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文在寅氏の「足元」を見る北朝鮮、米韓演習中止を要求

日本は「米韓同盟消滅」に備え、いっそう強力にFOIP推進を!

韓国メディア『ハンギョレ新聞』に今年3月ごろ掲載された、キル・ユンヒョン記者のレポートを、最近になって読み返すことが増えてきました。というのも、先週唐突に南北朝鮮の連絡線が復活したことに加え、先日は北朝鮮が米韓合同軍事演習の中止を求めた、といった報道もあったからです。見方を変えれば、文在寅政権末期になって、米韓同盟が北朝鮮によって揺さぶられる機会が出てきた、という意味でもあります。

優れたジャーナリスト

メディアの記事を批判的に取り上げる意味

当ウェブサイトでは、普段、韓国メディアの報道をかなり批判的に取り上げることが多いと思います。

その理由は、日本に関する報道にはかなりの歪みが生じていると著者自身が考えているからであり、これに加え、正当な理由もないのに日本を侮辱するような記事が散見されるからでもあります。昨日の『中華秩序の悪夢の前に、なお「日本の原罪」に拘る論者』で取り上げた記事などは、その典型例でしょう。

もっとも、これらの記事については、客観的な事実関係や数字などに照らし、「ここがおかしい」などとツッコミを入れながら読むと、却って日韓関係についての理解が深まるかもしれません。

この点、「ある分野に関してわざと明らかに間違った文章を読ませ、その文章において誤っているポイントをすべて指摘させる」というのは、なかなか良い指導法ではないかと個人的には思いますし、また、明らかに誤った記事を掲載するのは、韓国メディアに限られるものではありません。

そういえば、昨年当ウェブサイトに掲載した『「誤った社説」を利用して作成した対韓輸出管理Q&A』は、東京新聞ウェブに掲載された次のような記事をもとに、「輸出管理」という仕組みそのものと、日本政府が韓国に対して発動した対韓輸出管理適正化措置について整理してみました。

対韓輸出規制 見直しの機会を生かせ

―――2020年6月4日 07時38分付 東京新聞TOKYO WEBより

リンク先は韓国メディアの事例ではありませんが、「ツッコミ読み」ができる好例でもあるため、あえて再掲してみます。

あまり厳しいことを言いたくないのですが、リンク先の社説は、それこそ文章の「頭からしっぽまで」、まるごと事実誤認です。逆に、この社説を読ませて、「どこが間違っているか」を指摘させれば、輸出管理に関して正しく理解しているかどうかの例題として使えるのではないか、と感じてしまうほどです。

これについては、個人的には非常にうまく活用することができたと考えています。

というのも、一見すると支離滅裂でメチャクチャな社説ですが、社説を一問一答形式にして、これに対して法制度面や統計的事実などからツッコミを入れることで、「日本政府が発動した韓国に対する輸出管理の適正化措置」がいったいどういうものだったのか、立体的に理解することができるからです。

まだの方は、是非、これについて読んでみてください。

ただし、コロナ禍の状況が昨年と現時点でまったく異なるためでしょうか、入国制限に関する記述に関しては、状況は大きく変わっていますので、時事的な話題を取り上げている以上、この点についてはご容赦ください。

キル・ユンヒョン氏の論考は例外

ただ、当ウェブサイトとしては韓国メディア(や一部の日本のメディア)の報道をかなり批判的に取り上げることが多いのですが、ものごとには例外があります。

韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に昨年7月、『[キル・ユンヒョンの新冷戦韓日戦1]「昔の良き時代」になぜ戻れないのか』という記事が掲載されました。

これは、ハンギョレ新聞の「統一外交チーム」に所属するキル・ユンヒョン記者(※本稿では原文どおり、カタカナでこう表記させていただきます)が日韓関係について論じた記事であり、記事タイトルに「1」とあるとおり、シリーズ化されたものです。

そして、その最終稿が「18」と題した次の記事です。

[キル・ユンヒョンの新冷戦韓日戦18]「構造的不和」の韓日、対話で解決は可能か

―――2021-03-13 12:44付 ハンギョレ新聞日本語版より

このシリーズ、ごく一部には事実誤認もありますし(たとえば日本の対韓輸出管理適正化措置のことを「輸出規制」、「対抗措置」と称する、など)、また、韓国メディアにありがちな「主語がない文章」も所々出てきますが、こうした点を例外とすれば、全体としては大変に参考になるものばかりです。

