「アフガニスタン政府はタリバンに対し武装で圧倒していたが、タリバンの侵攻の前に総崩れとなり、ガニ大統領は首都を捨てて真っ先に逃亡し、アフガニスタン軍はタリバンに対し戦わずに敗北した」。この文章、「タリバン」を「北朝鮮」、「ガニ」を「李承晩」、「アフガニスタン」を「韓国」と置き換えたら、朝鮮半島で今から71年前に発生したこととまったく同じです。こうしたなか、韓国メディアはジョー・バイデン米大統領のABC放送のインタビューを紹介しているのですが、これをどう考えるべきでしょうか。
目次
要約
先週のアフガニスタン政府崩壊とタリバンによる首都・カブール制圧を眺めていると、個人的にはどうも、朝鮮戦争とそっくりに思えてなりません。つまり、次のような図式が浮かぶのです。
- アフガン内戦≒朝鮮戦争
- アシュラフ・ガニ大統領≒李承晩大統領
- タリバン≒北朝鮮
- カブール≒ソウル
- アフガニスタン政府≒韓国政府
こうしたなか、ジョー・バイデン米大統領は米メディアのインタビューに対し、「アフガニスタンはNATO、台湾、韓国などと違う」と発言したそうです。
これをどう読むべきでしょうか。
無様なアフガン政府
アフガン陥落とバイデン談話
先週、米軍がアフガニスタンから撤退したところ、あっけなく政府が崩壊し、タリバンが首都・カブールを陥落させてアフガン全土を掌握したとする話題については、ある意味では全世界に対して新鮮な衝撃を与えたのではないかと思います。
こうしたなか、バイデン大統領に対しては「なぜあのタイミングで撤収を決断したのか」、「もう少し時間をかけて、米国のアフガン統治に協力した人たちが安全にアフガンから脱出する機会を与えるべきだったのではないか」、といった批判がわきあがったことは事実でしょう。
ただ、バイデン氏自身は現地時間8月16日にホワイトハウスで談話を発表(※英語)。こんな趣旨のことを主張しました(内容については当ウェブサイト側において順序などを整理しています)。
- 米国がアフガンに出兵した目的はテロ掃討であり、オサマ・ビンラデンを除去したことで米国は第一義的な目的を達成した
- もともと、米国の目的に「アフガンを民主主義国に作り替えること」は入っておらず、それなのに米国は20年間、アフガンの正規軍を訓練し、1兆ドル以上のカネも使った
- 今回の事態においても、アフガンの政治的指導者らはすぐに諦めて国を逃れ、アフガン軍も戦おうとせずに崩壊した
- 米軍をアフガンから撤収させるのに「最も良いタイミング」というものはなく、先週の出来事自体、アフガンに対する米軍の関与を終わらせることが正しい決断だった証拠だ
…。
談話としては大変に正論
個人的な感想のみを申し上げるならば、大変に「正論」ですし、一般に「認知症が疑われる」などとされるバイデン氏にしては、上出来だと思います。
もちろん、この談話に対しては米議会関係者、米メディアなどから、「単なる責任逃れだ」、「民主主義国を作ろうと努力してきたアフガンの人々に対して無責任だ」、といった批判が起こったことも事実です。
ただ、そもそも論としてアフガンからの撤収を決定したのはドナルド・J・トランプ前大統領であり、バイデン氏自身はそのトランプ氏の決断を踏襲したに過ぎません。
米国が無責任かどうかと聞かれたら、たしかに「あそこまで深くアフガンに関与しておいて、唐突(?)に撤収するのは無責任だ」、といった意見があることも間違いないにせよ、米国も「世界の警察官」ではなく、たんなるひとつの国に過ぎません。
