

    子供の頃、親から「テレビばかり見ていると頭がパーになるから早く勉強しなさい」とよく言われたものですが、親は正しかったんですね。

    • 匿名29号様
      こんにちは。
      アラウンド50の自分も子供の頃同じことを言われましたw
      ただ、かつては「見てると頭がパーになるテレビ」といえばお笑いとかアニメとかを指してたと思うんですが、最近はニュースやワイドショーを指してると思えるところにやり切れなさを感じてしまいます。

      • そうですね。ニュースやワイドショーが無責任なバラエティー番組並みになったと思います。

  • 感染状況の落ち着きは、ワクチン接種の進捗だけではなく、オールドメディア関係者の ”飲み会自粛” も一役かってるのかな・・??

  • XXXさんってどなたかちょっと気になるのです♪

    それはそうとして、医療従事者としての優先接種で2回、一般枠で2回の4回打ったんですね♪

    下の別の記事にあるけど、市も迅速な入力に努めたいってことなので、頑張って欲しいのです♪
    >市は「今後、接種記録を迅速に入力し再発防止に取り組む」としている。

    元放射線技師が故意に4回接種 「ワクチン効果高めるため」 大阪
    https://news.yahoo.co.jp/articles/be3fcb90920f2c172c406ba45fbd48ec905ab039

    ところで、こういうのって目くじら立てて防がなきゃならないことなのかな?ってちょっと思ったのです♪
    インチキして4回打った本人は批難されるべきだけど、大阪府とか市とかを責めるような問題じゃないと思うのです♪
    まぁ、記事も市を責めるトーンじゃないし、市の再発防止云々もこういったときの常套句にしか過ぎないんだろうけど・・・・

    それはそうとして、またまた別の記事で 
    >こうしたことを防ぐため国は個人の接種記録を管理する「VRS」と呼ばれる専用のシステムを導入しています
    って書いてあったから、その必要性を考えてみたのです♪

    最初に思いついたのは、たくさん打ちすぎると思わぬ副作用とかで本人に危険がある可能性がある?ってことだけど、2回って知らなかった訳じゃないし、そんなの自己責任で良いのかな?って思うのです♪
    この人みたく2種類の接種権もってたり、間違って接種券が2回発行された人が、悪意なく3回目、4回目にきちゃうこともあるけど、そのために会場で接種歴聞くわけですもんね♪

    ただでさえ少ないワクチンが、こんなことに使われるともったいない?
    これはあると思うけど、大規模な事業でムダをなくすことなんてムリなんだから、誤廃棄とかキャンセルで廃棄とか含めて、ムダがどんだけ出てて、どの程度が許容範囲なのか?ってことを考える問題だと思うのです♪
    ひとつもムダにしてはいけないってのは精神論としてはわかるけど、大規模事業を迅速にする中では無茶な要求だと思うのです♪
    あたし的には、この1件だけで市とかを責める気にはならないのです♪

    2回目までは公費だけど3回目以降は費用負担させるべき?
    これもあるかなって思うけど、1年、2年と長い間発覚しなかったわけでもないし、わかったあとで請求すれば良いのかな?って思うのです♪

    なんか、どれも今ひとつな気がするのです♪

    • 接種会場で当日4回(?)打たれた人ってのも居ましたねえ。
      これなどはVRSも接種券も関係なく、単に当人がボ〇てただけだと思いますけど。
      ま、会場の管理も悪いですかねww

  • 接種券が必要な場所と必要でない場所での2回接種ですね。
    このような場所を作った段階で想定される問題です。
    回避方法は、匿名様がご指摘するマイナンバーカード利用しか無いなのです。
    立憲・共産党等(自民党の一部以外を表します。)が戦争準備だとか
    赤紙(何の紙なのでしょうか? まさか戦前の招集令状でないですよね?)が
    来るとかマスコミを使用して大宣伝した為、マイナンバーカードが使用できなく
    なったのです。 他国で給付金が早く給付され、日本では支給が遅いと文句を
    言っていたのは、立憲・共産党等の支持者の皆様でしたよね。
    その問題もマイナンバーカードを使用すれば、諸外国と同様に早く支給できたものを。

    武漢コロナウィルス患者の受入れ病院で医者・看護師等が疲弊しているとの報道が
    あります。 輪番体制で一部地域の内科・呼吸器科関連病院を一時閉鎖し、受入れ病院の
    医者等の交代要員化する案を考えた事があります。 マイナンバーカードが使用できない
    状態では、カルテを他病院と連携できない事に気がつきガッカリしました。
    患者としては違う病院を受診する事の手間はありますが、セカンドオピニオンを受けられる
    としたら良いアイデアだと思うのです。 内科・呼吸器科関連等ここに来ているお医者様に
    聞いてみたいのです。

  • 最近10日間くらいで顕著になってきた、全国の入院者数、重症者数の減少は、その速度がこれまでの4波の流行とは比較にならないほどのものに見えます。検査実施数(これは一月前くらいから急速に減少に転じているのですが)次第で数が増えたり減ったりする、一般に感染者数と同義と見なされている検査陽性判定数と違い、入院者数や重症者数は実際の流行の大きさと、その消長を反映している信頼できる目安でしょう。ようやくワクチン普及の効果が統計データに表われてきたということだと思います。

    感染が下火になり始めてから、目に見える形で発症者数や入院数、重症数が減るまでにはかなりの時間差がありますから、今次第5波の感染のピークは、東京五輪が終わったあたりの時期かと思います。菅首相にとっては、その成果を見ることなく、総裁選不出馬を表明せざるを得なかったのは、痛恨の極みというところでしょうが、理由として武漢肺炎対策に全力を尽くすためには、選挙に注力する余裕はないとしたのは、正解だったという気がします。

    ワクチン政策を強力に推進し、その結果がどう出るのか、その評価を手にできるのは菅首相です。このまま日本の武漢肺炎がゼロレベルになるまで減少するとは思いませんが、少なくとも新総裁が選ばれた時点で、喫緊の課題が武漢肺炎の沈静化という状況ではなくなっていると思います。また、来るべき総選挙で、無能な菅内閣が武漢肺炎対策に失敗したというような攻め口は、野党の手から取り上げられていることが十分予測されます。

    ワクチンの問題に限らず、安全保障政策、また以外に斬新な視点で臨もうとしていた国内諸課題への対応など、菅再評価が高まれば、近い将来菅待望論が出てくる可能性もなしとはしないような気がします。

    • いかがでしょうか?そろそろ次の読者投稿などは…。
      前回が最終回だとお話になられていたのはわかっていますが、やはり最近の動きについての伊江太様のご見解を知りたい今日この頃です。

    • 東京では重症者減少<死亡者なので、まだまだ重症→死亡が多く重症者もまだまだ増え続けていると見るべきかと。重症者+新規死亡者で議論したほうが良いと思いますね。

  • 接種券無しでも受けれるタイプの接種会場があったので
    ボケた老人が二重に受けるのも普通に予想されたこと
    個人的には思ったより例が少ないと思った

  • 更新ありがとうございます。
    4回も、羽曳野市は何してんの?こういうことを防止するための接種券でしょうに!杜撰だよ。

  • 自衛隊の大規模接種会場の予約の時のようにマスコミが「やってみた♡」をやらなかっただけ、まだましの気がします。
    それでも、この人、実費を払うべきだと思います。。

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