正直、「韓国メディアに掲載された記事だ」というだけの理由で忌避する人も多いのですが、このキル・ユンヒョン氏の一連のシリーズ、日本人である私たちが読んでも、「ああ、なるほど」、「そういう視点があるのか」という気づきが得られるのです。

そして、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権には、まさに「奇行」と呼んでも良いような振る舞いが目立つのですが、キル・ユンヒョン氏自身がかなり精緻な取材をする記者らしく、一連の論考を読んでいけば、それらの行動の裏付けが取れる、という代物です。

このため、このシリーズに関しては当ウェブサイトでありがちな「ツッコミ読み」ではなく、本当に参考になる記述をいくつかかいつまんで紹介する、という取扱いに徹したつもりです(ただし、やはり読むうえでは文言を補う必要がある部分もありますが…)。

これを指摘することができるとは…素直に評価したい

そのキル・ユンヒョン氏の記事のすごさは、こんな指摘がなされている点にあります。

2018~2019年に極限に達した韓日対立は、南北関係を改善し朝米間の妥協を促進して朝鮮半島の冷戦秩序を解体しようとした韓国の『現状変更戦略』と、中国の浮上、北朝鮮の核開発に立ち向かうため歴史問題を克服し(12・28合意)『日米韓三角同盟を強固にする』という日本の『現状維持戦略』の間の衝突だ」。

まさに、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏、米国の政治学者で米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザーでもあるエドワード・ルトワック氏などを除けば、日米にもここまでのことをきちんと指摘できる人は少ないのではないかと思います。

そのうえで、キル・ユンヒョン氏は2019年冬、中国・成都(せいと)で行われた日中韓3ヵ国サミットの場で、安倍晋三総理大臣と文在寅氏が対談した際の、両首脳の発言に注目。

簡潔に、次のように指摘します。

韓日首脳が最後に会った成都会談の短い冒頭発言でも、こうした『和解するのが難しい』見解の違いがそのまま表れている。文在寅大統領は『経済・文化・人的交流をはじめとする協力を続け、北東アジアの平和と繁栄に』韓日がともに歩もうと訴えたが、安倍首相は『北朝鮮をはじめ安全保障問題において日韓、日米韓の連帯はきわめて重要だ』と述べた」。

まさにこの「事実」を丹念に追いかけていく姿勢、本当に好感が持てます。

そのうえで、キル・ユンヒョン氏は、前任の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権時代の2015年12月に日本側と取り交わした「日韓慰安婦合意」を、文在寅政権が事実上無効化したことに加え、2018年10月に自称元徴用工判決が下されたことをもって、日本の保守層が韓国を諦めるに至ったと指摘します。

2017年5月に発足した文在寅政権は12・28合意を事実上無力化し、その後2018年10月の最高裁判決が出て、日韓の対立戦線は強制動員の被害問題にまで拡大した。すると、日本の主流保守は韓国に対する期待を事実上あきらめるに至った」。

正直、ハンギョレ新聞という、韓国国内では「左派」とされるメディアで、ここまで冷徹に日韓関係の現状を指摘した論考が掲載されたこと自体、大いなる驚きでしょう。

文在寅政権の奇行の裏に北朝鮮の影

さて、キル・ユンヒョン氏の論考には、問題が皆無とは言いませんが、それでも視座のたしかさについては、私たち日本人にとっても信頼が持てるものだと考えて良いと思います。

考えてみれば、文在寅氏は2019年11月以降、やたらと日本に近づき、安倍総理(2020年9月以降は菅義偉総理大臣)との日韓首脳会談を実施しようと必死になり出しました。

昨年11月には朴智元(ぼく・ちげん)国会情報院長、金振杓(きん・しんひょう)韓日議連会長らがあいついで訪日し、12月には日中韓サミットを、今年5月には米国での日米韓サミットを、6月には英・コーンウォールでの日韓首脳会談を、それぞれ画策したのです。