そして、アフガンは米国の「属国」ではありませんし、現在の国際社会も「属国は黙って宗主国の言うことを聞いていればよい」、といった枠組みでもありません。あくまでも「主権国家同士の地位は対等である」、「自分の国をうまく運営してくのは自分の国の責任である」という建付けが重要なのです。
当ウェブサイト自体、べつに米国市民が運営している評論サイトではありませんので、「この決断は米国市民として支持できる/できない」などと申し上げる義理はありません。それこそ米国の有権者が決めるべき話でしょう。
ただ、あくまで一般論について尋ねられるならば、答えは明白で、「自分で自分の国を守る意思も能力もない人たちを支援しても無駄」です。
今回のタリバン政権の復活に関し、アフガンの罪のない人たちに同情する気持ちもないではありませんが、結局のところ、アフガンの人々の未来はアフガンの人々自身が決めていかねばならないのです。
米国の「誤った成功体験」
さて、今回のアフガン政府崩壊劇、たしかに大部分の米国市民にとっては、大変に不自然に思えたのかもしれません。
あるいは、「太平洋戦争(※)直後に米国を主体とするGHQが日本を占領し、日本を『自由・民主主義国』に作り替えるのに成功した」、「現在の日本は米国と基本的価値を共有する西側諸国の優等生だ」、という、彼らなりの「成功体験」が鮮烈すぎた、という言い方をしても良いでしょう。
(※「太平洋戦争」とは先の大戦に関するおもに米国における呼称のこと。わが国では「大東亜戦争」と呼ぶ人もいますが、最近の当ウェブサイトでは基本的に「先の大戦」、「第二次世界大戦」などの呼称を使うことが多いです。詳しくは『「次は負けない」ために、なにをやらねばならないのか』などもご参照ください。)
もちろん、こうした米国人の「成功体験」には、多分に誤解を含んでいることは間違いありません。
日本で男子普通選挙が法制化されたのは1925年のことですし、全盛期に制定された大日本帝国憲法では「法の定める範囲内での自由」が保証されていましたし、さらに戦前の時点ですでに現在とほぼ同じ議院内閣制が確立していました。
つまり、米国は「自分たちが日本を民主的で素晴らしい国にした」と勘違いしているフシがあるのですが、逆にこうした「成功体験」自体が米国の第二次世界大戦後の世界戦略をさまざまな点で誤らせてきたのではないか、という気がしてなりません。
先ほど例示した、米国内における「民主主義国を作ろうと努力してきたアフガンの人々に対し無責任だ」などの主張も、その源流には、こうした誤った成功体験の存在が見て取れる、というわけです。
戦わずに総崩れ:無様なアフガン政府
そのうえで、アフガンの崩壊劇も、じつに無様でした。
タリバンをはるかに上回る装備品を備え、バイデン大統領も指摘したとおり、「空軍のないタリバンに対し、アフガン軍は米軍の支援で空軍を保持していた」ほどだからです。ここに関してはバイデン談話の原文をそのまま紹介しておきましょう。
We gave them every tool they could need. We paid their salaries, provided for the maintenance of their air force — something the Taliban doesn’t have. Taliban does not have an air force. We provided close air support.