つい先日も、東京五輪を契機に来日しようとして、それが頓挫しましたが(『「妄言」公使の処遇巡り日本政府「塩対応」を歓迎する』等参照)、考えてみれば、なぜ日本との首脳会談をやりたがっているのかは、非常に不思議でもあります。

そのうえで、本稿で注目したいのは、シリーズのうちのこんな論考です。

[キル・ユンヒョンの新冷戦韓日戦17]韓国、「冷戦秩序」に再び飲み込まれる

―――2021-02-27 09:55付 ハンギョレ新聞日本語版より

長文の論考ですが、読みごたえは抜群です。

最後の期待をかけた2019年10月5日のスウェーデン・ストックホルムでの朝米実務交渉が決裂したという知らせに、大統領府はしばらく沈黙を守った」。

こんな書き出しで始まる記事ですが、これは、韓国が『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』(俗にいう「日韓GSOMIA」)の破棄を撤回する直前の、2019年11月前後の流れを追いかけたものです。

端的にいえば、韓国が「日韓GSOMIA破棄」と「輸出『規制』撤回」を交換しようとしたときの「舞台裏」で、文在寅政権の行動の裏には「北朝鮮」の影が常にチラついていた、というのが、この論考の趣旨ではないかと思います。

すなわち、キル・ユンヒョン氏が指摘する事実から浮かび上がってくるのは、文在寅政権の「奇行」の多くは「北朝鮮」ファクターで説明がつく、という可能性でしょう。

文在寅氏と北朝鮮

文在寅氏の行動ファクターは北朝鮮で説明できる?

この点、文在寅氏がなぜ、日本との首脳会談の開催に拘っているのかという点については、『鈴置論考、「日韓の」ではなく「韓国の」特殊性に言及』でも述べたとおり、当ウェブサイトとしては優れた韓国観察者である鈴置高史氏の提唱する「ブラックスワン・ストーカー説」を推しています。

細部は異なっていますが、キル・ユンヒョン氏の列挙する「事実関係」を追いかけていくならば、結論的にはこの「鈴置説」の正しさを裏打ちしている、という言い方もできるかもしれません。

ちなみに鈴置氏は、「米国の圧力で日韓関係を改善しなければならない」という日韓の一部メディアが喧伝している説には否定的ですが、キル・ユンヒョン氏の論考を読んでみても、「米国が韓国に対し、日韓関係の是正を求めている」という事実を明確に裏打ちする記述は見つかりません。

むしろ、米国も日本も、「日米韓3ヵ国連携」さえうまくいくならば、「日韓関係」自体には興味がない、という態度で一貫しているように思えてなりません。

(※もっとも、ドナルド・J・トランプ政権からジョー・バイデン政権に交代して8ヵ月が経過しようとするなかで、このあたりの事情についてはもう少しモニタリングが必要な部分ではありますが…。)

唐突な南北連絡線の復旧

さて、昨年6月に北朝鮮が遮断していた通信線が、先月27日、突如として全面的に復旧したとする話題については、『唐突な「南北接近」は韓国の対日行動に影響を与えるか』や『韓国メディア、東京五輪と無関係に「南北和解」に期待』でも取り上げたとおりです。

正直、かなり唐突感を抱いたという人は多かったのではないかと思います。

北朝鮮といえば、軍事境界線付近での市民団体のビラ散布を理由に、昨年6月9日、南北間のすべての通信連絡線を遮断し、さらに同月16日には開城(かいじょう)にあった南北連絡事務所を派手に爆破して見せたことも記憶に新しい点でしょう。

この「南北連絡事務所爆破」の背景には、北朝鮮で何らかの権力移譲があったという証拠、という可能性はあるでしょう。

実際、一部報道によれば、開城連絡事務所爆破を指示したのは北朝鮮労働党の副部長に就任したばかりの、北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)の実妹とされる金与正(きん・よしょう)だったともされます。

これに加えて、鈴置論考などを下敷きにするならば、米朝首脳会談で「仲介人」を務めさせてやった韓国が、その「謝礼金」を持ってこないことに対する制裁、といった見方も成り立つかもしれません。