そんなアフガン軍が、装備で圧倒的に劣るはずのタリバンと、戦う前に逃げ出したというのは驚きです。
指揮を執るべきアシュラフ・ガニ大統領自身からして首都を捨ててスタコラサッサと逃げ出し(※15日付のフェイスブックで国外脱出したことを自身が明らかにしています)、現在はUAEに身を寄せているそうです。
翻訳エンジンなどを利用し、ガニ氏の発言を読み取ると、どうもこんな趣旨のことを述べているようです。
- 武装したタリバンがカブール市内に侵攻すると、無数の愛国者が殉教し、市が荒廃し、600万人の都市で大規模な人道的大惨事が発生します。流血の事態を防ぐために、私は去ることにしました。
- タリバンは剣と銃で勝利を勝ち取りましたが、心の正当性では彼らは勝利していません。乾燥した力は、歴史上、誰にも正当性を与えません。彼らは今、新しい歴史的試練に直面しています。
なんだか、日本語で言えば「負け犬の遠吠え」にしか見えません。
このあたり、昭和天皇が占領軍の「総帥」であるマッカーサーに会いに行かれ、「私は、国民が戦争遂行にあたって行ったすべての決定と行動に対する全責任を負う者として、私自身をあなたの代表する諸国の裁決にゆだねるためお訪ねした」と述べられたという行動とは驚くほど対照的です。
(※もっとも、昭和天皇がこのように述べられたという点について、一部では「美談に仕立て上げるための虚偽ではないか」、などの主張もあるようですが、本稿ではこれについてとくに触れることはしません。)
朝鮮戦争との類似点が多すぎる
ガニ大統領≒李承晩
ただ、今回のガニ大統領の逃亡劇と「戦わずに崩壊したアフガン軍」を眺めていて、真っ先に思い出したエピソードといえば、やはり朝鮮戦争なのです。
第二次世界大戦直後、朝鮮半島は38度線を境に、北半分がソ連軍、南半分が米軍によって占領されました。
南半分では、大日本帝国の統治下で交通インフラや産業基盤などはしっかりと整備されていたものの、工業地帯や大規模な発電所は38度線の北部に取り残されており、北朝鮮側は韓国側に対する送電をしばしば停止するなどの嫌がらせをしていたようです。
そして、1948年8月13日、38度線の南半分で韓国政府が発足します(※いわゆる韓国の米軍軍政下からの独立。なお、韓国の建国が8月15日ではなく13日であるらしいという根拠については、『今年の光復節は中味スカスカも「文在寅氏らしい」演説』で述べたとおりです)。
これを受けて朝鮮半島北部でも9月9日に北朝鮮政府が発足し、南北分断が固定化。
やがて1950年6月25日に北朝鮮の奇襲攻撃で朝鮮戦争が始まると、その2日後には「大韓民国」の初代大統領である李承晩(り・しょうばん)自身が首都・ソウルを捨てて逃亡。しかも韓国軍はその翌日、首都南部の漢江(かんこう)に架かる橋梁を爆破し、多数の民間人の犠牲を出したそうです。
もし仁川上陸作戦がなければ…?
こうした韓国軍の情けない姿勢のためか、北朝鮮軍は一時、朝鮮半島の大部分を制圧し、韓国は釜山近郊にまで追い詰められたのですが、マッカーサーが9月15日に仁川(じんせん)上陸作戦を上陸させてから戦況が一変。
今度は逆に韓国軍が北朝鮮に攻め込み、中国による義勇軍の介入を招いて南側に押し戻され、ソウルが再び中朝軍側に奪還され、それを米韓軍が再度奪還するなどの混乱のすえ、戦線が膠着し、南北ともに多大な犠牲を払い、朝鮮戦争は休戦したのです。
ただ、こうした戦況を振り返っておくと、やはり一番痛感するのは、途中から東西陣営の代理戦争に変わってしまったという点でしょう。
歴史に「IF(イフ)」はないといいます。
しかし、もしもマッカーサーによる仁川上陸作戦が実行されなかったら(あるいは失敗に終わっていたら)、朝鮮半島はいったいどうなっていたでしょうか。
想像するに、北朝鮮軍が釜山を攻め落とすのも時間の問題だったでしょうし、そうなっていたら、私たちの国・日本の隣には、「朝鮮民主主義人民共和国」と呼ばれる単一国家が出現していたに違いありません。
また、「IF」ついでにもうひとつ考えてみたいのが、「もし、当時フェイスブックが存在していて、李承晩がフェイスブックのアカウントを持っていたら、どうしたか」、という知的ゲームです。李承晩はいったい何を書き込んだでしょうか。