そして、タイミングで連絡線が復旧したというのも、やはり北朝鮮側の狙いを想像しておく価値はあるでしょう。

真っ先に思いつくのは、たとえば①何らかの事情で北朝鮮の経済事情がかなり悪化し、背に腹は代えられなくなったこと、②来年5月の韓国の大統領選に、北朝鮮が何らかの影響を与えようとしていること、といった可能性ではないでしょうか。

北朝鮮が米韓合同軍事演習中止を要求か

こうしたなか、その金与正が米韓合同軍事演習に関し、中止を求めているようです。

金与正氏「希望・絶望の中で選択せよ」 韓米合同軍事演習の中止を圧迫

―――2021.08.02 06:55付 中央日報日本語版より

韓国メディア『中央日報』(日本語版)の記事によれば、金与正は1日、この米韓合同軍事演習を巡って、「南北首脳の意志をはなはだ傷つけ、南北関係の前途をさらに曇らせる」などとする談話を発表したのだそうです。

まさに、文在寅氏に対し、「北朝鮮を取るか、米国を取るか」という選択を突き付けたような格好ですが、あと9ヵ月少々で任期を終える文在寅氏にとっては、足元を見られた格好ではないでしょうか。

こうしたなか、中央日報には昨日、こんな記事も掲載されていました。

金与正の「合同訓練延期」請求書…文・バイデン・金の「得失」比較すると(1)

―――2021.08.02 15:52付 中央日報日本語版より

金与正の「合同訓練延期」請求書…文・バイデン・金の「得失」比較すると(2)

―――2021.08.02 15:53付 中央日報日本語版より

中央日報のこの記事では、金与正による米韓合同軍事演習中止要求を「米韓両国に対する請求書」としたうえで、もしもこの8月の演習を延期した場合の米韓朝の得失について比較する、というものです。

中央日報はまず、韓国にとっての利点が「(文在寅氏の)任期末に北朝鮮との対話を再開することができる雰囲気を醸し出すことが可能」、という点にあると説きます。

「~ができる雰囲気を醸し出すことが可能」、という表現、何が言いたいのかよくわかりませんが、ただ、秋口以降に大統領選が本格化していくことを踏まえるならば、「南北関係進展を推進させるなら今がベストタイミング」なのだそうです。

しかし、当たり前の話ですが、米韓合同軍事演習の延期は米韓同盟に亀裂を入れることにつながります。

このあたりは、文在寅氏が残りの任期中の南北関係推進を賭けて、米韓演習の中止に踏み切った場合、米韓同盟に大きな亀裂を入れることにつながりかねません。

かといって、せっかく到来(?)した南北関係改善機会をみすみす失うことになれば、来年5月の退任後は、文在寅氏には監獄か、地上の楽園か、楽園が待っているのではないかと思います(※といっても、文在寅氏の命運は後任大統領次第でも若干影響を受けるのかもしれませんが)。

米国はどこまで許すのか?

なお、中央日報の記事には、ほかにも、米国と北朝鮮の得失について触れられている箇所があるのですが、これについては本稿では取り上げません。適宜ご参照ください。

それよりも、バイデン政権がこの文在寅氏の動きに対し、どのような判断を下すのかについては、ちょっと見極めてみたい気がします。

いちおう、「初動」としては、先週の連絡線開通の際には、国務省のポーター副報道官が現地時間27日付の会見で、「米国は南北間の対話と関与を支持し、通信連絡線復旧の発表を歓迎する」とは述べていたようです。詳細は、韓国メディア『東亜日報』(日本語版)の次の記事もご参照ください。

米国務省「南北対話支持、通信連絡線の復旧を歓迎」

―――2021/07/29 08:39付 東亜日報日本語版より

ただ、北朝鮮が南北対話再開などの条件として、米韓同盟を弱体化させるような要求を突き付けてきた場合、米国がそれを容認するかについては非常に微妙でもあります。というのも、米国が「歓迎する」と述べたのは、あくまでも「対話の再開」に対してであって、「南北和平プロセスに対して」、ではないからです。

バイデン政権が米韓同盟の維持にどこまで本気なのかを探るうえで、合同軍事演習が実施されるのかどうか(あるいは実施されるにしても、規模を縮小するのかどうか)などに関しては、引き続き、注目したいと思う次第です。

あらためてFOIPを!

翻って、日本にとってもこうした動きは大変に重要です。

これまで、日本では「朝鮮半島生命線説」とでも言えばよいのか、日本の安全保障のためには日韓の良好な関係が必要だ、といった考え方(というよりも宗教?)が信じられていたフシがあります。

朝鮮半島生命線説

韓国は地理的に見て日本に非常に近く、この地域が日本の敵対勢力に入れば、日本の安全保障に深刻な脅威をもたらす。だからこそ、日本はあらゆるコストを払ってでも、朝鮮半島を日本の友好国に引きとどめておかなければならない。

ただ、当ウェブサイトとしてはこれまで何度か述べてきたとおり、この「朝鮮半島生命線説」の前半部分については事実であるにせよ、後半部分については「必然的に導き出される結論」であるとは考えていません。

むしろ拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』などでも報告したとおり、前半は前半として深刻に受け止めつつも、後半部分については発想を変え、「むしろその朝鮮半島が日本の友好国ではなくなったとしても、ちゃんと日本の安全を守っていける」ように、体制を構築していくべきだと考えているのです。

というよりも、仮に日本がいくら日韓関係を良好に維持しようと努めたとしても、そのおおもとにある米韓同盟が消滅してしまえば、こうした努力は無意味に待ってしまうでしょう。

だからこそ、日本は「日米韓3ヵ国連携」一辺倒ではなく、ちゃんと国を守っていくだけの体制を構築しなければならないのです。

そのヒントが、「FOIP」でしょう。

これは、日本が現在、事実上の事務局となって推進している “Free and Open Indo-Pacific” 、つまり「自由で開かれたインド太平洋」構想のことですが、個人的には、このFOIPこそ、将来的には「日米韓3ヵ国連携」に代替する安全保障の考え方に発展していくことを期待しているのです。

もちろん、FOIPに参加または関心を示している国々、将来的にFOIPに参加する可能性がある国(日米豪印4ヵ国=クアッド=を筆頭に、カナダ、英国、フランス、台湾など)には温度差もあります。

しかし、日本が「日米韓3ヵ国連携」という古い思想から脱却するためには、このFOIP、そして「価値外交」こそが、日本の将来を決めていくカギであることは間違いありません。

そして、韓国がFOIPにも価値外交にも関心を示していない以上、日本が韓国を除く自由主義国圏をリードしていくならば、その価値連合に韓国の姿がないというのも、ある意味ではやむを得ない話なのかもしれない、と思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (32)

  • 今日は、忙しいので手短に。
    北朝鮮が米韓合同演習の中止を要求しているのは、韓国(米韓同盟)を梃子にして、アメリカに譲歩させようとしているという事で、韓国に対する要求ではありません。
    このように、日米と価値観の違う韓国が味方側にいると、北朝鮮のみならず中国との対応でも、「韓国が中朝に利用され、日米の邪魔になる事が起こる」という風に理解すべきだと思います。
    無能なだけで無く、重心が中朝側に有る韓国は、既に日米の安全保障上の脅威です。
    アメリカは、気にせず合同演習を進める判断をしないと、韓国を人質にした北朝鮮外交が続く事になるでしょう。

  • 以前は,韓国には相当数の北朝鮮工作員や新派がいる,と考えていたのですが,最近は,中国系住民や中国共産党の影響下にある人達が,間接的に対北朝鮮政策にも影響を及ぼしているのではないか,と感じています。中国が韓国の世論操作を積極的に行っていることは周知の事実ですし,選挙ともなると,かなり大々的に介入してきます。他方,強烈な反中感情を持つ韓国人も非常に多く,韓国内はある意味バラバラで,韓国人同士がお互いに喧嘩をしているようにも見えます。行動の原動力としては「既得権益を韓国人対立者から守ってくれるのは誰か」「不遇な現状の自分に,金持ちから金を取り上げて自分に回してくれるのは誰か」とか,結構単純な原理なのかもしれません。もちろん,自分が序列上位に立ちたい,という願望も非常に強いでしょう。新北朝鮮派は,もう高齢者の一部だけだと思うのですが,文在寅氏やその支持グループだけは,北朝鮮と特別な関係にあるのかもしれません。北朝鮮は,特権階級の富裕層にも経済的影響が強くでているようで,国内が極めて厳しい状態にあるのは間違いないでしょう。ただ,金正恩氏には正確な報告が上がっていかなくて,あまり現状把握ができてないような気もします。それで,理解不能な政策も多い。