おそらく、こんな書き込みをするのではないでしょうか。
「ソウル市の混乱を防ぐために、私は自主的にソウル市を去ることにしました。北朝鮮はいまやソウルを制圧しました。しかし、心の正当性では彼らは勝っていません。彼らは必ずや、新しい歴史的試練に直面するはずです。」
あくまでも、想像ですが。
バイデン氏のインタビュー
さて、先日の『アフガン崩壊に韓国政治家「覚悟なければ国は滅びる」』と『次に陥落するのが「ソウルではない」という保証はない』で相次いで取り上げたとおり、当ウェブサイトとしては、タリバンも北朝鮮も似たようなものだと考えています(※もっとも、こんなことを述べると、タリバンが気を悪くするかもしれませんが…)。
そして、アフガンでの出来事は、米軍が去ったら韓国で何が発生するかについて、非常にわかりやすい事例であることは間違いありません。
こうしたなか、バイデン氏は米国時間19日、米ABC放送に対するインタビューで、司会者にアフガンでの事例について尋ねられ、アフガンについては「日本、台湾、韓国、NATOとの間には根本的な違いがある」などと述べた、とする話題が、韓国メディアに相次いで紹介されていました。
『中央日報』(日本語版)に掲載された『韓国経済新聞』(韓経)が配信した記事と、『ハンギョレ新聞』(日本語版)が配信した記事が、それです。
「韓国はアフガンと違う、侵略あれば米国が対応」
―――2021.08.21 09:07付 中央日報日本語版より【韓国経済新聞配信】
バイデン大統領「アフガンと韓国は根本的に異なる…攻撃時には対応する」
―――2021-08-21 08:53付 ハンギョレ新聞日本語版より
「左派メディア」とされるハンギョレ新聞と「保守メディア」とされる中央日報では、論調が異なることも多いのですが、この両記事に関しては、構造としてはさほど大きく変わりません。
要するに、バイデン氏は「アフガンと韓国・台湾・NATOは(前提条件が)異なる」という趣旨の発言をしたということは間違いなく、また、これについては両紙とも、「米国の同盟国における動揺が生じるのを防ぐとともに、台湾有事で中国を牽制する狙いがある」という趣旨の指摘を加えている、というわけです。
米国のメッセージは一貫している
これについては、個人的見解を申し上げるなら、たしかに今回の米国の行動は、一部の同盟国に対し、「いざというときには米国は自国を捨てるのではないか」という猜疑心を芽生えさせたことは間違いないと思います。
ただ、それと同時に、「自らの国を自ら守ろうとしない国のために米国が戦うことはあり得ない」というのは、米国の以前からの一貫したメッセージであり、べつにバイデン氏が唐突に言い出したものではありません。
もっといえば、同盟というものは「互恵的」、つまり「お互いに費用を負担するだけの恩恵がある」と認め合うことで成立するものであり、得られる恩恵と比べ、どちらかの費用負担が大きすぎる(=片方の費用負担が少なすぎる)ときには、同盟は破綻します。
これはべつに、米韓同盟だけに限った話ではありません。歴史上のデロス同盟でもハンザ同盟でもそうですし、また、日英同盟でも日米同盟でも同じことがいえます。
このあたり、韓国メディアからはやたらと「米・アフガニスタン関係と米韓関係は異なる」といった主張が出て来るのが目につくのですが、果たしてそうでしょうか。
あえて批判を恐れずに申し上げるならば、関係が成立した経緯や年代などについてはまったく異なることはたしかですが、みごとなまでの「敵前逃亡」という共通点に対する米国の怒りという観点からは、どちらも大差ないかもしれません。
いや、なまじっか米韓同盟の方がはるかに長い分、米国の韓国に対する失望は、むしろアフガニスタンに対する失望よりも深いように思えてなりません。
もちろん、バイデン氏がABCに述べたとされる内容のとおり、現在の韓国から米国が直ちに撤退するということは考え辛い点です。
ただ、それは米国が韓国を「大切な同盟国だ」と思っているからなのか、それとも「それ以外の何らかの事情」があるからなのかについては、慎重に見極める必要があるでしょう。
強調するほどに類似点
この点、先ほどの韓国メディアの記事から抜粋すると、バイデン氏はこう述べたのだそうです。
「韓国、台湾、NATOとアフガニスタンの間には根本的な違いがある。これらの国は内戦状態でなく統合された政府を持つ国であり、我々は相互協定を結んでいる」。
(※ちょっとだけ意地悪なことを申し上げれば、「韓国の場合は内戦状態じゃないんですか?」とツッコミを入れたくなります。韓国は憲法で北朝鮮を含めて朝鮮半島全域を自国領土と規定しているため、「大韓民国領土内に反乱軍がいて、大韓民国の北半分に勝手に政府を樹立している」という見方もできるからです。)
言い換えれば、「統合された政府を持ち、米国と相互協定を結んでいる」という条件のどちらか(あるいは双方)が損なわれるようなことがあれば、米韓同盟もなくなるかもしれない、と読めます。
そんな韓国のことを、米国がどう見るか。
この点、先週の『鈴置論考「韓国大統領選への米中介入と韓国核武装論」』でも詳しく紹介したとおり、優れた韓国観察者である鈴置高史氏の指摘の文脈で申し上げるならば、「韓国自身が米国に助けてもらった立場でありながら、米国を裏切って中国側に着こうとしているフシがある」、ということです。
米国としても、決してニコニコ笑って眺めているわけではないでしょう。
あるいは、韓国の無責任さという意味では、米国の政治学者で米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザーでもあるエドワード・ルトワック氏が『自滅する中国』(芙蓉書房出版、2013年7月24日第1刷発行、翻訳者は奥山真司氏)の234ページ目で述べた、こんな記述も印象的です。
「2011年12月14日には『従軍慰安婦』を表現する上品ぶった韓国人少女の像が日本大使館の向かい側で除幕された。<中略>これは韓国に全く脅威をもたらさない国を最も苛立たせるような行為であった。<中略>戦略面で現実逃避に走るのは<中略>、国際政治に携わる実務家たちの力や、同盟国としての影響力を損なうものだ。さらにいえば、これによって実際に脅威をもたらしている国に威嚇されやすくなってしまうのだ」(同P234)。
これは、韓国の米国に対する態度についてではなく、日本に対する態度について述べた記述ですが、これを読むだけでも、まったくそのとおりと思わざるを得ません。
いずれにせよ、バイデン氏が「アフガンと韓国はまったく別だ」と主張すればするほど、両者の類似点が目について仕方がないのです。
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おはようございます。
韓国はアフガニスタンとは違う、違うとばかり言われても、ねー。
ベトナム戦争しかり、今回もしかり、結局は米国というか米軍は撤退しているんですけどね。
また米軍が撤退したフィリピンは、結果的に南シナ海への中国の台頭を許しています。
違うと強調するだけで、どう違うのか?
言えば言うほど、その空虚さが際立つだけ、では?
とか、思います。
>成功体験
日本で成功したと言う「たった一度」の前例をもって他国でも成功するだろう、と考えてた白人の脳天気さが戦後世界の混乱の元凶ですね。
彼らには学習能力が先天的にも後天的にも備わらなかったとしか思えません。
やれやれ、バイデンさんはベトナム戦争を忘れてしまったのかな?
さて、アフガニスタンと韓国の相似点を幾つか。
韓国内では宗教的には「反日教」で統一されていても、雑多な派閥が妥協を知らず、「俺こそが正当な絶対正義だ」とマウントを取り合っていて、しかも悪い事は全て外国の所為にして、自分で責任を取らないこと、敵を議論ではなく権力で正当化された暴力で屈服させるところ、そして客観的に検証できる都合の悪い事実から目を背けるところも似ています。
つまり、国民自体が近代の文明国の思考回路と馴染まないので、近代国家の外観の割に内部は未開で野蛮な部落意識が支配しているので、文明国家のファサードが崩壊するのは意外と簡単かも。
「イスラム原理主義」を「反日民族主義」で置き換えれば韓国もアフガニスタンも大差ないです。
バイデンさんは、アフガンには宗教的な問題が根底にある事を言いたかったのでは?