  • 韓国の奇行・文大統領の奇行、、、特に年初からオカシイですね。菅義偉総理ににじり寄ったり、訪日を何度もアレコレと術策を巡らして日本の出方を見る。

    2年前の「日韓GSOMIA破棄」と「輸出管理撤回」を交換せよ、とかステージの違う案件をムリクリ一緒クタにやろうとしたのは、浅薄な韓国では無く、北朝鮮の影があったという趣旨、キル・ユンヒョン氏の話には説得力があります。

    しかし左派系紙とはいえ、キル・ユンヒョン氏は傍系なのでしょうか。韓国内でこの件が大きく取り上げられてた記憶がありません。政権にとって都合が悪いのでしょうね。

    今のタイミングで、軍事連絡線が復旧したというのも、やはり北朝鮮側がイニシアチブを握っている。中国の漁船が何十隻いる、という情報も一方通行。韓国からの発信には応答してないらしい。

    通信線復活は北の窮乏訴え、また米韓合同軍事演習中止を脅迫している為。そんな線、いつでも断線出来ると北朝鮮は考えています。

  • 米国から見た場合、①来年5月までのムンジェイン政権を、対中包囲網に引き込むためのバーター材料として本件をどれだけ使えるか②ここで譲ると、どこまで譲るかさらに北が試してくるリスクを、どう考えるか、だろうと思います。南北問題の進展への関心が高いムンジェイン政権と、対中包囲網の構築に関心が高いバイデン政権ですから、意外と妥協の余地は広いのではないでしょうか。米韓合同軍事演習は、一旦延期または大幅な規模縮小となるのではないか、と予測します。
    キル・ユンヒョン氏の論考については、他の韓国マスコミより数段優れていることは認めますが、根源である”かの国の我が国に対する過剰意識”(反日種族主義という本もありますが)への言及はなく、その意味で、現状の日韓関係の本質を突いているとは思えません。競争心の裏返しが、相手の良いところを取り入れようではなく、相手の粗さがしや嫌がることを理屈を付けてやり通そう(旭日旗や福島風評被害など)というものになれば、どんなに戦略が一致しようと両国関係が、良くなるとは思えません。

  • > 「日米韓3ヵ国連携」さえうまくいくならば、「日韓関係」自体には興味がない
    > バイデン政権が米韓同盟の維持にどこまで本気なのか
    については、米国でも諦めの雰囲気が漂っているのではないでしょうか。

    ときどき一人で取り上げる "THE LONGER TELEGRAM" の以下の記述が、米国の韓国に対する姿勢を如実に表わしているように思えてなりません。

    facilitating the normalization of Japan-South Korea relations to prevent Korea from continuing to drift strategically in China’s direction

    訳しておきましょう。

    韓国が中国の方向に戦略的に漂流し続けることを防ぐために、日韓関係の正常化を促進する

    • The longer telegram 全部は読む気になりませんが、イーシャさんが引用してくれたところは、いつも読ませて頂いてますよ。
      (ありがとうございます)

      なお、今回の訳ですが、drift は「漂流」とは少し違って、「(コースから)それていく、流されていく」かと思います。漂流の「流される」部分は良いのですが、「漂う」の部分が当てはまらない。

      Strategically とあるので、「戦略的に漂う」だと意味が通らないですよね。
      drift strategicallyで、「戦略的に中国の方に流されていく」という意味ではないでしょうか。

  • 韓国人の基本的な勘違いは、”「対話」を通じて解決できる”と信じていることではないでしょうか。もはや韓国は多くの日本国民の信用を失っています。支持率数パーセントの立民政府にでもならない限り、日本の政権が誰に交代したとしても信用できない韓国と「対話」をしようとは考えないでしょう。それは多くの国民が同意しませんし、日韓関係が悪かろうが日本にとって困ることはあまりないからです。
    韓国発と日本の朝日他の韓国紙のほとんどの論説は、両国の戦略のぶつかり合いもさることながら、関係を改善するためには「約束を守る。嘘は言わない」ということを実践して信用を取り戻さねばならないという基本的なことを忘れています。信用されていない相手にいくら「対話」を重ねても関係は進みませんよ。