Aljazeera 記事にこんなものがあります。
2021-8-17
『Why did the Afghan army disintegrate so quickly?』
ちょっと長めですが読みにくくはありません。論旨を要約するならこう書けそうです。
・アフガニスタン国軍 ANDSF には守るに値すべき国家の実体がなかった、だから戦わずして壊滅した
この記事をもとに半島情勢と似ている点そうでない点を整理するのは、半島事変が起きてしまったとき彼らが暴走の刃を向ける的となる本邦にはとても重要なことと思います。
朝鮮半島が、「休戦中」なのは事実です。
アフガン撤退は、対中国に戦力を集中させる為の一環だと思いますので、在韓米軍とは位置付けが違うと思います。
韓国左派は、アフガン撤退を「アメリカは、韓国からいつ撤退するか分からないので自主防衛の強化が必要だ」とか、アメリカに「終戦宣言をするべき」と言う口実にするでしょうから、喜んでると思います。
私の妄想の流れだと、結果的に南北統一→中国の属国の速度を加速するように作用すると思います。
アメリカは、文政権が誕生した時点で、韓国を自由民主主義国家として守れなかったと、今からでも認識すべきで、そうしないと韓国に利用されるだけになるでしょう。
シェークスピアの戯曲の中のハムレットの母親ガートルードの有名なセリフ
を思い出しました。
韓国はクイーン・ガートルードと同様の運命を辿るのかも。
アフガニスタン:名目上崩壊したが実質的にはまだ状況が決定されていない
韓国:名目上ただの休戦中だが実質的には状況は固定されきっている
という違いはあるかもしれません。
アフガニスタン、ムジャヒディンにはかつて"パンジシールの獅子"と呼ばれた英雄が居たそうです。パンジシール地方と彼の勢力だけはソ連の侵攻もタリバンの台頭も退けて自治を守り続けたものの、9.11の直前に暗殺。
その御子息(イギリスで学び民主派)が、パンジシールで副大統領と合流し抵抗を叫んでいる様子。しかしどこの報道でも「包囲され支援もなく厳しい状況」。小説であればここから快進撃になるところですが……
ここでアメリカが徹底した支援をすれば"正義と自由と民主主義の勝利"を演出できそうです。失敗したら目も当てられませんが。元が撤退路線なのだからあくまで見捨てるほうが国益とするのか。
自衛隊にもお呼びがかかっているようだし、まだ状況は複雑な様子。
>「太平洋戦争(※)直後に米国を主体とするGHQが日本を占領し、日本を『自由・民主主義国』に作り替えるのに成功した」
この成功体験が間違いだろうと言うのは、私も以前に書きました。日本は戦前から反共産主義で一応民主主義でしたから。
まあナチスは「国家社会主義」だったので、ドイツを解放したのは「自由・民主主義国への成功例」と誇っても良いと思います。
どうも米国人には、英国だけは自分達のルーツだから別格にしてる様ですが、王制=圧制・独裁という観念があるのかも知れません。
じゃなきゃあ、ハワイの併合なんて恥ずかしくて出来なかったでしょう。
一度機会があればじっくり説教してやりたいと思ってます。無いでしょうけど。
私はハンギョレ紙があの様に米韓同盟は盤石などと書いてしまう神経の方に呆れてしまいました。そこは勇躍「今こそ我々は自主独立の平和な朝鮮半島を作ろう」と言う様な物言いをするべきなのではないか?文在寅と彼の与党は今まで散々そう言う主張を繰り返し、五輪の時に東京に持ち込んで掲げたナゾの虎の絵だって、全き形の南北朝鮮が独立国として足掻く姿を理想化して描いたのではないのか?「我々はいつでもGSOMIAを廃棄出来る」のではなかったのか?「我々はTHAADミサイルシステムをいつでも撤去出来る」のではなかったのか?駐留米軍(国連軍)も「我々は早急に戦時作戦統制権を取り戻して韓国人が韓国を守る事を実現する」と言っていたのではないのか?そればかりか米韓同盟自体も廃棄する展望があったのでは無いか?いやいやいや。仇敵として牢屋に未だに押し込めて居る朴槿恵女史が天安門の楼上で中共人民解放軍の軍事パレードを閲兵した事は未だに氏の「罪状」のリストには挙げられて居ない。当時も左右問わずに争点としなかった。ハンギョレは米国大使館横を通過するデモ隊が米大使館に向けてレーザーポインターを当てた時にも何ら非難掣肘もせず、米国大使公邸に壁をよじ登って侵入を試みた女子学生の側に立って居たのではないのか?それがどうして今回のバイデン声明には「守ってもらう側」としてヌケヌケと声明の言葉を推し頂いて受け取るのか?わざわざ米韓同盟廃棄を持論とする懐刀を駐米大使に指定して米国から拒否されたりしたのではないのか? これら果敢で系統的なアメリカ相手の自主自立外交の姿勢をどうしてネコの爪の様に今肝心な時に引っ込めるのか?彼らこそ「今我々はタリバンに続け」と言う時なのに。その「正義の旗」をどうしてコッソリ畳んでしまうのか? これには文在寅大好きでハンギョレ大好きだった志位和夫さんもガッカリして居る事でしょう。
自分の国を生命を賭けて、賊軍(反乱派)から守ろう、徹底抗戦して勝利をつかもうと言うのは、世界共通の普遍的行為と思ってましたが、どうも民主主義国、自由主義を標榜し実践する国ではそうであっても、片やそうでもない国があるようです。
アフガニスタンにしろ、朝鮮、ベトナム、中華民国、ドイツ。これらはいずれも同民族内(◯△派、□◯派とか、中国大陸のように民族も異なり、イデオロギーも違う場合もありますが)での内戦です。
特にアフガニスタンと朝鮮が類似していると言われるのは、悪い方の見本としてです。為政者から大衆に至る迄、自国に対する誇り、愛国的精神が乏しい事。右往左往するだけで、勤労意欲もあまり感じられない事。
アフガニスタン、韓国とも頭領が自分と親族ら取り巻きだけ連れて、サッサと逃げ出した身勝手さ。「自分さえ良ければいい」という、人間として最悪の行為の部分です。所詮、国のトップどころか、人の上に立つ人物ではありません。
それはしかしソコの民族自体に問題があると私は思うのですが、その証拠として、脇を固めるべく高官や後任者にも、ロクな奴しか出てこない事で分かります。
バイデン氏は「アフガンと韓国・台湾・NATOは異なる」という趣旨の発言をしました。でも「アフガニスタンと韓国とは違う」と言われても(笑)。
【韓国は中国に靡いて二股外交が中国寄りにシフトしている事で米国を怒らせている】のは間違いなく、バイデン大統領や長官、報道官が強調すればするほど、私達日本人や周辺国、FOIP同盟国は疑ってしまいます。「いざとなったら米国は自国を捨てるのではないか」。
世界の番犬を放棄した米国に、もう余分な力はありません。中国との一方面作戦だけで手一杯です。「自らの国を自ら守ろうとしない国のために米国が戦うことはあり得ない」という事ですが、地球規模で見ると非常に火種が燻る地域・国がそこら中にあるというのは、恐ろしい世の中です。
だから、日本としては米国を始め英国、仏国、ユーロ中小国、豪州、加国、台湾、ASEAN、インドと太い絆を持とうとしているのでしょう。日本も太平洋戦争に負けた原因の一つ、「孤立」を作らず、友邦国を増やせば良いのです。