    • 匿名29号様

      「対話」というより「寝言」じゃないかと。
      頭は夢の中、行動は夢遊病者の様です。

      頬っぺたを引っ叩かないと、目が覚めないでしょうね。

  • キル・ユンヒョン記者の記事は韓国人が書く記事の中ではマシではありますが、やはり私は評価できません。
    輸出管理の理解の間違いは大きいです。韓国の現状変更戦略と日本の現状維持戦略の対立と書いてますがそうではありません。完全かつ検証可能、不可逆な核廃棄(CVID)を目指して圧力による核放棄をせまる日米と、段階的な非核化(日米からすれば北の食い逃げと朝鮮民族の核保有につながる)を目指す韓国、北朝鮮との路線対立だと思います。
    韓国が対立しているのは日本だけでなく米国ですし、さらにいえば北朝鮮制裁の安保理決議も維持されてますからこれは国際社会の意思でもあります。そこを書かないのは意図的なのか分かりませんが、韓国の記者の認識には限界があると思います。

  • おはようございます。

    鈴置氏の2013年の『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』を思い出します。

    反日を隠れ蓑にした離米従中を進める韓国政府が卑日侮日用日を行い、韓国を理解していない米国が日韓関係を仲介して慰安婦合意とGSOMIAを結ばせて。

    その時その時の強者になびき、氏名を強者風にして阿る。

    昔は支那風から日本風に、対戦後は米国風の氏名を用いる韓国が、日本の創氏改名を批判する事に強い違和感を感じます。

    何はともあれ、日韓関係は米韓関係次第だから、米国が韓国を損切りするまでの付き合いを如何に日本に有利に持っていくかですね。

    • 別のタブで曲を聴きながらお楽しみ下さい(*・ω・)ノ

      時の流れに身を任せ 改め 時の強者に身を任せ

      もしも日本と 逢えずにいたら
      コリアは何を してたでしょうか
      迎恩門で 三跪九叩頭
      冊封国の 暮らしでしょうか

      時の強者に 身を任せ
      強者の色に 染められ
      民族の行く末 それさえ
      決める事も叶わない

      だから お願い 傍に居ないで
      今は 現実を 見たくない

      もしも中国に 嫌われたなら
      中国市場 無くしてしまうわ
      GSOMIAなんて 要らないけれど
      米軍無しじゃ 生きてゆけない

      時の強者に 身を任せ
      民族の核に 寄り添い
      統一果たす その為に
      自由さえも 要らないわ

      だから お願い 北の主人(あるじ)よ
      今は 統一しか 見えないの

      時の強者に 身を任せ
      強者の色に 染められ
      民族の行く末 それさえ
      決める事も叶わない

      だから お願い 北の主人(あるじ)よ
      今は 統一しか 見えないの

  • 統一部は早速合同訓練延期を言い出しています。

    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080200661&g=int

    青瓦台は一応「両国で協議中」としているようですが、定期演習なので、本来は協議するも何もないはずです。従って、その協議とやらは、「延期または中止」を韓国側から打診したということであると考えられます。アメリカとしても、もはや文在寅政権に何かを期待しているとは思えないので、延期&図上演習のみくらいまでは、あっさりと受け入れるかもしれませんね。

    しかし、南北回線接続の目的が翁主様の指示を直接伝えるためだったとは。操縦法をよくご存じですね。

  • やはり、北朝鮮も「韓国が選択しろ!」と迫っています。何もしないことを何かのせいにしてウヤムヤに済ませてしまう彼らの体質を充分に理解してるってことなのでしょうね。

    通信線復旧の見返り(請求書)が合同軍事演習の延期だと言うのはその通りなのでしょうね。そして両陣の共通利益が ”R(右派)の排除” にあることも・・。

    それにしたって、”Rの排除”の御旗で得られた通信線復旧の成果?が、「イモート(委員長の実妹)コントロールに翻弄される日々」だったなんてね・・。

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